人気紀行バラエティー『クレイジージャーニー』のやらせ問題は、2019年8月14日に放送されたメキシコの爬虫類ハンター企画で発覚しました。爬虫類研究者の加藤英明さんが珍しい生物を次々と発見・捕獲する映像について、紹介された6種類のうち4種類が、実はロケ前に番組スタッフによって準備された生物だったのです。
2019年9月11日、TBSは不適切な演出を認めて公式に謝罪し、番組を休止。その後、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会も審議入りし、2020年8月には放送倫理違反があったと判断しました。一度は2019年10月に終了した番組ですが、2022年にレギュラー放送が復活しています。さらに2026年にはゴールデン帯から深夜枠へ移動しました。
【クレイジージャーニーのやらせは本当?】2019年の問題を時系列で解説

結論からいえば、クレイジージャーニーのやらせ疑惑は事実です。単なる視聴者の勘違いやネット上の噂ではなく、TBS自身が調査結果を公表し、BPOも番組制作の経緯を検証したうえで放送倫理違反を認定しています。
問題となったのは、番組の人気企画だった「爬虫類ハンター」です。爬虫類研究者の加藤英明さんが、世界各地の珍しい爬虫類を自らの知識と経験を頼りに探し出し、捕獲する姿が人気を集めていました。
ところが、2019年8月のメキシコロケでは、実際にはスタッフが事前に用意した動物を、加藤さんが現地で偶然発見したかのように撮影していたことが判明します。
問題が発覚したのは視聴者からの指摘だった
BPOの2020年8月4日付の委員会決定によると、問題発覚のきっかけは、2019年9月にTBS視聴者センターへ寄せられた電話でした。
視聴者からメキシコ編のロケに不自然な点があるとの指摘を受けたTBSは、担当ディレクターへの聞き取りを実施。指摘された内容が事実だったことを確認し、社内調査に着手しました。
その結果、2019年8月14日に放送した2時間スペシャルと同日深夜のレギュラー放送で紹介した生物6種類のうち、4種類が事前に準備された個体だったと明らかになりました。
番組では、加藤さんが自ら生息地を探索し、珍しい生物を発見したという流れで編集されていました。しかし実際には、現地協力者から借り受けたり、別の場所で捕獲したりした生物を、撮影直前に現場へ配置していたのです。
これは単なる映像の編集上の工夫ではありません。視聴者が最も見たかった「専門家が自分の力で希少生物を探し当てる」という企画の核心部分に関わる問題でした。
【メキシコロケの真相】6種類中4種類が事前準備された捕獲シーンの実態
今回の問題で特に注目すべきなのが、事前に準備されていた4種類の生物と、その撮影方法です。
BPOの検証資料には、TBSの調査結果を踏まえた具体的な準備方法が記録されています。単に動物を見つけやすい場所へ誘導したという程度ではなく、撮影する場所や状況に合わせて個体を配置し、発見・捕獲の場面を作っていました。
事前に準備された4種類の生物
1. メキシコサラマンダー(ウーパールーパー)
繁殖施設から個体を借り受け、ネット状の籠に入れて湖の水中に沈めました。その後、加藤さんが水中を探索して捕獲する場面を撮影しました。
2. アリゲータートカゲ
現地の爬虫類学者が近くの森で捕獲した個体を借り受け、ディレクターが選んだ崖付近に穴を掘って配置。加藤さんをその方向へ誘導しました。
3. メキシコドクトカゲ
現地の協力者が爬虫類の売買業者を通じて入手した個体を用意。探索で見つからなかったため、加藤さんがいない間に岩の下へ配置し、捕獲シーンを撮影しました。
4. ヘルメットイグアナ
メキシコ国立自治大学の研究者が研究目的で飼育・管理していた個体を使用。大学の植物園内に放し、加藤さんが発見して捕獲する場面を撮影しました。
以上の4種類は、いずれも自然環境で偶然発見したものとして放送されていました。しかし、実際には飼育施設や現地協力者から個体を確保し、撮影場所に配置したものでした。
一方、すべての捕獲が演出だったわけではありません。BPOの検証資料では、メキシコ編で紹介された生物のうち、メキシコトゲオイグアナなどは実際に加藤さんが自ら発見して捕獲した経緯が記録されています。
この区別は重要です。問題は加藤さんの専門知識や捕獲技術そのものが虚偽だったということではなく、スタッフが準備した生物を、自然な発見・捕獲として視聴者に見せた制作手法にありました。
加藤英明はやらせを知っていたのか?
