「関東とは、具体的にどこからどこまでを指すのか」「山梨県や長野県は関東に含まれるのか」と疑問に感じたことはないでしょうか。関東地方は、一般的に東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県の1都6県で構成される地域です。しかし、天気予報や行政の統計、都市計画などでは、山梨県や長野県を含む別の地域区分が使われることもあります。
加えて、関東地方と首都圏は同じ意味ではありません。首都圏整備法に基づく首都圏は1都7県であり、関東地方よりも広い範囲を指します。2026年現在も、国土交通省の首都圏整備計画などで、この行政上の区分が使われています。関東という名称の由来や歴史、関東平野・関東山地の地形的な特徴まで理解すると、地域の境界が異なる理由も見えてきます。
【まず答え】関東とはどこからどこまで?関東地方は1都6県

関東とは、日本列島の本州東部に位置する地域の名称です。一般的な地理区分では、東京都を中心に、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県で構成されています。
日本の地域区分において、関東地方は東日本の代表的な地域です。政治・行政・経済の中心である東京都を抱えながら、北部には山地や農業地域、東部・南部には太平洋沿岸の地域が広がっています。
関東地方の範囲を理解するときは、次の7つの都県を覚えておけば、一般的な会話や学校の地理、ニュースの地域区分で困ることはほとんどありません。
関東地方の県名一覧
地図で見ると、北側に茨城・栃木・群馬の3県が並び、その南側に埼玉・東京・千葉・神奈川が広がる配置です。東京都を中心とした交通網が各県につながっているため、通勤・通学・買い物・観光など、日常生活でも一体的な地域として認識されています。
ただし、東京都には伊豆諸島や小笠原諸島も含まれます。東京都という行政区域と、東京の都市部という日常的なイメージは必ずしも一致しません。この点も、関東地方の範囲を考える際に押さえておきたいポイントです。
気象庁も地域名を使い分けており、地方気象解説情報などで使う「関東地方」は、栃木・群馬・茨城・東京・埼玉・千葉・神奈川を対象としています。一方、東京の島しょ部は別の地域として扱われる場合があります。
【混同しやすい】関東と首都圏の違いは?1都6県と1都7県を比較
関東地方と首都圏は、ニュースや日常会話で似た意味として使われることがあります。しかし、厳密には異なる地域区分です。
一般的な関東地方は1都6県ですが、首都圏整備法に基づく首都圏は、東京都とその周辺の7県から構成されます。関東地方の1都6県に山梨県を加えた1都7県が、法律上の首都圏の範囲です。
首都圏整備法が定める範囲
首都圏整備法は、昭和31年(1956年)に制定された法律です。首都圏の整備について総合的な計画を策定し、日本の政治・経済・文化などの中心にふさわしい地域を形成することを目的としています。
同法第2条では、首都圏を東京都の区域と政令で定める周辺地域を一体とした広域として定義しています。その周辺地域を具体的に定めているのが首都圏整備法施行令です。
施行令第1条では、東京都の周辺地域として、埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の7県を指定しています。したがって、法律上の首都圏は東京都と7県という構成になります。
関東地方と首都圏の違い
関東地方:1都6県
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県
首都圏:1都7県
関東地方の1都6県に山梨県を加えた範囲
ここで注意したいのは、首都圏という言葉が、必ずしも東京に近い都市部だけを意味するわけではないことです。法律上は山梨県を含めた各都県の区域全体が対象になります。
一方、日常会話で「首都圏に住んでいる」「首都圏の通勤圏」と言う場合には、東京への通勤・通学や経済活動で結び付いた都市圏をイメージすることもあります。法律上の首都圏と、生活実態としての東京圏を区別することが大切です。
2026年の首都圏整備計画にも注目
国土交通省は2026年6月に新たな首都圏整備計画を決定しています。首都圏整備法に基づく計画では、既成市街地、近郊整備地帯、都市開発区域、近郊緑地保全区域などの政策区域が扱われています。
これは首都圏の都市機能や地域整備を考えるための行政上の枠組みです。2026年の計画更新によって、一般的な関東地方の1都6県という地理区分が変更されたわけではありません。
【県名・県庁所在地一覧】関東地方の7都県と北関東・南関東の区分
関東地方の各都県をさらに理解するには、県庁所在地と地域区分を一緒に覚えると便利です。県庁所在地は、県の行政機関である県庁が置かれている都市を指します。
関東地方では、都県名と県庁所在地の名称が異なるケースも多くあります。特に水戸市・宇都宮市・前橋市・さいたま市・横浜市は、地理の学習でも間違えやすい組み合わせです。
関東地方の県庁所在地一覧
千葉県教育委員会の学習資料でも、関東地方の県庁所在地として水戸市・宇都宮市・前橋市・さいたま市・千葉市・東京(新宿区)・横浜市が紹介されています。
