- 男子棒高跳びの世界記録: 6m31。2026年3月12日にデュプランティスが樹立。
- 記録更新の舞台: スウェーデン・ウプサラで開催されたMondo Classic 2026。自身15回目の世界記録更新となった。
- 歴代の記録保持者: セルゲイ・ブブカ、ルノー・ラビレニを経て、現在はデュプランティスが世界の頂点に立つ。
- 室内・屋外の違い: 現在は屋内で跳んだ記録も男子棒高跳びの世界記録として認められる。
【2026年最新】男子棒高跳び世界記録6m31の詳細と達成の瞬間

2026年11月現在、男子棒高跳びの世界記録は6m31。記録保持者はスウェーデン代表のアルマンド・デュプランティス(Armand Duplantis)だ。
世界陸連の公式プロフィールにも、2026年3月12日の6.31mが自己ベストおよび世界記録として掲載されている。
今回の舞台となったのは、スウェーデンのウプサラにあるIFU Arena。デュプランティス自身の名前を冠した国際大会「Mondo Classic 2026」での出来事だった。
大会はWorld Athletics Indoor Tour Silverに位置付けられる室内競技会。地元スウェーデンの観客が見守るなか、デュプランティスは世界記録への挑戦を成功させた。
6m31はどれほど高い記録なのか?
6m31という高さは、一般的な住宅の天井高を大きく超える水準だ。
棒高跳びでは、選手が助走で得たスピードをポールに伝え、ポールのしなりと身体の動きを利用してバーを越える。
単純に腕力だけで高く跳べる競技ではない。走力、筋力、柔軟性、空中での身体操作、そしてポールを扱う技術が一体となって初めて実現する。
6mを超える選手自体が限られるなか、6m31は現在の男子棒高跳びの技術水準を象徴する数字になっている。
世界記録は現在も更新される可能性がある
デュプランティスの6m31は、2025年9月に東京で樹立した6m30を1センチ上回るものだった。
1センチという小さな差に見えるが、世界のトップ選手が競う競技で記録を更新することは簡単ではない。
世界陸連の選手プロフィールでは、6m31が2026年の自己ベストとして確認できる。
出典:World Athletics「Armand Duplantis 選手プロフィール」「Duplantis breaks world pole vault record in Uppsala」。
【歴史的快挙】デュプランティスが6m31を跳んだMondo Classic 2026
2026年3月12日のMondo Classicは、デュプランティスにとって特別な大会だった。
自らの地元スウェーデンで開催される大会であり、世界記録を更新する舞台としても大きな注目を集めていた。
6m31までの試技を振り返る
世界陸連の公式大会レポートによると、デュプランティスは次の高さをすべて最初の試技で成功させた。
- 5m65:成功
- 5m90:成功
- 6m08:成功
- 6m31:成功・世界新記録
特に注目したいのは、6m08を成功させた後、6m31へ一気にバーを上げたことだ。
23センチという大幅な高さの変更だったが、デュプランティスは最初の試技でクリアした。
この時点で、ほかの選手は6m08を越えられず、ノルウェーのソンドレ・グットルムセンが6m00で2位となっていた。
最終的な上位成績は次のとおり。
1位:アルマンド・デュプランティス(スウェーデン)6m31
2位:ソンドレ・グットルムセン(ノルウェー)6m00
3位:ザカリー・ブラッドフォード(アメリカ)5m90
4位:サム・ケンドリックス(アメリカ)5m90
5位:カーティス・マーシャル(オーストラリア)5m90
15回目の世界記録更新という偉業
今回の6m31は、デュプランティスにとってキャリア15回目の世界記録更新だった。
2020年に6m17で初めて世界記録を更新してから、約6年間で記録を14センチ伸ばした計算になる。
しかも、2025年だけでも4回の世界記録更新を達成している。
世界陸連の大会報告では、今回の成功について、地元大会での記録更新という特別な意味も取り上げられた。
単に数字を更新しただけではない。自身の名前を冠した大会で、地元の観客の前で世界記録を打ち立てたという点でも印象深い出来事だった。
出典:World Athletics、2026年3月12日大会レポート。BBC Sport「Duplantis breaks pole vault record for 15th time」。
【歴代世界記録の推移】ブブカからラビレニ、デュプランティスへ
