2026年現在、DV男性の特徴として見逃せないのは、怒鳴る、人格を否定する、無視を続けるといった言動だけではない。交友関係を制限する、スマートフォンを監視する、仕事やお金の使い方を自分の思いどおりに管理するといった、相手を支配する行動もDVに該当する可能性がある。外では優しく社交的でも、恋人や妻に対してだけ威圧的になる男性もいるため、第一印象や社会的な評判だけで判断することは難しい。
内閣府男女共同参画局の調査では、結婚経験のある人の25.1%が配偶者から何らかの暴力を受けた経験があると回答している。身体的暴力だけでなく、精神的DV、経済的DV、性的DVも深刻な問題だ。この記事では、DV男性の性格と行動パターン、モラハラ男や支配欲が強い男性に見られる危険サイン、デートDVの見分け方を整理する。加えて、2026年時点の公的統計や法改正、DV相談ナビ・DV相談+などの相談先まで詳しく解説する。
【DV男性の特徴】怒鳴る・無視する・束縛する男性に共通する危険サイン

DV男性を見分ける際に大切なのは、見た目や職業、学歴、収入ではなく、パートナーに対してどのような態度を取るかという点だ。
内閣府男女共同参画局は、DV加害者には一定のタイプがなく、年齢、学歴、職種、年収に関係しないと説明している。普段は人当たりが良く、社会的信用もあり、周囲から暴力を振るう人物だと思われていないケースもある。
そのため、交際初期の優しさや周囲からの評価だけでは判断できない。特に注意したいのは、相手の自由や意思を尊重せず、自分の考えに従わせようとする行動だ。
1.怒鳴る・威圧することで相手を従わせる
自分の思いどおりにならないと突然声を荒らげる、物に当たる、机をたたく、相手の逃げ道をふさぐといった行動は危険なサインだ。
DV男性の特徴として、意見の違いを対等な話し合いで解決するのではなく、恐怖や威圧によって相手を黙らせようとする傾向が挙げられる。
例えば、次のような言動には注意が必要だ。
- 自分の意見に反論すると大声で怒鳴る。
- 「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」と言う。
- 相手の失敗を必要以上に責め続ける。
- 人前でパートナーを侮辱する。
- 物を壊したり投げたりして恐怖を与える。
- 自分の機嫌を相手の責任にする。
特に問題なのは、怒りを理由に相手の行動を制限することだ。怒ること自体ではなく、怒りを使って相手の自由や意思を奪っているかどうかが判断のポイントになる。
2.無視や沈黙を使って精神的に追い詰める
DV男性の中には、怒鳴る代わりに無視を続けるタイプもいる。
話しかけても返事をしない、何日も口をきかない、相手が謝るまで冷たい態度を取り続けるなど、沈黙を罰として利用する行動だ。
もちろん、冷静になるために一時的に距離を置くこと自体は問題ではない。問題になるのは、相手を不安にさせ、服従させる目的で無視を繰り返すことだ。
こうした精神的DVが続くと、被害者は相手の機嫌を常に気にするようになる。「怒らせないために何をすればいいか」と考える時間が増え、自分の希望や意見を伝えることさえ怖くなる。
3.交友関係や行動を細かく制限する
支配欲が強い男性に見られる代表的な行動が、パートナーの人間関係や生活への過度な干渉だ。
- 友人や異性の知人との連絡を禁止する。
- 実家や家族に会うことを嫌がる。
- 外出するたびに行き先や同行者を報告させる。
- 帰宅時間を一方的に決める。
- スマートフォンのロック解除を要求する。
- SNSやメッセージの内容を勝手に確認する。
- 位置情報を常時共有するよう強要する。
「心配だから」「好きだから」という言葉で正当化される場合もあるが、相手が断れず、自由を失っているなら注意したい。
束縛が激しい男性の心理には、嫉妬や不安、自分の思いどおりに相手を動かしたいという欲求などが関係する場合がある。ただし、不安や嫉妬があること自体はDVではない。それを理由に監視や制限を正当化することが問題なのだ。
4.自分の非を認めず、相手に責任を押しつける
自分が怒鳴ったり暴力を振るったりしたにもかかわらず、「お前が怒らせた」「普通ならそんなことはしない」「自分は悪くない」と責任を相手に転嫁する行動も危険だ。
このような男性は、相手の気持ちよりも自分の正当性を優先しやすい。謝罪した場合でも、同じ行動を繰り返すなら、謝罪の言葉だけで関係の改善を判断することはできない。
