激辛ポテトチップスを食べて死亡した人は本当にいるのでしょうか。結論からいうと、米国では2023年、激辛チップスを使ったSNS企画「One Chip Challenge」に参加した14歳の少年、ハリス・ウォロバ氏が死亡する事故が発生しています。検死結果では、高濃度のカプサイシンを含む食品を摂取した状況での心肺停止が死因として記載され、心肥大や先天性の心臓の異常も確認されました。
日本でも2024年7月、東京都大田区の都立六郷工科高校で、磯山商事の「18禁カレーチップス」を食べた高校生14人が救急搬送されています。こちらは死亡事故ではなく、腹痛や吐き気などを訴えた集団体調不良でした。2026年11月現在、両事件の経緯に加え、カプサイシンの過剰摂取による健康被害、商品の販売状況、米国で続く訴訟の動きまで整理します。
【激辛ポテトチップスで死亡した人はいる?】米国と日本の事故の真相

「激辛ポテトチップス死亡」という検索ワードが広がった背景には、米国のOne Chip Challengeによる死亡事故があります。
ただし、米国の死亡事例と日本の救急搬送事故は、発生した国も商品も異なります。両者を同じ事故として扱うのは正確ではありません。
米国では14歳のハリス・ウォロバ氏が死亡
米マサチューセッツ州ウースターに住んでいたハリス・ウォロバ氏は、2023年9月1日、Paquiが販売していた激辛トルティーヤチップスを食べた後に死亡しました。当時14歳で、高校10年生に相当する学年に在籍していました。
このチップスは、SNSを中心に流行したOne Chip Challengeのための商品です。極端に辛いチップスを食べ、できるだけ長い時間、飲み物や食べ物を口にせずに辛さに耐えるという企画でした。
少年はチップスを食べた後、学校で体調を崩し、その後帰宅しました。さらに自宅で意識を失い、病院に搬送されましたが、同日中に死亡が確認されました。
2024年5月16日、AP通信が検死結果を報じたことで、死亡原因の詳細が広く知られるようになりました。
日本では18禁カレーチップスで14人が救急搬送
日本で発生したのは、2024年7月16日の都立六郷工科高校の事故です。
東京都大田区にある同校で、生徒たちが激辛ポテトチップスを食べたところ、複数の生徒が体調不良を訴えました。警視庁や報道各社の情報によると、15人が体調不良となり、そのうち14人が救急搬送されています。
搬送されたのは15~16歳の女子生徒13人と男子生徒1人。口や胃の痛み、吐き気などの症状が報じられ、全員が軽症とされました。
問題となった商品は、茨城県鉾田市の磯山商事が製造・販売する「18禁カレーチップス」です。商品名にもあるように、非常に強い辛さを特徴とし、18歳未満の人には食べないよう警告していました。
この事故で死亡者は確認されていません。食品安全委員会が整理した国内の健康被害情報でも、国内のカプサイシン摂取による死亡事例は確認できないとされています。
つまり、米国では死亡事故が発生し、日本では複数の高校生が救急搬送されたものの、死亡事故には至っていないというのが、両事件の正確な整理です。
【One Chip Challenge死亡原因】ハリス・ウォロバ氏の死因と心臓の異常
ハリス・ウォロバ氏の死亡原因を理解するうえで重要なのが、2024年に明らかになった検死結果です。
検死結果に記載された死因は心肺停止
AP通信が入手した検死情報によると、死亡診断書には、高濃度のカプサイシンを含む食品を最近摂取した状況での心肺停止という趣旨の記載がありました。
原文では「cardiopulmonary arrest in the setting of recent ingestion of food substance with high capsaicin concentration」と表現されています。
これは、単純に辛さで口や胃が痛くなったという話ではありません。高濃度の辛味成分を摂取した後に、生命を維持するための心臓と呼吸の機能に重大な異常が生じたことを示す内容です。
一方、死亡診断書に記載された医学的所見と、チップス単独が死亡の唯一の原因だったと断定することは同じではありません。心臓の既往的な異常も確認されており、複数の要因を踏まえて理解する必要があります。
