ホーム 健康・医療 【結論】コロナは同じ変異株でも再感染する可能性がある

【結論】コロナは同じ変異株でも再感染する可能性がある

天音 栞 天音 栞 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、米国疾病予防管理センター(CDC)は、以前感染したものと同じ変異株による再感染も、異なる変異株による再感染も起こり得ると説明しています。

つまり、以前オミクロン株に感染した人が、再びオミクロン系統のウイルスに感染することは医学的にあり得ます。感染歴があることだけを理由に、再感染の可能性を否定することはできません。

同じ株なのに再感染するのはなぜ?

大きな理由は、感染によって獲得した免疫が、ウイルスの侵入を完全に防ぐものではないためです。

感染すると、体内ではウイルスに対する抗体や免疫細胞が働き始めます。これらは次の感染に対する防御に役立ちますが、感染を100%阻止する仕組みではありません。

また、感染後の免疫反応には個人差があります。免疫機能が低下している人や、感染から時間が経過した人では、再感染のリスクが高くなる場合があります。

CDCによると、感染後の免疫は数か月にわたって再感染を防ぐ働きを持つことがありますが、その効果は時間とともに低下します。一方、重症化を防ぐ免疫の効果は、感染そのものを防ぐ効果より長く続く傾向があります。

同じ変異株でもウイルスは完全に同一ではない

ここで押さえておきたいのが、「同じ株」という言葉の意味です。

一般的に同じ変異株と呼ばれていても、ウイルスの遺伝情報が完全に一致するとは限りません。ウイルスは増殖と伝播を繰り返す過程で少しずつ変化します。

例えば、オミクロン株という大きな分類が同じでも、その内部には複数の系統や亜系統があります。したがって、同じオミクロン株への再感染と、まったく同一の遺伝情報を持つウイルスへの再感染は、厳密には別の話です。

CDCの臨床情報でも同じ変異株による再感染の可能性が示されています。ただし、特定の人が前回と今回で完全に同じウイルスに感染したかどうかは、通常の検査結果だけでは判断できません。

【2026年最新情報】WHOの変異株動向と再感染研究を詳しく解説

コロナ同じ株再感染

2026年もSARS-CoV-2の変異株は世界各地で監視されています。WHOのCOVID-19ダッシュボードでは、2026年8月30日から9月27日までの遺伝子配列データに基づく変異株の動向が公表されています。

この期間に世界で提出された配列データでは、XFG系統が約50%、JN.1が約22%、NB.1.8.1が約8%を占めました。これらは世界全体の報告配列に基づく割合であり、日本国内の感染者における割合ではありません。

2026年に注目される変異株

WHOの公表資料に基づく主な系統



XFG

報告配列の約50%
2026年9月27日までの世界の提出配列で最も多い系統。JN.1由来の変異を持つ系統として監視されています。


JN.1

報告配列の約22%
WHOが変異株として監視している系統。複数の派生系統が存在します。


NB.1.8.1

報告配列の約8%
JN.1由来の系統で、WHOの監視対象に含まれています。



なお、WHOが監視対象に指定していること自体は、その変異株が必ず重症化しやすいことを意味しません。感染の広がりやすさ、免疫への影響、病原性などを区別して評価する必要があります。

2025年の研究で判明した再感染と免疫の関係

同じ変異株への感染を考えるうえで注目したいのが、2025年7月1日に学術誌「Communications Medicine」に掲載されたカタールの研究です。

研究チームは、カタールの国民医療データを用いて、2020年2月28日から2024年8月12日までの感染歴やワクチン接種歴を分析しました。

特に注目されたのは、オミクロン株に2回感染した人と、1回感染した人の、その後のオミクロン株への再感染リスクの比較です。

分析では、オミクロン株に2回感染したグループは、1回感染したグループと比較して、その後の再感染リスクが統計上高い結果となりました。調整ハザード比は1.27でした。

