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【1】びわの葉は本当に危険なのか?毒性の正体と安全性を検証

天音 栞 天音 栞 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

びわの葉の危険性を判断するには、まず「天然の有害成分が含まれていること」と「通常の飲用で健康被害が発生すること」を区別する必要があります。

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の情報によると、ビワにはアミグダリンという青酸配糖体が含まれています。この成分は種子の仁に多く存在しますが、未熟な果実の果肉や葉、樹皮にも微量に含まれています。

つまり、びわの葉に有害成分がまったく存在しないわけではありません。しかし、種子に含まれる量と葉に含まれる量には大きな違いがあります。

びわの葉に含まれるシアン化合物とは?

シアン化合物とは、体内で分解されることでシアン化水素、一般にいう青酸を生じる可能性がある天然の化合物の総称です。

代表的なものがアミグダリンやプルナシンです。

アミグダリンは、植物自身を外敵から守るための成分と考えられています。人間が摂取した場合、腸内細菌などの酵素によって分解され、青酸が発生する可能性があります。

青酸は細胞のエネルギー産生に関係する働きを阻害するため、高濃度で摂取すると急性中毒につながります。

主な症状は次のとおりです。

- 頭痛、めまい
- 吐き気、悪心、嘔吐
- 血中酸素の低下に伴う皮膚の青白さ
- 血圧低下や意識障害
- 重症の場合はけいれん、呼吸困難、昏睡

摂取量によっては命に関わることもあります。

ただし、これらは主に高濃度のシアン化合物を摂取した場合に問題となる症状です。びわの葉茶を一杯飲んだだけで、直ちに青酸中毒になるという意味ではありません。

アミグダリンは「ビタミンB17」ではない

びわの葉や種子について調べると、「アミグダリンはビタミンB17で健康に良い」という情報を見かけることがあります。

しかし、これは正確ではありません。

アミグダリンは過去にビタミンB17と呼ばれていたものの、人体に必須の栄養素ではなく、欠乏症も確認されていません。そのため、現在ではビタミンとして扱われていません。

また、アミグダリンには抗がん作用があるという宣伝もありますが、科学的な臨床研究ではがん治療に対する有効性が認められていません。

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所も、アミグダリンの摂取による青酸中毒の危険性を指摘しています。

健康効果を期待して、葉や種子を大量に摂取することには合理的な根拠がありません。

【2】びわの葉と種子の違いは?危険性を分ける決定的なポイント

びわの葉危険

びわの葉の安全性を考えるうえで、最も重要なのが使用する部位です。

同じビワの木から採取した植物であっても、葉と種子ではシアン化合物の含有量が大きく異なります。

葉と種子ではアミグダリンの含有量が違う

ビワの種子は、内部にある白い仁の部分にアミグダリンが多く含まれています。

一方、葉に含まれるアミグダリンは微量です。

鹿児島県環境保健センターが公表した2023年の調査研究では、ビワの葉と種子の仁をそれぞれ検査し、シアン化合物の含有量に大きな差があることが確認されました。

特に種子の仁は高濃度であり、通常の食品としてそのまま食べることには危険があります。

部位別の危険性を比較

比較項目 びわの葉 びわの種子(仁)
アミグダリン 微量 多く含む
シアン化合物 比較的低濃度 高濃度になりやすい
2023年の検査 ND~3.1μg/g 990.1~1653.7μg/g
主な注意点 濃縮・大量摂取に注意 生食・粉末の摂取を避ける
安全性の判断 製品ごとの検査が必要 農林水産省が粉末の摂取を禁止するよう注意喚起

出典:鹿児島県環境保健センター所報第24号(2023年)。NDは定量下限値0.5μg/g未満。

この比較から分かるのは、びわの葉と種子を同じ危険度で評価するのは適切ではないということです。

熟した果肉は食べても大丈夫?

ビワの果肉についても、種子と混同しないことが大切です。

農林水産省によると、熟したビワの果肉に含まれるシアン化合物はごくわずかです。通常の食生活で熟した果肉を食べることによる健康影響は無視できるとされています。

一方、種子や未熟な果実には有害成分が多く含まれる可能性があります。

したがって、次の3つは明確に区別してください。

- 熟した果肉:通常の食用として問題ない。
- 葉:微量のシアン化合物が含まれる可能性があり、製品の品質管理が必要。
- 種子の仁:高濃度のシアン化合物を含む可能性があり、特に粉末は食べない。