先天性心疾患と心筋ブリッジが確認されていた
検死では、ハリス氏に次の2つの心臓に関する所見があったことも明らかになりました。
1. 心肥大(Cardiomegaly)
心臓が通常より大きくなっている状態です。心肥大にはさまざまな原因があり、心臓にかかる負担や基礎疾患との関連が問題になる場合があります。
2. 心筋架橋(Myocardial Bridging)
心筋ブリッジとも呼ばれる先天性の冠動脈の構造的特徴です。通常、心臓の表面を走る冠動脈の一部が心筋の内部を通過する状態を指します。
心臓が収縮するときに、その部分の血管が圧迫され、血流に影響する場合があります。ただし、心筋架橋がある人すべてに症状が現れるわけではありません。
ハリス氏の場合、心肥大と左前下行枝の心筋架橋が検死で確認されました。家族も生前にこれらの状態を把握していなかったと報じられています。
カプサイシンと心臓への負担はどう関係するのか
カプサイシンは、唐辛子の辛さを生み出す成分です。大量に摂取すると、口や消化管への刺激だけでなく、血圧の変動や動悸などの全身症状につながる可能性があります。
AP通信が取材した循環器専門医は、大量のカプサイシン摂取によって心臓の収縮が強まり、冠動脈への負担が増す可能性を指摘しています。心臓に構造的な異常がある場合、こうした反応が虚血や致死的な不整脈につながる危険性も考えられます。
ただし、専門医による一般的な医学的説明と、ハリス氏個人の死亡に至る全過程が医学的に解明されたことは別です。
この事故から読み取るべきなのは、激辛食品による健康被害が消化器症状だけに限定されず、心臓や循環器系にも重大な影響を及ぼす可能性があるという点です。
【日本の18禁カレーチップス事故】都立六郷工科高校で14人が搬送された経緯
日本で激辛ポテトチップスの危険性が大きく報じられたのが、2024年7月の高校生集団搬送事故です。
事故当日に何が起きたのか
2024年7月16日午後、東京都大田区の都立六郷工科高校で、生徒が持ち込んだ激辛ポテトチップスを複数の生徒が食べました。
報道によれば、食べた生徒は約33人。その後、15人が体調不良を訴え、14人が救急搬送されました。
搬送された生徒には、口のしびれ、腹痛、吐き気などの症状が見られました。いずれも軽症とされ、米国の死亡事故とは結果が異なっています。
このとき食べられた商品として報じられたのが、磯山商事の18禁カレーチップスです。
製造元の磯山商事は謝罪を発表
磯山商事は2024年7月17日、公式サイトにお知らせを掲載しました。
同社は、18禁カレーチップスを食べた高校生が救急搬送されたとの報道を受け、関係者や顧客に謝罪するとともに、搬送された生徒と体調不良を訴えた人たちの早期回復を願うコメントを発表しています。
当時の報道では、同社側も高校生の搬送について驚きを示していました。
商品の公式説明では、18歳未満の人に食べないよう呼びかけるほか、高血圧の人、体調不良の人、胃腸が弱い人などにも注意を促しています。手や指に傷がある場合は素手で触れないようにするなど、取り扱いに関する警告も設けられていました。
14人の救急搬送は死亡事故ではない
この事故をめぐっては、米国のOne Chip Challengeの死亡事例と同じように扱う情報も見られますが、両者の結果は明確に異なります。
日本の高校生14人は救急搬送されたものの、報道上はいずれも軽症でした。死亡者が出たという事実はありません。
食品安全委員会の資料でも、この国内事例は腹痛、吐き気、口のしびれなどを訴えた健康被害として整理されています。
この事件が示したのは、激辛食品が単なる味覚上の刺激にとどまらず、短時間に複数人が医療機関での対応を必要とするほどの健康被害を引き起こす場合があるという現実です。
【激辛ポテトチップス死亡事故の時系列】米国・日本・2026年の動向を比較
米国と日本の事故、商品を取り巻く状況、そして2026年の訴訟の進展を時系列で整理します。
| 時期 | 出来事 | 確認された事実・その後の動向 |
|---|---|---|
