世界一平均身長が高い国はどこなのか。答えはオランダだ。NCD-RisC(非感染性疾患リスク因子共同研究)がまとめた国際比較研究によると、2019年時点で19歳だったオランダ人の平均身長は、男性183.8cm、女性170.4cm。男女ともに世界トップとなっている。
ただし、2026年現在の最新ランキングを調べる際には、調査年と発表年を区別する必要がある。今回の比較の基礎となるのは、2020年に医学誌『The Lancet』に掲載された研究であり、2019年の19歳を対象とする推計値だ。モンテネグロ、エストニア、ボスニア・ヘルツェゴビナなどの上位国、日本人の平均身長との違い、成人全体の平均値との関係まで整理する。
【世界一平均身長が高い国はオランダ!男女ともに首位の理由】

世界一平均身長が高い国として知られるオランダは、男性だけでなく女性のランキングでも1位を獲得している。
この結果を示したのが、2020年に医学誌『The Lancet』に掲載されたNCD-RisCの国際共同研究だ。1985年から2019年までの子ども・青少年の身長とBMIの推移を、200の国・地域について分析した大規模研究である。
研究では、2,181件の人口ベースの調査と約6,500万人分の測定データを統合し、5歳から19歳までの年齢別の平均身長を推計した。
その結果、2019年の19歳男性ではオランダが183.8cm、女性では170.4cmとなり、どちらも世界最高だった。
オランダの平均身長は男性183.8cm・女性170.4cm
オランダの平均身長が際立っているのは、男性だけが高身長というわけではない点だ。女性も170cmを超えており、男女双方で世界トップクラスの数値を記録している。
男性の183.8cmは、日本の19歳男性の172.1cmと比較すると11.7cm高い。女性も170.4cmと、日本の158.5cmを11.9cm上回る。
こうした差は、単純に体格や骨格の違いだけで説明できない。身長は遺伝的な影響を受ける一方、胎児期の発育、幼少期の栄養状態、感染症への曝露、成長期の生活環境など、複数の要因が関係する。
なぜオランダ人は世界的に背が高いのか
オランダ人の高身長には遺伝的背景も関係すると考えられるが、国際研究が示しているのは、身長の国際差を遺伝だけで説明することはできないという点だ。
特に重要なのが、妊娠期から思春期までの成長環境である。十分な栄養を得られること、感染症などによって成長が妨げられにくいこと、子どもの健康状態を維持できることが、成人期の身長に影響する。
一方、「オランダ人は牛乳を大量に飲むから世界一背が高い」といった単一の説明には注意が必要だ。乳製品だけで国別の身長差を説明できるという結果が、今回の国際研究から示されたわけではない。
【男性・女性別の平均身長世界ランキング!上位国を比較】
平均身長の国別ランキングを見る際には、男性と女性を分けて確認することが欠かせない。男女では上位国の顔ぶれに違いがあり、男性ランキングで上位の国が、女性ランキングでも同じ順位になるとは限らない。
男性の平均身長世界ランキング上位4か国
2019年の19歳男性の推計値では、ヨーロッパの国々が上位を独占している。
- 1位:オランダ 183.8cm
- 2位:モンテネグロ 183.3cm
- 3位:エストニア 182.8cm
- 4位:ボスニア・ヘルツェゴビナ 182.5cm
注目したいのは、2位のモンテネグロと1位のオランダの差がわずか0.5cmであることだ。3位のエストニアも182.8cmと、オランダとの差は1cm程度に収まっている。
これらの国では、男性の平均身長が182cmを超えており、世界的に見ても非常に高い水準にある。
女性の平均身長世界ランキング上位4か国
女性のランキングでもオランダが1位だが、男性とは上位国の構成が少し異なる。
- 1位:オランダ 170.4cm
- 2位:モンテネグロ 170.0cm
- 3位:デンマーク 169.5cm
- 4位:アイスランド 168.9cm
女性では、オランダとモンテネグロが170cm前後で並ぶ。デンマークやアイスランドも168cmを超えており、北ヨーロッパから中欧・南東欧にかけて高身長の国が集まっている。
男性ランキングで3位のエストニアや4位のボスニア・ヘルツェゴビナは、女性ランキングの上位4か国には入っていない。この違いが、平均身長の男女別比較で押さえておきたいポイントだ。
【国別平均身長を一覧比較!オランダ・モンテネグロ・エストニア・日本】