この問題では、出演者の加藤英明さんが事前準備を知っていたのかという点にも関心が集まりました。
TBSは当初の謝罪発表で、出演者の加藤さんにも謝罪したと公表しています。また、過去の爬虫類ハンター企画については、事前準備を出演者に伝えていなかったと説明しました。
一方、BPOの聞き取り記録によると、2019年のメキシコロケでは、担当ディレクターが撮影前に「目的の動物が見つからない場合には相談したい」という趣旨の説明をしたとされています。
加藤さんは、その説明について、捕獲できなかったのであれば放送でもその事実を伝えるべきであり、映像として残すなら撮影の経緯も説明すべきだったという考えを述べています。
つまり、BPOの検証から読み取れるのは、加藤さんが具体的な動物の配置や撮影方法を把握して演技したという認定はなされていない、ということです。出演者の専門性と制作スタッフの不適切な演出は分けて考える必要があります。
【TBSの謝罪と追加調査】過去の爬虫類ハンター企画でも不適切な手法が判明
2019年9月11日、TBSは公式サイトなどで「クレイジージャーニー」からの報告とお詫びを発表しました。番組を休止するとともに、過去の爬虫類ハンター企画にも同様の手法がなかったか調査を進めることを明らかにしています。
調査によって分かったのは、メキシコ編だけの問題ではなかったという事実です。
過去10回の企画でも11種類の生物に事前準備
TBSの調査では、メキシコ編以前に放送された爬虫類ハンター企画10回で捕獲したと紹介された生物37種類のうち、11種類に事前準備が関係していたことが判明しました。
ただし、過去の11種類とメキシコ編の4種類では、具体的な方法に違いがあります。
過去の企画では、現地協力者に目的の生物を探してもらい、発見・捕獲した場合には、撮影の前日または当日に元の捕獲場所へ戻してもらっていました。その場所の近くへ加藤さんを案内し、本人が知らないまま探索して捕獲するという方法です。
一方、メキシコ編では、事前に借り受けた生物などを撮影直前に現場へ配置していました。BPOは、この2つの手法を区別して検証しています。
全43種類のうち15種類に問題があった
BPOの最終的な検証資料を整理すると、爬虫類ハンター企画全12回で捕獲したと紹介された生物は合計43種類です。そのうち、メキシコ編の4種類と、それ以前の10回における11種類、合計15種類に問題のある事前準備が関係していました。
残る28種類については、加藤さんが実際に発見・捕獲したものでした。
爬虫類ハンター企画・全43種類の内訳28種類
実際に発見・捕獲
約65.1%:実際の捕獲
約34.9%:事前準備
メキシコ編4種類+過去10回の企画11種類=問題が確認された15種類
出典:BPO放送倫理検証委員会決定第37号。割合は43種類を母数として算出。
この数字からも、番組全体を一律に偽物と評価することが適切ではないと分かります。しかし、企画の魅力を支えていた捕獲シーンの一部が事前準備によって成立していたことは、番組の信頼を大きく損なう結果となりました。
【なぜやらせが起きた?】BPOが指摘した撮れ高と制作体制の問題
クレイジージャーニーのやらせ理由を考えるうえで欠かせないのが、2020年8月4日に公表されたBPO放送倫理検証委員会の決定第37号です。
BPOは単に事前準備を問題視しただけではありません。なぜ現場のディレクターが不適切な手法を選び、なぜ編集や放送の段階で問題を止められなかったのかまで検証しました。
理由1:短期間の海外ロケで撮れ高を確保する必要があった
メキシコロケの現地滞在は4泊5日でした。希少な生物を探す企画としては短い日程であり、現場では限られた時間の中で複数の捕獲シーンを撮影する必要がありました。
希少な動物は、専門家であっても必ず見つけられるわけではありません。生息地まで移動する時間も必要で、探索に数日、場合によっては数週間以上かかることもあります。
ところが、テレビ番組には放送時間があり、予定した尺に見合う映像素材を確保しなければなりません。
BPOは、このような事情から担当ディレクターが「撮れ高」に縛られていたと分析しました。捕獲に成功する映像を撮影して帰らなければならないという意識が、事前準備という不適切な判断につながったと指摘しています。
理由2:担当ディレクターが孤立していた
BPOがもう一つの問題として取り上げたのが、制作体制です。
番組では、ジャーニーごとに担当ディレクターが配置され、企画やロケ準備、撮影、編集などを中心となって進めていました。一方、番組全体で制作方針を共有する会議は開かれておらず、担当者が一人で判断を抱え込みやすい状況があったと検証されています。