5.外では優しいのに、二人きりになると態度が変わる
職場では温厚で、友人にも親切なのに、家庭や交際関係では威圧的になる男性もいる。
内閣府の資料でも、周囲からはDVをしていると想像されないような人物が加害者となる場合があると説明されている。
「友人はみんな彼をいい人だと思っている」「職場では評判がいい」という理由だけで、自分が感じている恐怖や違和感を否定する必要はない。
【精神的・身体的・経済的・性的DV】見逃してはいけない4種類の具体例
DVは殴る、蹴るといった身体的暴力だけを指すものではない。内閣府男女共同参画局は、暴力には身体的・精神的・性的なものなど複数の形態があり、いくつかが重なって起こるケースもあると説明している。
特に交際初期や同棲を始めたばかりの時期には、本人が暴力だと認識できないまま精神的・経済的な支配が進むこともある。
精神的DV・モラハラ男の特徴
精神的DVは、言葉や態度によって相手の心を傷つけ、恐怖や無力感を与える行為だ。一般にモラルハラスメント、いわゆるモラハラと呼ばれる行動とも重なる。
具体例としては、次のようなものがある。
- 人格や容姿、能力を繰り返し否定する。
- 大声で怒鳴り、恐怖を与える。
- 友人や家族との付き合いを制限する。
- 長期間無視し、会話を拒絶する。
- 相手の行動やスマートフォンを監視する。
- 相手が大切にしている物を壊す。
- 子どもや家族に危害を加えると脅す。
精神的DVの厄介な点は、外傷が残らない場合があることだ。周囲から被害が見えにくく、被害者自身も「自分が悪いのかもしれない」と考えてしまうことがある。
身体的DVの兆候と具体例
身体的DVは、相手の身体に直接的な力を加える暴力だ。殴る、蹴る以外にも、腕を強くつかむ、髪を引っ張る、物を投げつけるといった行為が含まれる。
- 平手打ちや殴打をする。
- 腕をつかんだり、ねじったりする。
- 髪を引っ張る。
- 物を投げつける。
- 首を絞める。
- 刃物などを突きつける。
- 殴るふりをして威嚇する。
特に、首を絞める行為や凶器を使った威嚇は、生命に関わる重大な危険を伴う。暴力が一度でも起きた場合、相手の謝罪や約束だけで安全だと判断してはいけない。
経済的DVの特徴
経済的DVとは、金銭や仕事を利用して相手の生活や自立を妨げる行為だ。
代表的な具体例は以下のとおり。
- 生活費を十分に渡さない。
- 相手の給料や貯金を勝手に使う。
- 借りたお金を返さない。
- 仕事を辞めるよう強要する。
- 外で働くことを禁止する。
- デート代や生活費を一方的に負担させる。
- 家計や口座の情報を隠し、金銭的な自由を奪う。
経済的DVの本質は、単純な収入差やお金の使い方の違いではない。相手が自分のお金を自由に使えない、働けない、別れた後の生活を自分で選べないという状態を作り出すことにある。
例えば、家計を共同管理すること自体はDVではない。しかし、一方だけが口座や収入を管理し、相手に必要な生活費すら渡さない場合は深刻な問題となる。
性的DVの具体例
性的DVは、相手の意思や同意を無視して性的な行為を強要することだ。夫婦や恋人同士であっても、性的な同意が自動的に成立するわけではない。
- 嫌がっているのに性行為を強要する。
- 避妊に協力しない。
- 妊娠や中絶について一方的な決定を迫る。
- 同意なく裸や性的な画像・動画を撮影する。
- 見たくない性的映像を無理に見せる。
- 性的な要求を拒否すると怒ったり脅したりする。
性的DVでは、「恋人だから応じるべき」「夫婦だから断れない」といった考え方が被害を見えにくくする。相手が嫌がっていることを理解しながら強要する行為は、親密な関係であっても正当化されない。
4種類のDVを行動から見分ける比較表
| DVの種類 | 代表的な行動・具体例 | 注意すべきポイント |
|---|---|---|
| 精神的DV | 怒鳴る、無視する、人格否定、交友関係の制限 | 恐怖や罪悪感によって相手を従わせる |
| 身体的DV | 殴る、蹴る、腕をつかむ、物を投げる | 直接的な暴力や身体への威嚇がある |
| 経済的DV | 生活費を渡さない、貯金を使う、就労を妨げる | 金銭的な自立や生活の選択肢を奪う |
| 性的DV | 性行為の強要、避妊拒否、無断撮影 | 本人の意思や性的同意を無視する |
