2026年11月現在、フィギュアスケートの紀平梨花は、女子シングルからアイスダンスへ転向し、西山真瑚とのカップル「りかしん」として競技を続けている。注目を集めたのは、2026年10月末に開催された東日本選手権だ。リズムダンスで65.79点を獲得して2位発進すると、フリーダンスでも99.53点を記録。合計165.32点で総合3位に入り、全日本選手権への出場を決めた。
2026年は、9月の木下グループ杯で国際大会デビューを果たし、11月の東日本選手権では自己ベストを更新するなど、着実に競技力を伸ばしている。一方、長年苦しんできた右足首の疲労骨折、トヨタ自動車との契約終了、2030年フランス・アルプス冬季五輪への挑戦など、気になる話題も多い。2002年7月21日生まれの紀平は、現在24歳。かつて女子シングルの頂点を争った選手が、なぜ新しい競技人生を選んだのか。その現在地と今後の展望を詳しく整理する。
【2026年最新】紀平梨花の現在は西山真瑚とのアイスダンス「りかしん」

紀平梨花の現在を知るうえで、最も大きな変化は競技種目の転向だ。かつてトリプルアクセルや4回転サルコウを武器に女子シングルで活躍した紀平は、現在、西山真瑚と組んでアイスダンスに取り組んでいる。
2人がカップル結成を発表したのは2025年9月29日。紀平にとっては、長く続いたけがとの闘いを経て、再びオリンピックという目標に向かうための大きな決断だった。
紀平梨花は現在24歳、西山真瑚との新しい競技人生
紀平は2002年7月21日生まれ、兵庫県出身。2026年11月3日時点で24歳だ。2018年のグランプリファイナル優勝、2019年と2020年の全日本選手権連覇など、日本女子フィギュアスケート界を代表する実績を持つ。
パートナーの西山真瑚は2002年1月24日生まれ。アイスダンスの経験を持ち、2025年の冬季アジア大会では銅メダルを獲得した選手だ。
2人の愛称は「りかしん」。紀平の「りか」と西山の「しん」を組み合わせた呼び名で、競技ファンの間でも定着している。
現在の練習拠点はカナダ。モントリオールを中心に、アイスダンスの専門的な技術を磨いている。コーチ陣にはロマン・アグノエル、マリー=フランス・デュブレイユ、パトリス・ローゾンらが名を連ねる。
2026年は競技者として再び存在感を高めるシーズン
2026年8月には、カナダのウォータールーで行われた国内競技会に出場。リズムダンス67.26点で3位、フリーダンス87.49点で6位となり、合計154.75点で7組中4位だった。
続く9月のISUチャレンジャーシリーズ・木下グループ杯2026では、初めて2人そろって国際大会に出場した。紀平にとっては、女子シングルで出場した2022年以来、約4年ぶりの国際大会でもあった。
この大会では合計156.86点で8位。順位だけを見れば上位進出とはならなかったものの、国際舞台で新しいカップルとしての第一歩を踏み出したことに意味がある。
【東日本選手権2026】りかしんはリズムダンス2位発進、総合3位で全日本へ
2026年10月29日から11月1日にかけて群馬県のALSOKぐんまアイスアリーナで開催された東日本選手権は、紀平と西山にとって重要な大会となった。
全日本選手権の予選を兼ねたアイスダンス競技には7組が出場。国内の実力派カップルがそろうなか、りかしんはリズムダンスで自己ベストを更新する65.79点を獲得し、2位につけた。
リズムダンス65.79点、新しいリフトにも注目
10月31日のリズムダンスでは、音楽に合わせたスピード感のある滑りと、息の合ったツイズルが印象を残した。
演技終盤には、西山が紀平を両肩に担ぎ上げ、紀平が後方へ1回転して着氷するアクロバティックな新技も披露。会場から大きな拍手が送られた。
この演技について、ワールド・フィギュアスケートWebなどの報道は、自己ベストの更新と新技の披露を伝えている。
フリーダンス後は合計165.32点で3位
翌11月1日のフリーダンスでは99.53点を獲得。リズムダンスの65.79点と合わせ、合計165.32点で総合3位となった。
ここで押さえておきたいのは、リズムダンスの2位と最終順位の3位は異なるという点だ。大会途中の速報では2位発進が大きく報じられたが、フリーダンス終了後の最終結果では3位となっている。
