2026年11月現在、戦隊モノは大きな転換期を迎えている。1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から約50年にわたって続いてきたスーパー戦隊シリーズは、2026年2月8日放送の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』第49話をもってテレビシリーズの一区切りを迎えた。
しかし、特撮ヒーロー番組そのものが終了したわけではない。2026年2月15日には新ブランド「PROJECT R.E.D.」の第1弾『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』がスタート。さらに7月26日からは第2弾『角醒ハンター オメガホーン』が放送され、新しいヒーローの世界が広がっている。
では、スーパー戦隊シリーズは本当に終わってしまったのか。なぜ50年という節目で放送終了に至ったのか。そして、PROJECT R.E.D.は従来の戦隊シリーズと何が違うのか。2026年11月3日時点の公式情報、テレビ朝日の発表、東映の展開、報道された終了の経緯を整理し、戦隊モノの現在と今後を詳しく解説する。
【2026年最新】戦隊モノの今は?スーパー戦隊シリーズはどうなった?

まず押さえておきたいのは、スーパー戦隊シリーズのテレビ放送が終了したことと、日本の特撮ヒーロー文化が終わったことは別問題だという点だ。
2026年2月8日、テレビ朝日系で放送された『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の最終話「我ら、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー!」によって、1975年から続いたシリーズの定期的なテレビ放送は大きな節目を迎えた。
同作はスーパー戦隊シリーズの第49作にあたる50周年記念作品。2025年2月16日に放送を開始し、約1年間にわたって日曜朝のヒーロー番組として放送された。
ゴジュウジャーの最終回は2026年2月8日
テレビ朝日の公式ストーリー情報によると、最終話では主人公・遠野吠を中心に、ゴジュウジャーの仲間たちとの関係や、これまでの戦いを振り返る展開が描かれた。
最終回のタイトルは「我ら、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー!」。作品の中心にあった指輪争奪戦や、主人公たちがそれぞれ抱えてきた思いに決着をつける物語となった。
また、テレビシリーズの終了と同時に、関連コンテンツまで消滅したわけではない。東映特撮ファンクラブ(TTFC)では、2月8日から「懺悔室 THE FINAL」や東映プロデューサーチームのスペシャル座談会、キャストによるありがとうメッセージなどが配信された。
つまり、テレビ本編は完結しても、作品を楽しめる機会は継続している。
2026年は戦隊から新しい特撮ブランドへ移行した年
ゴジュウジャーの最終回からわずか1週間後の2月15日、同じ日曜午前9時30分の放送枠で新しい特撮映像シリーズ「PROJECT R.E.D.」が始まった。
第1弾となったのは『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』。さらに7月26日には第2弾『角醒ハンター オメガホーン』が放送開始となっている。
この流れを見ると、テレビ朝日系の日曜朝の特撮ヒーロー枠がなくなったわけではない。従来のスーパー戦隊というシリーズブランドから、新たなブランドへと展開の軸が移ったのである。
2026年11月3日時点の状況を整理すると、次のようになる。
- スーパー戦隊シリーズ:ゴジュウジャーでテレビシリーズの一区切り。
- PROJECT R.E.D.:新たな特撮ヒーローブランドとして展開中。
- ギャバン インフィニティ:2026年7月19日にテレビシリーズ最終話を放送済み。
- オメガホーン:2026年7月26日から放送中。
- 全スーパー戦隊展:50周年記念の巡回展示を継続。
「戦隊モノはもう見られない」という理解は正確ではない。従来のスーパー戦隊という名前のテレビシリーズは一区切りを迎えたが、特撮ヒーローの新しい作品は現在も制作・放送されている。
【終了の経緯】スーパー戦隊シリーズはなぜ50年で一区切りになったのか
スーパー戦隊シリーズの放送終了が大きく報じられたのは、2025年10月30日だった。