| 2023年9月1日 | 米国でハリス・ウォロバ氏が死亡 | 14歳の少年がOne Chip Challenge参加後に死亡。心肺停止が確認された。 |
| 2023年9月 | Paquiが商品を自主撤去 | 未成年者の参加増加などを受け、小売店と協力して販売棚から撤去。企画も終了。 |
| 2023年9月9日 | カナダでリコール情報を公表 | 有害反応の報告を理由に2023年版One Chip Challengeが回収対象となった。 |
| 2024年2月27日 | 米国で死因が決定 | 検死当局が高濃度カプサイシンを含む食品の摂取状況下での心肺停止と判断。 |
| 2024年5月16日 | 検死結果が報道される | 心肥大と先天性の心筋架橋も明らかになった。 |
| 2024年7月16日 | 都立六郷工科高校で集団搬送 | 18禁カレーチップスを食べた生徒14人が救急搬送。全員軽症と報じられた。 |
| 2024年7月17日 | 磯山商事が謝罪 | 公式サイトで関係者への謝罪と生徒の早期回復を願うコメントを発表。 |
| 2024年8月 | 米国で遺族側の訴訟が連邦裁判所に移送 | Paqui、Hersheyなどを相手取った製造物責任・不法死亡訴訟が進行。 |
| 2026年3月31日 | 米連邦地裁が訴えの一部を認める判断 | 製品の設計欠陥に関する請求などは継続を認められた。一方、警告表示や製造上の欠陥など一部の請求は退けられた。 |
| 2026年11月 | 現在の状況 | One Chip Challengeは販売終了。18禁カレーチップスは公式商品紹介ページに掲載が残っている。 |
特に注目したいのが、2026年3月31日に米マサチューセッツ州連邦地方裁判所が示した判断です。
ハリス氏の遺族が起こした訴訟について、裁判所は製品の設計欠陥に基づく請求などについて、訴訟を継続できると判断しました。一方、警告表示の不備や製造上の欠陥などに関する請求の一部は退けられています。
ここで重要なのは、この判断が製造会社の法的責任を最終的に確定した判決ではないことです。訴えの段階で、設計上の問題をめぐる主張について審理を続ける余地があると判断されたものです。
死亡事故から約2年半が経過した2026年にも、激辛食品の設計や販売、未成年者への提供をめぐる法的な問題は続いています。
【カプサイシンの過剰摂取はなぜ危険?】ブート・ジョロキアの辛さと人体への影響
激辛ポテトチップスの健康被害を考えるうえで欠かせないのが、カプサイシンと唐辛子の辛さを表すスコヴィル値です。
ブート・ジョロキアは100万スコヴィルを超える唐辛子
日本の18禁カレーチップスの事故では、ブート・ジョロキアという非常に辛い唐辛子が注目されました。
ブート・ジョロキアは北インドやバングラデシュ周辺が原産とされる唐辛子です。2006年には世界で最も辛い唐辛子としてギネス記録に認定されたことでも知られています。
独立行政法人農畜産業振興機構の資料によると、ブート・ジョロキアの辛さは100万スコヴィル値(SHU)を超えるとされています。
ただし、これは唐辛子そのものの辛さを示す数値です。18禁カレーチップス全体が100万SHUという意味ではありません。実際の製品の辛さは、使用する唐辛子の量や加工方法などによって異なります。
カプサイシンが体に与える影響
カプサイシンは唐辛子に含まれる天然の辛味成分です。口の中の感覚神経に作用することで、熱さや痛みのような刺激を生み出します。
農林水産省によると、少量のカプサイシンは唾液の分泌を促し、食欲を増進させることがあります。一方、大量に摂取すると、粘膜が傷つきやすくなり、喉や胃腸に強い刺激を与える可能性があります。
過剰摂取によって報告されている主な症状は次のとおりです。
- 口や喉の強い痛み、粘膜の炎症
- 胃痛、腹痛、胃食道逆流
- 吐き気、嘔吐、下痢
- 大量の発汗、涙、鼻水
- 血圧の上昇や動悸
- 呼吸の異常や意識障害などの重い症状
特に子どもや辛味に敏感な人、消化器系や心臓に疾患がある人は注意が必要です。
辛さへの耐性があっても安全とは限らない
激辛食品を食べ慣れている人は、辛さを感じにくくなる場合があります。しかし、辛さを感じる感覚と、カプサイシンを大量に摂取したときの身体への影響は同じではありません。