優勝は吉田唄菜・森田真沙也組の175.82点、2位は櫛田育良・島田高志郎組の165.53点だった。りかしんとの差はわずか0.21点。国内トップ争いに食い込む接戦だった。
オリエンタルバイオの公式競技情報でも、紀平・西山組の総合3位と全日本選手権への出場決定が発表されている。
【りかしんの関係性】紀平梨花と西山真瑚はなぜ好相性なのか
紀平と西山のカップルが注目される理由は、単に有名選手同士が組んだという話題性だけではない。2人が持つ競技経験や身体能力、滑りの特徴が、アイスダンスという種目で補完し合っていることが大きい。
共同通信系のフィギュア専門媒体Deep Edge Plusによる2026年9月のインタビューでは、西山が2人の身長差やアクロバティックな演技を強みとして挙げている。
主要人物・関係者と競技上の役割
| 人物・組織 | 関係・役割 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 紀平梨花 | アイスダンス選手 | 元女子シングル全日本女王。高い身体能力とスケーティング技術を持つ。 |
| 西山真瑚 | 紀平のパートナー | アイスダンス経験者。リフトやペアとしての演技構成を支える。 |
| りかしん | カップルの愛称 | 2025年9月に結成を発表。2030年五輪を目標に活動。 |
| ロマン・アグノエル | コーチ | アイスダンスの技術・演技指導を担う。 |
| マリー=フランス・デュブレイユ | コーチ | 世界トップレベルのアイスダンス指導経験を持つ。 |
| パトリス・ローゾン | コーチ | カップルの競技力向上を支える指導陣の一人。 |
| 鹿島建設・早稲田大学 | 所属・競技活動との関係 | 2026年の選手プロフィールや大学の競技活動情報に登場する。 |
紀平の身体能力と西山のアイスダンス経験
紀平の最大の武器は、長年のシングル競技で培った身体能力だ。ジャンプで世界トップクラスの技術を磨いてきた経験は、アイスダンスでもリフトやターン、身体のコントロールなどに生かせる。
一方、西山はアイスダンスの競技経験を持つ。2020年世界ジュニア選手権への出場経験もあり、ペア競技特有の動きや演技構成への理解がある。
2026年9月の共同通信インタビューで西山は、紀平の身長155センチと自身の171センチという体格差にも言及。難しいリフトやアクロバティックな表現を見せられることがカップルの強みになると説明している。
加えて、2人ともカナダのクリケットクラブで練習した経験がある。滑らかなスケーティングという共通点も、カップルとしての相性を考えるうえで重要だ。
アイスダンスは、単に2人で滑る競技ではない。エッジワーク、ステップ、ツイズル、リフト、音楽との一体感など、多くの要素を高い水準でそろえる必要がある。紀平の身体能力と西山の経験が、今後どこまで融合するかが見どころだ。
【競技復帰の経緯】紀平梨花を苦しめた右足首のけがと転向の理由
紀平が女子シングルで輝かしい成績を残しながら、長期間にわたって大会から遠ざかった背景には、右足首のけががある。
2021年に発覚した右距骨の疲労骨折
紀平は2021年7月に右足の距骨疲労骨折が判明した。距骨は足首の関節を構成する骨の一つで、ジャンプや着氷を繰り返すフィギュアスケートでは負担がかかる部位でもある。
日本スケート連盟が2021年12月22日に公表した全日本選手権の欠場資料では、右距骨疲労骨折と右足関節痛が記載され、安静と治療が必要とされた。
紀平は同年の全日本選手権を欠場。その後も回復に時間を要し、女子シングルの競技生活は長い中断を余儀なくされた。
ジャンプの着氷が課題となり、アイスダンスへ
2025年9月、紀平は自身のSNSで右足の回復状況について説明した。日常的な回復は進んでいたものの、高難度のトウジャンプを複数回繰り返すと痛みが出る場合があり、十分な練習を積める状態ではなかった。
このため、2025年9月に予定されていた中部選手権を欠場。女子シングルで2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪を目指す道も閉ざされた。
そこで新しい可能性として浮上したのがアイスダンスだった。