各国の平均身長を具体的に比較すると、上位国の数値がどれほど接近しているのか、日本との間にどれほどの差があるのかが分かる。
以下はNCD-RisCの2019年・19歳の推計値を基準にした比較だ。数値は小数第1位に丸めている。
| 国名 | 男性平均 | 女性平均 | 男性の順位 |
|---|---|---|---|
| オランダ | 183.8cm | 170.4cm | 1位 |
| モンテネグロ | 183.3cm | 170.0cm | 2位 |
| エストニア | 182.8cm | 168.7cm | 3位 |
| ボスニア・ヘルツェゴビナ | 182.5cm | 167.5cm | 4位 |
| アイスランド | 182.1cm | 168.9cm | 5位 |
| デンマーク | 181.9cm | 169.5cm | 6位 |
| 日本 | 172.1cm | 158.5cm | 113位前後 |
※順位は男性の平均身長を基準とした参考順位。日本の順位は参照する国・地域の集計範囲や同値の扱いによって表記が異なる。女性の数値は男性の順位を示すものではない。
モンテネグロの平均身長は世界トップクラス
モンテネグロは、男性183.3cm、女性170.0cmという非常に高い数値を示している。
特筆すべきは男女ともにオランダとの差が小さいことだ。男性では0.5cm、女性では0.4cmしか離れていない。国別平均身長を比較する際、オランダだけでなくモンテネグロにも注目する価値がある。
バルカン半島に位置するモンテネグロは、周辺の旧ユーゴスラビア地域とともに高身長の人々が多い地域として知られている。ただし、地域的な遺伝的背景だけでなく、栄養や健康環境などを含めて考える必要がある。
エストニアの平均身長は男性182.8cm
エストニアは男性の平均身長が182.8cmで世界3位。女性も168.7cmと高水準だ。
バルト三国の一つであるエストニアは、北ヨーロッパに近い地理的・歴史的背景を持つ。身長の国際比較では、周辺のラトビアや北欧諸国とともに上位に位置する国の一つだ。
ボスニア・ヘルツェゴビナの平均身長も182cm超え
ボスニア・ヘルツェゴビナは、男性182.5cmで世界4位に位置する。女性も167.5cmとなっている。
モンテネグロと同じバルカン地域に属し、男性の平均身長が非常に高い。世界ランキングを男性基準で見ると、オランダだけでなく南東ヨーロッパにも高身長の国が集中していることが分かる。
【19歳の平均身長と成人全体の平均は違う?2026年最新データの見方】
世界平均身長ランキングを調べる際に、特に間違えやすいのが「19歳の平均身長」と「成人全体の平均身長」の混同だ。
今回のランキングは、2019年に19歳だった人々を対象とした年齢別推計であり、現在の全世代の成人を対象にした平均値ではない。
なぜ19歳の身長を比較するのか
19歳は、多くの人にとって身長の伸びがほぼ落ち着く年齢にあたる。そのため、国ごとの成長環境を比較する指標として利用しやすい。
一方、19歳の数値だけで国民全体の平均身長を判断することはできない。成人全体の平均には、20代から高齢者まで異なる世代が含まれるためだ。
加えて、世代ごとに成長期の栄養状態や生活環境が異なる。高齢者では加齢による身長の変化も影響するため、19歳の推計値と成人全体の測定平均値は別の統計として扱う必要がある。
Lancet 2020の平均身長研究とは
2020年に『The Lancet』に掲載されたNCD-RisCの研究は、200の国・地域を対象に、1985年から2019年までの子どもと青少年の成長を分析したものだ。
この研究の大きな特徴は、単に各国の身長を並べたのではなく、5歳から19歳までの年齢別の変化を推計している点にある。
つまり、同じ国でも5歳時点と19歳時点で、世界ランキング上の位置が異なる可能性がある。幼少期の身長が高いからといって、19歳でも必ず上位に残るわけではない。
2026年最新ランキングと2019年データの関係
2026年に世界の平均身長を調べる場合、検索結果に「2026年最新ランキング」と書かれていても、その数字が2026年に実施された調査とは限らない。
NCD-RisCの公式データ公開ページでは、身長データの主要な出典としてLancet 2020の研究が案内されている。したがって、2026年時点で国際比較の基準として参照する場合も、2019年を対象とした推計値であることを理解しておきたい。
ここで区別すべきなのは、次の3つだ。