男子棒高跳びの歴史を振り返ると、世界記録の更新には大きな転換点がいくつもある。
とりわけ重要なのが、セルゲイ・ブブカ、ルノー・ラビレニ、アルマンド・デュプランティスの3人だ。
1. セルゲイ・ブブカが切り開いた6m時代
これは男子棒高跳び史上初の6m超えだった。
ブブカは1980年代から1990年代にかけて世界記録を次々と更新。世界陸連の殿堂入り紹介によれば、屋外17回、室内18回、合計35回の世界記録更新を達成している。
特に重要なのが以下の2つの記録だ。
- 1993年2月21日:室内6m15
- 1994年7月31日:屋外6m14
6m15は、長年にわたって棒高跳びの象徴的な記録として知られていた。
2. ルノー・ラビレニが21年ぶりに記録を更新
2014年2月15日、フランスのルノー・ラビレニ(Renaud Lavillenie)がウクライナのドネツクで6m16を成功させた。
これにより、ブブカが保持していた6m15を1センチ上回った。
この記録は室内競技会で樹立されたものだったが、当時の世界記録規則に基づいて正式な世界記録として認定された。
ブブカの6m15が約21年間守られていたことを考えると、ラビレニの記録更新がいかに大きな出来事だったかが分かる。
3. デュプランティスが6m16を超える
2020年2月8日、デュプランティスはポーランドのトルンで6m17を跳び、ラビレニの記録を更新した。
さらに1週間後の2月15日には、グラスゴーで6m18を成功。
その後も1センチずつ記録を伸ばし、2026年3月には6m31へ到達した。
男子棒高跳び世界記録の歴代主要年表
| 年月日 | 選手・記録 | 出来事・開催地 |
|---|---|---|
| 1912年 | マーク・ライト 4m02 | 最初の公式世界記録 |
| 1963年 | ブライアン・スターンバーグ 5m00 | 初の5m超え |
| 1972年 | 5m51 | 5m50を突破 |
| 1981年 | 5m80 | ティエリ・ヴィニュロンが到達 |
| 1985年6月13日 | ブブカ 6m00 | 人類初の6m超え |
| 1993年2月21日 | ブブカ 6m15 | 当時の室内世界記録 |
| 1994年7月31日 | ブブカ 6m14 | 屋外世界記録 |
| 2014年2月15日 | ラビレニ 6m16 | 世界記録更新 |
| 2020年2月8日 | デュプランティス 6m17 | トルンで初の世界記録 |
| 2020年2月15日 | デュプランティス 6m18 | グラスゴー |
| 2022年3月7日 | デュプランティス 6m19 | ベオグラード |
| 2022年3月20日 | デュプランティス 6m20 | ベオグラード |
| 2022年7月24日 | デュプランティス 6m21 | ユージーン |
| 2023年2月25日 | デュプランティス 6m22 | クレルモンフェラン |
| 2023年9月17日 | デュプランティス 6m23 | ユージーン |
| 2024年4月20日 | デュプランティス 6m24 | 厦門 |
| 2024年8月5日 | デュプランティス 6m25 | パリ五輪 |
| 2024年8月25日 | デュプランティス 6m26 | ホジュフ |
| 2025年2月28日 | デュプランティス 6m27 | クレルモンフェラン |
| 2025年6月15日 | デュプランティス 6m28 | ストックホルム |
| 2025年8月12日 | デュプランティス 6m29 | ブダペスト |
| 2025年9月15日 | デュプランティス 6m30 | 東京・世界選手権 |
| 2026年3月12日 | デュプランティス 6m31 | ウプサラ・Mondo Classic |
※ブブカの6m15は当時の室内記録、6m14は屋外記録。ラビレニ以降の記録とは、当時の室内・屋外の記録規則の違いを考慮する必要がある。
この年表から分かるのは、6mを突破してからの記録更新が、単純な右肩上がりではないことだ。
ブブカは長期間にわたり記録を積み上げ、ラビレニは約21年ぶりにその壁を破った。そしてデュプランティスは、2020年以降、世界記録を短い間隔で更新している。
出典:World Athletics「Pole Vault」「Hall of Fame Profile – Sergey Bubka」、World Athleticsのラビレニ世界記録認定資料、BBC Sportのデュプランティス記録推移。
【室内・屋外の違い】6m31は室内記録でも世界記録になる?
