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【制作背景を解説】ジブリ作品ではない?スタジオポノックとの関係

如月 淳 如月 淳 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
目次

『メアリと魔女の花』を語るうえで欠かせないのが、スタジオジブリとスタジオポノックの関係です。

スタジオポノックはなぜ設立されたのか

スタジオポノックは、ジブリ出身のプロデューサー西村義明が2015年に設立したアニメーション制作会社です。

米林宏昌監督もジブリを退社した後、この新しい制作拠点で長編映画を手がけることになりました。

背景には、スタジオジブリの制作部門が解体されたことがあります。

2016年12月15日には、東京・日比谷の東宝本社で本作の製作発表記者会見が開催され、米林監督と西村プロデューサーが新作への思いを語りました。

スタジオポノックの公式発表では、本作は米林監督にとってジブリ退社後初の長編映画と位置づけられています。

公開までの重要な経緯

年月 出来事 意味
2015年 スタジオポノック設立 新しい制作拠点の誕生
2016年12月 製作発表会見 米林監督の新作として発表
2017年7月8日 全国公開 ポノック初の長編映画が公開
2018年 第41回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞を受賞
2023年 『屋根裏のラジャー』公開 ポノックの長編制作が継続

2017年の公開後、本作は日本映画製作者連盟の年間興行収入資料で興行収入32.9億円を記録しています。2017年公開の邦画興行収入ランキングでは6位に入りました。

加えて、第41回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞に選ばれています。ただし、最優秀賞を受賞した作品は『夜は短し歩けよ乙女』です。

ジブリ作品と混同される理由

本作がジブリ作品と間違われやすい理由は、単に絵柄が似ているからだけではありません。

- ジブリ出身のスタッフが制作に参加している
- 米林宏昌監督が『借りぐらしのアリエッティ』を手がけている
- 西村義明プロデューサーもジブリ作品の制作経験がある
- 手描きアニメーションを中心とした映像表現を引き継いでいる

つまり、制作スタッフの経験や技術にはジブリとの連続性があります。

しかし、制作会社も作品の企画・製作体制も異なります。

『メアリと魔女の花』はスタジオジブリの作品ではなく、スタジオポノックの作品です。

この区別は、作品の評価を考える際にも重要です。

【原作との違い】メアリー・スチュアートの児童文学が原点

メアリーと魔女の花


原作『The Little Broomstick』

著者:

原著刊行:1971年

ジャンル:児童文学・ファンタジー

本作の原作は、イギリスの作家メアリー・スチュアートによる児童文学『The Little Broomstick』です。

1971年に刊行された作品で、孤独を感じている少女メアリーが、田舎で不思議な花やほうきと出会い、魔法の学校へ導かれる物語です。

映画版で加えられた要素

映画版は原作の基本設定を生かしながら、映像作品として再構成されています。

特に注目したいのが、ピーターの存在と物語の展開です。

映画ではメアリとピーターの関係が序盤から描かれ、二人の友情が物語を動かす重要な要素になっています。

また、魔法大学の描写や夜間飛行をめぐる謎、危険な研究なども、映画ならではの視覚的な演出によって表現されています。

原作小説を先に読んでいる人でも、別の作品として楽しめる構成です。

映画と原作の楽しみ方

比較項目 原作小説 映画版
表現方法 文章による心理描写 色彩豊かなアニメーション
主人公 少女メアリー 少女メアリ
舞台 魔法の学校と周辺世界 エンドア大学と魔法世界
物語の魅力 想像力を刺激する冒険 映像と音楽による躍動感
おすすめの楽しみ方 細かな設定を味わう 冒険と人物の表情を楽しむ

原作を読んでから映画を観ると、米林監督がどの部分を映像的に膨らませたのかが見えてきます。

逆に映画から入る場合は、原作を読むことで物語の原点にある児童文学の魅力を再発見できます。

【ネットの反応・炎上の真相】ジブリのパクリという評価は本当?

本作について検索すると、「ジブリに似ている」「パクリではないか」「評価が分かれる理由は何か」といった疑問が見つかります。

この問題は、作品の制作背景と公開当時の批評を分けて考える必要があります。

賛否が分かれた3つのポイント

2017年の公開直後、映画コラムなどでは、本作に対する好意的な評価と厳しい評価の両方が紹介されました。

CINEMAS+の公開当時の批評では、次のような論点が取り上げられています。

1. ジブリらしいファンタジーを楽しめる

肯定的な評価では、昔ながらの冒険ファンタジーの雰囲気や、躍動感のあるアニメーションが支持されました。

魔法のほうきで空を飛ぶ場面や、雲の上に広がる魔法大学の描写は、映像作品としての見どころです。

2. 既存のジブリ作品を連想するという批判

一方、批判的な意見では、キャラクターデザインや世界観、演出に既視感があるという指摘がありました。

特に『魔女の宅急便』など、過去のファンタジー作品と比較する見方が生まれました。

3. ストーリー展開に対する評価の違い

映像面を評価する人がいる一方で、物語の展開が単調に感じられる、登場人物の描写が十分ではないといった批評もありました。

このように、映像美と物語構成のどちらを重視するかによって、作品の評価が変わりやすい特徴があります。

実際に炎上事件があったのか?