共同通信は関係者への取材をもとに、テレビ朝日系で放送されていたスーパー戦隊シリーズが、当時放送中だった『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』を最後に終了すると報道した。
1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から続いてきたシリーズが終了するというニュースは、特撮ファンだけでなく、子どもの頃に戦隊作品を見て育った幅広い世代にも大きな衝撃を与えた。
終了報道で指摘された制作費と収益の問題
共同通信やスポーツニッポンなどの報道では、終了の背景として、イベント、関連グッズ、映画化などから得られる収入が番組制作費に見合わない状況が指摘された。
スーパー戦隊シリーズは、テレビ放送だけで成立するコンテンツではない。変身アイテム、ロボット、関連玩具、映画、イベント、キャラクター商品の販売など、複数の事業が連動することでシリーズ全体を支えてきた。
特に、毎年新しい戦隊を登場させる方式では、作品ごとに新しい衣装、変身アイテム、武器、ロボット、敵キャラクターなどを開発する必要がある。撮影現場だけでなく、商品企画や宣伝、イベント運営にも継続的な費用が発生する。
この構造の中で、制作費に対して十分な関連収入を確保できるかどうかが、長期的な番組運営を左右する。
バンダイナムコの公開資料に見る仮面ライダーとの売上差
ビジネス面を考えるうえで参考になるのが、バンダイナムコホールディングスの2025年3月期の公開資料だ。
同社のファクトブックによると、国内トイホビー事業における2025年3月期のIP別売上高は、スーパー戦隊が54億円、仮面ライダーが225億円だった。
仮面ライダーはスーパー戦隊の約4.2倍にあたる。両シリーズとも日本を代表する特撮ヒーローだが、玩具市場における事業規模には大きな差が生じていた。
なお、この数字はバンダイナムコグループの国内トイホビー事業におけるIP別売上高であり、テレビ番組の広告収入や映画興行、ライセンス収入などをすべて合算したシリーズ全体の収益ではない。
したがって、売上差だけを放送終了の直接的な原因と断定することはできない。ただし、毎年新作を制作するビジネスモデルを維持するうえで、玩具関連市場の規模が重要な判断材料になったことは理解できる。
東映の制作体制にも課題があった
2025年10月31日付のデイリースポーツは、東映のキャラクター戦略部に所属する白倉伸一郎氏への事前インタビューを紹介している。
記事では、スーパー戦隊の制作が翌年の企画開発と並行して進められる状況や、担当者の交代によって次年度の作品企画が流動的になりやすい構造が取り上げられた。
同氏は、戦隊シリーズが仮面ライダーと比べて同じことを繰り返しているという印象を持たれやすいことにも触れ、新しい挑戦ができる制作環境を目指していたという。
この証言から読み取れるのは、単に視聴率や玩具売上だけの問題ではないということだ。長寿シリーズであるがゆえに、毎年新しい企画を生み出しながら、従来のブランドイメージも維持しなければならないという難しさがあった。
テレビ朝日は50周年を新しいヒーロー創出の区切りと説明
2025年11月25日のテレビ朝日社長定例会見では、西新社長がスーパー戦隊シリーズの終了について言及した。
スポーツニッポンなどの報道によると、社長は50年という節目を一つの区切りとし、新しいヒーローを生み出したいという考えを説明。長年シリーズを支えたファンへの感謝も述べている。
ここで重要なのは、テレビ朝日が特撮ヒーロー番組そのものから撤退するという説明ではなかったことだ。むしろ、新しい特撮シリーズを提供していく方針が示され、その後PROJECT R.E.D.の始動につながっている。
終了の背景は、経済的な採算性、制作体制、長寿ブランドの刷新という複数の要素から理解する必要がある。
【PROJECT R.E.D.とは】スーパー戦隊終了後に始まった新ブランドの正体
PROJECT R.E.D.は、2026年から展開されている東映・テレビ朝日の新しい特撮映像シリーズだ。
名称のR.E.D.は「Records of Extraordinary Dimensions」の頭文字を取ったもの。日本語では「超次元英雄譚」と表現されている。
テレビ朝日の公式ブランド説明では、赤いヒーローが活躍し、さまざまな世界が次元を超えてクロスオーバーする特撮シリーズとして紹介されている。
PROJECT R.E.D.の基本コンセプト
PROJECT R.E.D.の大きな特徴は、従来のスーパー戦隊のように毎年一つのチームを中心に物語を展開するだけではなく、複数の作品やヒーローが世界観を共有し、クロスオーバーしていく構想にある。
東映の久慈麗人チーフプロデューサーも、各作品のヒーローたちがテレビシリーズ内で次々とクロスオーバーする多面的な展開を想定していると説明している。
つまり、PROJECT R.E.D.は単独作品を並べるだけの名称ではない。作品同士の関係性を生み出し、将来的に共通の世界観を広げていくためのブランドとして設計されている。
第1弾『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』とは
2026年2月15日に放送を開始した『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』は、PROJECT R.E.D.の記念すべき第1弾だ。
作品の原点となるのは、1982年から1983年に放送された『宇宙刑事ギャバン』。メタリックなコンバットスーツと「蒸着」という変身演出で知られる宇宙刑事シリーズの代表作である。
ただし、2026年版は旧作の単純な続編やリメイクではない。テレビ朝日の公式紹介では、従来のギャバンのビジュアルや宇宙を舞台にしたSF要素を受け継ぎながら、最新の映像表現で新たに構築した作品として説明されている。
主人公のギャバン・インフィニティ/弩城怜慈を演じるのは長田光平。物語では、多元宇宙を舞台に、エネルギー生命体エモルギーを悪用する犯罪を追う。
加えて、異なる次元にはギャバン・ブシドーやギャバン・ルミナスなど、別の宇宙刑事も存在する。複数の世界を横断する物語は、PROJECT R.E.D.のブランドコンセプトを具体化したものだ。
同作は2026年7月19日にテレビシリーズの最終話を放送。テレビ放送終了後も、東映特撮ファンクラブなどを通じた関連コンテンツが展開されている。
第2弾『角醒ハンター オメガホーン』も始動
2026年7月26日には、PROJECT R.E.D.の第2弾『角醒ハンター オメガホーン』がスタートした。
本作のコンセプトは、人間と巨大な獣による異色のバディーもの。古代遺物を発掘するトレジャーハンターのシャウトと、封印されていた角獣王・炎角を中心に物語が展開する。
第1弾の宇宙刑事とは異なり、古代生物やハンターバトルを軸にした作品であり、PROJECT R.E.D.が一つのジャンルに固定されていないことが分かる。
2026年11月現在、公式番組情報では『角醒ハンター オメガホーン』がPROJECT R.E.D.の放送作品として掲載されている。
【関係性を比較】スーパー戦隊とPROJECT R.E.D.は何が違う?
スーパー戦隊とPROJECT R.E.D.は、どちらも東映・テレビ朝日が展開する特撮ヒーロー作品だが、ブランドとしての設計には違いがある。
特に混同しやすいのが、PROJECT R.E.D.を「新しいスーパー戦隊シリーズ」と捉えてしまうことだ。放送枠が引き継がれたことと、シリーズそのものが継続していることは同じではない。
それぞれの位置づけを整理すると、次のようになる。
| 名称・作品 | 位置づけ | 特徴・関係性 |
|---|---|---|
| 秘密戦隊ゴレンジャー | スーパー戦隊第1作 | 1975年開始。カラフルな複数のヒーローによるチーム戦を確立。 |
| ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー | スーパー戦隊第49作 | 2025年開始。2026年2月8日に最終回を迎えた50周年記念作品。 |
| PROJECT R.E.D. | 新しい特撮ブランド | 赤いヒーローを中心に、異なる作品や世界観のクロスオーバーを構想。 |
| 超宇宙刑事ギャバン インフィニティ | PROJECT R.E.D.第1弾 | 宇宙刑事ギャバンを新たに構築した多元宇宙を舞台とする作品。 |
| 角醒ハンター オメガホーン | PROJECT R.E.D.第2弾 | 人間と巨大な角獣のバディーを描く作品。2026年7月26日開始。 |
| 仮面ライダーシリーズ | 別ブランドの特撮作品 | 変身するヒーローを中心に、作品ごとに異なる世界観や設定を展開。 |
スーパー戦隊はチームヒーロー、R.E.D.は複数作品をつなぐブランド
スーパー戦隊シリーズの大きな特徴は、複数のヒーローが役割を分担し、協力して戦うチーム構成にある。
レッドを中心に、ブルー、イエロー、ピンク、グリーンなどの色分けされたメンバーが登場し、変身、名乗り、連携攻撃、巨大ロボットによる戦闘などを展開する。