これらの分類は完全に独立しているわけではない。例えば、スマートフォンを監視して交友関係を制限する行為は精神的DVに関係し、仕事を辞めさせて生活費を管理する行為は精神的・経済的DVの両面を持つ場合がある。
【内閣府の調査データ】DV被害の実態と2026年の最新統計
DV男性の特徴を考えるうえで、実際にどの程度の人が被害を経験しているのかも重要だ。
内閣府男女共同参画局が2024年3月26日に公表した「男女間における暴力に関する調査(令和5年度調査)」は、配偶者や交際相手からの暴力について全国規模で調べた公的資料である。2026年11月時点でも、同調査は配偶者・交際相手からの被害経験を把握するための最新公表調査として参照されている。
結婚経験者の25.1%に配偶者からの被害経験
令和5年度調査によると、これまでに結婚したことがある人のうち、配偶者から何らかの暴力を受けた経験がある人は25.1%だった。
男女別では、女性が27.5%、男性が22.0%。加えて、何度も被害を受けた経験がある人は全体で10.7%に達している。
- 配偶者から被害を受けた経験がある人:25.1%
- 女性の被害経験:27.5%
- 男性の被害経験:22.0%
- 何度も被害を受けた経験がある人:10.7%
- 女性で何度も被害を受けた人:13.2%
- 男性で何度も被害を受けた人:7.2%
この数字から読み取れるのは、DV被害が女性だけに限られないという事実だ。男性も被害者になり得るため、性別にかかわらず、相手の支配的な行動や暴力を問題として捉える必要がある。
交際相手からのDVも18.0%が経験
同調査では、交際相手がいた、または現在いる人2,112人についても調査している。
身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要のいずれかを経験した人は18.0%。女性では22.7%、男性では12.0%だった。
この結果は、婚姻関係にない恋人同士でもDVが起こり得ることを示している。交際中だから、同棲していないからという理由で、暴力や支配を軽く考えてはいけない。
被害経験があっても相談できていない人が多い
見逃せないのが、相談行動に関する数字だ。
内閣府の調査では、配偶者から暴力を受けた経験がある人の44.2%が、どこにも誰にも相談していないと回答した。女性では36.3%、男性では57.2%だった。
相談しない理由には、被害の自覚がない、相手との関係を壊したくない、経済的に離れられない、誰に相談すればよいかわからないなど、複数の事情が考えられる。
また、2026年版男女共同参画白書では、令和6年度のDV相談者について、30~40代が53.9%を占め、相談内容の約7割に精神的DVが含まれていたことが示されている。
これは、DV相談の現場で身体的暴力だけでなく、精神的な支配や嫌がらせが大きな割合を占めていることを示すデータだ。
なお、被害経験の割合は加害者の性格や行動を直接測定したものではない。被害を受けた人の回答に基づく調査であり、男性全体や特定の属性の男性をDV加害者とみなすための数字ではない。
【DV加害者の心理と行動】なぜ謝罪しても暴力や束縛を繰り返すのか
DVが繰り返される背景には、相手を対等な存在として尊重せず、自分の思いどおりに動かそうとする支配的な考え方が関係している場合がある。
内閣府の資料では、DVの背景として、男性が女性に暴力を振るうことをある程度容認する社会通念や、男女間の経済的格差など、個人だけの問題では説明できない構造的な要因も指摘されている。
支配欲と相手への所有意識
DV加害者の心理を理解するうえで重要なのは、愛情と支配を混同しているような行動だ。
「自分だけを見てほしい」「自分の言うことを聞いてほしい」「恋人なら自分を最優先にするべきだ」といった要求が、相手の自由を奪う行為につながることがある。
内閣府のデートDV啓発資料でも、恋人を自分の所有物のように扱い、思いどおりに動かそうとすることは暴力に当たると説明している。
束縛が激しい男性の心理には嫉妬や不安が含まれることもあるが、感情があることと、相手をコントロールしてよいことは別問題だ。
責任転嫁と暴力の正当化
加害者の行動で問題となるのは、暴力を振るった原因を相手のせいにすることだ。
例えば、「お前が反抗したから」「自分を怒らせるようなことをしたから」と説明し、暴力を自分の責任として受け止めない。
