映画版とは異なり、ゲーム版の英語音声では2025年に大きなキャスト変更がありました。
長年ピーチ姫の声を担当していたのが、アメリカの声優サマンサ・ケリー(Samantha Kelly)です。2007年のWii向けゲーム『マリオストライカーズ チャージド』からピーチ姫を演じ、2024年の『プリンセスピーチ Showtime!』まで担当していました。担当期間は約18年に及びます。
サマンサ・ケリーが担当を終えた経緯
転換点となったのは、2025年6月5日に発売されたNintendo Switch 2専用ソフト『マリオカート ワールド』です。
発売後、ゲーム内のスタッフクレジットにサマンサ・ケリーの名前が見当たらなかったことから、ファンの間で声優交代が話題になりました。
その翌日の6月6日、ケリー本人がSNSで、任天堂からピーチ姫とキノピオの担当を交代すると伝えられたことを明らかにしました。長年演じてきた役を離れる寂しさと、キャラクターへの感謝も伝えています。ゲーム専門メディアVideo Games Chronicleも、この発表を報じています。
新しいゲーム版声優:コートニー・リン
『マリオカート ワールド』のピーチ姫・ベビィピーチ役
主な出演歴:『Monster High』『Neon White』など
新しい担当者として発表されたのがコートニー・リンです。
2025年7月21日、リン本人がSNSで『マリオカート ワールド』のピーチ姫とベビィピーチを担当していることを公表しました。翌22日にはGameSpotもこの発表を報道しています。
リンは任天堂からこの象徴的なキャラクターを任されたことへの感謝を表し、歴代のピーチ役の声優、特に自分が親しんできた前任者への敬意も示しました。
なお、同作のキノピオ役はライラ・ベルジンズが担当しています。サマンサ・ケリーが以前ピーチ姫とキノピオの両方を演じていたため、こちらも変更点の一つです。
【歴代声優を時系列で比較】ピーチ姫の声はどう変わった?

ピーチ姫の声優の歴史をたどると、映画とゲームで異なるキャスティングの歴史があることが分かります。
特にゲーム版の英語音声は、初期の作品から現在まで複数の声優が担当してきました。代表的な変遷を
ゲーム版・映画版の声優比較表
初期のゲーム版については、1996年の『スーパーマリオ64』北米版でレスリー・スワンがピーチ姫の声を担当しました。彼女は任天堂のローカライズ業務にも携わっていた人物です。
その後、ジェン・テイラーが『マリオゴルフ』などでピーチ姫を担当。2000年代にはニコール・ミルズが一部作品で声を担当した時期もあり、作品によって担当者が重なるケースもあります。
2007年以降はサマンサ・ケリーが長期間にわたり担当し、2025年からはコートニー・リンが新たな声を引き継ぎました。
ここで注意したいのは、この表が主にゲームの英語音声を中心に整理したものだという点です。映画の日本語吹替声優である志田有彩と、ゲームの英語音声担当者であるコートニー・リンは、そもそも担当する音声の区分が違います。
レスリー・スワンがピーチ姫を演じた意外な背景
初代のゲーム版英語音声に関する興味深いエピソードがあります。
2025年12月に公開されたゲームメディアTime Extensionのインタビューで、レスリー・スワン本人が『スーパーマリオ64』のピーチ姫を演じることになった経緯を語っています。
当時のスワンは任天堂の開発部門で英語を話せる女性の一人であり、北米版のローカライズ作業中に、ゲームへ音声を追加することになりました。その際、ピーチ姫のセリフを読んでほしいと依頼されたのがきっかけだったといいます。
つまり、現在のように声優のキャスティングを独立した専門的な工程として考える以前から、ピーチ姫の音声にはゲーム制作と海外向けローカライズの歴史が深く関わっていたのです。
【なぜ声優が違う?】映画とゲームのキャスティング事情を検証
ピーチ姫の声優が複数存在する最大の理由は、映画とゲームが別々の制作体制でキャスティングされていることです。
1. 映画版は映画制作チームがキャストを決定
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』は、任天堂とイルミネーションが共同で制作するアニメーション映画です。
英語版ではアニャ・テイラー=ジョイ、日本語版では志田有彩という形で、それぞれの言語に合わせたキャストが設定されています。
映画ではキャラクターの表情やストーリーに合わせて長いセリフを演じる場面が多く、ゲーム内の短い音声とは求められる演技の性質も異なります。
2. ゲーム版はゲーム内の音声制作に合わせてキャストを起用
ゲームでは、キャラクターの掛け声、リアクション、レース中のセリフ、イベント時のボイスなど、用途に応じた音声が必要になります。
『マリオカート ワールド』のようなレースゲームでは、プレイヤーの操作やゲーム内の状況に合わせて短いボイスが繰り返し使用されます。
そのため、映画の日本語吹替を担当する声優が、そのままゲーム版の英語音声を担当するわけではありません。
3. サマンサ・ケリーの交代理由は公表されている?