一方、PROJECT R.E.D.は、作品ごとに主人公や世界観を変えながら、異なるヒーロー同士が次元を超えて交差する仕組みを重視している。
もちろん、スーパー戦隊にも複数チームの共演や歴代ヒーローの集合があり、PROJECT R.E.D.にも複数のヒーローが登場する。両者の違いは単純な人数の違いではなく、ブランド全体をどのような世界観で構築するかにある。
ギャバンはスーパー戦隊の一員ではない
もう一つ重要なのが、ギャバンの歴史だ。
1982年の『宇宙刑事ギャバン』は、スーパー戦隊シリーズではなく、宇宙刑事シリーズに属する特撮ヒーロー作品である。
そのため、2026年の『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』もスーパー戦隊の第50作ではない。PROJECT R.E.D.という新しいブランドの第1作という位置づけだ。
この違いを理解すると、2026年以降の特撮作品を混同せずに楽しめる。
【歴代スーパー戦隊一覧】ゴレンジャーからゴジュウジャーまで49作品
スーパー戦隊シリーズは、1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から2025年開始の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』まで、49作品が制作された。
50周年という数字に対して作品数が49なのは、1975年に始まった第1作から現在までの期間と、毎年の作品数が必ずしも一致しないためだ。実際、1978年には新作テレビシリーズが放送されていない。
ここでは歴代作品を放送開始年順に整理する。
1970年代・1980年代のスーパー戦隊
- 1975年:秘密戦隊ゴレンジャー
- 1977年:ジャッカー電撃隊
- 1979年:バトルフィーバーJ
- 1980年:電子戦隊デンジマン
- 1981年:太陽戦隊サンバルカン
- 1982年:大戦隊ゴーグルファイブ
- 1983年:科学戦隊ダイナマン
- 1984年:超電子バイオマン
- 1985年:電撃戦隊チェンジマン
- 1986年:超新星フラッシュマン
- 1987年:光戦隊マスクマン
- 1988年:超獣戦隊ライブマン
- 1989年:高速戦隊ターボレンジャー
初期作品では、色分けされたヒーローのチーム戦や変身アイテム、巨大ロボットなど、現在まで続くスーパー戦隊の基本的な要素が形作られていった。
1990年代のスーパー戦隊
- 1990年:地球戦隊ファイブマン
- 1991年:鳥人戦隊ジェットマン
- 1992年:恐竜戦隊ジュウレンジャー
- 1993年:五星戦隊ダイレンジャー
- 1994年:忍者戦隊カクレンジャー
- 1995年:超力戦隊オーレンジャー
- 1996年:激走戦隊カーレンジャー
- 1997年:電磁戦隊メガレンジャー
- 1998年:星獣戦隊ギンガマン
- 1999年:救急戦隊ゴーゴーファイブ
1990年代は、従来のヒーローアクションに加え、人間関係や恋愛、葛藤などを取り入れた作品が注目された時代でもある。
特に『鳥人戦隊ジェットマン』は、従来の戦隊作品とは異なるドラマ性を打ち出した代表作として知られている。
2000年代のスーパー戦隊
- 2000年:未来戦隊タイムレンジャー
- 2001年:百獣戦隊ガオレンジャー
- 2002年:忍風戦隊ハリケンジャー
- 2003年:爆竜戦隊アバレンジャー
- 2004年:特捜戦隊デカレンジャー
- 2005年:魔法戦隊マジレンジャー
- 2006年:轟轟戦隊ボウケンジャー
- 2007年:獣拳戦隊ゲキレンジャー
- 2008年:炎神戦隊ゴーオンジャー
- 2009年:侍戦隊シンケンジャー
2000年代は、動物、忍者、恐竜、警察、魔法、冒険など、子どもが親しみやすいテーマを取り入れながら、作品ごとの個性を強めた時期だった。
『侍戦隊シンケンジャー』では松坂桃李、『特捜戦隊デカレンジャー』では後年も高い人気を持つ出演者たちが活躍し、シリーズの俳優育成という側面も広く知られるようになった。
2010年代のスーパー戦隊
- 2010年:天装戦隊ゴセイジャー
- 2011年:海賊戦隊ゴーカイジャー
- 2012年:特命戦隊ゴーバスターズ
- 2013年:獣電戦隊キョウリュウジャー
- 2014年:烈車戦隊トッキュウジャー
- 2015年:手裏剣戦隊ニンニンジャー
- 2016年:動物戦隊ジュウオウジャー
- 2017年:宇宙戦隊キュウレンジャー
