ここまでの条件を整理すると、2つの制度は似ているようで、利用者に求められる準備や割引の仕組みが違う。
比較するときは、年齢だけでなく、乗車距離、列車の種類、旅行頻度、予約方法まで確認したい。
JR東海の新幹線シニア割引・比較一覧
| 比較項目 | EX 65+割 | ジパング倶楽部 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 乗車日時点で満65歳以上 | 満65歳以上 |
| 年会費 | 専用商品の利用に年会費なし | 個人会員3,840円 |
| 本人確認 | マイナンバーカードの事前登録 | 会員手帳・顔写真など |
| 割引方法 | 区間・列車別の設定価格 | 20%・30%割引 |
| 利用距離 | 営業キロ100キロ超 | 片道101キロ以上 |
| のぞみ | 対象 | 特急料金・グリーン料金は対象外 |
| ひかり | 対象 | 原則として対象 |
| こだま | 対象 | 原則として対象 |
| 予約・購入方法 | EXサービスでインターネット予約 | JRの窓口・取扱旅行会社など |
| 利用人数 | 登録した本人1名 | 会員本人のみ |
| 利用期間 | 2026年10月1日~2027年3月31日の対象日 | 会員資格の有効期間内 |
| 利用上限 | 発売座席数に制限あり | 購入証を年間20枚利用可能 |
最大の違いは「のぞみ」の取り扱い
東海道新幹線を頻繁に利用する人にとって、最も重要なのが列車の違いだ。
EX 65+割は、のぞみ・ひかり・こだまのいずれも対象となる。
一方、ジパング倶楽部では、のぞみの特急料金とグリーン料金が割引対象外だ。
ただし、ここで注意したいのは、のぞみを利用した場合にジパング倶楽部の割引がすべて無効になるわけではないこと。
JR東海の規定では、のぞみの特急料金・グリーン料金が対象外とされており、乗車券の運賃部分まで全面的に割引対象外という意味ではない。
また、改札を出ずに複数の新幹線を乗り継ぎ、特急料金を通算する場合は、一部にのぞみが含まれるだけでも特急券・グリーン券が割引対象外になるケースがある。
例えば、のぞみとこだまを乗り継ぐ旅行では、単純にこだまの区間だけ割引されると考えないほうがよい。
この点は、購入時に窓口で確認しておきたい。
2026年のジパング倶楽部は利用できない期間にも注意
ジパング倶楽部には、年間を通じて利用できない期間が設定されている。
- 4月27日~5月6日
- 8月10日~8月19日
- 12月28日~翌年1月6日
ゴールデンウイーク、お盆、年末年始の旅行では割引が適用されない。
一方、EX 65+割も2027年3月31日までの期間中、毎日利用できるわけではない。公式の対象日カレンダーで設定除外日を確認する必要がある。
つまり、両制度とも旅行日を先に決めてから割引の可否を調べることが大切だ。
【プロの結論】シニア割引は旅行頻度・目的・予約環境で選ぶ

2つの制度を比較すると、どちらか一方がすべての人に有利というわけではない。
重要なのは、自分がどのような旅行をするのかという点だ。
EX 65+割がおすすめの人
次の条件に当てはまる人は、EX 65+割を優先して検討したい。
- 年に数回程度、新幹線を利用する。
- スマートフォンで予約することに抵抗がない。
- マイナンバーカードを使った資格登録ができる。
- のぞみを利用して移動時間を短縮したい。
- 旅行日がEX 65+割の対象日に合っている。
- 駅で紙のきっぷを受け取らずに乗車したい。
特に、年会費の負担を避けたい人にとっては、会員制のジパング倶楽部とは異なるメリットがある。
ただし、対象日と発売座席数の制限があるため、希望日に必ず購入できるわけではない。
ジパング倶楽部がおすすめの人
次のような人には、ジパング倶楽部が向いている。
- 年に何度もJRを利用する。
- 東海道新幹線だけでなく全国のJR線にも乗る。
- ひかりやこだまを使った旅行が多い。
- 101キロ以上の長距離旅行を計画している。
- 20%・30%の割引を継続的に利用したい。
- 駅の窓口などで相談しながらきっぷを購入したい。
特に継続会員は初回から30%割引となるため、長距離旅行を繰り返す人にとってメリットが大きい。
一方、年会費3,840円がかかることや、購入証の記入・会員手帳の携帯が必要になる点は理解しておきたい。
どちらにも向かないケースはある?
