2026年3月に開催された第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。日本国内ではNetflixによる独占ライブ配信が採用され、前回大会までのような地上波テレビでの本戦中継は行われなかった。一方、音声によるラジオ中継は継続され、ニッポン放送を中心とする全国ネットワークが侍ジャパンの試合を届けた。さらに文化放送もアメリカで行われた準々決勝・準決勝・決勝の3試合を実況生中継している。
注目すべきは、ニッポン放送をキーステーションとするネットワークが合計30局に広がったことだ。ただし、30局すべてが毎試合を中継したわけではなく、実際のネット局数は試合ごとに17~25局と異なっていた。この記事では、2026年10月31日時点で確認できる公式発表と大会結果をもとに、放送局一覧、試合別の放送時間、文化放送の担当範囲、Netflixとの違い、radikoでの聴取方法を整理する。
【まず結論】2026年WBCラジオ放送はニッポン放送と文化放送で聴けた

2026年大会の日本国内におけるラジオ中継の中心は、ニッポン放送と文化放送だった。
ニッポン放送は、長年の野球中継で培った制作体制を生かし、「2026 ワールドベースボールクラシック 実況中継」を編成。侍ジャパンが出場する全試合を実況生中継する方針を発表し、全国の系列ネット局と連携した。
一方、文化放送はアメリカ・フロリダ州マイアミで開催される決勝トーナメントに焦点を当てた。日本代表の準々決勝に加え、準決勝と決勝も独自に中継する計画を立て、実況には斉藤一美アナウンサーを起用した。
両局の役割は次のように整理できる。
- ニッポン放送:東京プールから侍ジャパンの試合を追う全国ネット中継。
- 文化放送:アメリカラウンドの注目試合を届ける特別番組。
ここで注意したいのは、ラジオ中継がWBCの全47試合を網羅したわけではないことだ。ニッポン放送は日本代表の試合を中心に編成し、文化放送も対象となる3試合を選んで中継した。
つまり、全試合の映像を楽しむならNetflix、侍ジャパンの試合を音声で追うならニッポン放送、アメリカラウンドの注目カードを聴くなら文化放送という役割分担だった。
【WBCラジオ放送局一覧2026】全国30局の地域別ネットワーク
ニッポン放送が2026年2月1日に公表した公式発表では、同局をキーステーションとして、全国のラジオ局と連携する合計30局のネットワークが発表された。
その内訳は、ニッポン放送1局と、ネットワークに参加する29局だ。
地域別に整理すると、以下のようになる。
北海道・東北エリア
- STVラジオ(北海道)
- 青森放送(青森県)
- IBC岩手放送(岩手県)
- 東北放送(宮城県)
- 秋田放送(秋田県)
- ラジオ福島(福島県)
北海道から東北にかけては、地域の主要ラジオ局がネットワークに参加。東北地方の野球ファンにとっても、地元の放送局を通じて日本代表戦を追える体制となっていた。
関東・甲信越・北陸エリア
- ニッポン放送(東京都・キーステーション)
- 山梨放送(山梨県)
- 北日本放送(富山県)
- 福井放送(福井県)
関東圏の中心となるのがニッポン放送だ。東京を起点に全国へ番組を送り出す役割を担った。
東海エリア
- 静岡放送(静岡県)
- 東海ラジオ放送(愛知県)
- 岐阜放送(岐阜県)
東海地方では、静岡・愛知・岐阜の各局が参加した。
近畿エリア
- 京都放送(京都府)
- 朝日放送ラジオ(大阪府)
- MBSラジオ(大阪府)
- ラジオ関西(兵庫県)
- 和歌山放送(和歌山県)
近畿エリアは5局が参加。大阪を中心に京都、兵庫、和歌山まで広がるネットワークとなった。
中国・四国エリア
- 山陰放送(鳥取県・島根県)
- RSK山陽放送(岡山県)
- 中国放送(広島県)
- 山口放送(山口県)
- 四国放送(徳島県)
- 西日本放送(香川県)
- 南海放送(愛媛県)
中国・四国地方では7局が参加。山陰、山陽、四国それぞれの地域をカバーする構成だった。
九州・沖縄エリア
- 九州朝日放送(福岡県)
- 長崎放送(長崎県)
- 熊本放送(熊本県)
- 南日本放送(鹿児島県)
- ラジオ沖縄(沖縄県)
九州・沖縄では5局がネットワークに参加した。
以上の29局にニッポン放送を加えた30局が、今回発表されたネットワークの全体像となる。
ただし、参加局の一覧に名前があることと、すべての試合を放送することは同じではない。放送局ごとの番組編成や試合日程によって、実際に中継する局数は変動した。
【2026年の試合別日程】ニッポン放送のWBC実況中継は何時からだった?