男子棒高跳びの記録を調べる際、意外と混乱しやすいのが室内と屋外の区別だ。
かつては室内世界記録と屋外世界記録が別々に扱われていた時代があり、ブブカの6m15と6m14もその歴史を反映している。
現在は室内で跳んでも世界記録として認められる
世界陸連の2014年の記録認定資料では、1998年以降の規則によって、屋根のある施設でも屋外と同じ世界記録を樹立できる扱いになったことが説明されている。
ただし、それ以前に樹立された記録には遡及適用されなかった。
このため、1993年にブブカが樹立した室内6m15は、2014年にラビレニが6m16を跳ぶまでの歴史的な室内記録として残る一方、屋外の6m14を超えたラビレニの記録が新たな世界記録となった。
現在は、室内であることを理由に世界記録から除外されるわけではない。
室内競技と屋外競技の特徴
| 比較項目 | 室内競技 | 屋外競技 |
|---|---|---|
| 開催場所 | 体育館・屋内競技場 | 屋外競技場 |
| 風の影響 | 基本的に受けにくい | 風向き・風速の影響を受ける |
| 天候 | 雨や気温変化の影響が少ない | 天候の影響を受ける |
| 記録の扱い | 世界記録として認定可能 | 世界記録として認定可能 |
| 6m31との関係 | 2026年の世界記録を樹立 | 現在も同じ世界記録の対象 |
したがって、2026年3月12日の6m31は室内での記録であっても、男子棒高跳びの世界記録だ。
「屋外で跳んでいないから正式な世界記録ではない」という理解は誤りである。
【なぜ6m31を跳べるのか】デュプランティスの技術と身体能力
デュプランティスの強さを理解するには、棒高跳びという競技の仕組みを知る必要がある。
棒高跳びは、助走から踏み切り、ポールのしなり、身体の引き上げ、バー越えまでを連続して行う競技だ。
1. 世界トップクラスの助走スピード
デュプランティスの大きな武器は走力である。
世界陸連が2026年9月に公開した技術解説では、2024年の計測で最高速度10.31m/s、最後の3歩の平均速度10.05m/sを記録したことが紹介されている。
助走で生み出した運動エネルギーは、ポールを介して跳躍に利用される。
つまり、速く走る能力は単なる補助ではなく、高いバーを越えるための重要な土台なのだ。
2. ポールのしなりを利用する技術
棒高跳びで使用するポールは、選手が踏み切った際に大きくしなる。
このとき、助走で得たエネルギーの一部がポールの弾性エネルギーとして蓄えられ、元に戻ろうとする力を利用して身体を上方向へ導く。
ただし、ポールの反発力だけで成功するわけではない。
選手自身が身体を振り上げ、腰を高く引き上げ、身体を伸ばしてから回転する必要がある。
世界陸連の技術解説でも、助走、踏み切り、スイング、伸展、回転、バー越えという一連の動作が重要な要素として説明されている。
3. 22歩の助走という新しい挑戦
Mondo Classic 2026では、デュプランティスが22歩の助走を採用したことも話題になった。
従来の20歩から助走を長くすることで、より大きなスピードを得る狙いがあった。
ただし、助走を長くすれば必ず高く跳べるわけではない。
速度が上がるほど、踏み切りのタイミングやポールを突く位置の精度も要求される。助走の速度を高めながら、空中動作まで正確につなげることが必要になる。
2026年5月のロイター通信も、デュプランティスが22歩の助走によってパワーを高めようとしていることを報じている。
こうした技術的な挑戦を続けていることが、彼の記録更新を支える要素の一つだ。
出典:World Athletics「The science behind the perfect pole vault」(2026年9月7日)、Reuters(2026年5月15日)、World Athleticsの棒高跳び技術解説。
【プロの結論】男子棒高跳び世界記録の本当のすごさは何か