農林水産省が注意喚起している中心的な対象は、ビワの種子を粉末にした食品です。

【3】国民生活センターの検査結果を検証!びわの葉茶は安全なのか

びわの葉茶の安全性を考える際、特に参考になるのが国民生活センターによる2018年の調査と、鹿児島県環境保健センターによる2023年の調査です。

ここでは、実際に公的機関が測定した数値を確認します。

2018年6月14日:国民生活センターが健康茶を検査

国民生活センターは2018年6月14日、ビワの種子や葉を原材料とする健康茶などの検査結果を公表しました。

調査対象は、ビワを原材料とした健康茶4銘柄、ウメエキス4銘柄、プルーンエキス2銘柄の合計10銘柄です。

このうち、ビワの健康茶4銘柄は次の内訳でした。

- ビワの種子を使用した製品:3銘柄
- ビワの葉を使用した製品:1銘柄

検査結果で特に注目したいのが、葉と種子の違いです。

びわの葉を原料とする健康茶1銘柄では、ティーバッグの内容物から0.3ppmのシアン化合物が検出されました。

10ppmを下回る数値です。

一方、種子を原料とする3銘柄では、ティーバッグの内容物から160~660ppmが検出されました。

加えて、実際に飲む状態を想定して抽出液を検査したところ、1.7~7.3ppmでした。

つまり、種子を使った健康茶は、抽出後には濃度が低下していたものの、飲み方によっては摂取量が増える可能性があったのです。

2023年:鹿児島県が葉と市販の葉茶を追加調査

さらに注目したいのが、鹿児島県環境保健センターの研究です。

同センターが公表した「鹿児島県環境保健センター所報第24号(2023)」には、びわの葉や種子、葉茶のシアン化合物含有量を調べた結果が掲載されています。

検査対象 検体数 シアン含有量
びわの葉 18検体 ND~3.1μg/g
びわの果肉 2検体 ND
びわの種子の仁 5検体 990.1~1653.7μg/g
市販のびわの葉茶 6検体 ND~0.9μg/g

出典:鹿児島県環境保健センター所報第24号(2023年)。

この調査では、びわの葉を11月、2月、4月の異なる時期に採取しています。

その結果、収穫時期にあたる4月の葉で、シアン含有量が若干高い傾向が見られました。

また、市販のびわの葉茶6検体では、シアン含有量は定量下限値未満から0.9μg/gまででした。

研究報告では、葉そのものの含有量が低いことに加え、細切や加工によってさらに減少したと推察しています。

一方、種子の仁では非常に高い数値が確認されています。

同じビワでも、葉と種子のリスクが異なることを示す重要な調査結果です。

2026年10月時点で分かっていること

2026年10月時点で確認できる公的資料のうち、びわの葉と葉茶の具体的な検査数値を示す重要な資料は、国民生活センターの2018年調査と鹿児島県の2023年調査です。

農林水産省の種子に関する注意喚起ページは2021年1月15日更新であり、2025年3月28日更新の鹿児島県の食品安全情報でも、天然のシアン化合物を含む食品としてビワの種子などが取り上げられています。

2026年に新たな全国規模のびわの葉茶検査が公表されたことは、今回確認した資料からは確認できません。

したがって、2018年の一銘柄の結果だけで、現在販売されているすべてのびわの葉茶が安全だと判断することはできません。2023年の県の検査結果も、調査対象となった製品や検体についての結果です。

【4】シアン化合物10ppm基準とは?びわの葉茶の安全基準を正しく理解

びわの葉の危険性を調べると、必ずといってよいほど登場するのが「10ppm」という数字です。

この数値は、食品衛生法に基づくシアン化合物の管理で重要な意味を持っています。

ただし、10ppmを単純に「これ以下なら、どんな食品でもいくら飲んでも安全」という意味に解釈するのは間違いです。

10ppmは何を意味するのか

厚生労働省が2018年6月14日に発出した通知では、天然にシアン化合物を含むことが知られている食品について、自主検査などによって10ppmを超えないよう適切に管理することが示されています。

対象食品には次のものが含まれています。

- 亜麻の実
- アンズの種子
- ウメの種子
- ビターアーモンド
- キャッサバ
- キャッサバの葉
- ビワの種子

10ppmは、重量換算で10mg/kg、つまり10μg/gに相当します。

特に重要なのは、ビワの種子が対象に含まれている一方、ビワの葉そのものは、この通知に列挙された自主検査対象食品には含まれていない点です。

そのため、10ppmをすべてのびわの葉製品にそのまま適用される一律の安全基準と理解するのは正確ではありません。

ティーバッグの内容物と抽出液は別に考える

もう一つ見落としやすいのが、ティーバッグの中身と、実際に飲む抽出液の違いです。

厚生労働省の通知では、葉や種子の破砕片をティーバッグに入れ、お湯で抽出して飲む食品について、バッグの内容物が10ppmを超えていても、抽出液が10ppmを超えない場合には、直ちに食品衛生法違反として扱わないという考え方が示されています。

