2026年10月現在、男子棒高跳びの世界記録は、スウェーデン代表のアルマンド・デュプランティスが記録した6.31mです。2026年3月12日、スウェーデンのウプサラで開催された「モンド・クラシック」で、自身が持つ従来の世界記録6.30mを1cm更新しました。しかも、この跳躍は1回目の試技で成功。世界陸連は同年7月23日に正式な世界記録として認定しています。
かつて男子棒高跳びを支配したセルゲイ・ブブカの時代から、デュプランティスが6.31mに到達するまでには、競技の歴史を変える数々の記録がありました。室内と屋外の世界記録の違い、6メートルを超える選手の実力、ポールの仕組み、世界ランキングまで整理すると、現在の記録がどれほど特別なのかが見えてきます。
【2026年最新】男子棒高跳びの世界記録は6.31m!デュプランティスがウプサラで更新

2026年10月31日時点
男子棒高跳びの世界記録保持者は、スウェーデンのアルマンド・デュプランティスです。
現在の記録を整理すると、次のようになります。
- 記録:6.31m
- 選手:アルマンド・デュプランティス
- 国籍:スウェーデン
- 樹立日:2026年3月12日
- 大会:モンド・クラシック
- 開催地:スウェーデン・ウプサラ
- 会場:IFUアリーナ
- 更新回数:通算15回目
世界陸連の公式レポートと大会結果によれば、デュプランティスはこの大会で5.65m、5.90m、6.08mをすべて1回目でクリア。その後、世界記録となる6.31mに挑戦し、これも1回目で成功しました。
6.31mはどれほどすごい記録なのか
棒高跳びは、助走で得たスピードとポールの反発力を利用して、自分の身体を高く持ち上げる競技です。
6.31mという高さは、一般的な建物の2階部分に相当するほどです。
しかも、選手は単に高く跳べばよいわけではありません。助走の速度、踏み切る位置、ポールをボックスに差し込むタイミング、空中での身体操作、バーを越える際の姿勢を高度に連動させる必要があります。
6.31mを成功させたデュプランティスの技術は、身体能力だけでは説明できない完成度に達しています。
2026年3月12日のウプサラで何が起きた?
この記録が生まれたモンド・クラシックは、世界陸連の室内ツアー・シルバーに位置づけられる大会です。
デュプランティスにとっては2026年シーズン2戦目。大会ではノルウェーのソンドレ・グットルムセンが6.00mを成功させて2位に入りました。
デュプランティスは6.08mを成功させた段階で優勝を確定させ、次の高さとして6.31mを選択。自身の記録を1cm上回りました。
世界陸連は3月の大会レポートで通常の記録認定手続きの対象として紹介し、7月23日には6.31mを正式に認定した世界記録として発表しています。したがって、10月現在は暫定記録ではありません。
【歴代記録】男子棒高跳びの世界記録はどう変わってきた?ブブカから6.31mまで
男子棒高跳びの歴史を振り返ると、6メートルという壁を突破したセルゲイ・ブブカと、その後の記録を塗り替え続けるデュプランティスの存在が際立ちます。
男子棒高跳びの世界記録の主な変遷
歴代記録の節目をまとめました。
セルゲイ・ブブカが築いた6メートル時代
セルゲイ・ブブカは、1980年代から1990年代にかけて男子棒高跳びを代表したウクライナの名選手です。
1985年6月13日、フランス・パリで6.00mを成功させ、男子棒高跳びで初めて6メートルの壁を突破しました。
当時の6メートルは、単なる記録更新ではありません。棒高跳びという競技の可能性を大きく広げる歴史的な到達点でした。
ブブカはその後も記録を伸ばし、1993年には室内で6.15m、1994年には屋外で6.14mを記録しています。
世界陸連の殿堂入り選手紹介によると、ブブカは現役時代に合計35回の世界記録を樹立しました。その内訳は屋外17回、室内18回です。
また、世界陸上選手権では1983年から1997年まで6大会連続で金メダルを獲得しています。
ルノー・ラビレニがブブカの記録を突破
2014年2月15日、フランスのルノー・ラビレニがウクライナのドネツクで6.16mを成功させました。
これはブブカが保持していた屋外の6.14mを上回る記録でした。
世界陸連は同年3月、6.16mを正式な世界記録として認定しています。
この更新は、ブブカが長年保持してきた記録が次の時代へ引き継がれた象徴的な出来事でした。
デュプランティスが6.17mから6.31mへ
デュプランティスが世界記録保持者になったのは2020年です。
2月8日に6.17mを成功させ、そのわずか7日後には6.18mへ更新しました。
その後の記録更新は次のとおりです。
- 2022年:6.19m、6.20m、6.21m
- 2023年:6.22m、6.23m
- 2024年:6.24m、6.25m、6.26m
- 2025年:6.27m、6.28m、6.29m、6.30m
- 2026年:6.31m
2025年9月15日の東京世界選手権では、6.30mを成功させて大会優勝と世界記録更新を同時に達成しました。
その後、2026年3月12日のウプサラで6.31mを成功させ、世界記録更新は通算15回目に到達しています。
【ブブカとデュプランティスを比較】世界記録更新回数と偉大さの違い
男子棒高跳びの歴史を語るうえで、ブブカとデュプランティスの比較は欠かせません。
