最初に、最新の観測状況を整理します。
日本気象協会の地震履歴によると、震源地が「茨城県南部」と記録された直近の地震は、2026年10月2日午前6時01分のM3.9・最大震度2です。
一方、茨城県南部で揺れが観測された地震という視点では、10月29日の千葉県北東部の地震が直近の重要なニュースになります。
10月29日の地震で茨城県南部にも揺れ
2026年10月29日午前0時07分、千葉県北東部を震源とする地震が発生しました。
気象庁の発表による主なデータは次のとおりです。
- 発生日時:2026年10月29日午前0時07分
- 震源地:千葉県北東部
- マグニチュード:5.5
- 震源の深さ:52km
- 最大震度:5弱
- 津波:心配なし
千葉県の横芝光町で最大震度5弱を観測。茨城県南部でも震度3の揺れが確認されました。
震源は茨城県南部ではありませんが、関東地方の地下で発生する地震が複数の県に影響することを示す事例です。
2026年の地震活動で注目すべき数字
日本気象協会の集計では、2026年7月25日から11月2日までの期間に、茨城県南部で震度3以上を観測した地震は合計8回となっています。
この8回には、茨城県南部を震源とする地震だけでなく、千葉県北東部や千葉県東方沖を震源とする地震も含まれています。
つまり、震源地別の地震回数と、実際に茨城県南部で観測された揺れの回数は同じではありません。
この違いを理解しておくと、地震速報やニュースの数字を正確に読み取れます。
【発生経緯】2026年の茨城県南部地震を時系列で詳しく整理

2026年は、茨城県南部を震源とするM5クラスの地震が複数発生しました。
特に4月、6月、8月の地震は、いずれも最大震度5弱を観測しています。
ここでは、気象庁と地震調査研究推進本部の公表資料をもとに、主要な出来事を時系列でまとめます。
2026年の主要地震一覧
出典:気象庁、地震調査研究推進本部、日本気象協会の2026年公表・集計資料。マグニチュードと最大震度は各地震の観測値です。
4月1日:M5.0の地震で最大震度5弱
午前10時06分、茨城県南部の深さ48kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。
最大震度5弱を観測したのは栃木県真岡市です。東北地方から中部地方にかけても震度4~1の揺れが観測されました。
気象庁によると、この地震に伴う津波の心配はなく、発生直後の観測では震度1以上の地震は続いていませんでした。
6月16日:M5.5、再び最大震度5弱
午後7時46分には、茨城県南部の深さ50kmでM5.5の地震が発生しました。
群馬県太田市・千代田町、埼玉県加須市・本庄市・美里町の計5市町で最大震度5弱を観測しています。
また、茨城県南部、群馬県南部、埼玉県北部では長周期地震動階級1が観測されました。
この地震も津波の心配はないと発表されています。
8月23日:2026年最大規模の茨城県南部地震
午前2時00分、茨城県南部の深さ68kmを震源とするM5.9の地震が発生しました。
この地震は、2026年の茨城県南部を震源とする地震の中でも特に注目された事例です。
気象庁によると、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都の合計17市区町村で最大震度5弱を観測しました。
加えて、埼玉県南部、千葉県北西部、東京都23区では長周期地震動階級2を観測しています。
長周期地震動は、一般的な地震の揺れとは異なり、比較的ゆっくりとした揺れが長く続く現象です。高層ビルでは、家具やオフィス機器などが大きく移動する危険があります。
この地震について、気象庁は津波の心配はないと発表しました。
地震調査研究推進本部の評価では、GNSS観測による有意な地殻変動は確認されていません。
【発生メカニズム】なぜ茨城県南部では地震が繰り返されるのか?
茨城県南部で地震が繰り返し発生する背景には、関東地方の地下に存在する複雑なプレート構造があります。
日本列島周辺では複数のプレートが接し、互いに沈み込むことで地下にひずみが蓄積されます。そのひずみが限界に達すると、岩盤が急激にずれて地震が発生します。
フィリピン海プレートと太平洋プレートの関係
茨城県周辺の地震活動では、主に次のプレートが関係しています。
- フィリピン海プレート: 関東地方の地下に沈み込んでいるプレートの一つ。
- 太平洋プレート: 東日本の地下へ沈み込むプレート。
- 陸のプレート: 関東地方の地表を含む上側のプレート。
2026年の地震にも、このプレート構造との関係が見られます。
4月1日の地震は、地震調査研究推進本部によってフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した逆断層型の地震と評価されています。
一方、8月23日のM5.9の地震は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した逆断層型とされています。
つまり、同じ「茨城県南部」という震源地域でも、地下のどの境界で発生するかによって地震の特徴は異なります。
茨城県南西部は以前から地震活動が活発
地震調査研究推進本部の地域評価によると、茨城県南西部では、深さ30~50km程度のやや深い場所や、50~70km程度の深い場所で定常的に地震活動が活発です。
過去には次のような地震が発生しています。
- 1983年:茨城県南部でM6.0
- 2005年:茨城県南部でM5.3
- 2026年:茨城県南部でM5.0、M5.5、M5.9など
同本部は、最近数十年間ではM7程度の地震の発生は知られていない一方、M5~6程度の地震は数年に1回の割合で発生していると説明しています。
これは、2026年の地震が突然現れた異常な現象というより、以前から活動が続いている地域で発生した地震として理解するための重要な背景です。
茨城県南部に活断層は存在するのか?