- 調査対象年:実際に推計の対象となった時期。
- 研究発表年:論文が公表された年。
- 情報更新年:ランキングサイトやデータベースが更新された年。
例えば、2026年にランキングページが更新されても、掲載されている統計の基準年が2019年なら、2019年の推計値として読むのが正確だ。
【日本人の平均身長は世界で何位?国別の推移と高身長の背景】
日本人の平均身長を世界ランキングと比較すると、オランダやモンテネグロなどの上位国との間に明確な差がある。
日本人の平均身長と中国・韓国との比較
2019年の19歳の平均身長では、日本は男性172.1cm、女性158.5cmと推計されている。
同じ年齢の中国と韓国を比較すると、次のようになる。
- 日本:男性172.1cm、女性158.5cm
- 中国:男性175.7cm、女性163.5cm
- 韓国:男性175.5cm、女性163.2cm
男性では中国が日本より3.6cm、韓国が3.4cm高い。女性では中国が5.0cm、韓国が4.7cm高い計算だ。
東アジアの身長比較では、日本が常に最も高いわけではない。過去には日本の平均身長が伸びた時期もあったが、その後、中国や韓国の成長が進み、世代によって順位が変化している。
過去100年間で平均身長はどう変化したのか
2016年に『eLife』に掲載されたNCD-RisCの別の研究では、1896年から1996年までに生まれた人々を対象に、成人身長の約100年間の推移が分析された。
この研究によると、100年間で最も大きく身長が伸びたのは韓国の女性で、約20.2cmの増加だった。イランの男性も約16.5cm伸びている。
日本でも成人身長は大きく伸びたが、出生コホートで見ると、1960年代前半以降に生まれた人々では伸びが止まったと報告されている。
一方、韓国の女性は長期間にわたって大きな伸びを示し、中国でも日本を上回る成長が確認された。国別平均身長の推移は、遺伝的な背景だけでなく、社会環境や健康状態の変化を反映している。
国ごとの平均身長を左右する主な要因
平均身長の国際差を考えるうえで、特に注目される要素は次のとおりだ。
- 遺伝的要因:身長には遺伝的な影響があり、集団間の体格差にも関係する。
- 妊娠期の環境:胎児の発育や母体の栄養状態が、その後の成長に関係する。
- 幼少期の栄養:成長に必要なエネルギーやたんぱく質、微量栄養素の摂取が重要になる。
- 感染症や疾病:成長期に繰り返す感染症や慢性的な健康問題は、身体の発育に影響する可能性がある。
- 社会経済環境:食料へのアクセス、衛生環境、医療へのアクセスなども成長を左右する。
特に重要なのは、身長が成人になってからの生活だけで決まるものではないという点だ。出生前から思春期までの長い期間にわたる環境が、最終的な身長に影響している。
【プロの結論】平均身長ランキングで本当に見るべきポイント
世界一平均身長が高い国を知るだけなら、オランダという答えで十分だ。しかし、国際ランキングを正しく理解するには、順位だけでなく統計の対象年齢、男女差、調査年、推計方法まで確認する必要がある。
今回のデータから読み取れる要点は3つある。
第一に、オランダは男女ともに世界トップであること。男性183.8cm、女性170.4cmという数値は、他国と比較しても非常に高い。モンテネグロも男女ともに僅差で続いており、世界的な高身長地域の代表例となっている。
第二に、男性と女性ではランキングの顔ぶれが異なること。男性ではエストニアやボスニア・ヘルツェゴビナが上位に入る一方、女性ではデンマークやアイスランドが上位に位置する。男女のデータを混ぜた単一の順位だけでは、こうした違いが見えにくくなる。
第三に、平均身長は国の成長環境を考える手がかりになること。韓国女性の約20.2cmという100年間の伸びや、日本の身長増加の停滞など、時系列で比較すると各国の健康・栄養環境の変化が見えてくる。
なお、国別の平均値は個人の身長を評価する基準ではない。オランダの平均が183.8cmだからといって、オランダ人全員が180cm以上という意味ではない。平均値は集団の傾向を示す統計であり、個人差は当然存在する。
ランキングを利用する際は、同じ年齢、同じ性別、同じ調査基準で比較されているかを確認することが、最も確実な判断方法となる。
【世界一平均身長が高い国に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:世界一平均身長が高い国はどこですか?