このような状態では、表面的に謝罪しても、相手を尊重する姿勢や行動そのものが変わっていない可能性がある。
アルコール、仕事のストレス、嫉妬などが暴力のきっかけになる場合はある。しかし、それらは暴力を正当化する理由にはならない。
DVのサイクルは「緊張・暴力・優しさ」の繰り返し
DVについて説明する際によく使われるのが、暴力のサイクルという考え方だ。一般的には、次の3段階で説明される。
- 緊張蓄積期:不機嫌や苛立ちが増え、些細なことにも怒る。相手は機嫌を損ねないように行動する。
- 暴力爆発期:怒鳴る、脅す、殴るなどの暴力が表面化する。
- ハネムーン期:謝罪したり、急に優しくなったり、二度と暴力を振るわないと約束したりする。
この流れが繰り返されると、被害者は優しくなった時期を見て「本当はいい人なのかもしれない」「今度こそ変わってくれる」と期待することがある。
しかし、謝罪やプレゼントだけでは、根本的な改善を確認できない。暴力のサイクルはすべてのDVに当てはまる固定的な法則でもないが、暴力と謝罪が交互に現れる関係では、繰り返しの有無に注意する必要がある。
本当に改善したかを見極める基準
内閣府が紹介するDV加害者プログラムは、被害者の安全を確保しながら、加害者自身に責任を自覚させ、認知や行動の変化を促すことを目的としている。
つまり、改善の判断基準は「本人が反省していると言ったか」ではなく、実際の行動が変わったかどうかだ。
暴力を正当化しない、相手の意思を尊重する、監視や制限をやめる、自分の行為に責任を持つといった変化が継続しているかが重要になる。なお、加害者プログラムへの参加だけで再発防止が保証されるわけではない。
【デートDVの見分け方】交際初期に確認したい危険な行動と判断基準
DVは結婚後や同棲後に突然始まるとは限らない。恋人同士の段階から、精神的な支配や束縛が始まっているケースもある。
内閣府が示すデートDVの例には、怒鳴る、無視する、交友関係を制限する、行動を監視する、金銭を一方的に負担させる、性的行為を強要するといった行動が含まれる。
交際初期に注意したい5つのチェックポイント
次のような場面で、相手がどのような反応をするかを確認したい。
1.自分の予定を優先したとき
友人との約束や仕事を優先しただけで怒る、予定を変更するよう強要する場合は注意が必要だ。
2.連絡をすぐに返せなかったとき
仕事中や睡眠中でも返信を要求し、返事が遅いことを理由に怒鳴ったり責めたりする行為は、過度な監視につながる可能性がある。
3.意見が食い違ったとき
冷静に話し合えるか、それとも怒鳴る、無視する、人格を否定することで自分の意見を押し通そうとするかが判断材料になる。
4.断ったとき
性的な要求や金銭の貸し借り、外出の誘いなどを断ったときに、相手が意思を尊重するかどうかを見ておきたい。
5.自分以外の人間関係を持っているとき
友人や家族との付き合いを自然に認めるか、それとも嫉妬や怒りを使って孤立させようとするかは重要な判断基準だ。
普通の嫉妬とDVにつながる束縛の違い
恋人が心配したり、嫉妬したりすること自体は、必ずしもDVではない。問題は、その感情を理由に相手の自由を奪うことだ。
- 普通の心配:帰宅が遅いときに無事かどうかを尋ねる。
- 危険な束縛:外出するたびに許可を求めさせる。
- 普通の相談:お互いの連絡頻度について話し合う。
- 危険な束縛:返信が遅れると怒鳴り、罰として無視する。
- 普通の価値観の共有:お金の使い方を二人で相談する。
- 危険な支配:相手の収入や貯金を一方的に管理する。
重要なのは、二人が対等に決められるかどうかだ。一方だけがルールを作り、もう一方が従わなければ怒られる関係になっているなら、健全な交際とはいえない。
DV男性かどうかを見極めるために覚えておきたいこと
DV加害者には決まった外見や性格があるわけではない。内向的だから安全、社交的だから危険という単純な分類もできない。
また、自己愛が強い、嫉妬深い、短気といった特徴だけで、医学的な診断やDV加害者であることを断定することもできない。
判断するときは、性格の印象よりも、次の3点を重視したい。
- 尊重:自分の意見や拒否する権利を認めているか。
- 自由:友人、家族、仕事、お金、行動の自由を保てているか。
- 責任:自分の問題行動を相手のせいにせず、継続的に改善しているか。
