2026年の交流戦は、各球団18試合、合計108試合で争われた。NPB公式の2026年度チーム勝敗表による最終結果は以下のとおりだ。
2026年日本生命セ・パ交流戦・全日程終了時点/出典:日本野球機構
出典:NPB「2026年度交流戦チーム勝敗表」。勝率は小数第3位まで表示。ゲーム差は首位の西武を基準とする。
順位表から読み取れる3つのポイント
今回の交流戦で特に目立ったのは、上位3球団がすべてパ・リーグ所属だったことだ。
西武は14勝3敗1分で勝率.824。ソフトバンクと日本ハムも14勝を挙げたが、敗戦数の差によって西武が単独首位となった。
また、4位巨人と5位ロッテはともに10勝6敗2分。勝率.625で並び、首位から3.5ゲーム差だった。
最下位は楽天の4勝14敗。勝率は.222にとどまり、首位西武とのゲーム差は10.5となった。
なお、ゲーム差は順位表の比較基準によって見え方が異なる。ソフトバンクと日本ハムは、どちらも首位西武から0.5ゲーム差であり、両球団間のゲーム差は0.0。勝率も完全に一致している。
【西武・ソフトバンク・日本ハム】上位3球団の交流戦成績を比較

2026年の交流戦を分析するうえで欠かせないのが、首位西武と、14勝を挙げたソフトバンク、日本ハムの比較だ。
埼玉西武ライオンズは投手力を軸に初優勝
埼玉西武ライオンズの成績は18試合14勝3敗1分。交流戦史上最高勝率となる.824を記録し、球団初の交流戦優勝を成し遂げた。
NPBのチーム別成績では、ホームが7勝2敗、ビジターが7勝1敗1分。開催地を問わず安定した勝ち星を積み重ねた。
特筆すべきは、失点を抑える試合運びだ。スポーツナビの交流戦成績では、18試合の総得点66に対して失点は31。チーム防御率も1.53で、12球団中トップだった。
大量得点で押し切るだけではなく、投手陣が相手打線を封じ、少ない失点で勝利を拾う展開が優勝につながった。交流戦のように短期間で異なるリーグの打線と対戦する日程では、投手力の安定が大きな武器になる。
福岡ソフトバンクホークスは圧倒的な得点力
福岡ソフトバンクホークスは14勝4敗、勝率.778で2位相当の成績を残した。
総得点は81点で12球団トップ。本塁打も26本と、長打力が際立った。チーム打率は.258で、打線全体の得点力を示す数字でも上位に位置している。
特に注目したいのは栗原陵矢の活躍だ。NPBが発表した日本生命優秀選手賞のパ・リーグ受賞者となり、18試合で20安打、7本塁打、19打点を記録した。
7本塁打と19打点はいずれも交流戦トップ。長打率も.690に達しており、ソフトバンクの攻撃力を象徴する活躍だった。
北海道日本ハムファイターズは投打のバランスが光る
北海道日本ハムファイターズも14勝4敗、勝率.778。ソフトバンクと同じ勝敗で交流戦を終えた。
ホームは6勝3敗だった一方、ビジターでは8勝1敗と好成績を記録。敵地での安定感が際立っている。
総得点は64点、失点は36点。ソフトバンクより得点は少ないものの、失点を15点抑えている。チーム防御率も1.79で、投手陣の安定感が目立った。
投手個人では北山亘基が防御率0.44で交流戦トップに立った。チーム全体の投手力を支える結果となっている。
ソフトバンクと日本ハムは何が違ったのか
両球団の特徴を比較すると、攻撃力のソフトバンクと、投手力を含めた失点管理に優れた日本ハムという違いが見えてくる。
ソフトバンクは81得点・51失点、日本ハムは64得点・36失点。総得点ではソフトバンクが17点上回る一方、失点では日本ハムが15点少なかった。
ただし、最終的な勝敗は両球団とも14勝4敗で同じ。得点数や本塁打数だけで順位の優劣を判断することはできない。勝敗が並んだ場合には、NPBの定める順位決定規定が適用される。
この違いこそが、2026年交流戦の上位争いを面白くしたポイントだ。
【同率時の順位決定ルール】直接対戦・TQB・ER-TQBを解説
交流戦の順位表を見る際、意外と理解されていないのが同率時の順位決定方法だ。
単純に勝率だけで順位が決まるわけではない。NPBは交流戦の開催要項で、2球団が並んだ場合と3球団以上が並んだ場合の基準をそれぞれ定めている。
2球団が同率になった場合
2球団が同じ勝率になった場合、次の順番で比較する。
- 勝数が多い球団
- 当該球団間の直接対戦成績
- 交流戦のTQBが大きい球団
- 交流戦のER-TQBが大きい球団
- 交流戦のチーム打率が高い球団
- 前年の日本生命セ・パ交流戦で上位だった球団
最初に比較されるのは勝数だ。勝率が同じでも、勝数に差があれば勝数の多い球団が上位となる。
それでも決着がつかなければ、直接対戦成績や得失点に関係する指標へ進む。
3球団以上が同率になった場合
