株式会社MAPPA(マッパ)は、『呪術廻戦』『チェンソーマン』『進撃の巨人 The Final Season』など、国内外で高い知名度を持つアニメーション作品を手がける日本のアニメ制作会社だ。2011年6月14日の設立から15年を迎えた2026年、従業員数は562名(2026年4月時点)に達し、東京・仙台・大阪の3拠点を展開する大規模なアニメーションスタジオへと成長している。
代表取締役社長は大塚学氏。MAPPAの特徴は、アニメーションの企画・制作だけでなく、3DCGなどのデジタル制作機能の内製化や、自社が権利を保有する作品のライツ事業にも取り組んでいることだ。2026年10月には設立15周年記念企画も進行しており、制作会社としての規模だけでなく、事業構造そのものにも注目が集まっている。
【会社概要を解説】株式会社MAPPAはどんなアニメ制作会社なのか

株式会社MAPPAは、テレビアニメを中心に、劇場アニメ、映画、CM、Webムービーなど幅広い映像作品の企画・制作を行うアニメーション制作会社である。
企業としての特徴は、単純に作品を制作して納品するだけのスタジオではないことだ。制作部門に加え、CGI、作画演出、ライツビジネス、管理部門を社内に持ち、映像制作と作品の権利活用を組み合わせた事業を展開している。
MAPPAの基本企業情報
2026年10月31日時点で、公式会社概要に掲載されている情報は次のとおりだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社MAPPA |
| 設立年月日 | 2011年6月14日 |
| 代表取締役社長 | 大塚学 |
| 取締役会長 | 丸山正雄 |
| 取締役副社長 | 長谷川博哉 |
| 取締役 | 淡輪雄介、籔田修平 |
| 社外取締役 | 福島祐一 |
| 執行役員 | 奥納基 |
| 従業員数 | 562名(2026年4月時点) |
| 主な事業 | アニメーションの企画・制作、ライツ事業 |
| 主な制作拠点 | 東京・仙台・大阪 |
出典は株式会社MAPPA公式会社概要。特に注目したいのは、従業員数562名という数字だ。これは2026年4月時点の会社全体の従業員数であり、アニメーターだけの人数ではない。制作進行、CGクリエイター、演出、ライツビジネス、管理部門などを含む組織規模を示している。
また、取締役会長には丸山正雄氏が名を連ねている。代表取締役社長の大塚学氏を中心とした経営体制に加え、制作と経営を支える役員構成が公式に公開されている点も、企業情報を把握するうえで押さえておきたい。公式会社概要
2011年設立から15周年へ
MAPPAが設立されたのは2011年6月14日。2026年6月14日に設立15周年を迎えた。
公式の15周年記念特設サイトでは、これまでの制作活動を振り返りながら、今後もクリエイティブを重視した作品づくりを続ける姿勢が示されている。
15周年という節目は、単なる記念行事ではない。2010年代に作品制作の実績を積み上げ、2020年代には国内外で知られる作品を複数手がけ、現在は制作人員や事業領域を拡大したスタジオとして次の段階に入っていることを示す節目でもある。
【制作体制の全貌】東京・仙台・大阪の3スタジオは何が違う?