ニッポン放送の公式番組情報によると、東京プールの日本代表戦は2026年3月6日から10日にかけて実施された。
試合開始時刻とラジオの放送開始時刻は必ずしも一致しない。特に初戦や韓国戦では、試合前の情報を伝えるため、プレーボールより早く番組が始まっていた。
東京プールの日本代表戦
- 3月6日(金)日本対チャイニーズ・タイペイ
ラジオ放送開始18時30分。試合開始19時。日本が13対0で勝利。 - 3月7日(土)日本対韓国
ラジオ放送開始18時。試合開始19時。日本が8対6で勝利。 - 3月8日(日)日本対オーストラリア
ラジオ放送開始19時。試合開始19時。日本が4対3で勝利。 - 3月10日(火)日本対チェコ
ラジオ放送開始18時30分。試合開始19時。日本が9対0で勝利。
侍ジャパンは東京プールを4戦全勝で突破した。ニッポン放送は各試合に実況アナウンサーと解説者を配置し、対戦相手に応じた中継体制を整えた。
準々決勝以降の放送日程
東京プール突破後の日本代表戦についても、ニッポン放送は中継を予定していた。
- 3月15日(日)準々決勝:日本対ベネズエラ。午前10時開始。
- 3月16日(月)または17日(火)準決勝:日本代表が進出した場合に中継予定。
- 3月18日(水)決勝:日本代表が進出した場合に中継予定。
しかし、実際の大会では3月15日の準々決勝で日本がベネズエラに5対8で敗れたため、侍ジャパンの大会はここで終了した。
したがって、ニッポン放送による日本代表戦の実況中継は準々決勝までとなった。準決勝と決勝については、日本代表の進出を条件とする当初の予定と、実際の開催結果を区別する必要がある。
【放送局の役割と関係】ニッポン放送・文化放送・Netflixの違い
2026年WBCの放送体制を理解するには、各メディアが何を担当したのかを整理すると分かりやすい。
| 主体 | 担当内容 | 対象範囲 | 役割 |
|---|---|---|---|
| ニッポン放送 | ラジオ中継制作 | 侍ジャパン出場試合 | キーステーション |
| 全国29ネット局 | ラジオ中継 | 日程に応じた日本代表戦 | 地域別の同時放送 |
| 文化放送 | 独自の実況生中継 | アメリカラウンド3試合 | 準々決勝・準決勝・決勝 |
| Netflix | 映像ライブ配信 | 全47試合 | 日本国内の独占配信 |
| radiko | ラジオのインターネット配信 | 配信対象となる放送番組 | スマートフォン・PCでの聴取 |
特に混同しやすいのが、全国30局と各試合のネット局数の違いだ。
ニッポン放送の公式資料では、実際の中継局数は試合日程や編成の都合によって変わり、各試合で17~25局と説明されていた。
つまり、30局という数字は大会中継に参加するネットワーク全体の規模を表している。毎試合30局が一斉に放送したという意味ではない。
また、文化放送はニッポン放送のネット局として同じ番組を流したのではなく、別の番組として独自に実況生中継を行った。この違いも、2026年大会のラジオ放送を理解するうえで要点だ。
【文化放送の担当範囲】準々決勝・準決勝・決勝の3試合を独自中継
文化放送は2026年1月20日、WBCアメリカラウンドの実況生中継を発表した。
対象となったのは、アメリカ・フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで開催される準々決勝、準決勝、決勝から各1試合、合計3試合だ。
実況を担当したのは、文化放送アナウンサーの斉藤一美。前回2023年大会ではPrime Videoの配信実況を担当しており、今回の大会ではラジオを主戦場として再びWBCの実況に臨んだ。
解説には、前回大会で日本代表の投手コーチを務めた吉井理人が参加した。
さらに3月11日の追加発表では、試合ごとのダブル解説者も明らかになった。