なお、東京都については、都庁の所在地を新宿区とするのが正確です。東京都の公式案内によれば、都庁の所在地は東京都新宿区西新宿二丁目です。一般的な地図や一覧では「東京」と簡略表記されることもあります。
北関東と南関東の違い
関東地方は、さらに北関東と南関東に分けて説明されることがあります。日常的な地理区分では、北関東は茨城県・栃木県・群馬県の3県、南関東は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の1都3県です。
北関東は内陸部や山地に近い地域が多く、農業や製造業、観光など多様な産業が発展しています。南関東は東京湾周辺の都市機能や交通網が発達し、人口や企業活動が集積している地域です。
ただし、北関東と南関東の境界も、行政・統計上の分類では異なる場合があります。
例えば、内閣府の地域経済に関する資料では、北関東を茨城・栃木・群馬・山梨・長野の5県、南関東を埼玉・千葉・東京・神奈川の1都3県として分類する方法が使われています。また、総務省統計局の労働力調査では「北関東・甲信」として茨城・栃木・群馬・山梨・長野をまとめています。
【関東地方の名前の由来】関所の東側から関八州へ発展した歴史
「関東」という名称は、文字どおり「関所の東側」という意味に由来します。ただし、歴史の中で関所の位置や呼ばれる地域の範囲が変化してきたため、現在の1都6県と完全に同じ範囲を最初から指していたわけではありません。
関東の語源は関所にある
古代の日本では、東西を分ける重要な関所として、鈴鹿関・不破関・愛発関などの三関が知られていました。これらの関所より東側を関東と呼ぶ歴史的な用法がありました。
その後、東国を指す地域認識が変化し、箱根の坂や足柄峠より東側を坂東と呼ぶようになります。坂東は「坂の東」を意味する言葉で、関東地方の歴史を理解するうえでも重要な名称です。
農林水産省関東農政局の歴史解説では、坂東を箱根の坂や足柄峠より東の国と説明しています。また、室町時代以降には「関東管領」「関東公方」といった名称が使われるようになり、関東という呼び方が政治的・地理的な意味を持って広がりました。
江戸時代に定着した関八州
江戸時代には、現在の関東地方に重なる地域を「関八州」と呼ぶことがありました。これは8つの旧国をまとめた呼び方です。
関八州を構成したのは、次の8つの国です。
現在の都県境と旧国の境界は一致しません。例えば、武蔵国は現在の東京都・埼玉県の大部分などにまたがっていました。関八州という呼称は、現在の行政区域が成立する以前の歴史的な地域区分を反映しています。
農林水産省関東農政局の資料でも、関東八州の構成と現在の都県との対応が説明されています。
江戸の発展が現在の関東の基盤をつくった
関東地方の歴史を語るうえで欠かせないのが江戸の発展です。江戸幕府の成立以降、江戸は政治の中心として大きく発展し、全国から人や物資が集まる都市になりました。
人口や経済活動の集中に伴って、周辺地域では街道や河川交通、農業生産、物流などの仕組みが整備されていきます。江戸と周辺の地域が結び付いたことは、後の東京を中心とする広域経済圏の形成にもつながる歴史的な背景です。
明治時代に入ると、近代的な府県制度への再編が進み、現在の東京都や各県につながる行政区域が形づくられました。現在の関東地方は、古代の関所、旧国制度、江戸の政治経済、近代の行政制度という複数の歴史が重なって成立した地域です。
【地理的な特徴】関東平野と関東山地がつくる地域の個性
関東地方の特徴を理解するには、地図上の行政区分だけでなく、地形にも目を向ける必要があります。関東地方の中央部には日本最大の平野である関東平野が広がり、西側から北西側には山地が連なっています。
日本最大の関東平野
関東平野は、関東地方の主要部分を占める日本最大の平野です。東京都・埼玉県・千葉県・茨城県などにまたがり、広大な低地や台地、丘陵地で構成されています。
国土地理院は、関東平野を地殻の緩やかな曲降運動によって形成された地形の具体例として紹介しています。河川の堆積作用によってできた低地だけではなく、武蔵野台地や大宮台地のような台地も存在します。
この平坦な土地の広がりは、都市や交通網が発達するうえで大きな意味を持ちました。鉄道や道路を整備しやすい地形が広域的な都市化を支え、東京を中心とする大規模な都市圏の形成にも影響しています。
関東山地と周辺の山々
関東地方の西側には関東山地が広がっています。関東平野の西縁に位置し、秩父山地や丹沢山地などを含む山岳地域です。
関東山地は、関東地方だけでなく山梨県や長野県など甲信地方にも広がっています。この点は、行政上の関東地方と地形上の関東山地が必ずしも同じ範囲ではないことを示しています。
さらに北側には足尾山地や八溝山地などがあり、北西部の山岳地域からは利根川や荒川、多摩川などの河川が流れ出しています。
東京湾・相模湾・太平洋に面する地形
関東地方の東部には千葉県の房総半島、南部には神奈川県の三浦半島が突き出しています。房総半島と三浦半島の間には東京湾があり、三浦半島と真鶴半島の間には相模湾が形成されています。
このように、関東地方は西側の山地、中央部の平野、東部・南部の海岸という異なる地形が組み合わさった地域です。山地から平野に向かって河川が流れ、海岸部には港湾や工業地域、観光地などが発展してきました。