また、従来株に感染した後にオミクロン株へ感染したグループと比較した場合も、オミクロン株に2回感染したグループの再感染リスクは高い結果となっています。

この研究は、似たウイルスへの感染を繰り返すことが、将来の異なる系統への免疫防御を必ずしも強めない可能性を示しています。ただし、研究対象はオミクロン系統の感染歴であり、完全に同一の亜系統に2回感染した場合だけを調べた研究ではありません。

再感染をめぐる重要な事実の比較表

項目 医学的な意味・確認できる事実 同じ変異株への再感染 可能。CDCも同じ変異株による再感染を認めている。 異なる変異株への再感染 可能。ウイルスの変化によって既存免疫を回避する場合がある。 同じ系統への再感染 起こり得るが、個別の感染を確認するにはゲノム解析などが必要。 感染後の免疫 再感染リスクを下げるが、時間経過や個人差によって防御効果は変わる。 短期間のPCR再陽性 再感染とは限らない。前回の感染によるウイルスRNAの残存も考えられる。

【短期間で再び陽性】本当の再感染とPCR再陽性の違い

「先月コロナに感染したばかりなのに、また陽性になった」というケースでは、本当に再感染したのか、それとも前回の感染による検査結果なのかを区別する必要があります。

ここで重要なのが、PCR検査と抗原定性検査の違いです。

PCR検査は回復後も陽性になることがある

PCR検査などの核酸増幅検査は、ウイルスの遺伝情報を検出する検査です。感染後に症状が改善しても、体内に残ったウイルスのRNAが検出される場合があります。

そのため、回復後にPCR検査で再び陽性になったからといって、必ずしも新たな感染が成立したとは限りません。

厚生労働省の2025年版「新型コロナウイルス感染症 診療の指針」では、感染歴がある人は数か月にわたって検出が続く場合があると説明されています。また、過去90日以内に陽性歴がある場合には、核酸増幅検査ではなく抗原定性検査の実施が推奨されています。

本当の再感染を判断するポイント

医療機関では、検査結果だけではなく、前回の感染からどれくらい時間が経過したか、症状が再び現れたか、検査結果がどう変化したかなどを総合的に判断します。

加えて、前回と今回のウイルスの遺伝情報を比較するゲノム解析ができれば、異なる系統による再感染なのかを判断する手がかりになります。

CDCも、前回の感染から90日以内は新たな陽性結果の解釈が難しいと説明しています。ただし、90日という期間は再感染を完全に否定する境界線ではありません。数週間程度で再感染するケースもまれながら存在します。

【症状・重症化リスク】同じ株への再感染は軽く済む?

再感染した場合、初回より症状が軽くなるケースはあります。しかし、毎回軽症で済むという保証はありません。

CDCによると、再感染の多くは軽症ですが、重症化する人もいます。感染歴があっても、呼吸器症状や全身症状が再び現れる可能性があります。

再感染時に見られる主な症状

症状の種類は初回感染と大きく変わらない場合があります。代表的なものは次のとおりです。

- 発熱、悪寒
- 喉の痛み
- 咳、痰
- 鼻水、鼻づまり
- 頭痛
- 倦怠感、筋肉痛
- 味覚や嗅覚の異常
- 息切れ、呼吸のしづらさ

症状の現れ方には個人差があり、軽い喉の違和感だけで経過する人もいれば、高熱や強い倦怠感が出る人もいます。

症状だけで同じ変異株か別の変異株かを見分けることはできません。また、インフルエンザなど別の呼吸器感染症でも似た症状が現れます。

特に注意したい人

2026年度の厚生労働省の急性呼吸器感染症対策では、新型コロナについて、乳幼児、高齢者、免疫不全のある人、末期腎不全や慢性閉塞性肺疾患などの基礎疾患を持つ人は重症化リスクに注意が必要とされています。

特に80歳以上を含む後期高齢者では、死亡例の多くを占めるなど、疾病負荷が大きいことも指摘されています。

息苦しさ、胸の痛み、意識状態の異常などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。重い呼吸困難や意識障害など緊急性の高い症状がある場合は救急要請が必要です。