- 2018年:快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー
- 2019年:騎士竜戦隊リュウソウジャー
この時期には、過去のスーパー戦隊とのつながりを積極的に取り入れた『海賊戦隊ゴーカイジャー』や、二つの戦隊が対立する『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』など、シリーズの枠を広げる試みが行われた。
2020年代のスーパー戦隊
- 2020年:魔進戦隊キラメイジャー
- 2021年:機界戦隊ゼンカイジャー
- 2022年:暴太郎戦隊ドンブラザーズ
- 2023年:王様戦隊キングオージャー
- 2024年:爆上戦隊ブンブンジャー
- 2025年:ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
2020年代は、コロナ禍による制作環境の変化を経験しながらも、作品ごとの実験的な演出や世界観の構築が進んだ時代だ。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の独特な物語構成や、『王様戦隊キングオージャー』のファンタジー色の強い世界観など、従来の戦隊イメージに収まらない作品も生まれた。
そして、シリーズの歴史を振り返る50周年記念作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が、テレビシリーズの一区切りを飾った。
【人気・評判を検証】スーパー戦隊と仮面ライダーは何が違ったのか
スーパー戦隊シリーズの終了を考える際、よく比較されるのが同じテレビ朝日系の特撮ヒーローである仮面ライダーシリーズだ。
両者は長年にわたって同じ日曜朝の時間帯で親しまれ、子ども向け番組としてだけでなく、若手俳優の活躍の場としても知られてきた。
しかし、作品の構造や商品展開には違いがある。
スーパー戦隊は複数のヒーローによるチーム戦が特徴
スーパー戦隊の魅力は、複数のメンバーがそれぞれ異なる役割を持ち、一つのチームとして協力するところにある。
子どもにとっては好きな色やキャラクターを選びやすく、家族や友人同士で異なるヒーローを応援できる点も特徴だ。
加えて、巨大ロボットや合体ギミックは、スーパー戦隊を象徴する商品要素として長く支持されてきた。
仮面ライダーは変身ヒーローとしての個性が強い
一方の仮面ライダーシリーズは、主人公となるライダーの変身や個人の戦いを物語の中心に据える作品が多い。
もちろん複数のライダーが登場する作品もあり、敵対するライダーや複数の陣営が物語に加わることもある。しかし、変身ベルトや個人のフォームチェンジなど、主人公の変身体験を中心にした商品展開が特徴的だ。
この違いは玩具市場にも表れている。
玩具市場では仮面ライダーが優位に立っていた
バンダイナムコの2025年3月期資料では、国内トイホビー事業のIP別売上高は、仮面ライダーが225億円、スーパー戦隊が54億円だった。
仮面ライダーは、変身ベルトや追加アイテムを組み合わせる商品展開を続けており、作品の進行に合わせて新しい商品を投入しやすい構造を持つ。
対してスーパー戦隊の巨大ロボットは、複数のメカを組み合わせる楽しさがある一方、商品をそろえるほど購入金額が大きくなりやすい。すべてのアイテムを集めることが、家庭にとって負担になる場合もある。
もちろん、これは商品構造の一つの見方であり、売上差を一つの理由だけで説明することはできない。作品の人気、販売戦略、購入者層、シリーズごとの商品企画など、複数の要因が影響する。
スーパー戦隊の人気が完全に失われたわけではない
放送終了のニュースに対しては、長年視聴してきたファンから驚きや惜しむ声が上がったことが、2025年10月30日の各メディアの報道でも伝えられた。
また、スーパー戦隊シリーズは若手俳優の登竜門としても知られている。
『侍戦隊シンケンジャー』の松坂桃李、『天装戦隊ゴセイジャー』の千葉雄大、『獣電戦隊キョウリュウジャー』の竜星涼、『烈車戦隊トッキュウジャー』の志尊淳、『動物戦隊ジュウオウジャー』の中尾暢樹など、後年に幅広い映像作品で活躍する俳優を輩出してきた。
海外でも「パワーレンジャー」の名称で展開され、日本発のヒーロー文化として認知されている。
つまり、放送終了と人気の消滅は同じではない。テレビ番組としての事業判断と、50年にわたって蓄積された作品の文化的価値は、分けて考える必要がある。
【全スーパー戦隊展2026】50周年イベントはいつ、どこで開催される?