3球団以上が並んだ場合は、2球団の場合とは少し異なる。
- 勝数が多い球団
- 交流戦のTQBが大きい球団
- 交流戦のER-TQBが大きい球団
- 交流戦のチーム打率が高い球団
- 前年の日本生命セ・パ交流戦で上位だった球団
重要なのは、3球団以上の場合には直接対戦成績が判定項目に含まれない点だ。複数球団間の対戦結果だけで順位を決めるのが難しいため、TQBなどの数値が使われる。
TQBとは?得点と守備の両方を評価する指標
TQBは「Team Quality Balance」の略称として知られ、攻撃イニング当たりの得点と、守備イニング当たりの失点の差を算出する指標だ。
基本的な計算式は次のとおり。
TQB=(得点÷攻撃イニング)-(失点÷守備イニング)
単純な得失点差と違い、攻撃・守備のイニング数を考慮する。値が大きい球団ほど、効率的に得点し、失点を抑えたと評価される。
ER-TQBとは?自責点を考慮する比較方法
ER-TQBは、相手の自責点による得点と自チームの自責点を基に算出する指標だ。
ER-TQB=(相手自責点による得点÷攻撃イニング)-(自責点÷守備イニング)
通常のTQBよりも投手の責任に関係する失点を重視した指標と理解すると分かりやすい。
例えば、守備の失策によって失点が増えた場合、通常の失点と自責点では評価が変わる。その違いを考慮して順位を決める際に使用される。
なお、2026年のソフトバンクと日本ハムは勝敗・勝率が同一である。NPB公式の公開勝敗表では両球団とも首位から0.5ゲーム差と表示されている。順位表の2位・3位という表示と、両球団間に勝率差があるかどうかは分けて見る必要がある。
また、NPBの規定では交流戦予備期間以降に組み込まれた試合の勝敗数は、交流戦順位の決定には算入しない。通常の公式戦の成績と交流戦の成績を混同しないことも大切だ。
【2026年の交流戦を総括】パ・リーグが歴史的な強さを見せた理由
2026年の交流戦を球団別順位だけでなく、リーグ全体で見ると、もう一つ大きな特徴が浮かび上がる。
それはパ・リーグがセ・リーグを大きく上回ったことだ。
セ・リーグ39勝、パ・リーグ65勝
セ・リーグ39勝
4分・65敗
パ・リーグ65勝
4分・39敗
2026年はパ・リーグが65勝、セ・リーグが39勝、引き分けが4試合だった。
パ・リーグの勝ち越しは26。これは過去最多だった2010年の22を上回る記録である。日刊スポーツも2026年6月18日の報道で、パ・リーグの歴史的な勝ち越しとして取り上げた。
加えて、勝率7割以上の球団が複数登場したのは交流戦史上初。西武、ソフトバンク、日本ハムの3球団がそろって高勝率を記録したことも、2026年の大きな特徴となった。
セ・リーグで勝ち越した球団は巨人だけ
セ・リーグの球団別成績を見ると、巨人が10勝6敗2分で4位に入った一方、残る5球団はすべて負け越しとなった。
阪神は6勝12敗、広島は5勝12敗1分、DeNAは5勝13敗。交流戦では普段対戦しないパ・リーグの投手や打者と向き合うため、相手の戦力や球場環境への対応が結果を左右した。
一方、パ・リーグでは楽天だけが4勝14敗と負け越し、残る5球団は勝ち越しに成功している。
ただし、この結果だけでリーグの実力を年間通じて断定することはできない。交流戦は各球団18試合の短期決戦であり、対戦カードや開催地、選手のコンディションも結果に影響するためだ。
交流戦はなぜ18試合なのか
2026年の交流戦は5月26日に開幕し、各球団が他リーグの6球団と3試合ずつ対戦する方式で実施された。
ホーム9試合、ビジター9試合の合計18試合で、全12球団を合わせると108試合となる。
同じリーグの球団同士では普段から対戦する機会があるが、交流戦では異なるリーグのチームと公式戦を戦う。セ・リーグとパ・リーグで異なる選手構成や戦術、球場環境を比較できることが、この大会の魅力だ。
また、2026年にホーム開催したカードは2027年にビジター開催となる。翌年は開催地を入れ替える仕組みも採用されている。
【交流戦歴代優勝チーム】2005年から2026年までの優勝球団
セ・パ交流戦は2005年に始まった。これまで多くの球団が最高勝率を争ってきたが、優勝回数ではソフトバンクが大きくリードしている。
2025年までの歴代優勝球団を振り返ると、次のようになる。
- 2005年:千葉ロッテマリーンズ
- 2006年:千葉ロッテマリーンズ
- 2007年:北海道日本ハムファイターズ
- 2008年:福岡ソフトバンクホークス
- 2009年:福岡ソフトバンクホークス
- 2010年:オリックス・バファローズ
- 2011年:福岡ソフトバンクホークス
- 2012年:読売ジャイアンツ