例えば、短距離の新幹線移動が中心で、営業キロ100キロを超えない場合、両制度とも距離条件を満たさない。
また、EX 65+割の対象日ではない日に旅行する場合や、ジパング倶楽部の利用除外日に旅行する場合も、期待する割引を受けられない。
その場合は、通常のスマートEX、EX早特などの早期予約商品、その他の区間限定商品も比較するとよい。
シニア向けという名称だけで選ぶのではなく、通常価格と実際の割引価格を比較することが、無駄な出費を防ぐポイントになる。
申し込み前に確認したい5つの注意点
1.EX 65+割は対象日が限られる
2027年3月31日までという期間だけでなく、実際の対象日カレンダーを確認する。
2.EX 65+割は本人1名分のみ
マイナンバーカードを登録した会員本人だけが利用できる。家族の分を同じ資格で予約することはできない。
3.EX 65+割は途中下車できない
途中駅で降りた場合、乗車しなかった区間は無効になる。複数の観光地を巡る旅行では注意したい。
4.ジパング倶楽部は会員手帳が必要
購入時だけでなく、乗車時も会員手帳を携帯する必要がある。会員本人以外は利用できない。
5.割引の重複適用はできない
ジパング倶楽部では他の割引との併用が原則できない。EX 65+割についても、他の割引との併用はできない。
【よくある質問】JR東海の新幹線シニア割引に関するFAQ
Q1:JR東海の新幹線シニア割引は何歳から利用できますか?
A1:EX 65+割は乗車日時点で満65歳以上、ジパング倶楽部は新規入会時点で満65歳以上が対象です。ジパング倶楽部は日本在住という条件もあります。
Q2:スマートEXに登録していれば、65歳以上は自動的に割引されますか?
A2:自動適用ではありません。EXアプリでマイナンバーカードを登録し、割引資格情報を連携する必要があります。そのうえで対象商品を選んで予約します。
Q3:EX 65+割でのぞみは利用できますか?
A3:利用できます。EX 65+割は、のぞみ・みずほ・ひかり・こだまなどが対象です。ただし、対象日、区間、設備、発売座席数の条件があります。
Q4:ジパング倶楽部では、のぞみは一切割引にならないのですか?
A4:のぞみの特急料金・グリーン料金は割引対象外です。ただし、乗車券の運賃部分まで一律に対象外となるわけではありません。乗り継ぎ時には特急料金の計算方法にも注意が必要です。
Q5:ジパング倶楽部の年会費はいくらですか?
A5:JR東海ジパング倶楽部の個人会員は年間3,840円です。入会金は無料ですが、郵便振替の手数料などが別途かかる場合があります。
Q6:2027年4月以降もEX 65+割は使えますか?
A6:2026年10月31日時点で公式に案内されている利用期間は2027年3月31日までです。それ以降の継続については、JR東海・EXサービスの最新発表を確認する必要があります。
まとめ:2026年はEX 65+割とジパング倶楽部を賢く使い分けよう
2026年のJR東海の新幹線シニア割引では、EX 65+割とジパング倶楽部が主要な選択肢となっている。
EX 65+割は、65歳以上の本人がマイナンバーカードを登録し、対象日にインターネット予約で利用する期間限定商品。のぞみも対象で、スマートフォンを活用したスムーズな移動を希望する人に適している。
一方、ジパング倶楽部は年会費3,840円で、片道101キロ以上のJR旅行に20%・30%の割引を適用できる会員制度だ。継続的に旅行する人や、全国のJR線を利用する人にとって魅力がある。
特に覚えておきたいのは、EX 65+割ではのぞみも割引対象になる一方、ジパング倶楽部ではのぞみの特急料金・グリーン料金が割引対象外になるという違いだ。
また、2026年3月14日からジパング倶楽部の距離条件が片道101キロ以上に変更され、2026年10月1日からはEX 65+割の利用も始まった。シニア世代の新幹線旅行を取り巻く割引制度は、選択肢が広がっている。
まずは旅行予定日と区間を決め、両制度の対象条件と実際の発売額を比較すること。年会費だけで判断せず、1年間の旅行回数や利用する列車まで考慮すれば、自分に合った新幹線の割引を選びやすくなる。
2027年3月末までのEX 65+割の利用を検討している人は、予約可能な対象日と発売状況を早めに確認しておきたい。
主な情報源:JR東海「ジパング倶楽部」公式案内・会則、スマートEX「EX 65+割」公式商品案内・対象日カレンダー・発売額資料、JRおでかけネット「ジパング倶楽部限定おトクなきっぷ」。情報基準日:2026年10月31日。