今回のメキシコ編では、過去の企画を担当していたディレクターが総合演出に昇格し、別のディレクターが現地ロケを担当しました。
新しい担当者は、過去の爬虫類ハンター企画を見ていたものの、捕獲シーンの撮影方法について十分な確認を行わないまま準備を進めました。上位の担当者との情報共有も不十分で、事前に動物を準備するという判断が放送まで見過ごされました。
理由3:事前準備と演出の境界が曖昧になっていた
海外ロケでは、現地の生物に詳しい研究者やコーディネーターの協力が欠かせません。生息地の情報や撮影許可、安全管理など、事前のリサーチそのものは正当な制作活動です。
しかし、今回の問題では、事前リサーチの範囲を超えて、撮影対象の生物そのものを用意し、自然な発見に見せてしまいました。
BPOは、過去の企画で現地協力者に生物の生息場所を調べてもらい、元の場所に戻してもらう方法についても、番組の目的に照らして許容できるか議論が必要だったと指摘しています。
つまり、現地協力者の情報を活用することと、自然な発見を演出することの間に、明確な倫理的基準が必要だったのです。
BPOの最終判断は「放送倫理違反」
2020年8月4日、BPO放送倫理検証委員会は正式な決定を公表しました。
「本件放送には放送倫理違反があった」
委員会は、事実に依拠する番組である以上、希少生物を自力で発見・捕獲するという企画の核心を事前準備によって置き換えることは、視聴者との約束を裏切るものだと判断しました。
また、面白い映像を確保することに固執するのではなく、現場の状況に合わせて企画を変更する判断力が必要だったと指摘しています。
重要なのは、BPOが問題を担当ディレクター個人だけの責任に限定しなかったことです。制作現場の孤立や情報共有の不足、番組全体のチェック体制など、組織的な問題も指摘しました。
【2019年から2026年まで】番組終了・復活・放送枠変更の全履歴
やらせ問題によって一度終了したクレイジージャーニーですが、その後、視聴者からの支持を背景に復活しました。さらに2026年には放送枠が再び変更されています。
ここで重要なのは、2019年の番組終了と、2026年のゴールデン全国ネット放送終了は、まったく別の出来事だという点です。
クレイジージャーニーの主要な出来事と関係者
この年表で注目したいのは、2019年の問題が番組の終了に直結した一方、BPOの判断が公表された2020年以降も番組の企画自体が完全に消滅したわけではないことです。2021年の特番を経て、2022年にはレギュラー番組として復活しました。
2021年の特番復活から2022年のレギュラー復活へ
番組が再び動き出したのは2021年5月19日です。TBSは約1年8か月ぶりに特別番組を放送し、松本人志さん、設楽統さん、小池栄子さんというおなじみの出演者がスタジオに戻りました。
日刊スポーツがビデオリサーチの調査として報じた世帯平均視聴率は、関東地区で7.8%でした。復活特番に一定の視聴者の関心が集まったことを示す数字です。
その後、2022年10月17日にレギュラー放送が再開。月曜午後9時枠で新たなスタートを切りました。2023年には午後10時枠へ移動し、ゴールデン帯での放送が続きました。
ただし、2019年の問題がなかったことになったわけではありません。番組の復活は、コンテンツとしての人気や独自性が評価された結果であり、過去の放送倫理違反を取り消すものではありません。
2026年現在は深夜枠で放送継続
2026年3月6日、TBSは番組改編説明会で、クレイジージャーニーの全国ネットでのゴールデンレギュラー放送を終了すると発表しました。
ただし、ここで番組自体が完全終了するわけではありません。3月16日の2時間スペシャルの最後に、4月から毎週月曜23時56分開始の1時間番組として放送を継続することが発表されました。
新しい深夜枠での初回放送は2026年4月6日。設楽統さんと小池栄子さんが引き続きMCを務め、丸山ゴンザレスさん、佐藤健寿さん、太田ゆかさん、田中俊行さんら、番組でおなじみのジャーニーも登場しています。
2026年11月3日時点で、TBS公式番組サイトには10月26日放送の第302回が掲載され、次回放送は11月9日(月)23時56分と案内されています。つまり、現在も番組は継続中です。
「ゴールデン全国ネット放送終了」というニュースだけを見ると、再び打ち切られたように感じる可能性があります。しかし、正確にはゴールデン帯の全国ネットレギュラーから深夜枠へ移動したということです。
【クレイジージャーニーの視聴者の評判】やらせ問題後も支持される理由とは?