アイスダンスは女子シングルのように高難度ジャンプの反復着氷を競う種目ではない。ジャンプによる衝撃が右足への負担となっていた紀平にとって、これまで培ったスケーティング技術を別の形で生かせる競技だった。
西山との出会いも転向を後押しした。西山も新しいパートナーを探しており、2人には2030年のオリンピックを目指すという共通の目標があった。
競技復帰から全日本選手権4位までの歩み
紀平と西山は2025年11月の西日本選手権でカップルとして競技デビューを果たした。紀平にとっては約3年ぶりの試合復帰だった。
初戦は合計136.74点で3位。続く2025年12月の全日本選手権では合計144.41点で4位となった。
結成からわずか数カ月で全日本の舞台に戻ったことは、2人の競技への適応力を示す出来事だった。2026年の大会で得点を伸ばしていることを考えると、復帰後も継続的に成長していることが分かる。
【2026年の大会結果】木下グループ杯8位からNHK杯出場へ
2026年シーズンのりかしんは、国内外の大会を通じて経験を積んでいる。特に注目したいのは、木下グループ杯、東日本選手権、そしてこれから迎えるNHK杯という3つの大会だ。
木下グループ杯2026は国際大会デビューで8位
2026年9月4日から6日に東京辰巳アイスアリーナで開催されたISUチャレンジャーシリーズ・木下グループ杯。紀平と西山は初めて2人そろって国際大会に出場した。
リズムダンスは61.37点で8位。フリーダンスは95.49点で9位となり、合計156.86点で総合8位だった。
この大会で特筆すべきなのは、紀平が約4年ぶりに国際大会のリンクへ戻ったことだ。結果だけではなく、国際舞台で新しい種目に挑戦する段階に進んだこと自体が大きな意味を持つ。
東日本選手権では自己ベストを更新
木下グループ杯から東日本選手権までの得点の変化を見ると、成長の度合いが分かる。
- 木下グループ杯:合計156.86点
- 東日本選手権:合計165.32点
- 合計得点の差:8.46点
リズムダンスも61.37点から65.79点へ上昇した。大会ごとに審判構成や競技環境は異なるため単純比較はできないが、自己ベストを更新した事実は前向きな材料だ。
NHK杯2026は11月27日から開催予定
次の大きな注目大会は、ISUグランプリシリーズ第6戦のNHK杯だ。
日本スケート連盟の大会公式サイトでは、紀平梨花・西山真瑚組のアイスダンス出場が発表されている。
- 大会名:ISUグランプリシリーズ2026 NHK杯
- 開催日:2026年11月27日~29日
- 会場:京王アリーナTOKYO
- 出場種目:アイスダンス
- 日本の主なライバル:吉田唄菜・森田真沙也組、櫛田育良・島田高志郎組
11月3日時点では大会前であり、NHK杯の結果はまだ出ていない。東日本選手権での成績を国際舞台でどこまで生かせるかが、次の見どころになる。
【トヨタ自動車との契約終了と2030年冬季五輪】紀平梨花の今後の展望
2026年の紀平をめぐるもう一つの大きなニュースが、トヨタ自動車との所属契約終了だ。
2026年3月31日にトヨタ自動車との契約終了を報告
共同通信の2026年3月31日付報道によると、紀平はトヨタ自動車との所属契約が終了したことを自身のSNSで報告した。
紀平は2020年に同社へ嘱託社員として入社しており、けがで長期間実戦を離れた時期も支援を受けていた。契約終了に際しては、これまでのサポートに対する感謝を伝えている。
ただし、所属契約の終了は競技引退を意味するものではない。2026年にはアイスダンスの大会に継続して出場しており、早稲田大学スケート部への入部も大学側から紹介されている。
また、2026年の選手プロフィールでは鹿島建設の所属選手として紹介されている。トヨタ自動車との契約終了後も、競技者としての活動を続けていることが分かる。
最大の目標は2030年フランス・アルプス冬季五輪
紀平と西山が長期的な目標として掲げているのが、2030年に開催されるフランス・アルプス冬季五輪だ。
2026年8月の日本オリンピック委員会による報道では、紀平は2030年大会を見据え、今季は日本のトップで争い、世界で評価されることを目指す考えを示した。
この目標は、単に過去の実績を取り戻すという意味ではない。女子シングルで培った技術をアイスダンスに応用し、世界のトップカップルと競い合える選手へ成長することが求められる。