ここは誤解しやすいポイントです。

公開当時にはジブリ作品との類似性やオリジナリティーをめぐる批評が存在しました。しかし、それを特定の不祥事や公式な謝罪を伴う炎上事件と同一視することはできません。

また、ジブリ出身者が制作したこと自体は公式に説明されている事実です。

したがって、ネットで見かける「ジブリのパクリが発覚して大炎上した」というような説明は、批評と確認された事件を混同した表現です。

ネット上の反応を読み解くポイント

実際の批評から整理できる主な論点は次のとおりです。

- 映像や背景美術の完成度を評価する見方
- 王道ファンタジーとしての親しみやすさを支持する見方
- ジブリ作品との類似性を気にする見方
- ストーリーのテンポや人物描写に物足りなさを感じる見方

こうした意見は、作品の好みを考えるうえで参考になります。

ただし、特定のSNS投稿が大量に拡散した、あるいは特定の人物が批判の対象になったといった情報を、確認された出来事として扱うことはできません。

【プロの結論】メアリと魔女の花を本当に楽しめる人とは?

本作を評価するときには、スタジオジブリの後継作品というイメージだけで判断しないことが大切です。

米林宏昌監督が新しい制作環境で作り上げた、独立した児童文学原作のファンタジー映画として見ると、作品の特徴が理解しやすくなります。

おすすめできる人

- 魔法や空を飛ぶ冒険ファンタジーが好きな人
- 美しい背景美術や色彩表現を楽しみたい人
- 子どもと一緒に鑑賞できるアニメーションを探している人
- 『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』が好きな人
- 主人公の成長や勇気を描いた物語が好きな人

好みが分かれる可能性がある人

- 複雑な伏線や緻密な世界設定を最優先する人
- 登場人物の心理を長時間かけて掘り下げる作品を好む人
- 過去の名作とは明確に異なる作風を求めている人

作品を深く理解するための3つの視点

第一に、魔法の力と本人の能力を区別すること。

メアリが手に入れた魔法は一時的なものです。力を失った後の行動にこそ、主人公としての成長が表れています。

第二に、ピーターとの関係に注目すること。

メアリの冒険は、単なる自分探しではありません。他人を守るために行動するという選択が物語の重要な転換点になっています。

第三に、スタジオポノックの出発点として鑑賞すること。

本作は、ジブリで培った技術や人材を生かしながら、新しい制作会社としての一歩を踏み出した作品です。

この制作背景を知ることで、映画に込められた挑戦の意味も理解しやすくなります。


【メアリと魔女の花】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:メアリと魔女の花はジブリ作品ですか?

A1:いいえ。スタジオポノックが制作した映画です。米林宏昌監督や西村義明プロデューサーなど、ジブリ出身のスタッフが参加しています。

Q2:メアリと魔女の花の原作は何ですか?

A2:イギリスの作家メアリー・スチュアートによる1971年刊行の児童文学『The Little Broomstick』です。

Q3:メアリと魔女の花は2026年にテレビ放送されますか?

A3:WOWOWの番組情報では、2026年11月8日(日)午後6時15分からの放送予定が掲載されています。最新の放送状況は番組表で確認してください。

Q4:メアリと魔女の花の主題歌は誰が歌っていますか?

A4:SEKAI NO OWARIの「RAIN」です。作品の幻想的な世界観を彩る楽曲として採用されています。

Q5:メアリと魔女の花の続編は制作されていますか?

A5:2026年10月31日時点で、スタジオポノックから続編の正式発表は確認できません。ファンの続編への期待と、制作決定のニュースは区別する必要があります。

まとめ:メアリと魔女の花は2026年も楽しめる冒険ファンタジー

『メアリと魔女の花』は、スタジオジブリ出身の米林宏昌監督と西村義明プロデューサーが、新たな制作会社スタジオポノックから送り出した記念すべき長編第1作です。

2017年7月8日の公開以来、興行収入32.9億円を記録し、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞にも選ばれました。

2026年10月末にはWOWOWでの11月放送予定も掲載されており、動画配信サービスでも視聴機会があります。

本作の本質は、魔法の力を手に入れた少女が、その力に頼るだけではなく、自分の意思で困難に立ち向かう物語にあります。

ジブリ作品との共通点だけで評価するのではなく、原作児童文学の魅力、米林監督の演出、スタジオポノックの制作背景まで含めて鑑賞すると、違った面白さが見えてきます。

魔法が使えることよりも、魔法がなくなったときに何ができるのか。

この問いこそが、2026年に改めて本作を観る価値につながっています。

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如月 淳

芸能・エンタメ領域を10年以上取材してきたデスク。所属事務所の公式リリース、番組公式サイト、配信サービスの告知を一次情報として確認し、裏付けのない情報は記事にしない方針です。

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