広瀬すずは、2015年公開の映画『海街diary』で、四姉妹の四女にあたる浅野すず(あさの・すず)役を演じました。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆が演じる香田家の三姉妹と、父親を同じくする異母妹という役柄です。中学生ながら周囲の大人に気を遣い、サッカーに打ち込むすずが、鎌倉の古い家で三人の姉と暮らし始めるところから物語が動き出します。
是枝裕和監督が吉田秋生の人気漫画を映画化した本作は、2015年6月13日に公開された126分のヒューマンドラマです。第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への正式出品、第39回日本アカデミー賞での最優秀作品賞など4部門の最優秀賞受賞でも知られています。2026年11月現在、公開から11年を迎えた本作について、広瀬すずの役柄、四姉妹の関係、鎌倉のロケ地、国内外での評価を整理します。
【広瀬すずは何役?】浅野すずの人物像と演技の魅力

広瀬すずが演じたのは、主人公の一人である浅野すずです。香田家の三姉妹とは父親が同じ異母妹で、物語では四女として迎えられます。
映画公式サイトが発表したキャスト情報によると、すずはサッカーが得意で、鎌倉でもジュニアチームに所属する少女です。年齢よりも大人びたところがあり、周囲の空気を読むことに長けています。
浅野すずはどんな女の子?
物語の冒頭、すずは山形で暮らしています。父親が亡くなり、その葬儀に訪れた香田三姉妹と初めて顔を合わせます。
すずの母親はすでに亡くなっており、家庭環境にも複雑な事情があります。中学生でありながら、大人たちの事情を理解しようとし、自分の気持ちを後回しにしてしまうところが彼女の特徴です。
そんなすずの姿に心を動かされた長女の幸は、鎌倉で一緒に暮らすことを提案します。こうして、すずは三人の姉と新しい生活を始めます。
広瀬すずと役名「すず」が重なった特別な配役
興味深いのは、広瀬すず本人と役名が同じ「すず」だったことです。
映画公式サイトに掲載されたキャスト発表時のコメントでも、広瀬自身が役名を聞いて驚いたことを明かしています。本人にとっても、名前の一致が役柄を身近に感じるきっかけになったようです。
加えて、2015年のカンヌ国際映画祭での記者会見では、撮影時に台本を受け取らず、その場の感情を大切にして演じたことを説明しています。
この撮影方法は、すずという少女の自然な反応や、姉たちとの距離が少しずつ縮まっていく過程を映像に残すうえで、作品の演出とも響き合っています。
広瀬すずにとって『海街diary』は、若手俳優として国内外から注目を集める大きな転機となった作品です。第39回日本アカデミー賞の新人俳優賞をはじめ、複数の映画賞でも評価されました。
【海街diaryのあらすじ】鎌倉で始まる四姉妹の共同生活
『海街diary』は、父親の死をきっかけに出会った四姉妹が、鎌倉の古い家で共同生活を始める物語です。
単純な家族再生のストーリーではありません。それぞれが父親や母親に対する複雑な思いを抱え、時には衝突しながら、少しずつ新しい家族の形を見つけていきます。
物語の始まりは父親の葬儀
鎌倉の家で暮らしていた香田三姉妹のもとに、長い間会っていなかった父親の訃報が届きます。
父親は15年前に家を出ており、その後、三姉妹の母親も再婚して家を離れていました。三人は父親の葬儀に出席するため、山形へ向かいます。
そこで出会ったのが、父親の異母妹である中学生のすずでした。
すずは母親を亡くした後も気丈に振る舞っていましたが、葬儀の場で見せた涙に長女の幸は心を動かされます。そして、鎌倉で一緒に暮らさないかと誘います。
四姉妹の日常を通じて変化する家族関係
すずが鎌倉に移り住んでからは、四姉妹の日常が物語の中心になります。
朝食を囲む時間、食事の準備、仕事や学校での出来事、休日の過ごし方。何気ない日常の積み重ねによって、血縁だけでは説明できない姉妹の関係が育っていきます。
一方で、過去の家族関係がすべて解決するわけではありません。三姉妹の母親が再び姿を見せることなどを通じて、姉妹が抱えてきた感情も浮かび上がります。
本作の魅力は、大きな事件を連続させるのではなく、季節の移り変わりと生活の時間を通じて人間関係を描いている点にあります。
四姉妹が暮らす鎌倉の風景や食卓の場面は、単なる背景ではありません。家族の距離が変わっていく様子を伝える重要な要素になっています。