2030年に向けて乗り越えるべき3つの課題
1. アイスダンス特有の技術を完成させること
アイスダンスでは、ツイズルやステップシークエンス、リフトなどの技術要素に加え、2人の動きの一致や音楽表現が採点に影響する。紀平はシングルで高いジャンプ技術を持っていたが、アイスダンスでは異なる能力を高いレベルで身につけなければならない。
2. 右足首の状態を管理しながら競技を続けること
アイスダンスへの転向は、右足への負担を考慮した新しい選択だった。ただし、アイスダンスもステップやリフト、ターンなどで身体に負荷がかかる競技である。完全にけがの心配がなくなったと断定できる情報はなく、継続的なコンディション管理が欠かせない。
3. 日本国内の競争を勝ち抜き、国際評価を高めること
2026年の東日本選手権では、総合2位の櫛田・島田組とわずか0.21点差だった。日本のアイスダンスは実力のあるカップルが複数存在し、全日本選手権や国際大会での競争は厳しい。
2030年五輪への道筋を考えるうえでは、国内順位だけでなく、国際大会での成績、技術点、演技構成点、国際的な評価を積み重ねる必要がある。五輪出場は現段階で確定しているわけではなく、今後の競技結果が重要になる。
紀平の強みは、シングルで培った経験と身体能力を持ちながら、24歳で新しい競技に挑戦していることだ。これまでの実績に頼るのではなく、アイスダンサーとしての完成度を高められるかが、2030年への最大の焦点となる。
紀平梨花の現在に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、紀平梨花は何歳ですか?
A1:2002年7月21日生まれで、2026年11月3日時点では24歳です。
Q2:紀平梨花は右足首のけがから完全復帰しましたか?
A2:2025年9月には回復が進んでいる一方、高難度のジャンプを繰り返すと痛みが出る場合があると本人が説明しています。2025年11月にアイスダンスで競技復帰し、2026年も大会に出場していますが、右足首が完全に治癒したという公式発表は確認されていません。
Q3:紀平梨花と西山真瑚は2026年のNHK杯に出場しますか?
A3:出場予定です。日本スケート連盟の公式発表では、2026年11月27日~29日に京王アリーナTOKYOで開催されるNHK杯のアイスダンスにエントリーしています。
Q4:紀平梨花はトヨタ自動車を退社したのですか?
A4:2026年3月31日にトヨタ自動車との所属契約終了を報告しています。これは競技引退の発表ではなく、その後もアイスダンス選手として活動を続けています。
Q5:紀平梨花はなぜ女子シングルからアイスダンスに転向したのですか?
A5:右足首の疲労骨折によって、シングルで必要となる高難度ジャンプの反復練習が難しくなったことが大きな背景です。スケーティング技術を生かせるアイスダンスに新しい可能性を見いだし、西山真瑚と2030年五輪を目指すことを決めました。
まとめ:紀平梨花の現在は再出発の途中、2030年五輪へ続く挑戦
2026年11月現在、紀平梨花は西山真瑚とのアイスダンスカップル「りかしん」として、新しい競技人生を歩んでいる。
2021年に発覚した右足首の疲労骨折は、女子シングルでの活躍を長期間にわたって妨げた。しかし、2025年9月のアイスダンス転向発表、同年11月の競技復帰、全日本選手権4位を経て、2026年には国際大会にも復帰した。
特に東日本選手権2026での総合3位、165.32点という結果は、2人が着実に成長していることを示す。リズムダンスでは65.79点の自己ベストを更新し、国内トップカップルとの差も縮めている。
次の注目は11月27日から開催されるNHK杯だ。その先には2030年フランス・アルプス冬季五輪という大きな目標がある。
紀平梨花の現在を評価する際に大切なのは、女子シングル時代の優勝実績だけで判断しないことだ。アイスダンスへの転向後、どれだけ技術を身につけ、パートナーとの演技を完成させ、国際舞台で結果を残せるか。その成長過程こそが、これからの紀平を追ううえで注目すべきポイントとなる。
かつて女子シングルで日本の頂点に立った紀平梨花は、今、新しいパートナーと新しい夢に向かって滑り続けている。2030年の舞台に立つ日を目指す「りかしん」の挑戦は、まだ始まったばかりだ。