すでに恐怖や危険を感じている場合、相手を試すために反論したり、無理に境界線を確認したりする必要はない。安全を優先して距離を取り、第三者に相談することが先決だ。
【2026年のDV相談先】#8008・DV相談+と法改正による保護制度
DVを受けているかどうか確信が持てなくても、相談してよい。身体的な暴力がなくても、怒鳴られる、監視される、仕事を辞めさせられる、性的な要求を断れないといった悩みは相談の対象になる。
内閣府男女共同参画局は、全国の相談窓口につながる電話サービスや、専門相談員による相談体制を案内している。
DV相談ナビ「#8008」
DV相談ナビは、全国共通の電話番号「#8008(はれれば)」に電話すると、最寄りの配偶者暴力相談支援センターなどの相談窓口につながる仕組みだ。
- 電話番号:#8008
- 接続先:最寄りの配偶者暴力相談支援センターなど
- 通話料:一般の固定電話にかけた場合と同様の通話料が発生
- 受付時間:接続先の相談機関の受付時間内
一部のIP電話などからは接続できない場合がある。その場合は、各都道府県や市町村の配偶者暴力相談支援センターへ直接連絡する方法もある。
DV相談+「0120-279-889」
DV相談+(プラス)は、配偶者やパートナーからの暴力について専門の相談員に相談できる公的な窓口だ。
- 電話番号:0120-279-889
- 電話相談:24時間対応
- 通話料:無料
- オンライン・チャット:12時~22時
- 外国語相談:チャットで10言語に対応し、24時間受付
2026年時点では、電話だけでなくオンライン・チャットによる相談も利用できる。外国語相談には英語、中国語、韓国語、ベトナム語などが含まれる。なお、メール相談は令和7年度以降終了し、チャット相談に統一されている。
警察・性暴力の専門相談窓口
身の危険が差し迫っている場合や、暴力が起きている場合は、警察への通報をためらわないでほしい。
- 110番:緊急の事件・事故、生命や身体に危険がある場合。
- #9110:緊急ではない警察への相談。
- #8891:性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつながる全国共通番号。
相談機関では、被害者の安全確保や必要な支援について相談できる。女性だけでなく、男性もDVの相談対象となる。
2026年に知っておきたいDV防止法の改正
2026年の重要な制度変更として、令和7年改正の配偶者暴力防止法がある。
同法の改正は2025年12月3日に成立、12月10日に公布され、2025年12月30日に施行された。
改正のポイントの一つは、紛失防止タグなどを悪用した位置情報の無断取得への対応だ。従来のGPS機器等に加え、いわゆる紛失防止タグや、同様の位置情報特定機能を持つ機器を使って被害者の所在を無断で把握する行為などが、保護命令における禁止行為の対象に追加された。
スマートフォンの監視だけでなく、持ち物や電子機器を利用した位置情報の追跡も、DVやストーカー被害を考えるうえで注意すべき問題になっている。
また、配偶者暴力防止法に基づく保護命令は、裁判所が被害者への接近や一定の連絡行為などを禁止する制度だ。法律上の対象には、法律婚・事実婚の相手方だけでなく、生活の本拠を共にする交際相手や一定の元パートナーも含まれる。
相談するときに準備しておきたいこと
相談する際には、被害の内容を最初から完璧に説明する必要はない。話せる範囲で、次の情報を整理しておくと状況を伝えやすくなる。
- いつ、どこで、どのような言動や暴力があったか。
- 怒鳴る、無視する、監視するなどの行為がどの程度繰り返されているか。
- けがや物損があったか。
- 生活費、貯金、仕事にどのような影響が出ているか。
- 子どもや家族に危険が及んでいないか。
メッセージや写真、診断書、日記などの記録があれば、状況を説明する助けになる。ただし、証拠を集めるために相手を刺激したり、危険な場所にとどまったりする必要はない。
スマートフォンや位置情報を監視されている可能性がある場合は、安全な端末や信頼できる人の電話を使って相談する方法もある。別れることや避難を考えている場合も、一人で相手に告げる前に相談窓口と安全な方法を検討してほしい。
【DV男性の特徴に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:DV男性に共通する性格や特徴はありますか?