辛さに強いからといって、心臓や消化器への負担までなくなるわけではないのです。
食品安全委員会が整理した2025年2月の資料には、ブート・ジョロキアなどの非常に辛い唐辛子を大量に摂取した後、激しい腹痛を発症して入院した症例も紹介されています。
この事例では、27歳の男性が激辛食品の耐久コンテストの予選で複数の唐辛子や辛い食品を摂取し、カプサイシンの摂取量は少なくとも約600mgと推定されました。約2時間半後に激しい腹痛が生じ、入院しています。
この症例は死亡事故ではありませんが、成人であっても極端な摂取によって深刻な症状が起きることを示しています。
普通の辛い料理と激辛チャレンジは区別すべき
ここで誤解してはいけないのは、唐辛子を使った料理を食べること自体が危険というわけではない点です。
農林水産省は、適度な量の唐辛子を使った料理について、食欲増進などの作用を紹介しています。問題になるのは、極端に濃縮された辛味成分を一度に大量摂取したり、身体の限界を試すために無理をしたりする行為です。
食品として日常的に楽しむ辛さと、SNSの再生数や友人との競争を目的に限界まで摂取する行為は、医学的にも安全性の考え方が異なります。
【Paqui One Chip Challengeは現在どうなった?】販売終了の経緯と18禁チップスの現状
死亡事故を受けて大きく変わったのが、米国のPaquiによるOne Chip Challengeの販売状況です。
Paquiは2023年9月に商品を自主撤去
Paquiは2023年9月、One Chip Challengeを小売店の棚から自主的に撤去すると発表しました。
同社は、商品が成人向けであることや、子ども、辛い食品に敏感な人、妊娠中の人、基礎疾患のある人などへの注意書きを設けていたことを説明しています。
しかし、警告に従わずに参加する未成年者などが増加していることを受け、販売店と協力して商品を撤去する判断に至りました。
当初の発表では自主的な店頭撤去という説明でしたが、その後、PaquiはOne Chip Challenge自体を終了し、商品を販売しないことを明らかにしています。
カナダでも2023年9月9日、報告された健康被害を理由として2023年版の商品にリコール情報が出されました。
2026年現在、One Chip Challengeは再販売されている?
One Chip Challengeは販売終了となっており、通常の商品として再販売されていることを示す公式情報は確認できません。
そのため、現在も販売されている商品として購入を検討するのは適切ではありません。
中古品や過去の在庫とされる商品がインターネット上で紹介される場合でも、正規の現行商品とは区別する必要があります。販売終了した激辛食品を、SNSの企画を再現する目的で入手・摂取することも避けるべきです。
18禁カレーチップスは販売終了したのか
一方、日本の磯山商事が製造する18禁カレーチップスについては、Paquiとは事情が異なります。
磯山商事の公式サイトでは、18禁シリーズの商品紹介ページに18禁カレーチップスの名称が掲載されています。同社は18禁シリーズを、18歳未満の人には食べないよう呼びかける激辛商品群として紹介しています。
そのため、2026年時点で公式サイトから商品が完全に削除された、あるいは会社がシリーズ全体の販売終了を正式発表したと判断することはできません。
ただし、公式サイトへの商品掲載と、実店舗や通販サイトでの現在の在庫・販売状況は別の問題です。掲載が残っているからといって、すべての販売店で購入できるとは限りません。
また、2024年の高校生搬送事故後、磯山商事が謝罪を発表したことは確認できますが、その発表を商品の全面回収や販売終了の発表と混同してはいけません。
米国のOne Chip Challengeは販売終了、日本の18禁カレーチップスは公式商品紹介への掲載が続いているという違いがあります。
【激辛チップスの危険性と安全な食べ方】避けるべき人と緊急時の対応
激辛食品を完全に禁止する必要はありませんが、食べる人の体調や商品に含まれる辛味成分を考慮することが欠かせません。