文化放送の実際の中継スケジュール
- 3月15日(日)午前10時:準々決勝・日本対ベネズエラ。解説は吉井理人、中村武志。実況は斉藤一美。
- 3月16日(月)午前8時30分:準決勝・ドミニカ共和国対アメリカ。解説は吉井理人、辻発彦。実況は斉藤一美。
- 3月18日(水)午前8時30分:決勝・アメリカ対ベネズエラ。解説は吉井理人、福留孝介。実況は斉藤一美。
準々決勝では日本代表が敗退したものの、文化放送はその後の準決勝と決勝も予定どおり中継した。
ここがニッポン放送との大きな違いだ。
ニッポン放送は侍ジャパンの試合を中心に追いかける編成だったのに対し、文化放送は日本代表が敗退した後も大会の終盤を伝える役割を担った。
また、決勝戦ではWBC優勝経験を持つ福留孝介が解説に加わり、吉井理人とのダブル解説体制となった。
日本代表の試合だけでなく、世界一を決める最後の一戦までラジオで楽しめる体制が用意されていたことは、今回の中継の特徴だった。
【Netflix独占配信との違い】ラジオ放送はなぜ実現した?
2026年WBCの放送をめぐって最も大きな変化となったのが、Netflixによる日本国内の独占ライブ配信だ。
Netflixは2025年8月26日、WORLD BASEBALL CLASSIC INC.との独占パートナーシップを発表。2026年大会の全47試合を日本国内でライブ配信する体制を整えた。
その結果、本戦の地上波テレビ中継は行われず、映像による試合観戦はNetflixが中心となった。
ただし、ここで誤解してはいけないのが「独占配信」の意味だ。
Netflixが独占したのは日本国内における大会映像の配信であり、ラジオによる音声実況が存在しなかったという意味ではない。
実際、ニッポン放送と文化放送は、それぞれの番組編成に基づいて実況生中継を行っている。
Netflixとラジオの比較
Netflixで楽しめること
- 全47試合の映像をライブ配信で視聴できる。
- 見逃し配信によって試合を後から確認できる。
- 選手の動き、守備位置、打球の方向などを映像で把握できる。
- 日本代表以外の試合も視聴できる。
ラジオで楽しめること
- 実況と解説を通じて試合展開をリアルタイムで把握できる。
- 移動中や仕事中など、画面を見られない環境でも聴ける。
- 放送エリア内ならラジオ受信機で無料聴取できる。
- 放送局や配信条件に応じてradikoでも楽しめる。
両者は競合するというより、異なる観戦スタイルを支える存在だった。
映像を見ながら細かいプレーを確認したい人にはNetflixが適している。一方、通勤や家事の時間に試合経過を追いたい人にはラジオが便利だ。
また、テレビ放送がないことと、ラジオ放送がないことを同一視するのも誤りである。2026年大会では、映像と音声で異なる放送体制が成立していた。
【radikoでの聴き方】地域別の放送局とエリアフリーの注意点
スマートフォンやパソコンからWBCラジオ中継を聴く手段として利用されたのがradiko(ラジコ)だ。
radikoは、ラジオ局の放送をインターネット経由で聴けるサービスで、スマートフォン、タブレット、パソコンなどに対応している。
放送エリア内なら無料でライブ聴取
基本的な利用方法は次のとおり。
- スマートフォンにradikoアプリをインストールする。
- アプリを起動して現在地の放送エリアを確認する。
- 番組検索で「ニッポン放送」または「文化放送」を探す。
- 対象のWBC中継番組を選択する。
- ライブ配信の再生ボタンを押して聴取する。
放送エリア内であれば、無料でライブ聴取できる。会員登録やログインをしなくても利用できる機能がある点も特徴だ。
エリア外から聴く場合はエリアフリー
例えば、ニッポン放送の放送エリア外に住んでいる人が同局の番組を聴きたい場合、radikoプレミアムのエリアフリー機能が選択肢となる。
有料のエリアフリープランなどに登録すると、日本全国の参加ラジオ局の番組を聴取できる。
ただし、注意点もある。
radikoでは、一部のスポーツ中継や特定の番組について、エリアフリーやタイムフリーの配信が制限される場合がある。
また、タイムフリーは過去7日以内の番組を対象とする基本機能だが、スポーツ中継が必ず聴き直せるとは限らない。
そのため、リアルタイムで聴く場合は番組ページに表示される配信状況を確認するのが確実だ。
なお、radikoは日本国内向けのサービスであり、海外からの聴取には対応していない。海外滞在中に日本のWBCラジオ中継を聴く目的で利用する場合は、この制限にも注意したい。
【プロの結論】2026年WBCラジオ放送で押さえるべき3つのポイント
今回のWBCラジオ放送を振り返ると、単に「全国30局で中継した」という数字だけでは実態を十分に理解できない。
重要なのは、放送局の役割、試合ごとのネットワーク、そして映像配信との関係を分けて考えることだ。
第一に、ニッポン放送は侍ジャパンの試合を全国に届ける中心的な役割を担った。29局のネット局を含む30局体制は、全国各地の野球ファンに向けた放送網として機能した。ただし、実際の放送局数は試合ごとに17~25局だった。
第二に、文化放送はアメリカラウンドの3試合を独自中継した。日本代表が準々決勝で敗れた後も、準決勝と決勝の実況を続けた点に特徴がある。
第三に、Netflixの独占配信とラジオ中継は両立していた。映像を独占するサービスが存在しても、音声による観戦方法まで消滅するわけではない。
今後の国際大会でも、視聴方法を選ぶ際には「映像配信の権利」と「ラジオ中継の有無」を別々に確認することが大切になる。
【WBCラジオ放送2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年WBCのラジオ中継はどこの局で聴けましたか?
A1:中心となったのはニッポン放送と文化放送です。ニッポン放送は全国29局のネット局と連携する30局体制で侍ジャパンの試合を中継しました。文化放送はアメリカラウンドの準々決勝・準決勝・決勝から計3試合を独自に実況生中継しました。
Q2:WBCラジオ中継は全国30局すべてで毎試合聴けましたか?
A2:いいえ。30局はネットワーク全体の規模です。ニッポン放送の公式発表によると、実際の中継局数は試合ごとに17~25局で、放送日程や各局の編成によって異なりました。
Q3:Netflixに加入しなくてもWBCを楽しめましたか?
A3:音声によるラジオ中継であれば楽しめました。放送エリア内ではAM・FMラジオやradikoの無料ライブ機能が利用できました。ただし、映像による全47試合の視聴はNetflixの独占配信でした。また、radikoのエリアフリーや一部スポーツ番組の配信には利用条件があります。
まとめ:2026年WBCラジオ放送は全国ネットと独自中継の2本柱だった
2026年WBCのラジオ放送は、ニッポン放送を中心とする全国30局のネットワークと、文化放送によるアメリカラウンドの独自中継によって支えられた。
ニッポン放送は侍ジャパンの全試合を実況生中継する体制を整え、実際には準々決勝までを中継。文化放送は準々決勝、準決勝、決勝の3試合を担当し、日本代表の敗退後も大会終盤の熱戦を伝えた。
一方、映像配信はNetflixが全47試合を独占。ラジオと動画配信では役割が明確に分かれていた。
特に覚えておきたいのは、「全国30局」はネットワーク全体の局数であり、各試合の中継局数は17~25局だったという点だ。
2026年10月31日時点では大会はすでに終了しているが、今回の放送体制は、スポーツ中継の視聴方法が映像だけではないことを示した事例となった。