- 2013年:福岡ソフトバンクホークス
- 2014年:読売ジャイアンツ
- 2015年:福岡ソフトバンクホークス
- 2016年:福岡ソフトバンクホークス
- 2017年:福岡ソフトバンクホークス
- 2018年:東京ヤクルトスワローズ
- 2019年:福岡ソフトバンクホークス
- 2020年:新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止
- 2021年:オリックス・バファローズ
- 2022年:東京ヤクルトスワローズ
- 2023年:横浜DeNAベイスターズ
- 2024年:東北楽天ゴールデンイーグルス
- 2025年:福岡ソフトバンクホークス
- 2026年:埼玉西武ライオンズ
2005年から2025年までの優勝球団一覧は、ソフトバンク球団が公表した過去優勝チーム資料とも一致する。
ソフトバンクは歴代最多9回の優勝
歴代優勝回数でトップに立つのは福岡ソフトバンクホークスだ。2008年、2009年、2011年、2013年、2015年、2016年、2017年、2019年、2025年の計9回優勝している。
続いて、ロッテ、巨人、オリックス、ヤクルトがそれぞれ複数回の優勝を経験。日本ハム、DeNA、楽天も優勝球団に名を連ねる。
そして2026年、埼玉西武ライオンズが初優勝を達成した。これまで優勝経験のなかった西武にとって、球団史に残る交流戦となった。
なお、2005年から2018年までは優勝球団の呼称や選出基準に変遷があり、現在の「交流戦優勝球団」という名称は2019年以降に使われている。歴代記録を比較するときは、当時の制度も考慮する必要がある。
【2026年版】野球交流戦順位に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のセ・パ交流戦で優勝した球団はどこですか?
A1:埼玉西武ライオンズです。18試合で14勝3敗1分、勝率.824を記録し、球団初の交流戦優勝を果たしました。
Q2:2026年の交流戦で2位と3位はどの球団ですか?
A2:順位表の表示では2位が福岡ソフトバンクホークス、3位が北海道日本ハムファイターズです。両球団とも14勝4敗、勝率.778で、首位からのゲーム差も0.5です。両球団間のゲーム差は0.0となります。
Q3:交流戦で勝率が同じ場合はどうやって順位を決めますか?
A3:2球団の場合は勝数、直接対戦成績、TQB、ER-TQB、チーム打率、前年の交流戦順位の順に比較します。3球団以上の場合は直接対戦成績を除いた基準で順位を決定します。
Q4:TQBとは何ですか?
A4:攻撃イニング当たりの得点から、守備イニング当たりの失点を引いた数値です。同率時の順位決定に使われ、数値が大きい球団が上位となります。
Q5:2026年の交流戦で最下位だった球団はどこですか?
A5:東北楽天ゴールデンイーグルスです。4勝14敗、勝率.222で12球団中12位となりました。
Q6:2026年の交流戦でセ・リーグとパ・リーグはどちらが強かったですか?
A6:パ・リーグです。65勝39敗4分で26勝の勝ち越しを記録し、過去最多だった2010年の22勝差を更新しました。
Q7:交流戦で最も多く優勝している球団はどこですか?
A7:福岡ソフトバンクホークスです。2025年までに9回優勝しています。2026年は埼玉西武ライオンズが初優勝しました。
まとめ:2026年の交流戦順位で押さえたい重要ポイント
2026年の野球交流戦順位は、埼玉西武ライオンズの初優勝で幕を閉じた。14勝3敗1分、勝率.824という成績は交流戦史上最高勝率であり、投手陣の安定感とチーム全体の勝負強さが際立った。
ソフトバンクと日本ハムも14勝4敗で並び、勝率.778を記録。ソフトバンクは81得点の強力打線、日本ハムは安定した投手力とビジター8勝1敗という好成績が光った。
今回の交流戦から押さえておきたい判断基準は次の3点だ。
- 順位を確認するなら勝敗・勝率をセットで見る:引き分けの有無によって勝率が変わるため、勝数だけでは正確な順位を把握できない。
- 同率なら順位決定規定を確認する:直接対戦、TQB、ER-TQBなどの比較基準が用意されている。
- 球団の強さを分析するなら得点と失点も見る:ソフトバンクの攻撃力、日本ハムの投手力、西武の総合的な安定感のように、勝敗の裏側にある特徴が分かる。
2026年はパ・リーグが65勝を挙げ、セ・リーグに26勝差をつける歴史的なシーズンとなった。2027年はホームとビジターの開催地が入れ替わるため、今季の成績がそのまま再現されるとは限らない。西武の連覇への挑戦、ソフトバンクの王座奪還、日本ハムの巻き返しなど、次回の交流戦にも注目したい。