答えは「ありません」です。
セ・リーグ6球団、パ・リーグ6球団の計12球団は、いずれも日本シリーズで優勝した実績を持っています。日本一の回数には大きな差があり、最多の読売ジャイアンツは22回、最少の東北楽天ゴールデンイーグルスも2013年に1回優勝しています。
2026年の日本シリーズでは、福岡ソフトバンクホークスが2年連続の日本一を達成。これにより、前身球団を含む球団通算の日本一は13回となりました。ソフトバンクホークスという球団名になってからの優勝は9回です。
2026年の日本シリーズで何が起きたのか
2026年の対戦カードは、福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズでした。
10月24日に開幕したシリーズは、ソフトバンクが第1戦から第4戦まで連勝。10月28日の第4戦を4対2で制し、対戦成績4勝0敗で日本一を決めました。
DeNAは2024年に日本一を経験しているため、2026年に敗れたからといって日本一未経験球団になるわけではありません。両チームとも過去に日本シリーズを制している球団です。
【球団別ランキング】前身球団を含めた日本一回数と出場回数

現存12球団の記録を正しく比較するには、現在の球団名だけでなく、前身球団の実績も考慮する必要があります。
例えば、現在のソフトバンクには南海ホークスや福岡ダイエーホークス時代の日本一が含まれます。西武には西鉄ライオンズ時代、オリックスには阪急ブレーブス時代の優勝記録が引き継がれています。
以下は1950年から2026年までの日本シリーズを対象に、前身球団を含めて集計した記録です。出場回数は日本シリーズへの出場実績、日本一回数はシリーズ優勝の回数を示しています。
現存12球団・日本シリーズ通算記録
2026年シーズン終了時点。前身球団を含む。
日本一の回数が最も多いのは巨人
読売ジャイアンツは日本一22回、出場36回で、どちらも12球団最多です。
特に1965年から1973年までの9年連続日本一は、プロ野球史に残る記録です。いわゆる「V9」と呼ばれる時代で、川上哲治監督のもと、王貞治や長嶋茂雄らを擁した巨人が圧倒的な強さを見せました。
ただし、巨人が最後に日本一になったのは2012年です。出場回数や歴代優勝数が多いことと、現在のチームが常に日本シリーズを制することは別問題です。
ソフトバンクと西武が13回で続く
巨人に続くのは、西武とソフトバンクです。どちらも前身球団の記録を合わせて13回の日本一を経験しています。
西武は西鉄ライオンズ時代の1956~1958年に3連覇を達成。その後、西武ライオンズとして1980年代から1990年代にかけても黄金時代を築きました。最後の日本一は2008年です。
一方、ソフトバンクは南海ホークス時代の1959年、1964年、ダイエー時代の1999年、2003年、そして現在のソフトバンク時代の9回を合わせて13回となります。
2026年の優勝によって、西武と並ぶ13回に到達しました。現在の球団名での実績と、球団の歴史全体の実績を分けて考えることが大切です。
日本一1回の楽天も未経験ではない
現存12球団で最も日本一の回数が少ないのは、東北楽天ゴールデンイーグルスです。
楽天は2005年に新規参入した球団で、2013年に初めて日本シリーズへ進出しました。巨人との対戦を4勝3敗で制し、球団創設から9年目で初の日本一を獲得しています。
したがって、楽天は日本一の回数こそ1回ですが、未経験球団には該当しません。創設からの期間が比較的短い球団でも、すでに頂点を経験しているのです。
【消滅球団の真相】近鉄バファローズと松竹ロビンスは日本一になれなかった
現存する12球団には日本一未経験チームがありませんが、過去に存在した球団まで対象を広げると話は変わります。
日本シリーズに出場した消滅球団のうち、日本一を一度も達成できなかった代表的なチームが、近鉄バファローズと松竹ロビンスです。
近鉄バファローズは4度出場して4度敗退
大阪近鉄バファローズは、パ・リーグを代表する球団の一つでした。リーグ優勝は4回。しかし、日本シリーズでは4度出場しながら、最後まで日本一を獲得できませんでした。
出場したのは1979年、1980年、1989年、2001年です。
特に印象的なのが、1979年と1980年の広島東洋カープとの対戦です。どちらも第7戦までもつれ込む接戦となりましたが、いずれも広島が勝利しました。
1989年には巨人と対戦。近鉄が最初の3試合に勝利して日本一に王手をかけたものの、その後4連敗を喫して逆転優勝を許しました。
最後の出場となった2001年はヤクルトスワローズに1勝4敗で敗退。通算では日本シリーズ4回出場、10勝16敗、日本一0回という記録を残しています。
近鉄はリーグ優勝を経験しても、日本シリーズの壁を越えられなかった球団です。現在も「日本一になれなかった球団」として語られる背景には、この4度の挑戦があります。