クレイジージャーニーの評判は、2019年の問題を境に複雑なものになりました。番組の独自性を高く評価する声がある一方、事実に基づく映像だと信じていた視聴者にとって、捕獲シーンの不適切演出は大きな裏切りでした。
番組が支持されてきた理由
この番組の最大の魅力は、一般的な旅行番組では取り上げにくい世界を紹介してきたことです。
危険地帯、少数民族、奇妙な風景、珍しい生物、独特な文化など、通常のテレビ番組では扱いにくいテーマに踏み込み、専門家やジャーナリスト本人の視点から紹介してきました。
BPOも決定第37号の中で、番組が多様な世界や文化を伝え、視聴者の好奇心を刺激してきた点に触れています。マニアックな興味を持つ人物の情熱を映像にするという番組の独自性は、問題発覚後も消えたわけではありません。
また、2016年には第44回放送文化基金賞のテレビエンターテインメント番組部門最優秀賞を受賞しています。番組が単なる刺激的な映像の寄せ集めではなく、独自の紀行バラエティーとして評価されていたことも分かります。
一方で、やらせ問題が残した不信感
視聴者が番組に期待していたのは、出演者が本当に現地へ行き、実際に体験したことを見せてくれるというリアリティーでした。
特に爬虫類ハンター企画では、加藤さんの専門知識や生物を発見した瞬間の興奮が人気の中心でした。だからこそ、撮影のために用意された生物を自然な捕獲シーンとして放送したことは、視聴者にとって大きな問題だったのです。
バラエティー番組には、映像の構成、ナレーション、編集などの演出があります。しかし、実際に起きた出来事と、撮影のために作られた状況を区別できないようにすれば、視聴者は何を信じてよいのか分からなくなります。
この問題は、加藤さんの企画だけに限らず、番組全体のドキュメンタリー性に対する信頼にも影響しました。
視聴率から見える2026年までの変化
復活後の番組は、一定の支持を集めながらも、放送環境の変化に直面しました。
2021年5月の復活特番は関東地区の世帯平均視聴率7.8%を記録しました。一方、2025年12月のスポニチ報道では、最近の平均世帯視聴率は3~4%台で、3%を下回ることもあったと伝えられています。
こうした視聴率の推移に加え、2025年には放送300回を迎え、2026年には放送枠の見直しが行われました。TBS関係者の見解として、専門性の高い企画は深夜帯の方が相性がよい可能性も報じられています。
ただし、世帯視聴率は番組への好感度や、やらせ問題に対する評価を直接測定したものではありません。番組への支持と、テレビ編成上の数字は分けて考える必要があります。
2026年の深夜枠への移動は、番組の完全終了ではなく、独自の企画を継続するための編成変更として受け止めるのが適切です。
【プロの結論】クレイジージャーニーのやらせ問題から学ぶべきこと
今回の問題を振り返ると、最も大きな問題は、単に動物を事前に用意したことではありません。視聴者が番組に期待していた「本当に珍しい生物を探し出す」という体験そのものを、制作側が別のものに置き換えてしまったことです。
番組制作において、撮影前のリサーチや現地協力者の支援は欠かせません。しかし、事前に調査した情報をもとに撮影することと、実際には起きていない発見を起きたように見せることは、明確に異なります。
特に事実に基づく紀行番組やドキュメントバラエティーでは、次の3つが信頼を守る基準になります。
- 事実と演出を区別すること: 再現映像や事前準備した素材を使用する場合は、その経緯が視聴者に分かるようにする。
- 失敗も番組の価値として扱うこと: 希少生物が見つからなかった場合でも、その過程や現地の環境を伝えることで番組は成立する。