ここも誤解されやすいポイントです。
地震調査研究推進本部によると、茨城県内では、確実に活断層であるとされるものは知られていません。
しかし、活断層が確認されていないことと、大きな地震が発生しないことは同じではありません。
茨城県南部では、地下に沈み込むプレートに関連する地震が発生しています。地表の活断層だけを調べても、地域の地震リスクを十分に理解できないのです。
地震リスクを判断するときは、活断層の有無だけでなく、地下のプレート構造や過去の地震活動も確認する必要があります。
【被害想定】茨城県南部でM7.3の地震が発生したらどうなる?
2026年の実際の地震とは別に、茨城県は将来的な大規模地震に備え、複数の被害想定を公表しています。
その中に含まれるのが、首都直下地震のうち県南部地域に影響する「茨城県南部の地震」です。
想定規模はモーメントマグニチュードMw7.3です。
最大震度は6強と想定
茨城県の被害想定では、茨城県南部の地震について、次の震度分布が示されています。
- 震度6強:石岡市など12市
- 震度6弱:水戸市など20市町村
- 震度7:該当なし
震度6弱以上の強い揺れが、県西地域の東側と県南地域に広がる想定です。
これは2026年8月23日に発生したM5.9・最大震度5弱の地震とは別の、将来的なM7クラスの地震を想定したシミュレーションです。
建物被害・人的被害の想定
茨城県の2026年3月版地域防災計画資料編に掲載された被害想定では、茨城県南部の地震について、発生時刻や季節によって被害が異なるとされています。
特に冬の午後6時に発生した場合の想定は次のとおりです。
茨城県南部の地震・冬18時の想定8,318棟
139人
84%
86%
- 電力:8割以上の復旧まで3日間
- 上水道:8割以上の復旧まで1週間
この数字は実際に発生した被害ではありません。特定の季節・時刻などを設定した被害シミュレーションです。
しかし、建物の倒壊だけでなく、停電や断水が長引く可能性まで考慮する必要があることが分かります。
特に注意したいのは住宅とライフライン
茨城県南部の被害想定では、建物の全壊・焼失が県南部や県西部に広く及ぶとされています。
加えて、電力や水道が止まると、建物が無事でも生活への影響は深刻になります。
特に注意したいのは次の3点です。
1. 住宅の耐震性: 古い住宅や耐震補強が不十分な建物は、倒壊や家具転倒への対策が必要。
2. 水道・電気: 停電だけでなく断水に備え、飲料水や生活用水を確保する。
3. 避難生活: 避難所の場所や移動経路を事前に確認しておく。
茨城県は7つの想定地震について震度予測マップを公開しており、自宅や学校周辺の揺れの想定を確認できるようにしています。
【ネットの反応・炎上・噂の真相】地震予言や巨大地震説は本当なのか?
地震発生後は、SNSや動画投稿サイトなどでさまざまな情報が広がります。
特に注意したいのが、次のような話題です。
- 茨城県南部でM5クラスが続いたから、次はM7以上になる。
- 8月23日の地震は、さらに大きな地震の前兆だった。
- 特定の日付に首都直下地震が発生する。
- 地震雲や動物の異常行動が巨大地震を知らせている。
これらは、科学的に確認された予測と、個人の推測を区別する必要があります。
噂1:M5.9の後にM7クラスが必ず発生する?
M5.9の地震が発生したからといって、その後にM7クラスの地震が必ず発生するわけではありません。
大きな地震の後に、周辺でさらに大きな地震が発生する事例はあります。しかし、その発生日時や規模を正確に予測することは現在の科学ではできません。
気象庁は、最大震度5弱以上の地震が発生した場合などに、その後の地震活動の見通しを解説しています。
8月23日の地震についても、発生直後には、揺れの強かった地域で1週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけていました。
これは発生直後の防災上の注意期間を示すものであり、将来の特定の日に巨大地震が発生するという予測ではありません。
噂2:10月29日の地震は茨城県南部が震源だった?
10月29日のM5.5の地震について、気象庁が発表した震源地は千葉県北東部です。
茨城県南部でも震度3を観測しましたが、震源地と揺れが観測された地域は別です。
地震速報の画面では、震源地と各地域の震度が並んで表示されるため、混同しないようにしましょう。
噂3:地震雲や動物の異常行動で発生日が分かる?