松竹ロビンスは第1回日本シリーズの準優勝球団
松竹ロビンスは、1950年に開催された第1回日本シリーズに出場した球団です。
同年のセ・リーグでは98勝35敗4分、勝率.737という圧倒的な成績で優勝しました。しかし、日本シリーズではパ・リーグの毎日オリオンズに2勝4敗で敗れ、日本一を逃しています。
NPBの公式記録によると、第1戦は1950年11月22日に神宮球場で行われ、毎日オリオンズが延長12回の末に3対2で勝利しました。松竹も第3戦、第4戦を連取して2勝2敗に持ち込みましたが、第5戦と第6戦を落とし、シリーズを終えています。
松竹ロビンスはその後、大洋との球団統合によって大洋松竹ロビンスとなり、1954年末には大洋ホエールズへと改称されました。現在の横浜DeNAベイスターズにつながる球団史を理解するうえでも、初期の球団変遷は重要です。
近鉄と松竹の記録を比較
| 球団 | 日本シリーズ出場 | 日本一 | 最後の出場 |
|---|---|---|---|
| 大阪近鉄バファローズ | 4回 | 0回 | 2001年 |
| 松竹ロビンス | 1回 | 0回 | 1950年 |
両球団とも、日本シリーズで勝利を挙げたことはあります。しかし、シリーズ全体を制することはできませんでした。
ここで押さえておきたいのは、近鉄のリーグ優勝4回と日本シリーズ優勝0回は矛盾しないという点です。リーグを制することと、日本シリーズで日本一になることは別の記録なのです。
【記録の落とし穴】リーグ優勝と日本一は何が違う?
プロ野球の記録を調べる際、混同しやすいのが「リーグ優勝」と「日本一」です。
この2つは同じ意味ではありません。リーグ優勝は、セ・リーグまたはパ・リーグのレギュラーシーズンで最も良い成績を収めること。日本一は、日本シリーズを勝ち抜いて両リーグの頂点に立つことを指します。
リーグ優勝から日本一までの流れ
レギュラーシーズン
各リーグで順位を決定
クライマックスシリーズ(CS)
日本シリーズ出場チームを決定
日本シリーズ
セ・リーグ代表とパ・リーグ代表が対戦日本一
シリーズを制した球団
現在の制度では、レギュラーシーズンの優勝球団が必ず日本シリーズに進出するとは限りません。クライマックスシリーズで下位球団が勝ち上がるケースがあるためです。
リーグ優勝していないのに日本一になった球団もある
NPBの年度別成績では、レギュラーシーズンのリーグ優勝球団以外が日本シリーズを制した例が記録されています。
| 年 | 日本一 | レギュラーシーズン順位 |
|---|---|---|
| 2007年 | 中日 | セ・リーグ2位 |
| 2010年 | ロッテ | パ・リーグ3位 |
| 2018年 | ソフトバンク | パ・リーグ2位 |
| 2019年 | ソフトバンク | パ・リーグ2位 |
| 2024年 | DeNA | セ・リーグ3位 |
この5例は、レギュラーシーズンの順位だけでは最終的な日本一を判断できないことを示しています。
特に2010年のロッテは、パ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでも中日を破りました。2024年のDeNAもセ・リーグ3位から日本一を達成しています。
つまり、リーグ優勝回数が多くても日本一の回数が少ない球団があり、反対にリーグ優勝の回数が少なくても日本シリーズで強さを発揮する球団もあるのです。
【1950年から2026年】日本シリーズ歴代優勝チームの歴史
日本シリーズは1950年に始まりました。現在までの77年間で、球団の名称変更や合併、新規参入など、プロ野球の勢力図は大きく変化しています。
1950年代:日本シリーズの始まり
1950年の第1回日本シリーズでは、毎日オリオンズが松竹ロビンスを破って初代日本一に輝きました。
1951年から1953年までは巨人が3連覇。1956年から1958年には西鉄ライオンズが3連覇を達成し、パ・リーグの存在感を示しました。
1959年には南海ホークスが巨人を破って初の日本一を達成しています。現在のソフトバンクにつながる球団の歴史を語るうえで、重要な優勝です。
1960~1970年代:巨人のV9と新たな王者
1960年代から1970年代前半にかけては、巨人が日本シリーズの中心でした。
1965年から1973年までの9連覇は、現在も破られていない日本シリーズの連続優勝記録です。
その後、1974年にはロッテ、1975~1977年には阪急ブレーブスが日本一となり、1978年にはヤクルトが初優勝。巨人以外の球団も日本シリーズで存在感を強めました。
1980~1990年代:西武の黄金時代と各球団の初優勝