どちらも競技の常識を変えた選手ですが、活躍した時代や世界記録の制度には違いがあります。
2人の記録と実績を比較
世界記録更新回数はブブカの35回が上
数字だけを比較すれば、ブブカの35回がデュプランティスの15回を上回っています。
ただし、この数字をそのまま競技者としての優劣に結びつけることはできません。
大きな理由は、室内と屋外の世界記録の制度が異なる時代を含んでいることです。
ブブカの35回は、当時別々に扱われていた室内・屋外の記録更新を合算したものです。一方、デュプランティスの15回は、現在の共通の世界記録を更新した回数です。
また、ブブカは6メートル突破という歴史的な壁を初めて越えた選手であり、デュプランティスはその到達点をさらに高めています。
両者の偉大さは、単純な更新回数では測れません。
デュプランティスの強さは記録の再現性にもある
デュプランティスの特徴は、世界記録を更新できる高さに到達したことだけではありません。
通常の競技会でも高い水準の跳躍を続け、優勝を重ねながら記録に挑戦している点にあります。
2026年3月のウプサラ大会では、6.31mを含めて主要な高さをすべて1回目で成功させました。
これは記録更新の瞬間だけでなく、競技全体を通した安定感も優れていることを示しています。
【室内・屋外の世界記録】棒高跳びは別々に記録される?
棒高跳びの記録を調べる際、特に混乱しやすいのが室内と屋外の違いです。
結論からいえば、現在の男子棒高跳びでは、室内と屋外を区別せず、共通の世界記録として扱います。
つまり、室内大会で成功した6.31mも、屋外で成功した6.31mも、同じ世界記録の基準で評価されます。
なぜブブカには室内6.15mと屋外6.14mがあるのか
この違いを理解するには、1998年のルール変更が重要です。
世界陸連の前身である国際陸上競技連盟(IAAF)は、1998年以降、屋根のある施設でも屋根のない施設でも世界記録を認めるルールを適用しました。
ただし、1998年より前に樹立された記録には遡って適用されませんでした。
そのため、ブブカが1993年に記録した室内6.15mは、当時の室内世界記録として扱われました。
一方、2014年にラビレニが室内で成功させた6.16mは、屋外の世界記録だったブブカの6.14mを上回ったため、共通の世界記録となりました。
室内と屋外で跳びやすさは変わる?
記録の認定基準は共通でも、競技環境には違いがあります。
室内競技は風や雨の影響を受けにくく、温度や会場条件も比較的安定しています。
一方、屋外競技では風向きや気温、天候などが助走や踏み切りに影響する場合があります。
ただし、室内だから必ず高く跳べるわけではありません。選手のコンディション、助走路の状態、ポールの選択、競技当日の環境などが結果を左右します。
2026年の6.31mは室内で樹立された記録ですが、室内専用の世界記録として別枠で扱うものではありません。
【棒高跳びの仕組みとルール】6メートルを超える跳躍はどう実現する?
棒高跳びは、陸上競技のなかでも特に技術と道具の相互作用が大きい種目です。
選手が使用するポールは、単なる長い棒ではありません。しなりと反発を利用して、助走のエネルギーを上方向の動きに変換する特殊な用具です。
ポールの仕組みは「しなり」と「反発」
現在の棒高跳びでは、主にグラスファイバーやカーボンファイバーを使った柔軟性の高いポールが使用されます。
競技の流れは大きく次のようになります。
1. 助走: ポールを持って走り、踏み切りに必要な速度を得る。
2. 突き刺し: ポールの先端を助走路のボックスに差し込む。
3. ポールの湾曲: 選手の運動エネルギーによってポールが大きくしなる。
4. 身体の引き上げ: ポールが曲がる間に身体を振り上げる。
5. 反発と伸展: ポールが元の形に戻る力を利用し、身体を上方へ移動させる。
6. バー越え: 身体を回転させながらバーを越え、マットに着地する。
ポールがしなるときには弾性エネルギーが蓄えられ、元に戻る際にそのエネルギーが放出されます。
ただし、ポールだけで選手が持ち上がるわけではありません。助走速度、踏み切りの力、腕や肩の使い方、身体の振り上げなどが組み合わさって初めて大きな跳躍になります。
世界陸連の競技解説でも、現代のポールの素材や助走から着地までの技術が詳しく紹介されています。
棒高跳びの基本ルールと記録認定
棒高跳びでは、バーを越える高さだけでなく、試技の回数や失敗の判定も順位に関係します。
主なルールは次のとおりです。
- 各高さにつき最大3回まで試技できる。
- バーを落とさずに越えれば成功となる。
- 選手は試技をパスして、次の高さへ進むこともできる。
- 3回連続で失敗すると競技終了となる。
- ポールが競技中に破損した場合は失敗扱いにならず、代替試技が認められる。
- 同じ高さを成功させた選手が並んだ場合は、失敗数などで順位を決める。
世界記録として認定されるには、公式競技であることに加え、競技規則に沿った設備や審判体制などの条件を満たす必要があります。
そのため、大会で高い記録が出たからといって、すべてが自動的に世界記録になるわけではありません。
2026年3月の6.31mも、最終的に7月23日に世界陸連の正式な認定を受けています。
【2026年最新ランキング】男子棒高跳びの世界トップ選手は誰?