気象庁は、日時と場所を特定した地震予知について、現在の科学的知見では実現が難しく、一般にそのような情報はデマと考えられると説明しています。
また、地震雲についても、地震との関係を裏付ける科学的な仕組みは確認されていません。
動物が普段と異なる行動をすること自体はありますが、それを特定の日の地震発生と結び付けることはできません。
ネットの反応を見るときの判断基準
地震に関する投稿を見たときは、次の基準で判断すると情報の混乱を避けられます。
- 発信元が気象庁や自治体などの公的機関か。
- 発生日時、震源地、マグニチュードが明記されているか。
- 速報値と更新後の確定値を区別しているか。
- 予測なのか、実際に観測された事実なのか。
- 不安をあおるだけで、具体的な根拠が示されていない情報ではないか。
地震に関する不安を利用した投稿が拡散されても、情報の信頼性は閲覧数やコメント数では判断できません。
【防災対策】茨城県南部地震に備えて今すぐ確認したいこと
2026年の地震活動を踏まえると、重要なのは特定の日の地震を予測することではなく、いつ揺れても安全を確保できる環境をつくることです。
1. 家具の転倒防止と住宅の耐震対策
地震が発生したとき、家具や家電の転倒はけがの原因になります。
特に寝室や子ども部屋では、ベッドの近くに大型家具を置かないなど、配置の見直しが有効です。
- タンスや本棚を固定する。
- テレビや電子レンジの転倒を防ぐ。
- ガラスの飛散防止フィルムを貼る。
- 寝室や廊下に避難経路を確保する。
- 住宅の耐震診断や必要な補強を検討する。
揺れを感じたら、まず丈夫な机の下などで頭を守り、窓ガラスや落下物から離れてください。
2. 水・食料は最低3日、できれば1週間分
消防庁は、大規模地震に備え、最低3日間、できれば1週間分の飲料水や食料品を備蓄するよう案内しています。
家庭で用意したい防災用品
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家族構成に応じて、乳幼児用品、高齢者向けの用品、ペット用品なども準備しておきましょう。
備蓄品は用意するだけでなく、定期的に賞味期限や使用期限を確認することも大切です。
3. 避難場所と家族の連絡方法を決める
地震発生時に家族が別々の場所にいる可能性もあります。
そのため、事前に以下を確認しておきましょう。
- 自宅近くの指定緊急避難場所
- 指定避難所までの安全な経路
- 学校や職場からの帰宅・避難方法
- 家族の集合場所
- 災害用伝言ダイヤル171の利用方法
通信障害が発生すると、電話やインターネットがつながりにくくなる可能性があります。
家族間で連絡方法を決めておけば、災害時の混乱を減らせます。
4. 茨城県の震度予測マップを確認する
同じ茨城県南部でも、地盤や住宅の構造、周囲の地形によって被害の程度は異なります。
茨城県が公開している震度予測マップでは、県が設定した7つの想定地震について、自宅や学校周辺の揺れの分布を確認できます。
特に、次のような場所に住んでいる場合は、地震対策と合わせて地域のハザードマップも確認してください。
- 河川沿いの低地
- 液状化の可能性がある地域
- 崖や急傾斜地の近く
- 古い木造住宅が密集している地域
また、海岸付近にいる場合は、地震の震源が内陸か海域かにかかわらず、実際に発表される津波情報に従ってください。
【よくある質問】茨城県南部地震に関するFAQ
Q1:2026年で最も大きかった茨城県南部地震はいつですか?
A1:2026年8月23日午前2時に発生したM5.9の地震です。震源の深さは68kmで、茨城県・埼玉県・千葉県・東京都の17市区町村で最大震度5弱を観測しました。
Q2:茨城県南部で今後、大地震が発生する可能性はありますか?
A2:将来的な大規模地震の可能性はあります。茨城県はMw7.3の茨城県南部地震を被害想定の対象としています。ただし、2026年にM5クラスの地震が複数発生したことだけを根拠に、直近でM7クラスの地震が発生すると予測することはできません。
Q3:茨城県南部地震で津波は発生しますか?
A3:2026年8月23日の茨城県南部の地震と、10月29日の千葉県北東部の地震については、気象庁が津波の心配はないと発表しています。ただし、茨城県沖など海域を震源とする別の地震では津波が発生する可能性があるため、その都度、気象庁の津波情報を確認してください。
まとめ:【プロの結論】茨城県南部地震で本当に重要なのは日常の備え
2026年の茨城県南部地震を振り返ると、4月1日のM5.0、6月16日のM5.5、8月23日のM5.9と、最大震度5弱を観測する地震が複数回発生しました。
さらに9月から10月にかけても地震活動が続き、10月29日には千葉県北東部を震源とするM5.5の地震で茨城県南部でも震度3を観測しています。
これらの地震に共通する背景には、関東地方の地下に存在するプレート構造があります。
特に押さえておきたい要点は3つです。
1. 震源地と揺れた地域を区別すること。 震源が千葉県でも、茨城県南部で強い揺れを観測することがある。
2. 実際の地震と将来の被害想定を混同しないこと。 M5.9の発生はM7クラスの地震が直ちに発生する予告ではない。
3. 住宅・備蓄・避難経路を具体的に確認すること。 大地震への備えは、地震発生後ではなく平常時に進める必要がある。
茨城県南部は、プレートの沈み込みに関連する地震活動が以前から活発な地域です。過去の地震履歴や2026年の最新ニュースを正しく理解し、根拠のない地震予言や不安をあおる情報に振り回されないことが大切です。
最も現実的な防災対策は、地震がいつ来るかを当てることではなく、今日から自分と家族の安全を守る準備を整えることです。