【海街diaryのキャスト一覧】綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆との関係
映画『海街diary』の大きな見どころは、四人の実力派女優が姉妹を演じていることです。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという、それぞれ異なる魅力を持つ俳優が集まり、性格も価値観も異なる四姉妹を表現しました。
四姉妹のキャスト・役柄・人物関係
| 登場人物 | 演じる俳優 | 人物像・役割 | すずとの関係 |
|---|---|---|---|
| 香田幸 | 綾瀬はるか | 長女。看護師で、姉妹の生活を支える責任感の強い女性。 | 異母姉。すずを鎌倉に誘う。 |
| 香田佳乃 | 長澤まさみ | 次女。地元の信用金庫に勤める、明るく奔放な女性。 | 異母姉。すずと生活を共にする。 |
| 香田千佳 | 夏帆 | 三女。スポーツ用品店で働くマイペースな女性。 | 異母姉。すずを自然体で受け入れる。 |
| 浅野すず | 広瀬すず | 四女。サッカーが得意で、年齢より大人びた中学生。 | 三姉妹の異母妹。 |
長女・香田幸(綾瀬はるか)
幸は四姉妹の生活を支える長女です。看護師として働きながら、家庭の責任を背負っています。
しっかり者である一方、父親や母親に対する複雑な感情も抱えています。すずを鎌倉に迎える決断は、彼女自身の家族観にも変化をもたらします。
次女・香田佳乃(長澤まさみ)
佳乃は地元の信用金庫で働く次女です。明るく奔放で、恋愛にも積極的な性格。幸とは意見がぶつかることもあります。
自由に見える佳乃ですが、姉妹への愛情は深く、すずとの関係にも独自の距離感で向き合います。
三女・香田千佳(夏帆)
千佳はスポーツ用品店で働く、マイペースな三女です。姉たちとは異なる柔らかな雰囲気を持ち、家族の間に自然な空気を生み出します。
すずに対しても、過度に構えることなく接する存在です。四姉妹の中で、緊張を和らげる役割を担っています。
四女・浅野すず(広瀬すず)
すずは、三姉妹とは異なる家庭環境で育った少女です。新しい家族に迎えられた当初は遠慮がちですが、共同生活を通して徐々に自分の居場所を見つけていきます。
四人の関係を変えていく中心人物であり、映画の視点を担う重要なキャラクターです。
四姉妹を取り巻く主な出演者
四姉妹以外にも、物語を支える豪華なキャストが出演しています。
- 大竹しのぶ:佐々木都役。香田三姉妹の実母。
- 堤真一:椎名和也役。幸が勤務する病院の小児科医。
- 加瀬亮:坂下美海役。佳乃の職場の上司。
- 風吹ジュン:二ノ宮さち子役。海猫食堂の店主。
- リリー・フランキー:福田仙一役。喫茶店・山猫亭の店主。
- 鈴木亮平:井上泰之役。すずが所属するサッカーチームの監督。
- 坂口健太郎:藤井朋章役。佳乃の年下の恋人。
- 前田旺志郎:尾崎風太役。すずの同級生でサッカーチームの仲間。
四姉妹だけでなく、周囲の大人や同世代の人物にも生活の背景が用意されているため、鎌倉という街全体に人々の暮らしが存在するように感じられます。
【是枝裕和監督×吉田秋生】原作漫画と映画版の違い・見どころ
『海街diary』の原作は、漫画家・吉田秋生による同名漫画です。小学館の「月刊flowers」で2006年に連載が始まり、2018年に完結しました。
原作は第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013、第61回小学館漫画賞を受賞しています。単なる映画化のための原作ではなく、漫画作品としても高い評価を獲得してきました。
是枝裕和監督が描いた家族の時間
映画版の監督・脚本・編集を担当したのは、是枝裕和です。
是枝監督は『そして父になる』など、親子や家族の関係を題材にした作品でも知られています。『海街diary』でも、血縁関係だけでなく、一緒に過ごす時間や日常の積み重ねが家族を形づくる様子を丁寧に映し出しています。
本作で特徴的なのは、父親という重要な人物が物語の中心にいながら、現在の生活の場面に直接登場しないことです。
それでも父親の過去の選択は、姉妹それぞれの考え方や感情に影響を与え続けています。登場人物が画面にいない時間にも、その人の存在が物語に残っているのです。
漫画と映画では何が違う?