A1:2019年の19歳を対象としたNCD-RisCの国際研究では、オランダが男女ともに1位です。男性183.8cm、女性170.4cmとなっています。
Q2:男性の平均身長が世界一高い国はどこですか?
A2:オランダです。19歳男性の平均身長は183.8cmで、2位のモンテネグロの183.3cmを上回っています。
Q3:女性の平均身長が世界一高い国はどこですか?
A3:女性もオランダが1位です。19歳女性の平均身長は170.4cmで、2位のモンテネグロは170.0cmです。
Q4:モンテネグロの平均身長は何cmですか?
A4:2019年の19歳の推計では、男性183.3cm、女性170.0cmです。男女ともに世界2位となっています。
Q5:日本人の平均身長は世界ランキングでどのくらいですか?
A5:2019年の19歳では男性172.1cm、女性158.5cmです。男性ランキングでは上位国から大きく離れた位置にあります。正確な順位は集計対象の国・地域や同順位の扱いによって異なります。
Q6:2026年の最新ランキングは2026年に測定されたデータですか?
A6:必ずしもそうではありません。国際比較で広く参照されるNCD-RisCのLancet 2020研究は、2019年までのデータを基にしています。2026年にランキングが更新されていても、元データの対象年を確認する必要があります。
Q7:19歳の平均身長と成人の平均身長は同じですか?
A7:異なります。19歳の平均は特定の年齢集団の推計値です。成人全体の平均には幅広い世代が含まれ、世代間の身長差や加齢による変化も反映されます。
まとめ:世界一はオランダ!ランキングは男女別と調査年で判断しよう
世界一平均身長が高い国は、オランダである。NCD-RisCの国際研究による2019年の19歳の推計では、男性183.8cm、女性170.4cmとなり、男女ともに世界1位を記録した。
上位にはモンテネグロ、エストニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、デンマーク、アイスランドなどが並ぶ。特にモンテネグロは男女ともにオランダと僅差であり、世界有数の高身長国といえる。
一方、日本の19歳の平均身長は男性172.1cm、女性158.5cm。オランダとの間には男女ともに約12cmの差がある。中国や韓国との比較でも、東アジアの国々の身長が世代ごとに変化していることが分かる。
2026年に世界平均身長ランキングを確認する際は、最新という表示だけで判断せず、調査対象年と年齢、男女別の数値をチェックしたい。平均身長は単なる体格の順位ではなく、各国の栄養、健康、生活環境が長い時間をかけて反映された指標でもある。
世界一という結果の背景まで理解すれば、国別ランキングは単なる数字の比較を超え、世界の健康や成長環境の違いを読み解く資料になる。
主な参考研究・資料:
- NCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC), The Lancet, 2020「Height and body-mass index trajectories of school-aged children and adolescents from 1985 to 2019 in 200 countries and territories」
- NCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC), eLife, 2016「A century of trends in adult human height」
- NCD-RisC公式データ公開ページ「Height」