MAPPAの企業としての実態を理解するうえで重要なのが、複数の制作拠点と専門部門を組み合わせた制作体制だ。
公式サイトによると、制作局ではおおよそ10ラインの制作チームが稼働している。各チームはプロジェクトごとに予算とスケジュールを作成し、必要なスタッフを集め、各工程への作業依頼や成果物の回収を行い、最終的な映像の納品までを管理する。
約10ラインの制作チームが作品を管理
アニメーション制作は、企画や脚本、絵コンテ、作画、動画、仕上げ、背景、撮影、編集など、多数の工程が連携して初めて完成する。
制作局は、こうした工程と素材を管理する中核的な部門だ。MAPPAの場合、プロジェクト単位で制作チームを編成し、予算・進行・スタッフ配置を管理する仕組みを採用している。
作品ごとに制作スケジュールや必要な技術が異なるため、制作進行には各工程への理解と関係者との調整能力が求められる。単に納期を管理するだけでなく、作品全体の品質を維持する役割も担っている。
CGI局は160名超の最大部門
MAPPAの制作体制で特に存在感を持つのがCGI局だ。
公式情報によれば、CGI局には160名を超える社員が所属しており、MAPPA最大の部門となっている。
担当領域は3DCGだけではない。美術、色彩、撮影、編集といったデジタル領域のクリエイターに加え、エンジニア、制作管理、演出職も所属している。
特徴的なのは、CGI局単独でも一気通貫の制作機能を持っていることだ。作品ごとに監督陣と意見交換し、各分野のクリエイターが完成イメージを共有しながら制作できる体制を整えている。
また、入社後には2か月の研修期間を設け、社内ルールや基本仕様を習得したうえで、指導官による評価と本人の希望を踏まえて業務に配置する仕組みも紹介されている。
3拠点の役割と機能を比較
| 拠点・部門 | 開始・開設時期 | 主な役割と特徴 |
|---|---|---|
| 東京スタジオ | 本社・中核拠点 | 制作局、CGI局、作画演出局、ライツビジネス局、管理局を配置 |
| 仙台スタジオ | 2018年 | デジタル動画・仕上げを中心に、原画や作画監督などの工程にも領域を拡大 |
| 大阪スタジオ | 2023年 | CGI局のサテライト拠点。主に3DCGクリエイターが所属 |
| 制作局 | 東京を中心に運営 | 約10ラインの制作チームが予算・進行・スタッフ・素材を管理 |
| CGI局 | 東京・大阪 | 160名超。3DCG、美術、色彩、撮影、編集、エンジニアリングなどを担当 |
| ライツビジネス局 | 東京 | 作品の権利運用、商品化、宣伝、イベント、海外配信などを担当 |
この表から分かるのは、3拠点が同じ機能を持つ単純な支店ではないということだ。それぞれが異なる役割を担い、専門性を組み合わせることで制作機能を広げている。
仙台スタジオはデジタル作画の育成拠点
2018年に開設された仙台スタジオは、デジタル動画と仕上げをキャリアの出発点とする制作拠点だ。
従来の紙と鉛筆を中心とした方式ではなく、デジタル動画を全面的に取り入れることで、動画から仕上げまでを一貫して担当できる環境を構築している。
公式情報では、スタッフの育成と増員に伴い、原画や作画監督を担当する実績も増えていると説明されている。
加えて、東北地方の専門学校や大学との学事連携にも取り組み、新卒・経験者の採用を通じて地域のアニメ人材を育成する役割も担っている。
大阪スタジオはCGI機能の拡張拠点
大阪スタジオは2023年、CGI局のサテライトスタジオとして始動した。
主に3DCG部門のクリエイターが所属し、3ds MaxやBlenderを主要ツールとして活用している。東京本社との連携を前提とした制作環境が整えられている点も特徴だ。
また、関西の大学や専門学校とセミナー、インターンシップ、会社見学会などを実施し、地域での人材発掘にも取り組んでいる。
公式サイトでは、今後は美術職、作画演出職、制作職などの合流を検討し、東京と同等の制作機能を目指す方針が示されている。
つまり、2026年時点の大阪スタジオは東京と完全に同じ機能を持つ拠点ではなく、CGIを中心に成長している段階にある。MAPPA公式会社情報
【収益構造を解説】MAPPAのライツ事業とアニメ制作の仕組み
MAPPAを一般的なアニメ制作会社と区別する大きな特徴が、ライツビジネス局の存在だ。
アニメーション制作会社の仕事は、映像を制作するだけではない。作品の知的財産を活用し、商品化、配信、イベント、海外展開などにつなげることで、作品の価値を長期的なビジネスに変えていくこともできる。