漫画版は複数のエピソードを通して、四姉妹の生活や恋愛、仕事、人間関係を長期的に描いています。一方、映画版は126分という上映時間の中で、四姉妹の出会いと共同生活を中心に再構成しています。
映画では、鎌倉の四季や食卓の場面、姉妹の何気ない会話が印象的です。原作のエピソードをすべて映像化するのではなく、作品の核となる感情を選び取っている点が映画版の特徴です。
原作ファンには漫画ならではの細かな人物描写が魅力となり、映画から入る人には四姉妹の関係を映像で追えることが大きな見どころになります。
【海街diaryの鎌倉ロケ地】極楽寺駅や御霊神社などの撮影スポット
映画を印象づけている要素の一つが、鎌倉の街並みです。
江ノ電が走る風景、海沿いの道、古い住宅街、四季折々の自然。これらが四姉妹の暮らしと結びつき、作品独特の落ち着いた雰囲気を生み出しています。
極楽寺駅周辺
江ノ電の極楽寺駅は、作品の舞台となる鎌倉の生活圏を感じられるスポットです。駅舎や周辺の緑、住宅街へ続く道などが、映画の雰囲気と重なります。
鎌倉市の公式サイトでも、極楽寺駅前は「かまくら景観百選」の一つとして紹介されています。住民の通勤・通学にも利用される駅であり、観光地であると同時に日常生活の場所でもあります。
御霊神社と長谷周辺
長谷エリアにある御霊神社も、映画のロケ地巡りで紹介される場所です。江ノ電沿線の景色と古くからの街並みが近接し、鎌倉らしい風景を楽しめます。
また、長谷周辺には寺社や商店、住宅街が点在しています。映画の中で描かれた姉妹の日常を想像しながら歩くには、こうした地域の景観そのものも見どころです。
ロケ地巡りで注意したいこと
四姉妹が暮らす家は、映画の象徴的な場所です。ただし、撮影に使われた住宅は一般観光施設ではありません。個人宅の所在地を探したり、敷地内に入ったりすることは避けるべきです。
極楽寺駅や御霊神社などを訪れる際も、踏切や駅の利用者、近隣住民への配慮が欠かせません。作品の舞台を楽しむなら、公共の場所を中心に散策するのが適切です。
【カンヌ・日本アカデミー賞】海街diaryの評価・評判を検証
『海街diary』は国内だけでなく、海外の映画祭でも紹介された作品です。特に注目されたのが、2015年の第68回カンヌ国際映画祭への正式出品でした。
第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品
2015年5月13日から24日まで開催された第68回カンヌ国際映画祭で、『海街diary』はコンペティション部門に正式出品されました。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、是枝裕和監督が現地入りし、公式上映や記者会見に参加しています。
映画公式サイトの現地レポートによると、公式上映では約2,300席の会場が満席となり、上映後にはキャストやスタッフに向けてスタンディングオベーションが起きました。
ただし、ここで押さえておきたいのは、カンヌ国際映画祭への出品と受賞は別の実績だという点です。本作はコンペティション部門に出品されましたが、パルムドールなどの賞を獲得したわけではありません。
出品そのものが国際的な注目を集めた実績であり、受賞歴と混同しないことが大切です。
第39回日本アカデミー賞では最多4部門の最優秀賞
国内での大きな実績が、2016年3月4日に開催された第39回日本アカデミー賞です。
映画公式サイトの受賞発表によると、本作は最多12部門の優秀賞を受賞し、そのうち次の4部門で最優秀賞を獲得しました。
- 最優秀作品賞:『海街diary』
- 最優秀監督賞:是枝裕和
- 最優秀撮影賞:瀧本幹也
- 最優秀照明賞:藤井稔恭
加えて、広瀬すずは新人俳優賞を受賞しました。綾瀬はるかは優秀主演女優賞、長澤まさみと夏帆は優秀助演女優賞に選ばれています。