世界記録だけでなく、現在の男子棒高跳びを牽引する選手にも注目してみましょう。
世界陸連が公表する男子棒高跳びの世界ランキングでは、2026年10月27日時点でデュプランティスが1位です。
2026年10月27日時点の男子世界ランキング
このランキングは世界陸連が公表する競技別ランキングであり、単純に自己ベストの高さだけを並べた歴代記録ランキングとは異なります。
2位エマヌイル・カラリスは最大の注目選手
ギリシャのエマヌイル・カラリスは、デュプランティスに続くランキング2位の選手です。
2026年2月28日には6.17mを成功させており、世界トップクラスの実力を持っています。
2026年の世界ランキングでもデュプランティスとの差を詰める位置におり、今後の対決が注目されます。
3位カーティス・マーシャルも6メートル超えの実力者
オーストラリアのカーティス・マーシャルは、2026年10月27日時点で世界ランキング3位です。
ウプサラの大会では5.90mを成功させ、上位に入りました。
さらに2026年の屋外競技でも6メートルを成功させており、デュプランティスに対抗できる選手の一人です。
6メートル超えは世界トップクラスの証明
男子棒高跳びで6メートルを超えることは、極めて高い競技能力を示します。
2026年3月のウプサラ大会では、デュプランティスが6.31m、グットルムセンが6.00mを成功させました。
加えて、世界陸連の2026年シーズンの大会報道では、マーシャルやカラリスなど複数の選手が6メートル台の跳躍を記録しています。
こうした競争環境があるからこそ、デュプランティスの世界記録更新が際立ちます。
6メートルを超える選手が複数いる状況でも、6.31mという記録には大きな差が残っているのです。
【よくある誤解を解消】男子棒高跳びの世界記録に関する疑問
Q1:男子棒高跳びの世界記録は何メートルですか?
A1:2026年10月現在、6.31mです。スウェーデンのアルマンド・デュプランティスが2026年3月12日にウプサラのモンド・クラシックで記録し、同年7月23日に世界陸連から正式認定されました。
Q2:デュプランティスは何回世界記録を更新していますか?
A2:2026年3月12日の6.31mが通算15回目の世界記録更新です。2020年に6.17mを記録してから、1cmずつ段階的に記録を伸ばしています。
Q3:セルゲイ・ブブカの世界記録は何メートルでしたか?
A3:ブブカは1993年に室内で6.15m、1994年に屋外で6.14mを記録しました。また、現役時代に室内・屋外を合わせて35回の世界記録を樹立しています。
Q4:棒高跳びの室内世界記録と屋外世界記録は別ですか?
A4:現在は共通の世界記録として扱われます。1998年以降、屋根のある施設とない施設の両方で世界記録を樹立できるルールが適用されています。ただし、1998年以前のブブカの記録には当時の制度が残っています。
Q5:男子棒高跳びで6メートルを超える選手は何人いますか?
A5:歴代では複数の選手が6メートルを超えています。2026年にもデュプランティス、カラリス、マーシャル、グットルムセンなどが6メートル台を記録しています。シーズンや大会によって該当選手は変わります。
Q6:棒高跳びのポールはなぜ曲がるのですか?
A6:グラスファイバーやカーボンファイバーなど、柔軟性と強度を備えた素材で作られているためです。選手が助走で得たエネルギーによってポールがしなり、蓄えられた弾性エネルギーが戻る力を利用して身体を上方向へ運びます。
まとめ:男子棒高跳びの世界記録6.31mは新時代の到達点
2026年10月現在、男子棒高跳びの世界記録は、アルマンド・デュプランティスが2026年3月12日にウプサラで樹立した6.31mです。
世界記録の歴史を振り返ると、1985年に初めて6メートルを突破したセルゲイ・ブブカ、2014年に6.16mを記録したルノー・ラビレニ、そして2020年から記録を更新し続けるデュプランティスという、3つの大きな転換点が見えてきます。
特に注目したいのは、デュプランティスが世界記録を15回更新していることです。6.17mから6.31mまで、1cm単位で記録を押し上げてきました。
また、室内・屋外の世界記録は現在共通の基準で扱われており、6.31mも正式に認定された世界記録です。
今後の見どころは、デュプランティスが自らの記録をどこまで伸ばすのか、そしてカラリスやマーシャルら次世代のライバルがどこまで迫れるかという点です。
6.31mは男子棒高跳びの歴史における現在の最高到達点であり、次の1cmが生まれる瞬間にも世界中の陸上ファンの視線が集まっています。