ライツビジネス局の4つの部門
MAPPAのライツビジネス局は、次の4部門で構成されている。
- 企画プロデュース部:作品の企画やプロデュースを担当。
- ライセンス事業部:作品の権利やライセンスに関する業務を担当。
- 事業推進部:作品を活用した事業の展開を推進。
- 営業業務部:取引先との営業や事業運営を支える。
公式会社情報によると、MAPPAは製作委員会への出資参加や、自社で窓口権を保有するIPの運用を通じて、国内外でライツ事業を展開している。
具体的な活動には、宣伝、商品化、EC(ネット通販)、イベント開催、海外配信などが含まれる。
アニメ制作から商品化・海外展開まで
一般的なアニメ制作の流れでは、映像制作会社が作品の制作を担当し、製作委員会などが作品への出資や権利管理、商品化、配信などを担う場合がある。
MAPPAは、この構造の中で制作会社としての機能に加え、製作委員会への出資参加や権利窓口の運用にも取り組んでいる。
そのため、映像を完成させて納品するだけでなく、作品の認知拡大や商品展開、海外市場への進出にも関与できる。
この仕組みは、制作会社が作品の人気を長期的な事業機会につなげるための重要な手段になる。
「MAPPA制作作品=すべてMAPPAが著作権を持つ」は誤解
ここで注意したいのが、MAPPAが制作した作品のすべてをMAPPAが単独で所有しているわけではないという点だ。
公式サイトが説明しているのは、自社で権利を保有するIPの窓口権を運用していること、そして製作委員会への出資参加などを通じてライツ事業を行っていることだ。
作品ごとに権利関係や契約条件は異なる。アニメーションの制作クレジットにMAPPAの名前があることと、その作品の著作権をMAPPAがすべて所有していることは同じ意味ではない。
この違いを理解すると、MAPPAの企業活動をより正確に捉えられる。映像を作る力と、権利を活用して収益化する力は別の機能であり、同社はその両方を事業として展開している。
【作品一覧と代表作】MAPPAが手がけたアニメと2026年の最新ラインアップ
MAPPAの知名度を押し上げた大きな要因は、ジャンルや表現の異なる作品を継続的に制作してきたことだ。
公式作品一覧を見ると、テレビアニメだけでなく、劇場作品、Webムービー、CM、ゲーム内映像、ミュージッククリップなど、幅広い映像分野に携わっていることが分かる。
MAPPAを代表する主な作品
これまでの代表的な制作作品には、次のようなタイトルがある。
- 『坂道のアポロン』(2012年):初期のテレビアニメ作品の一つ。
- 『残響のテロル』(2014年):オリジナル作品として知られるテレビアニメ。
- 『ユーリ!!! on ICE』(2016年):フィギュアスケートを題材にした作品。
- 『この世界の片隅に』(2016年):劇場アニメ作品。
- 『BANANA FISH』(2018年):人気漫画を原作とするテレビアニメ。
- 『ゾンビランドサガ』(2018年):オリジナルテレビアニメ。
- 『進撃の巨人 The Final Season』(2020年〜):シリーズ後半のアニメーション制作を担当。
- 『呪術廻戦』(2020年〜):国内外で高い人気を獲得したテレビアニメシリーズ。
- 『チェンソーマン』(2022年):独自の映像表現が注目されたテレビアニメ。
- 『地獄楽』(2023年):アクションを中心としたテレビアニメ。
- 『ヴィンランド・サガ』SEASON 2(2023年):歴史・人間ドラマを描いた作品。
- 『忘却バッテリー』(2024年):野球を題材としたテレビアニメ。
- 『らんま1/2』(2024年):人気漫画の新作テレビアニメ。
こうした作品群を見ると、MAPPAがアクションやバトル作品だけに特化したスタジオではないことが分かる。スポーツ、青春、歴史、コメディ、社会派作品まで幅広いジャンルを手がけている。
2025年の主な制作実績
2025年には、劇場作品とテレビアニメの双方で幅広い作品を展開した。
- 『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』
- 『LAZARUS ラザロ』
- 『ベルサイユのばら』
- 『全修。』
- 『とんでもスキルで異世界放浪メシ2』
- 『らんま1/2』第2期
- 『劇場版 ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』