次の条件に当てはまる人は激辛チャレンジを避ける
- 18歳未満の人:18禁シリーズや成人向けの激辛商品は食べない。
- 高血圧の人:商品に記載された注意事項を確認し、極端な辛さを避ける。
- 心臓や循環器に疾患がある人:強い刺激を伴う食品の大量摂取を避け、必要に応じて医師に相談する。
- 胃腸が弱い人:胃痛や胃食道逆流などが悪化する可能性があるため、極端な激辛食品を避ける。
- 体調不良の人:普段より刺激に敏感になっている場合があるため、無理に食べない。
- 唐辛子にアレルギーがある人:原材料を確認し、該当する食品を摂取しない。
激辛チップスを食べる場合の注意点
辛さを競うことを目的にせず、商品の警告表示と原材料を確認することが基本です。
特に、次の行為は避けてください。
- 一度に大量のチップスを食べる。
- 辛さに耐えるために飲食を我慢する。
- 友人や家族に無理やり食べさせる。
- 体調不良を訴えている人に追加で食べさせる。
- 手に付着した唐辛子成分を目や鼻などの粘膜に触れさせる。
- 子どもが誤って口にしないようにする保管上の配慮を怠る。
なお、カプサイシンは水にほとんど溶けず、油やアルコールなどに溶けやすい性質があります。水を飲めば必ず辛さが解消されるわけではありません。
口の中の刺激が強い場合でも、無理に大量の水を飲んだり、さらに別の食品を食べて刺激を打ち消そうとしたりしないでください。
呼吸困難や意識障害が起きたらどうする?
激辛食品を食べた後、次のような症状が出た場合は注意が必要です。
- 呼吸が苦しい、息がしにくい。
- 意識が遠のく、失神する。
- 胸に強い痛みや圧迫感がある。
- 激しい腹痛や繰り返す嘔吐がある。
- 顔や喉が腫れるなど、アレルギー反応が疑われる。
呼吸困難、失神、強い胸痛などの症状があれば、直ちに119番で救急車を要請してください。症状が長引く場合や強い痛みがある場合も、医療機関に相談する必要があります。
無理に吐かせたり、本人の意思に反して飲食させたりすることは避けてください。商品のパッケージや原材料表示を医療関係者に見せられるよう保管しておくと、原因の把握にも役立ちます。
【プロの結論】激辛ポテトチップス死亡事故から学ぶべき3つのこと
米国のOne Chip Challengeと日本の18禁カレーチップスの事故を比較すると、激辛食品をめぐる問題は、単に辛いものを食べるかどうかという個人の好みだけでは説明できません。
1. 食品の安全性は辛さへの慣れだけでは判断できない
激辛食品を食べ慣れていることは、安全性の保証にはなりません。舌が刺激に慣れていても、心臓や消化器への負担がなくなるわけではないからです。
ハリス氏の死亡事故では、心肥大や先天性の心筋架橋も確認されました。個人の健康状態によってリスクが異なる可能性があることを示す重要な事例です。
2. 注意書きだけでは未成年者の事故を防げない
One Chip Challengeは成人向けの商品として警告表示を設けていました。それでも未成年者が参加し、健康被害が報告されました。
日本の18禁カレーチップスも、18歳未満への注意喚起や健康状態に関する警告を設けていましたが、高校で集団搬送事故が発生しました。
この2つの事例は、商品パッケージの警告だけでなく、販売環境、学校や家庭での注意喚起、SNS上での危険なチャレンジの拡散防止など、複数の対策が必要であることを示しています。
3. SNSの再生数を目的にした激辛競争には参加しない
One Chip Challengeの特徴は、単に激辛チップスを食べるだけではなく、食べた後にどれだけ長く飲食を我慢できるかを競う仕組みにありました。
本来なら辛さを感じた時点で食べるのをやめるべきところを、動画の撮影や周囲の反応を優先してしまうことが危険性を高めます。
食品の辛さを楽しむことと、身体の限界を試すことはまったく別です。極端な辛さを売りにした商品ほど、パッケージの警告を軽く考えない姿勢が必要です。
【激辛ポテトチップスによる死亡事故】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:激辛ポテトチップスを食べて死亡した人は本当にいますか?