- 制作過程を複数人で確認すること: 担当ディレクター一人に判断を集中させず、企画段階から放送まで複数の視点でチェックする。
BPOが示したのも、まさにこうした制作体制の改善でした。面白い映像を撮ることだけを優先すれば、現場はいつの間にか事実よりも演出を重視する方向へ進んでしまいます。
クレイジージャーニーが再び支持されるためには、出演者の個性や未知の世界を紹介する面白さだけでなく、視聴者が映像のリアリティーを信頼できる制作体制が欠かせません。
【クレイジージャーニーのやらせ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クレイジージャーニーのやらせは本当にあったのですか?
A1:はい。TBSが2019年9月11日に不適切な演出を認めて謝罪しました。8月14日放送のメキシコ編では、紹介した生物6種類のうち4種類が事前に準備されたものでした。BPOも2020年8月4日に放送倫理違反を認定しています。
Q2:加藤英明さんもやらせに加担していたのですか?
A2:BPOの検証では、加藤さんが具体的な生物の事前配置を認識して演技したという認定はされていません。撮影前に曖昧な説明を受けた可能性については記録されていますが、TBSは加藤さんにも謝罪しています。
Q3:爬虫類ハンターの企画はすべてやらせだったのですか?
A3:いいえ。全12回で捕獲したと紹介された生物43種類のうち、事前準備が関係していたのは15種類です。残る28種類は実際に発見・捕獲されたものでした。
Q4:クレイジージャーニーは2019年に打ち切りになったのですか?
A4:2019年10月21日にTBSが番組終了を正式発表しました。その後、2021年5月に特番で復活し、2022年10月17日からレギュラー放送が再開されています。
Q5:2026年現在、クレイジージャーニーは放送されていますか?
A5:はい。2026年4月6日からTBSでは毎週月曜23時56分から1時間の深夜枠で放送されています。ゴールデン帯の全国ネットレギュラー放送は終了しましたが、番組自体は継続しています。
Q6:BPOはクレイジージャーニーの何を問題視したのですか?
A6:事前に準備した生物を、出演者が自然に発見・捕獲したように見せたことです。また、撮れ高への過度な依存や、担当ディレクターの孤立、制作スタッフ間の情報共有不足など、番組制作の構造的な問題も指摘しました。
まとめ:クレイジージャーニーのやらせ問題と2026年の現在
クレイジージャーニーのやらせ問題は、2019年8月14日のメキシコ編で紹介された生物6種類のうち4種類が、撮影前にスタッフによって準備されていたことから発覚しました。
TBSは2019年9月11日に謝罪して番組を休止し、10月21日に放送終了を発表。その後、BPOは2020年8月4日に放送倫理違反があったと正式に判断しました。
問題の背景には、短期間の海外ロケで撮れ高を確保しようとするプレッシャーや、制作スタッフの孤立、チェック体制の不足がありました。過去の企画でも11種類に事前準備が確認されており、単発の撮影ミスでは片づけられない問題だったことが分かります。
一方、番組は2021年の特番を経て2022年にレギュラー復活。2026年4月からは毎週月曜23時56分の深夜枠に移動し、11月現在も放送が続いています。
今回の騒動が残した最大の教訓は、テレビ番組の面白さと事実の正確性は両立させなければならないということです。珍しい世界を見せるために必要なのは、作られた奇跡ではなく、現実に起きた出来事を誠実に伝える姿勢です。クレイジージャーニーが再び長く愛される番組になるかどうかは、その信頼をどこまで守れるかにかかっています。