気象庁の関東甲信地方の地勢解説でも、中央部に関東平野、北西側に山岳地帯、東南側に太平洋が位置する地形的な特徴が示されています。
【関東と関西の違い】地域の範囲・歴史・文化を比較
関東と関西は、日本を東西に分けて考えるときによく使われる地域名称です。関東が東京を中心とした東日本の代表的な地域であるのに対し、関西は大阪・京都・神戸などを中心とする西日本の代表的な地域として認識されています。
ただし、関東と関西は、どちらも行政上の境界があらゆる場面で統一されているわけではありません。関東地方の一般的な範囲が1都6県であるのに対し、関西は使われる分野や文脈によって対象地域が異なります。
関東と関西の主な違い
地理的な位置
関東は本州の南東部に位置し、東京湾や関東平野を中心とする地域です。関西は本州の中西部に位置し、大阪平野や京都盆地などを含む地域として認識されています。
政治・経済の中心
関東では東京都に政治・行政・経済の中枢機能が集中しています。関西では大阪が経済・商業の中心的な役割を担い、京都や神戸なども独自の都市機能を持っています。
歴史的な背景
関東は江戸幕府の成立と江戸の発展によって政治的な存在感を高めました。一方、関西には京都や奈良など、古代から近世にかけて政治・文化の中心となった歴史ある都市が集まっています。
言葉や生活文化
関東では東京を中心とした首都圏の言語・生活文化が広がり、関西では大阪・京都・神戸などを中心に地域ごとの方言や食文化が発展しています。ただし、同じ関東・関西でも地域差は大きく、単純に東西の二つに分けられるものではありません。
行政上の比較では、国土交通省が用いる近畿地方の区分は、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の2府4県です。一方、日常的な関西という呼び方は、近畿地方の行政区分と完全に一致するとは限りません。
関東と関西の違いを理解する際に大切なのは、東京と大阪の都市文化だけで比較しないことです。関東には横浜・さいたま・千葉・宇都宮など多様な都市があり、関西にも京都・神戸・奈良など、それぞれ異なる歴史や産業を持つ地域があります。
つまり、関東と関西は単なる東西の対立ではなく、日本の歴史や経済、文化が異なる形で発展してきた地域として捉えると理解しやすくなります。
【関東とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:関東地方は何県ありますか?
A1:関東地方は一般的に1都6県です。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県で構成されています。都道府県の数としては7つです。
Q2:山梨県は関東地方に含まれますか?
A2:一般的な関東地方の1都6県には含まれません。ただし、首都圏整備法に基づく首都圏には含まれます。また、気象庁の関東甲信地方や一部の統計上の北関東・甲信という区分にも含まれています。
Q3:関東地方と首都圏は何が違いますか?
A3:一般的な関東地方は1都6県ですが、首都圏整備法上の首都圏は東京都と7県からなる1都7県です。首都圏には山梨県が加わるため、関東地方より広い行政上の地域区分です。
Q4:関東地方の県庁所在地はどこですか?
A4:茨城県は水戸市、栃木県は宇都宮市、群馬県は前橋市、埼玉県はさいたま市、千葉県は千葉市、神奈川県は横浜市です。東京都の都庁所在地は新宿区です。
Q5:関東地方はなぜ関東と呼ばれるのですか?
A5:「関東」は、もともと関所の東側を意味する歴史的な呼び方に由来します。時代によって関所や対象地域の認識は変化し、江戸時代には関八州という呼称も使われました。
Q6:関東地方は北関東と南関東に分けられますか?
A6:はい。一般的には北関東が茨城・栃木・群馬の3県、南関東が埼玉・千葉・東京・神奈川の1都3県です。ただし、統計や行政資料では山梨県・長野県を北関東側に加える区分もあります。
Q7:関東甲信地方とは何ですか?
A7:関東甲信地方は、関東の1都6県に山梨県と長野県を加えた地域です。気象庁の天気予報や気象情報などで使用されます。甲信は甲斐国(現在の山梨県)と信濃国(現在の長野県)に由来する呼び方です。
まとめ:関東の範囲を正しく理解するための判断基準
関東とは、一般的には東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県からなる1都6県の地域です。日本最大の関東平野を中心に、西側には関東山地、東部・南部には太平洋や東京湾などが広がっています。
ただし、関東地方という言葉は、使用する分野によって対象範囲が変わることがあります。特に山梨県や長野県が含まれるかどうかは、次の基準で判断すると混乱しません。
2026年現在も、首都圏整備計画や各種統計では、目的に応じた地域区分が使われています。関東と首都圏を同じものとして覚えるのではなく、地理・法律・気象・統計のどの区分なのかを確認することが大切です。
関東という名称の由来をたどれば、古代の関所から関八州、江戸の発展、そして現在の首都圏へと続く日本の歴史も見えてきます。単なる1都6県という暗記にとどまらず、地理と歴史の両面から捉えることで、関東地方の特徴をより深く理解できます。