スーパー戦隊シリーズの50周年を記念する大型企画として開催されているのが「全スーパー戦隊展」だ。
1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から2025年の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』まで、歴代作品の歴史を振り返る展覧会として企画された。
歴代の衣装・小道具・ロボットなど約500点以上を展示
公式展覧会情報によると、展示内容は昭和・平成・令和の3時代に分けて歴代スーパー戦隊を振り返る構成となっている。
注目は、実際の撮影で使用された小道具や衣装、ロボットのミニチュアなど約500点以上の展示だ。
加えて、約300体のヒーローが一堂に集まる「全戦隊立像」も見どころとして紹介されている。
単に歴代作品の映像を振り返るだけでなく、撮影現場で使用された実物資料を通じて、特撮作品がどのように作られてきたのかを体感できるイベントとなっている。
2026年の開催会場と今後の予定
これまで東京、名古屋、仙台、福岡、大阪などで開催され、2026年後半には静岡会場の開催も決定した。
2026年11月3日時点で発表されている静岡会場の概要は以下のとおり。
- 開催期間:2026年12月26日(土)~2027年1月31日(日)
- 会場:静岡市清水文化会館マリナート
- 開催時間:10時~17時
- 休館日:2026年12月31日、2027年1月1日・12日・18日・25日
- 大人料金:当日2,300円、前売2,100円
- 子ども料金:当日1,200円、前売1,000円
静岡会場では、ヒーローと直接交流できる「スーパー戦隊Dream Greeting」も予定されている。日程や参加条件などは公式案内で確認できる。
50周年を記念したイベントが2026年以降も続いていることは、テレビシリーズの終了後もスーパー戦隊の歴史やキャラクターが大切に扱われていることを示している。
【スーパー戦隊は復活する?】2027年以降の展開と今後の可能性
ファンにとって最も気になるのは、スーパー戦隊シリーズが将来復活する可能性だろう。
この点については、2025年11月25日のテレビ朝日社長会見で、将来的な復活の可能性があることが示された。
スポーツニッポンの報道によると、西新社長はシリーズの復活について可能性を認めながらも、現状では確定したことはないと説明している。
復活の可能性は否定されていない
ここで注意したいのは、「復活の可能性がある」という発言は、具体的な新作の制作決定を意味するものではないという点だ。
2026年11月現在、スーパー戦隊シリーズの新しいテレビシリーズが何年に再開するのか、どのような作品になるのかについて、確定した情報は発表されていない。
したがって、「2027年に第50作が始まる」「新しい戦隊が制作決定した」といった情報を見かけても、テレビ朝日や東映による正式発表なのかを確認する必要がある。
今後の注目要点はPROJECT R.E.D.の世界観
今後の特撮ヒーロー展開を考えるうえで注目したいのが、PROJECT R.E.D.だ。
同ブランドは複数作品のクロスオーバーを構想しており、ギャバン インフィニティからオメガホーンへと作品が広がっている。
この仕組みが定着すれば、従来のスーパー戦隊とは異なる方法で、複数のヒーローが共演する新しい特撮文化が生まれる可能性がある。
一方で、スーパー戦隊が50年間築き上げたチームヒーローの魅力を、そのまま引き継ぐわけではない。新ブランドがどのようなファン層を獲得するのか、今後の作品展開が注目される。
これから戦隊モノを見るなら何を選ぶべき?