A1:DV加害者に共通する決まった性格や外見はありません。内閣府は、年齢、学歴、職種、年収などに関係なく加害者になり得ると説明しています。怒鳴る、無視する、交友関係を制限する、金銭を管理するといった具体的な行動に注目することが大切です。
Q2:束縛が激しい男性はDV男なのでしょうか?
A2:束縛の強さだけで断定はできません。ただし、友人との交流を禁止する、スマートフォンを監視する、外出を制限する、断ると怒鳴るなど、相手の自由や意思を奪う行為があれば精神的DVに該当する可能性があります。
Q3:怒鳴らない男性でもDVをすることはありますか?
A3:あります。無視、人格否定、経済的な支配、性的な強要、交友関係の制限など、怒鳴ること以外にもDVの形態はあります。身体的な暴力がなくても、相手を支配する行動は問題になります。
Q4:DV男性が謝って優しくなった場合、改善したと判断できますか?
A4:謝罪や一時的な優しさだけでは判断できません。暴力を正当化せず、自分の責任を認め、監視や束縛などの問題行動をやめているか、継続的な行動の変化を確認する必要があります。被害者が相手の改善を待つ義務はありません。
Q5:恋人同士でもDV相談ナビやDV相談+を利用できますか?
A5:利用できます。配偶者だけでなく、交際相手やパートナーからの暴力も相談対象です。交際中の精神的DVやデートDVについても相談できます。#8008や0120-279-889を利用してください。
Q6:男性が女性からDVを受けている場合も相談できますか?
A6:相談できます。DV防止法は被害者の性別を限定していません。男性も精神的・身体的・経済的・性的DVの被害者になり得ます。DV相談ナビやDV相談+では、男性の相談も受け付けています。
まとめ:DV男性の特徴は性格よりも相手を支配する行動で見極める
DV男性の特徴を見分けるうえで、最も重要なのは、相手の外見や社会的な評判ではなく、日常の行動を確認することだ。
怒鳴る、無視する、人格を否定する、交友関係を制限する、スマートフォンを監視する。こうした精神的DVに加え、身体的暴力、経済的DV、性的DVも、親密な関係の中で起こり得る。
内閣府の令和5年度調査では、結婚経験者の25.1%が配偶者から何らかの暴力を受けた経験があると回答し、被害経験者の44.2%は誰にも相談していなかった。被害を受けていても、自分がDVの被害者だと気づけなかったり、相談することに抵抗を感じたりする人は少なくない。
2026年現在は、DV相談ナビ「#8008」やDV相談+「0120-279-889」など、電話やチャットで利用できる相談窓口が整備されている。相手の言動に恐怖を感じる、自分の自由が失われている、別れたいのに怖くて行動できないといった悩みがあれば、まずは専門機関に話してみることが大切だ。
恋人や夫婦であっても、相手を所有物のように扱う権利はない。健全な関係とは、どちらか一方が我慢して成り立つものではなく、お互いの意思、自由、尊厳が守られている関係である。自分の違和感や恐怖を軽視せず、安全を最優先に行動してほしい。