男子棒高跳びの歴史を追うと、6m31という数字には単なる高さ以上の意味がある。
特に押さえておきたいのは、次の3点だ。
記録更新回数だけでは選手の偉大さを比較できない
ブブカはキャリアを通じて35回の世界記録更新を達成した。一方、デュプランティスは2026年3月の時点で15回目の世界記録更新を記録している。
数字だけを比べればブブカが上回る。
しかし、室内・屋外の記録制度や競技環境、選手の活動期間が異なるため、更新回数だけで優劣を決めることはできない。
ブブカは6m時代を切り開いた先駆者であり、デュプランティスはその競技水準をさらに引き上げた選手だ。
1センチ更新の積み重ねが世界記録を生む
デュプランティスの記録推移を見ると、世界記録は大幅なジャンプではなく、1センチずつの更新が中心となっている。
6m31に至るまでの15回の記録更新も、競技者が自分の限界を少しずつ押し広げてきた結果だ。
一度に大きく記録を伸ばすことだけが進歩ではない。技術を調整し、身体の状態を整え、成功できる高さを着実に引き上げることも、世界最高峰の競技力を示している。
世界記録を調べるなら公式記録と大会記録を区別する
インターネット上には、世界記録、屋外記録、室内記録、自己ベストが混在していることがある。
情報を確認するときは、次の基準が役立つ。
- 世界記録:世界陸連が認定する男子棒高跳びの最高記録。
- 自己ベスト:選手本人が競技生活で記録した最高の高さ。
- 大会記録:特定の大会における最高記録。
- 室内記録:屋内競技会で記録した高さ。現在は世界記録として認定される場合がある。
この4つを混同しないことが、正確な情報を得るためのポイントだ。
【男子棒高跳び世界記録】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:男子棒高跳びの世界記録は何メートルですか?
A1:2026年11月現在、6m31です。2026年3月12日にスウェーデンのウプサラで開催されたMondo Classicで、アルマンド・デュプランティスが樹立しました。
Q2:男子棒高跳びで6mを初めて跳んだ選手は誰ですか?
A2:セルゲイ・ブブカです。1985年6月13日、フランスのパリで6m00を成功させました。男子棒高跳び史上初の6m超えとして知られています。
Q3:ルノー・ラビレニの世界記録は何メートルでしたか?
A3:6m16です。2014年2月15日にウクライナのドネツクで樹立し、ブブカの6m15を上回りました。その後、2020年にデュプランティスが6m17を跳ぶまで世界記録を保持しました。
Q4:室内で跳んだ記録も男子棒高跳びの世界記録になりますか?
A4:はい。現在は室内競技会での記録も世界記録として認められます。2026年の6m31も室内競技会で樹立された記録です。
Q5:デュプランティスは何回世界記録を更新していますか?
A5:2026年3月12日の6m31が15回目の世界記録更新です。2020年の6m17から記録を積み重ねています。
まとめ:男子棒高跳び世界記録6m31と今後の注目点
2026年11月現在、男子棒高跳びの世界記録はアルマンド・デュプランティスが保持する6m31だ。
2026年3月12日のMondo Classicで達成されたこの記録は、彼にとって15回目の世界記録更新となった。
男子棒高跳びの歴史を振り返れば、ブブカが1985年に初めて6mを突破し、2014年にはラビレニが6m16を記録。そして2020年からデュプランティスが記録を更新し続けている。
また、室内・屋外の区別をめぐる歴史的な制度変更を理解すれば、6m31が正式な世界記録であることも明確になる。
今後の最大の注目点は、デュプランティスが6m31をさらに更新できるかどうかだ。
6m32、6m33、そしてその先へ。わずか1センチの更新に世界中の陸上ファンが注目する男子棒高跳びは、これからも記録の限界に挑み続ける。