1980年代は西武ライオンズが日本シリーズを席巻しました。1982年、1983年、1986年、1987年、1988年、1990年、1991年、1992年と、数多くの日本一を獲得しています。
一方、1985年には阪神が初優勝。1996年にはオリックス、1998年には横浜ベイスターズが日本一となりました。
1998年の横浜の優勝は、現在のDeNAにつながる球団史における重要な節目です。
2000年代~2020年代:新時代の日本一争い
2000年代には、ダイエーからソフトバンクへの移行や楽天の新規参入など、球界の構造が変わりました。
2013年には楽天が初優勝。2016年には日本ハム、2017年から2020年にかけてはソフトバンクが4連覇を達成しました。
2021年にはヤクルト、2022年にはオリックス、2023年には阪神、2024年にはDeNA、2025年にはソフトバンクがそれぞれ日本一を獲得。そして2026年もソフトバンクが制し、2年連続の日本一となりました。
【プロの結論】日本一未経験球団を調べるときの3つの判断基準
「日本一になっていないチーム」を調べる場合、単純に現在の球団名だけを検索すると、歴史的な記録を見落とす可能性があります。
正確に判断するためには、次の3点を確認が必要です。
1. 前身球団の優勝記録を含める
ソフトバンク、オリックス、西武、ロッテ、日本ハム、DeNAなどは、前身球団の時代から続く歴史を持っています。
球団別の日本一回数を比較する場合は、現在の名称になってからの優勝と、球団の系譜全体での優勝を区別する必要があります。
2. 日本シリーズ優勝とリーグ優勝を分ける
リーグ優勝を何度も経験していても、日本シリーズで優勝したとは限りません。
近鉄バファローズはリーグ優勝4回に対して日本一0回という代表例です。記録を比較するときは、リーグ優勝回数だけで日本一の経験を判断しないことが大切です。
3. 消滅球団と現存球団を分ける
近鉄や松竹のように、現在は存在しない球団の記録は、現存12球団のランキングと分けて考える必要があります。
また、球団統合や名称変更があった場合でも、すべての記録が自動的に現在の球団へ加算されるわけではありません。NPBの球団別記録や歴代日本シリーズ結果を照らし合わせることが、正しい比較につながります。
【プロ野球日本一になっていないチーム】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:プロ野球12球団で日本一になったことがないチームはどこですか?
A1:2026年シーズン終了時点では、現存12球団に日本一未経験のチームはありません。最も少ない楽天でも、2013年に1度日本一を達成しています。
Q2:日本一になったことがない消滅球団はありますか?
A2:日本シリーズに出場した消滅球団では、近鉄バファローズと松竹ロビンスが該当します。近鉄は4回、松竹は1回出場しましたが、どちらも日本一にはなっていません。
Q3:近鉄バファローズはリーグ優勝したことがありますか?
A3:あります。1979年、1980年、1989年、2001年の計4回です。しかし、いずれも日本シリーズを制することはできませんでした。
Q4:日本一の回数が最も多い球団はどこですか?
A4:読売ジャイアンツです。前身球団を含めた日本一は22回で、12球団最多の記録を持っています。
Q5:2026年の日本シリーズで日本一になった球団はどこですか?
A5:福岡ソフトバンクホークスです。2026年10月28日、横浜DeNAベイスターズとの第4戦に勝利し、4勝0敗で2年連続13度目の日本一を達成しました。前身球団を含む通算記録です。
Q6:リーグ優勝すれば日本一になったことになりますか?
A6:なりません。リーグ優勝はレギュラーシーズンの成績、日本一は日本シリーズの優勝を意味します。両方は別のタイトルです。
まとめ:2026年現在、日本一未経験なのは現存球団ではなく消滅球団
2026年11月現在、プロ野球の現存12球団はすべて日本シリーズ優勝を経験しています。日本一の回数では巨人が22回で最多となり、ソフトバンクと西武が13回で続いています。
2026年の日本シリーズではソフトバンクがDeNAを4連勝で下し、前身球団を含む通算13度目の日本一を獲得しました。これにより、歴代ランキングでも西武と並ぶ位置に到達しています。
一方、近鉄バファローズや松竹ロビンスは、リーグ優勝や日本シリーズ出場を経験しながら、日本一には届きませんでした。特に近鉄の4度の挑戦は、プロ野球の歴史に残る印象的な記録です。
プロ野球の日本一記録を正しく理解するには、現在の球団名だけでなく、前身球団の歴史、消滅球団の記録、リーグ優勝と日本シリーズ優勝の違いまで見る必要があります。2026年の結果を反映した現在の答えは、「現存12球団に日本一未経験チームはない。しかし、プロ野球の歴史全体では日本一を経験できなかった球団が存在する」ということです。