- 『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』
2026年から2027年にかけての注目作品
2026年10月時点の公式作品一覧には、次のタイトルが掲載されている。
- TVアニメ『らんま1/2』第3期
- 『ドロヘドロ』
- TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」
- 『地獄楽』第二期
加えて、今後の作品として『チェンソーマン 刺客篇』がCOMING SOONの枠に掲載されている。
2027年のラインアップには、Netflix作品『BEAT&MOTION』、TVアニメ『恋せよまやかし天使ども』、『忘却バッテリー』も掲載されている。
これらの情報からは、MAPPAがテレビアニメ、劇場作品、配信作品など複数の媒体で制作活動を続けていることが読み取れる。MAPPA公式WORKS
【採用情報・年収・評判】MAPPAは働きやすいアニメ制作会社なのか
MAPPAへの就職・転職を考える人にとって、作品の知名度と同じくらい気になるのが給与、勤務時間、教育制度、職場環境だろう。
ただし、人気アニメを制作する企業だからといって、すべての職種で同じ待遇や働き方になるわけではない。制作進行、作画、CGI、ライツビジネスでは必要なスキルも業務内容も異なる。
2026年10月時点の採用状況
MAPPA公式採用ページでは、2027年新卒採用と中途採用に関する募集情報が掲載されている。
2026年10月1日から10月31日までの募集として、CGI局の各職種が案内されており、主な対象は次のとおりだ。
- アニメーター
- モデラー・リガー
- FXデザイナー
- 背景アーティスト
- グラフィックデザイナー
- カラーデザイナー
- コンポジター
- 開発エンジニア・テクニカルアーティスト
- プロダクションアシスタント
一方、制作進行職、ライツビジネス職、管理系職種、東京の動画・原画職、仙台の動画職については、同ページ上で新卒募集終了と案内されている。
募集状況は職種によって異なるため、応募を検討する場合は職種別の募集要項を確認する必要がある。MAPPA公式RECRUIT
初任給と給与体系
公式採用情報で確認できるCGI局の募集条件では、新卒給与は月額24万9,890円とされている。
この金額には、固定残業代20時間分の3万658円と、深夜割増賃金20時間分の6,132円が含まれている。経験者の中途採用については、経験や経歴を踏まえて給与を決定する仕組みだ。
そのほか、採用情報には以下の条件が掲載されている。
- 雇用形態:正社員(試用期間6か月)
- 勤務形態:フレックスタイム制
- 標準労働時間:1日8時間
- コアタイム:原則13時〜17時(職種・配置先による)
- 昇給:年1回
- 賞与:年1回(能力・業績によって変動)
- 通勤手当:月額定期代を支給、上限3万円
- 福利厚生:社会保険、家族手当、健康診断、スポーツジムの法人利用など
注意したいのは、月給24万9,890円が全社員共通の給与ではないことだ。これは特定の募集職種における提示条件であり、経験者や別部門の給与は異なる。
また、MAPPA公式会社概要には全従業員の平均年収は掲載されていない。したがって、インターネット上の推定平均年収を会社公表の確定数値として扱うことはできない。MAPPA公式採用情報・マイナビ2027
社員口コミから見える良い評価と改善点
転職会議などの社員口コミサイトでは、MAPPAについて現社員や元社員による投稿が公開されている。
転職会議の掲載情報では、口コミのAI要約として、次のような肯定的な意見が紹介されている。
- 多くの作品に携われるため、経験やスキルを伸ばせる。
- 実際の作品制作に参加できる達成感がある。
- 意欲次第で新しい仕事に挑戦できる。
- デジタル制作環境や勉強会など、スキルアップにつながる機会がある。
一方、改善点としては、管理職によるマネジメントのばらつきや、業務量、休日管理に関する不満も紹介されている。
同サイトには、ユーザー投稿を集計した評点2.79、残業時間76.1時間/月、有給消化率60.9%という数値も表示されている。
ただし、これらは企業が公表した労働統計ではなく、口コミ投稿をもとに算出された数字だ。投稿者の職種、在籍時期、所属部署によって経験は異なるため、MAPPAの全社員に当てはまる数字として解釈することはできない。
加えて、口コミサイトの会社情報欄には従業員数200人という古い情報も残っている。現在の従業員数については、2026年4月時点で562名と明記しているMAPPA公式会社概要を優先するのが適切だ。転職会議・MAPPA公式会社概要
アニメ業界全体の労働環境も判断材料になる
MAPPA単独の労働実態と混同してはいけないが、アニメ業界全体には長時間労働や収入面の課題がある。
2024年3月に日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)が発表した調査について、J-CASTニュースは、回答者の約半数が月間225時間以上働き、アニメ関連の仕事による年収が240万円以下の人が37.7%だったと報じている。
この調査結果は業界全体の傾向を示すものであり、MAPPAの社員だけを対象にした数字ではない。
それでも、人気作品の制作実績だけで職場環境を評価することが難しい理由はここにある。作品の品質を維持するには、制作現場の人材確保、教育、適切なスケジュール管理、待遇の整備が欠かせない。J-CASTニュース・2024年4月15日
就職先として検討する際の判断基準
MAPPAへの就職や転職を考える場合は、次のポイントを確認したい。
- 作品制作に深く関わりたい人:制作進行や作画、CGIなど、希望する工程の業務内容を具体的に確認する。
- デジタル技術を伸ばしたい人:3DCG、色彩、撮影、編集、ツール開発など、専門領域ごとの募集条件を確認する。
- ビジネス職を希望する人:ライツ、ライセンス、海外プロモーションなど、制作以外の事業領域を検討する。
- 働き方を重視する人:固定残業時間、実際の残業実績、休日出勤の頻度、配属部署ごとの業務量を確認する。
特に重要なのは、会社全体の評判と応募する職種の働き方を分けて考えることだ。制作会社では、同じ企業でも制作進行とCGクリエイターでは日々の業務や繁忙期の性質が異なる。口コミだけで判断せず、募集要項と面接時の具体的な説明を照らし合わせたい。
【2026年最新動向】MAPPA15周年と企業としての現在地
2026年のMAPPAを象徴する取り組みが、設立15周年記念企画だ。
2011年6月の設立から15年を迎えた同社は、作品の制作だけでなく、これまでの歩みをファンに届ける記念企画を展開している。
MAPPA EXPO 15th Anniversaryを開催
15周年の中心企画の一つが、MAPPA EXPO 15th Anniversaryだ。
東京会場は有楽町ミュージアムで、2026年9月16日から12月7日まで開催されている。10月28日からは後期日程に入り、10月31日時点では開催期間中だ。
展示では、『チェンソーマン レゼ篇』『進撃の巨人 The Final Season』『呪術廻戦』など、MAPPAが手がけてきた作品の世界観や制作の歩みを紹介している。
展示作品は全23タイトル。制作会社が自社の作品群を横断的に紹介することで、個々のヒット作品だけでなく、スタジオとして積み重ねてきた制作実績を伝える企画になっている。
加えて、2027年1月から3月には福岡アジア美術館での開催も予定されている。MAPPA EXPO公式情報・2026年10月28日発表
15周年から見える今後の経営課題
15周年を迎えたMAPPAの企業活動を整理すると、今後の成長を左右する要点は大きく3つある。
第一は、制作機能の内製化と人材育成だ。
CGI局の160名超という規模や、仙台スタジオでのデジタル作画育成は、社内に技術と経験を蓄積する取り組みとして位置づけられる。制作工程の専門性を高めることは、作品の品質管理や制作体制の安定化にも関係する。
第二は、複数拠点の機能拡張だ。
仙台は作画工程、大阪はCGIを中心に、それぞれ異なる役割を担っている。今後、大阪に美術・作画演出・制作職が加われば、地域ごとの制作機能がさらに広がる可能性がある。
第三は、ライツ事業の強化だ。
アニメ作品の人気を、商品化、イベント、海外配信などの長期的な事業へ結びつける能力は、制作会社の経営基盤を考えるうえで重要になる。
映像制作の規模が拡大するだけでは、企業としての持続的な成長は保証されない。人材育成、制作スケジュール、権利運用、海外市場への対応を組み合わせていくことが必要になる。
2026年のMAPPAは、ヒット作品を生み出す制作スタジオであると同時に、制作・技術・ライツを統合する企業へと事業領域を広げている段階にある。
【株式会社MAPPAに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:株式会社MAPPAはいつ設立されましたか?
A1:2011年6月14日です。2026年6月14日に設立15周年を迎えました。
Q2:MAPPAの代表取締役社長と従業員数は?
A2:代表取締役社長は大塚学氏です。従業員数は2026年4月時点で562名と公式会社概要に掲載されています。
Q3:MAPPAは東京以外にもスタジオがありますか?
A3:あります。東京のほか、2018年開設の仙台スタジオ、2023年始動の大阪スタジオがあります。仙台はデジタル作画・仕上げ、大阪はCGIを中心とする拠点です。
Q4:MAPPAが制作したアニメの著作権はすべてMAPPAが持っていますか?
A4:そうではありません。MAPPAは自社で権利を保有するIPの窓口権を運用していますが、制作したすべての作品の権利を単独で所有しているわけではありません。権利関係は作品ごとに異なります。
Q5:MAPPAの平均年収はいくらですか?
A5:公式会社概要には全社員の平均年収は掲載されていません。採用情報では職種別の給与条件が公開されており、新卒CGI職の募集例では月給24万9,890円となっています。
Q6:MAPPAは2026年に何周年を迎えましたか?
A6:設立15周年です。2026年9月から東京でMAPPA EXPO 15th Anniversaryが開催されており、2027年には福岡での開催も予定されています。
まとめ:MAPPAの企業としての実態と今後の成長を見極める
株式会社MAPPAは、2011年6月14日に設立されたアニメーション制作会社であり、2026年4月時点の従業員数は562名。代表取締役社長の大塚学氏のもと、東京・仙台・大阪の3拠点を活用した制作体制を構築している。
企業としての最大の特徴は、アニメーション制作だけに事業を限定していないことだ。約10ラインの制作チーム、160名超のCGI局、デジタル作画を育成する仙台スタジオ、CGIを中心とする大阪スタジオ、そしてライツビジネス局を組み合わせている。
『呪術廻戦』『チェンソーマン』『進撃の巨人 The Final Season』などの代表作はMAPPAの知名度を高めたが、企業の実態を理解するには、作品の人気だけでなく、制作体制や権利ビジネス、採用条件にも目を向ける必要がある。
【プロの結論】MAPPAを評価する3つの視点
1. 制作会社としての競争力
CGI局の規模や複数の制作拠点、専門部門の構成を見ると、MAPPAは映像制作の技術と人材を社内に蓄積する方向へ進んでいる。作品ごとの表現力だけでなく、組織としての制作能力にも強みがある。
2. ビジネスモデルの独自性
自社が権利を保有するIPの運用や製作委員会への出資参加によって、映像制作以外の収益機会を確保しようとしている点は重要だ。制作会社としての機能とライツ事業を組み合わせることが、今後の企業価値を左右する要素になる。
3. 持続可能な制作環境の構築
562名という組織規模と複数の制作ラインを維持するには、採用だけでなく教育、労務管理、スケジュール管理が不可欠だ。人気作品を継続的に生み出すことと、現場で働く人材が長く活躍できる環境を整えることは、切り離せない経営課題である。
2026年のMAPPAは、設立15周年を迎えた有力アニメーションスタジオであると同時に、映像制作とIPビジネスを組み合わせた総合的な制作企業へと発展している。今後は作品のラインアップだけでなく、東京・仙台・大阪の制作機能の拡張、人材育成、ライツ事業の展開が、企業としての実力を測る重要な指標になりそうだ。
MAPPAの現在を正しく理解するには、ヒット作の数だけで判断せず、制作体制・権利構造・人材環境という3つの側面から継続的に見ていくことが重要である。
主な情報確認先: 株式会社MAPPA公式会社概要・採用情報・作品一覧・15周年特設サイト、マイナビ2027、転職会議、J-CASTニュース。