これは、原材料の濃度と、最終的に人が摂取する食品の濃度が必ずしも一致しないためです。

ただし、濃度だけでなく、実際にどれだけの量を飲むかも重要になります。

10ppm未満でも飲み過ぎに注意する理由

国民生活センターの2018年調査では、種子を使用した健康茶の抽出液がすべて10ppm未満だったにもかかわらず、飲み方によっては健康への影響が懸念される結果が示されました。

同センターが参考にした欧州食品安全機関(EFSA)の急性参照用量は、体重1kg当たり20μgです。

例えば、体重60kgの人がシアン化合物7ppmの飲料を200mL飲む場合、すべてのシアン化合物が青酸に変化すると仮定すると、摂取量は体重1kg当たり約23μgとなります。

これは急性参照用量を超える計算です。

ただし、この例は種子を原料とした健康茶についての評価であり、びわの葉茶1杯が同じリスクを持つという意味ではありません。

濃度が低いことと、摂取量を無制限に増やしてよいことは別問題です。

【5】びわの葉茶の副作用と飲み過ぎの注意点!避けたい5つの使い方

びわの葉茶を利用する場合、問題になるのは原材料だけではありません。

濃度、抽出方法、摂取量、製品の品質管理によっても安全性の判断は変わります。

① 種子や種子粉末を葉茶と混同する

最も避けたいのは、びわの葉茶とビワの種子を使った健康茶を同じものとして扱うことです。

種子を粉末にした食品は、シアン化合物を高濃度で含む場合があります。

農林水産省は、ビワの種子粉末を食べないよう注意喚起しています。

「ビワを丸ごと使った健康食品」「種子も葉も入った自然派茶」など、原材料の部位が明確でない商品には注意してください。

② 濃く煮出して飲む

通常の抽出方法よりも、ティーバッグの数を増やしたり、お湯の量を減らしたりすれば、飲料の濃度が高くなる可能性があります。

国民生活センターも、種子を原料とした健康茶について、濃くして飲まないよう注意を促しています。

商品に書かれた使用方法を守り、自己判断で濃縮することは避けてください。

③ 飲む量を増やし続ける

健康茶という名前から、たくさん飲むほど健康に良いと考える人もいます。

しかし、アミグダリンを含む食品では、そのような考え方は危険です。

特に、摂取目安量が明記されていない製品や、成分検査の情報がない製品については、飲用量を自己判断で増やさないでください。

びわの葉茶について、すべての製品に共通する安全な一日摂取量が公的に確立されているわけではありません。

④ 自宅で採取した葉を自己流で加工する

庭や近所のビワの木から葉を採取し、自宅で乾燥させてお茶にする方法もあります。

しかし、葉の状態や採取時期、原材料の品質、加工方法によって成分量は変わります。

鹿児島県の研究でも、採取時期によって葉のシアン含有量に違いが見られました。

市販品の検査結果を、そのまま自宅で加工した葉に当てはめることはできません。

食品として製造・品質管理された製品を選ぶ方が、成分や使用方法を確認しやすくなります。

⑤ がんや病気への治療効果を期待して大量摂取する

びわの葉やアミグダリンについては、民間療法や健康情報の中で、さまざまな効能が紹介されています。

しかし、アミグダリンの抗がん作用は臨床研究で認められておらず、健康効果を期待して大量摂取することには危険が伴います。

病気の治療や予防を目的として、医療機関での診察や治療をびわの葉茶に置き換えることは避けてください。

びわの葉茶を選ぶときのチェックポイント

購入する際は、次の点を確認してください。

- 原材料がびわの葉のみなのか、種子も含まれているのか。
- シアン化合物の自主検査が実施されているか。
- 検査結果は原材料だけでなく、最終製品や抽出液についても確認できるか。
- 一日の飲用目安や抽出方法が具体的に記載されているか。
- 製造者や販売者が問い合わせに対応しているか。

検査結果が公表されていない場合は、製造元に確認する方法もあります。

また、飲用後に頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの症状が現れた場合は、飲用を中止して医療機関に相談してください。呼吸困難、けいれん、意識障害などがある場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。