ここは特に注意が必要な部分です。
2025年6月に明らかになったのは、任天堂がサマンサ・ケリーの後任を起用したという事実と、本人が交代を知らされた経緯です。
一方、任天堂がなぜ交代を決めたのかという具体的な選考理由や、契約上の事情については、本人の発表や主要報道からは明らかになっていません。
したがって、演技力の問題、ギャラ、契約トラブルなどを交代の原因と断定することはできません。確実に分かっているのは、ケリーが交代を公表し、その後コートニー・リンが新しい担当者として名乗り出たという経緯です。
【よくある誤解を整理】ピーチ姫の声優交代で間違えやすいポイント
インターネット上では、映画とゲームのキャスト情報が一緒に紹介されることがあり、声優交代について誤解が生じやすくなっています。
誤解1:コートニー・リンが映画版のピーチ姫になった?
これは誤りです。コートニー・リンは『マリオカート ワールド』のゲーム版英語音声を担当しています。2026年の映画版では、英語版がアニャ・テイラー=ジョイ、日本語版が志田有彩です。
誤解2:志田有彩がゲーム版のピーチ姫も担当している?
志田有彩が担当しているのは、映画の日本語吹替版です。ゲーム版の英語音声担当者とは区別する必要があります。
誤解3:サマンサ・ケリーは2024年以前にすでに交代していた?
2024年の『プリンセスピーチ Showtime!』では、ケリーがピーチ姫を引き続き担当していました。大きな交代が明らかになったのは2025年の『マリオカート ワールド』発売時です。
この3点を押さえておけば、映画版とゲーム版の声優情報を混同せずに理解できます。
【ピーチ姫の声優】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のピーチ姫の日本語吹替声優は誰ですか?
A1:志田有彩です。2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に続き、2026年の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』でもピーチ姫を演じています。
Q2:ピーチ姫の英語版声優は誰ですか?
A2:映画版はアニャ・テイラー=ジョイです。一方、ゲーム版は『マリオカート ワールド』からコートニー・リンが担当しています。
Q3:サマンサ・ケリーからコートニー・リンに交代したのはいつですか?
A3:2025年です。6月5日の『マリオカート ワールド』発売を機に交代が明らかになり、7月21日にコートニー・リン本人がピーチ姫とベビィピーチ役を担当していることを公表しました。
Q4:2026年の映画でピーチ姫の声優は変更されましたか?
A4:変更されていません。日本語版は志田有彩、英語版はアニャ・テイラー=ジョイが前作から続投しています。
Q5:サマンサ・ケリーが声優を交代した理由は何ですか?
A5:任天堂が交代を決めたことは本人の発表で明らかになっていますが、具体的な選考理由は公表されていません。
まとめ:ピーチ姫の声優は映画とゲームで区別するのが正解
2026年10月現在、ピーチ姫の声優を整理すると、映画の日本語吹替は志田有彩、映画の英語版はアニャ・テイラー=ジョイ、ゲームの英語音声はコートニー・リンです。
ゲーム版では約18年間担当したサマンサ・ケリーからコートニー・リンへの交代が2025年に発生しました。一方、映画版は2023年から2026年まで日英両方のキャストが継続しています。
今回の声優交代を理解するうえで大切なのは、単に名前を覚えるのではなく、映画の日本語吹替・映画の英語音声・ゲームの英語音声という3つの区分を分けて考えることです。
ピーチ姫は1985年のゲーム初登場から長く愛されてきたキャラクターです。担当声優が変わっても、その魅力や存在感は作品ごとに受け継がれています。今後の新作ゲームや映画でどのような演技が披露されるのか、歴代声優それぞれの表現にも注目したいところです。