つまり、本作は作品全体の完成度だけでなく、四姉妹を演じた俳優たちの演技も評価された映画です。
興行成績やその他の映画賞も高評価
2016年1月21日のフジテレビの発表では、公開後の興行収入は16億5,000万円を突破。カンヌ国際映画祭やトロント国際映画祭への出品、サン・セバスチャン国際映画祭での観客賞受賞など、国内外で評価を受けました。
そのほか、キネマ旬報ベスト・テン新人賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、報知映画賞新人賞など、広瀬すず個人にも複数の評価が集まりました。
2026年に見直したい作品の魅力
公開から11年が経過した2026年現在も、本作を振り返る価値は、単に豪華キャストが共演していることだけではありません。
四姉妹の関係を、誰か一人が正しく、誰か一人が間違っているという構図にせず、それぞれが異なる事情を抱えながら暮らしている姿として描いていることです。
特に広瀬すずの演じるすずは、姉たちの家に迎えられる側でありながら、物語が進むにつれて家族の一員として存在感を増していきます。
派手な展開や強いサスペンスを求める人には、ゆったりとしたテンポが物足りなく感じられる可能性があります。一方、人物の心情、日常の風景、家族の距離感を丁寧に味わいたい人には、見応えのある作品です。
【広瀬すずと海街diary】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:広瀬すずは映画『海街diary』で何役を演じていますか?
A1:香田三姉妹の異母妹にあたる四女・浅野すず役です。サッカーが得意な中学生で、鎌倉に移り住み、三人の姉と共同生活を始めます。
Q2:海街diaryの四姉妹を演じたキャストは誰ですか?
A2:長女・香田幸役が綾瀬はるか、次女・香田佳乃役が長澤まさみ、三女・香田千佳役が夏帆、四女・浅野すず役が広瀬すずです。
Q3:海街diaryはカンヌ国際映画祭で受賞しましたか?
A3:第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されましたが、パルムドールなどの賞は受賞していません。上映後にはスタンディングオベーションが起きています。
Q4:海街diaryは日本アカデミー賞で何を受賞しましたか?
A4:第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞の4部門を受賞しました。広瀬すずも新人俳優賞を受賞しています。
Q5:海街diaryの原作漫画は完結していますか?
A5:はい。吉田秋生による原作漫画は2006年に連載が始まり、2018年に完結しました。小学館から全9巻が刊行されています。
まとめ:広瀬すずの浅野すず役が海街diaryに残したもの
映画『海街diary』で広瀬すずが演じたのは、香田三姉妹の異母妹である四女・浅野すずです。中学生ながら大人びた一面を持ち、サッカーに打ち込みながら、鎌倉で新しい家族との生活を始める少女を表現しました。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆との四姉妹の共演は、本作を象徴する魅力の一つです。是枝裕和監督による繊細な演出と、吉田秋生の原作が持つ家族の物語が重なり、国内外で高い評価を受けました。
カンヌ国際映画祭への正式出品、日本アカデミー賞の最優秀4部門受賞、そして広瀬すず自身の新人俳優賞受賞は、本作が彼女のキャリアにおいて重要な作品であることを示しています。
『海街diary』を観る際は、すずが三人の姉とどのように距離を縮めていくのか、そして姉妹それぞれが抱える過去や思いが日常の中でどう変化するのかに注目してください。鎌倉の四季とともに描かれる四姉妹の時間は、公開から11年を経た今も作品の大きな魅力です。
主要な事実確認資料: