アキが吉本新喜劇の座長に就任したのは、2023年5月2日。同時に座長へ昇格したのが、「乳首ドリル」のギャグで知られる吉田裕だった。
2023年3月21日、なんばグランド花月で開催された「吉本新喜劇記念日2023」で、間寛平GMから2人の新座長就任が発表された。
座長就任の背景にあった長年の舞台経験
アキの座長就任を理解するには、2014年の新喜劇入団からの歩みが欠かせない。
入団当初から座長として注目されていたわけではない。MBSのインタビューによると、大阪の新喜劇に入った直後は半年ほど出演機会がなく、本人も焦りを感じていた。
転機となったのは、辻本茂雄の班に出演するようになったことだった。
アキはダンスやアクション、独特のキャラクターを舞台に持ち込み、短い出演時間でも印象を残すことに力を注いだ。
2022年の座員総選挙で1位になったことも、人気と存在感を示す大きな実績となった。
ただし、座長就任は総選挙の結果だけで決まったものではない。2023年3月には、それまで座長を務めていた川畑泰史の勇退が発表されており、吉田裕とアキの2人が新体制を担うことになった。
日刊スポーツの報道でも、間寛平GMによる就任発表と、川畑の勇退という新体制への移行が伝えられている。
アキ本人が語った座長としての目標
MBSのインタビューで、アキは座長になった後に実現したいこととして、笑いと感動を両立する新喜劇を挙げている。
特に重視しているのは、単純に笑わせるだけではなく、物語として心に残る舞台を作ることだ。
本人は、笑わせる場面では大きく笑わせ、締める場面ではしっかり締めるというメリハリを大切にしている。
また、ダンスや殺陣など、自分がこれまでに積み重ねてきた経験を新喜劇に生かしたいという考えも示している。
座長は単に舞台の中心に立つ役ではない。座員それぞれの個性を理解し、全員で作品を完成させる責任を担う。
アキが目指しているのは、自分だけが目立つ新喜劇ではなく、出演者全員の力が生きるエンターテインメントだ。
座員総選挙で3年連続1位を獲得
アキの人気を語るうえで外せないのが、吉本新喜劇座員総選挙だ。
この企画は2022年に始まった、ファン投票によって人気座員を決めるイベント。アキは第1回から3年連続で1位を獲得した。
| 開催年 | アキの順位 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2022年 | 1位 | 39,405票を獲得 |
| 2023年 | 1位 | 2年連続のトップ |
| 2024年 | 1位 | 38,873票で3連覇 |
| 2025年 | 殿堂入り | 通常のランキング対象から外れる |
2022年は77万票を超える総投票数の中で1位を獲得。2023年もトップを維持し、2024年には総投票数61万6,071票、アキへの投票は38,873票という結果だった。
2024年の3連覇について、Lmaga.jpは、アキが全国各地でファンから総選挙について声をかけられていたことや、30~50代の女性ファンが多かったことを紹介している。
そして2025年は、93人がエントリーした総選挙で山田花子が1位となった。投票総数は過去最多の109万7,194票。アキは3連覇を経て殿堂入りとなり、通常の順位争いからは外れている。
したがって、2025年に1位を逃したという理解は正確ではない。2022~2024年の3連覇を達成し、その後は殿堂入りしたというのが正しい経緯だ。
なぜアキはこれほど人気なのか?
人気の背景には、単純なギャグの面白さだけでは説明できない要素がある。
1. 長年のファンとの関係
コンビ時代や東京での活動時代から応援してきたファンが、新喜劇でも支持を続けている。
2. 短い出演時間でも記憶に残る存在感
黄色いスーツの借金取りという印象的なキャラクターを確立し、短い出番でも観客の記憶に残してきた。
3. 身体能力を生かした表現
スタントマン経験やダンス、格闘技の経験が、ほかの座員とは異なる舞台表現につながっている。
4. 笑いの中にある優しさ
相手が謝れば許すという「いぃよぉ~」のギャグが、幅広い世代に親しまれている。
特に興味深いのは、総選挙の順位と出演時間の関係だ。
ENCOUNTの2022年のインタビューでは、アキは当時、黄色いスーツの借金取り役などで出演しており、わずか2~3分の出番でも観客に印象を残すことに全力を注いでいたと振り返っている。
座長という立場や出演時間の長さではなく、短い舞台の中でどれだけ存在感を残せるか。その積み重ねが、ファンの支持につながったと考えられる。
【ギャグ・評判】「いぃよぉ~」の誕生秘話とアキが愛される理由

アキを知らない人でも、一度見れば印象に残りやすいのが「いぃよぉ~」というギャグだ。
誰かが「すいません」と謝ると、アキが独特の表情と声で「いぃよぉ~」と返す。
シンプルなやり取りだが、吉本新喜劇の中でも強い印象を残す定番の笑いになっている。
「いぃよぉ~」はどのように生まれた?
このギャグは、アキが演じる女性キャラクター「アキコ」とも深い関係がある。
2017年の女性自身のインタビューでは、アキが辻本茂雄にキャラクターのイメージを絵で見せ、アキコという役を作り上げた経緯が紹介されている。
そして「いぃよぉ~」は、最初から緻密に考えて作った決めゼリフではなかった。
相手に謝られた際、アドリブで自然に口から出た言葉が定着したものだという。
つまり、計算された言葉遊びというより、舞台上のやり取りから偶然生まれたギャグだった。
なぜ「いぃよぉ~」は幅広い世代に受けるのか
このギャグの面白さは、相手を責めるのではなく、許すことにある。
一般的なコントでは、失敗した人物を怒ったり、追い込んだりすることで笑いを生み出すケースも多い。
しかしアキのギャグは逆だ。
相手が謝ると、すぐに許す。その大らかな態度と独特の言い方が、観客に安心感と笑いを届ける。
加えて、言葉が短く、子どもでも真似しやすい。
2026年10月5日に公開されたQJWebの間寛平とアキの対談では、このギャグが子どもたちの行動にも影響を与えていることが紹介された。
アキによると、子どもたちがギャグを真似して、謝った相手を許すようになったという話が教育関係者にも伝わり、感謝状を受け取ったこともある。
また、介護現場でのエピソードを聞いたことをきっかけに、学校での講演活動にもつながったという。
単なる舞台上の決めゼリフが、日常生活のコミュニケーションにも広がっている点は興味深い。
アキの評判を支える3つの特徴
アキの芸風は、次の3つに整理できる。
① 相手を受け入れる笑い
「いぃよぉ~」に象徴されるように、相手を否定せず、受け入れることから笑いを作る。
② 身体表現を使ったダイナミックな舞台
ダンスや格闘技、スタントマン経験を生かし、動きのある芝居を見せる。
③ キャラクターの演じ分け
黄色いスーツの男性、アキコ、アキ助など、衣装や動きで別人のような役を成立させる。
この3つが組み合わさることで、幅広い役柄に対応できる座員としての個性が生まれている。
特に、笑いと優しさを同時に届けられる点は、アキの大きな強みだ。
アキの舞台はどんな人におすすめ?
アキの出演作品を初めて見る人は、目的に応じて選ぶと楽しみやすい。
- 気軽に笑いたい人: なんばグランド花月の通常の新喜劇公演。
- 「いぃよぉ~」やキャラクターを楽しみたい人: アキが座長を務める新喜劇。
- 本格的なアクションや時代劇を見たい人: 舞台「時が来た」。
- 演者同士の即興性を楽しみたい人: アキが取り組む即興芝居のイベント。
一方、舞台「時が来た」は本格的な時代劇を志向した作品であり、通常の新喜劇のようなギャグ中心の展開を期待すると、印象が異なる可能性がある。
この違いを知っておくと、作品ごとの魅力をより深く味わえる。
【2026年最新活動】舞台「時が来た」と11月のなんばグランド花月公演
2026年のアキは、吉本新喜劇の座長としての活動に加え、長年の夢だった本格的な時代劇にも力を入れている。
その中心となっているのが、アキプロジェクトの舞台「時が来た」だ。
舞台「時が来た」は東映時代の経験から生まれた作品
正式名称は、吉本新喜劇アキプロジェクト「時が来た」~生き様を貫いた男たち~。
幕末の土佐藩を舞台に、時代を変えようとした男たちの生き様を描く時代劇エンターテインメントだ。
アキが18~19歳の頃に東映京都撮影所でスタントマンを経験したことが、企画の原点となっている。
本人は2026年7月のマイナビニュースのインタビューで、撮影所にいた頃から、いつか自分でこうした舞台を作りたいという構想を持っていたと明かした。
東映を辞めてお笑いの世界に進んだ後も、その夢は消えなかった。
東京での演劇出演や観劇などを通じて、改めて本格的な芝居への思いが強くなり、座長就任後に具体的な企画として動き出した。
マイナビニュースによると、当初は1回限りの上演を考えていたものの、好評を受けて再演が決まり、さらに東京・名古屋への展開につながった。
2026年の「時が来た」公演実績
2026年は大阪だけでなく、東京や名古屋にも公演の場を広げた。
2026年1月23日~26日
大阪・近鉄アート館
「時が来た」の大阪公演。アキ、ケン、西川忠志らが出演。
2026年7月25日~26日
東京・YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER
新キャストを加えた東京公演。2丁拳銃の川谷修士もゲスト出演。
2026年8月1日~2日
名古屋・メニコン シアターAoi
東京公演に続く名古屋公演。アクションと芝居を組み合わせた舞台を展開。
2026年11月10日~16日、なんばグランド花月で座長公演
2026年11月の大きな注目公演が、アキ座長公演だ。
吉本新喜劇の公式公演情報によると、以下の日程で開催される。
11月10日~16日
アキ座長公演
なんばグランド花月(大阪)
2026年11月10日(火)~16日(月)
主な出演者
アキ、内場勝則、川畑泰史、島田珠代、Mr.オクレ、浅香あき恵、ケン、伊賀健二、五十嵐サキ、太田芳伸、信濃岳夫、大黒笑けいけい、多和田上人、小西武蔵、重谷ほたる、小林ゆう、仲澤秀朗、野呂桃花、生島碧宙ほか。
吉本新喜劇公式の公演情報に基づく。浅香あき恵は11月13日の2回目のみ休演予定。
公演詳細・出演者は変更される場合がある。
今回の公演で見逃せないのは、ケンも出演者に名を連ねていることだ。
水玉れっぷう隊として長年活動してきた2人が、現在はそれぞれ新喜劇の舞台に立っている。
相方ケンも2025年に吉本新喜劇へ加入
2025年3月28日、吉本新喜劇の「金の卵12個目オーディション」の合格者が発表され、水玉れっぷう隊のケンも新喜劇への入団を決めた。
日刊スポーツによると、ケンは33年間この世界で活動してきた経験を持ち、2025年4月から新喜劇の舞台に出演することになった。
この知らせにアキは、相方について「おじいさんの役もできるし、なんでもできる」と信頼を寄せていた。
また、水玉れっぷう隊の2人でイベントを開催する可能性にも言及している。
1992年にコンビを結成してから30年以上。それぞれの道で経験を積んだ2人が、再び同じ新喜劇の舞台に立つ機会が増えることは、ファンにとっても楽しみな展開だ。
2026年12月には東京で間寛平とダブル座長公演
11月のNGK公演に続き、12月には東京で大きな特別公演も予定されている。
QJWebの2026年10月5日のインタビューで発表されたのが、吉本新喜劇東京特別公演「ヤバ。新喜劇に毎日誰かが乱入!?なんやかんやいうてありがとうねぇ~」だ。
- 日程:2026年12月15日~20日
- 会場:東京・IMM THEATER
- 公演数:6日間、計12公演
- ダブル座長:間寛平、アキ
- 出演:ケン、西川忠志、太田芳伸、佐藤太一郎、小西武蔵、重谷ほたるら
吉本新喜劇だけで構成する史上初の6日間の特別公演として紹介されている。
アキは間寛平GMとともに舞台を引っ張り、毎日異なる人物が乱入する仕掛けにも挑戦する。
この公演からも、アキが単なる人気座員ではなく、新喜劇の全国展開を担う存在になっていることが分かる。
【吉本新喜劇アキに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:吉本新喜劇のアキは現在何歳ですか?
A1:1969年8月22日生まれで、2026年11月3日現在は57歳です。大阪府岸和田市出身で、吉本興業に所属しています。
Q2:アキの本名は何ですか?
A2:本名は荒木良明(あらき よしあき)です。芸名のアキとして、水玉れっぷう隊や吉本新喜劇で活動しています。
Q3:アキが座長になったのはいつですか?
A3:2023年3月21日に新座長就任が発表され、同年5月2日に吉田裕とのダブル座長公演で新体制がスタートしました。
Q4:アキの「いぃよぉ~」はどういう意味ですか?
A4:相手が謝ったときに、すぐに許すという意味のギャグです。アキコという女性キャラクターの演技から広まり、アドリブで生まれた表現としても知られています。
Q5:アキは座員総選挙で何年連続1位になりましたか?
A5:2022年、2023年、2024年の3年連続で1位を獲得しました。2025年には殿堂入りとなり、通常の順位争いから外れています。
Q6:アキと水玉れっぷう隊のケンは現在も一緒に活動していますか?
A6:2人は1992年に結成した水玉れっぷう隊のメンバーです。ケンは2025年に吉本新喜劇のオーディションに合格し、2026年11月のアキ座長公演にも出演予定です。
Q7:2026年11月にアキの新喜劇を見られる場所はどこですか?
A7:大阪のなんばグランド花月です。2026年11月10日から16日までアキ座長公演が予定されています。さらに12月15日から20日には、東京のIMM THEATERで間寛平とのダブル座長公演も予定されています。
まとめ:アキは新喜劇の伝統と新しいエンタメをつなぐ座長
吉本新喜劇のアキは、1992年の水玉れっぷう隊結成から約34年にわたって舞台経験を積み重ねてきた芸人だ。
東映京都撮影所でのスタントマン経験、東京での劇場活動、大阪の新喜劇への入団、そして2023年の座長就任。決して一直線ではないキャリアの中で、アキは自分にしかできない表現を追求してきた。
2022年から2024年までの座員総選挙3連覇は、その積み重ねに対するファンからの評価を示す実績だ。
また、「いぃよぉ~」というギャグが子どもたちや教育現場にも広がっていることは、笑いが人と人との関係を柔らかくする力を持つことを示している。
2026年は舞台「時が来た」を通じて、かつて東映京都撮影所で夢見た本格時代劇にも挑戦。11月にはなんばグランド花月での座長公演、12月には間寛平との東京特別公演が控えている。
【プロの結論】
アキの本当の強みは、人気ギャグを持っていることだけではない。
短い出演時間でも観客の記憶に残る力、異なるキャラクターを演じ分ける技術、そして相手の個性を生かして舞台全体を成立させる力にある。
加えて、スタントマン時代の経験を現在の舞台作品に結びつけている点も見逃せない。過去のキャリアを単なる思い出にせず、新しい作品を生み出す資産として活用しているのだ。
今後のアキを見るなら、なんばグランド花月での新喜劇だけでなく、「時が来た」のような本格的な演劇にも注目したい。
笑いを届ける座長でありながら、時代劇という別ジャンルにも挑戦する。その二面性こそが、2026年のアキを理解する最大のポイントである。