初めてスーパー戦隊に触れる人には、視聴目的に合わせた作品選びがおすすめだ。
- シリーズの原点を知りたい人:『秘密戦隊ゴレンジャー』。スーパー戦隊の出発点を知ることができる。
- ドラマ性を楽しみたい人:『鳥人戦隊ジェットマン』。人間関係や葛藤を描いた作品として知られる。
- 歴代ヒーローの共演を楽しみたい人:『海賊戦隊ゴーカイジャー』。歴代スーパー戦隊とのつながりが大きな魅力。
- 独特な物語を楽しみたい人:『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』。従来の戦隊作品とは異なる個性的な展開が特徴。
- 最新の50周年作品を見たい人:『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』。シリーズの歴史を意識した記念作品。
- 新しい特撮ヒーローを見たい人:『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』や『角醒ハンター オメガホーン』。
昔の作品を懐かしみたい人は歴代スーパー戦隊を、新しいヒーローの世界観を楽しみたい人はPROJECT R.E.D.を選ぶと、それぞれの魅力を理解しやすい。
【戦隊モノの今】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スーパー戦隊シリーズは2026年に完全終了したのですか?
A1:2026年2月8日の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』最終回をもって、定期的なテレビシリーズは一区切りを迎えました。ただし、作品の配信やイベント、関連商品などは続いています。シリーズの将来的な復活についても可能性は否定されていません。
Q2:PROJECT R.E.D.は新しいスーパー戦隊シリーズなのですか?
A2:厳密には別の特撮ヒーローブランドです。赤いヒーローを中心に、異なる作品や世界観のクロスオーバーを目指しています。第1弾は『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』、第2弾は『角醒ハンター オメガホーン』です。
Q3:ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーの最終回はいつでしたか?
A3:2026年2月8日(日)に放送されました。第49話「我ら、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー!」がテレビシリーズの最終話です。
Q4:スーパー戦隊シリーズが復活する予定はありますか?
A4:2025年11月のテレビ朝日社長会見では、将来的な復活の可能性が示されました。ただし、2026年11月3日現在、具体的な新作の放送開始日や制作決定は公表されていません。
Q5:全スーパー戦隊展は2026年も開催されていますか?
A5:はい。2026年は福岡、大阪などで開催され、次回は静岡会場が予定されています。静岡市清水文化会館マリナートで2026年12月26日から2027年1月31日まで開催される予定です。
まとめ:戦隊モノは終わりではなく、新しいヒーロー時代へ
2026年の戦隊モノを取り巻く状況は、50年続いたスーパー戦隊シリーズのテレビ放送が一区切りを迎え、新しい特撮ヒーローブランドへと移行した段階にある。
1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まった歴史は、49作品目の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』で大きな節目を迎えた。2026年2月8日の最終回は、一つの長寿テレビシリーズの歴史を締めくくる出来事だった。
その一方で、テレビ朝日と東映はPROJECT R.E.D.を始動させ、『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』『角醒ハンター オメガホーン』という新しい作品を展開している。
終了の背景には、関連商品やイベント収益と制作費のバランス、制作体制の課題などが報道されてきた。しかし、50年間にわたって蓄積された作品、俳優、キャラクター、ファンの思い出まで失われたわけではない。
また、テレビ朝日社長は将来的な復活の可能性を否定していない。今後の再開が確定しているわけではないものの、スーパー戦隊の名前が再びテレビに戻ってくる可能性は残されている。
2026年は、戦隊モノの歴史が終わった年というより、半世紀続いたブランドの続いて、どのようなヒーロー文化が生まれるのかを考える転換点だ。スーパー戦隊の思い出を振り返りながら、新しいPROJECT R.E.D.の成長にも注目したい。