A1:はい。2023年9月1日、米国マサチューセッツ州でOne Chip Challengeに参加した14歳のハリス・ウォロバ氏が死亡しました。検死結果では、高濃度のカプサイシンを含む食品の摂取状況下での心肺停止が記載されています。
Q2:ハリス・ウォロバ氏の直接の死因は何ですか?
A2:死亡診断書に記載された死因は心肺停止です。高濃度カプサイシンを含む食品の最近の摂取に加え、心肥大と先天性の心筋架橋も確認されています。辛味成分の摂取と心臓の状態が関係した重大な事例です。
Q3:日本の18禁カレーチップスでも死亡事故が起きましたか?
A3:死亡事故は確認されていません。2024年7月16日に都立六郷工科高校で生徒14人が救急搬送されましたが、全員軽症と報じられています。
Q4:One Chip Challengeは2026年現在も販売されていますか?
A4:販売終了しています。Paquiは2023年9月に小売店から自主撤去し、その後、チャレンジ自体の終了と商品の販売終了を明らかにしました。
Q5:磯山商事の18禁カレーチップスは販売終了しましたか?
A5:公式サイトの商品紹介ページには18禁シリーズの一品として掲載が残っています。販売終了の公式発表は確認できませんが、実際の店舗や通販での在庫状況は販売店によって異なります。
Q6:ブート・ジョロキアはどれくらい辛い唐辛子ですか?
A6:独立行政法人農畜産業振興機構の資料によると、100万スコヴィル値を超える非常に辛い唐辛子です。ただし、唐辛子そのものの辛さと、加工食品全体の辛さは同じではありません。
Q7:カプサイシンを大量に摂取すると死亡する可能性はありますか?
A7:極端なカプサイシン摂取は、消化器症状だけでなく、血圧の変動や動悸などを引き起こす可能性があります。海外では高濃度のカプサイシンを含む食品を摂取した後に14歳の少年が死亡した事例もあります。大量摂取や耐久チャレンジは避けてください。
まとめ:激辛ポテトチップスは安全性を優先して楽しもう
激辛ポテトチップスをめぐる死亡事故として確認されている代表的な事例は、2023年の米国One Chip Challengeです。14歳のハリス・ウォロバ氏が死亡し、検死では高濃度カプサイシンの摂取状況下での心肺停止と、心肥大・先天性の心筋架橋が確認されました。
一方、日本では2024年7月に磯山商事の18禁カレーチップスを食べた都立六郷工科高校の生徒14人が救急搬送されましたが、全員軽症で、死亡事故には至っていません。
2026年11月現在、米国のOne Chip Challengeは販売終了となっています。日本の18禁カレーチップスは公式サイトの商品紹介に掲載が残っているものの、実際の販売状況は個々の販売店で確認する必要があります。また、米国では2026年3月に製品の設計欠陥をめぐる訴訟の一部が継続する判断が示されました。
激辛食品は、適量であれば食文化や味覚の楽しみの一つです。しかし、極端な辛さを競ったり、SNSの動画撮影のために無理をしたりする必要はありません。
辛さへの耐性を過信せず、年齢・体調・持病・商品の注意書きを確認すること。それが、激辛食品による重大な健康被害を防ぐために、最も大切な判断基準です。
主な根拠資料:農林水産省、食品安全委員会、独立行政法人農畜産業振興機構、AP通信、磯山商事公式発表、米マサチューセッツ州連邦地方裁判所の2026年3月31日付判断。