【6】【プロの結論】2026年にびわの葉を安全に利用するための判断基準

ここまでの公的検査と行政資料から、びわの葉の安全性について重要な判断材料が見えてきます。

最も大切なのは、ビワの植物全体を一律に危険と考えるのではなく、使用する部位と実際のシアン化合物濃度を確認することです。

びわの葉茶を選んでもよい人・避けたい人

判断 条件
比較的選びやすい 葉のみを原料とし、品質管理や検査情報が確認できる製品を選ぶ人
慎重に判断したい 検査結果や摂取目安が不明な健康茶を購入しようとしている人
おすすめできない 種子粉末を健康目的で食べようとしている人
避けるべき 自己流で種子を粉末にしたり、濃縮したりして摂取する人
医療相談が必要 病気の治療目的でアミグダリンやびわの葉に依存しようとしている人

葉茶の検査結果だけで安心しない

鹿児島県の2023年調査では、びわの葉茶6検体のシアン含有量はND~0.9μg/gでした。

この結果は、びわの葉茶の安全性を考えるうえで有益な資料です。

一方、検査対象は6検体に限られています。産地や製造工程、原料の状態が異なるすべての製品について、安全性を保証するものではありません。

2018年の国民生活センターの調査でも、種子を使用した健康茶は、抽出後の濃度が10ppm未満でも、飲み方によっては注意が必要とされました。

したがって、検査結果を見る際には、単に数値だけを確認するのではなく、次の3点をセットで判断することが大切です。

1. 何を測定したのか: 乾燥した葉なのか、種子なのか、抽出後の飲料なのか。
2. どの程度の濃度なのか: シアン化合物の測定値と単位が明確か。
3. どれだけ摂取するのか: 一日の飲用目安と抽出方法が具体的か。

この3点が分からなければ、数字だけを見て安全と判断することはできません。

2026年に覚えておきたい3つの事実

- びわの葉にも微量のシアン化合物が含まれる可能性がある。
- 種子の仁は葉と比較してシアン化合物の含有量が非常に高い。
- 市販の葉茶の検査結果は比較的低濃度だったが、製品ごとの品質確認は欠かせない。

びわの葉を必要以上に怖がる必要はありません。しかし、天然由来だから安全、昔から利用されてきたから問題ないという判断も適切ではありません。


【びわの葉の危険性】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:びわの葉には毒がありますか?

びわの葉にはアミグダリンなどの青酸配糖体が微量に含まれる可能性があります。ただし、種子の仁とは含有量が大きく異なります。鹿児島県の2023年調査では、葉18検体のシアン含有量はND~3.1μg/gでした。

Q2:びわの葉茶は毎日飲んでも大丈夫ですか?

検査結果が確認できる葉のみの市販品を選び、商品の飲用方法や目安量を守ることが基本です。ただし、すべての製品に共通する安全な一日摂取量は確立されていません。検査情報のない製品を大量に飲むことは避けてください。

Q3:びわの葉茶を煮出せば毒性はなくなりますか?

煮出すだけでシアン化合物が完全になくなるとはいえません。抽出方法によって飲料中の濃度は変わるため、自己流で長時間煮詰めたり、濃くしたりすることは避けてください。

Q4:びわの種を粉末にして食べても大丈夫ですか?

おすすめできません。農林水産省は、シアン化合物を高濃度に含む可能性があるとして、ビワの種子粉末を食べないよう注意喚起しています。

Q5:びわの葉に抗がん作用はありますか?

びわの葉やアミグダリンに、がんを治療できるという科学的に確立された根拠はありません。アミグダリンはビタミンB17でもなく、大量摂取には青酸中毒の危険性があります。


まとめ:びわの葉は危険?正しい知識で安全性を判断しよう

びわの葉の危険性を判断するうえで、最も重要なのは葉と種子を区別することです。

国民生活センターの2018年調査では、びわの葉を使用した健康茶1銘柄から0.3ppm、鹿児島県の2023年調査では、市販のびわの葉茶6検体からND~0.9μg/gのシアン化合物が検出されました。

これらの結果は、びわの葉茶の含有量が比較的低いことを示す資料です。

一方、種子の仁では990.1~1653.7μg/gという高い数値が確認されており、種子粉末は農林水産省も摂取しないよう呼びかけています。

2026年も、びわの葉茶を選ぶ際には原材料の部位、検査結果、飲用方法を確認することが大切です。

びわの葉そのものを過度に恐れる必要はありませんが、種子粉末の摂取や自己流の濃縮、大量飲用は避けるべきです。

健康茶という名称だけで安全性を判断せず、公的な検査結果と製品ごとの品質情報を確認することが、失敗しない選び方です。

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アイドルグループとアーティストの動向を追うライター。公式サイト・公式SNS・音楽配信のクレジットを照合し、卒業や加入などの発表は必ず一次情報の日付とともに記録します。

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