再感染を防ぐためにできること

過去に感染した人も、感染予防を続ける意味があります。



換気を意識する

室内の空気を定期的に入れ替え、換気が不十分な空間での長時間の滞在を避けます。


状況に応じてマスクを着用する

混雑した場所や医療機関、高齢者と接する場面などではマスクの活用が有効です。


体調不良時は無理をしない

発熱や喉の痛みなどがあるときは外出を控え、周囲への感染拡大を防ぎます。


ワクチン接種について確認する

過去に感染した人もワクチン接種の対象になり得ます。年齢や健康状態、接種歴に応じて医師や自治体の案内を確認してください。


重症化リスクがある場合は早めに相談する

治療薬には使用開始時期などの条件があります。高リスクの人は症状が出た段階で医療機関に相談することが大切です。

厚生労働省は、検査キットを使用する場合、「体外診断用医薬品」または「第一類医薬品」と表示された国の承認品を選ぶよう案内しています。「研究用」と表示された製品とは区別してください。

【ネットの反応・噂の真相】同じ株なら感染しないという説は本当?

同じ株への再感染をめぐっては、免疫がどの程度続くのか、何度も感染することに意味があるのかなど、さまざまな疑問が生まれます。

ネットの反応やSNS上の情報を見る際には、医学的に確認されている事実と、個人の経験談や推測を分けることが大切です。

噂1「一度感染したら同じ株には二度とかからない」

誤解

これは正確ではありません。CDCの臨床情報では、同じ変異株による再感染も起こり得るとされています。

感染によって免疫ができても、その防御効果は完全ではなく、時間の経過によって低下することがあります。

噂2「2回目の感染なら必ず軽症になる」

誤解

再感染時に軽症となる人は多いものの、重症化する可能性も残っています。年齢、基礎疾患、免疫状態などによってリスクは異なります。

「前回は軽かったから今回も大丈夫」と自己判断するのは避けたいところです。

噂3「PCR検査で再び陽性なら、確実に再感染している」

誤解

PCR検査では感染後に残ったウイルスRNAが検出されることがあります。陽性という結果だけでは、前回の感染が続いているのか、新たな感染なのかを断定できません。

検査を受けた時期や症状、過去の感染歴を踏まえた医療的な判断が必要です。

噂4「何度も同じ株に感染すれば免疫がどんどん強くなる」

単純には判断できない

2025年のカタール研究は、同じオミクロン系統への感染を繰り返したグループで、その後の再感染リスクが必ずしも低下しないことを示しました。

感染を繰り返すことを免疫獲得の手段として考えるのは適切ではありません。感染のたびに急性症状や後遺症のリスクが伴うためです。CDCも、再感染のたびにLong COVID(新型コロナ罹患後症状)が生じる可能性を指摘しています。

なお、2026年の公的資料や今回確認した研究報告からは、「同じ株への再感染」をめぐる特定の大規模炎上事件が医学的な新事実として確認されているわけではありません。個別のSNS投稿を根拠に、再感染の危険性やワクチンの効果を断定することには注意が必要です。

【よくある質問】コロナの同じ株への再感染に関するFAQ

Q1:コロナは同じ株に何回も感染することがありますか?

A1:あります。新型コロナウイルスは、以前と同じ変異株であっても再感染する可能性があります。感染後の免疫には個人差があり、時間の経過によって防御効果が低下することもあります。

Q2:コロナに感染してから1か月以内でも再感染しますか?

A2:可能性はありますが、短期間での再陽性は前回の感染によるRNAの残存でも起こります。新たな感染かどうかは、症状や検査の種類、感染歴などを踏まえて判断します。

Q3:同じ株への再感染は初回より症状が軽いですか?

A3:軽症になるケースはありますが、必ず軽くなるわけではありません。高齢者や基礎疾患のある人、免疫機能が低下している人は、再感染でも重症化する可能性があります。

Q4:同じ株か違う株かは自分で調べられますか?

A4:一般的な抗原検査やPCR検査では変異株の種類を特定できません。ウイルスの遺伝情報を調べるゲノム解析が必要です。

Q5:一度コロナに感染した人もワクチンを接種できますか?

A5:できます。厚生労働省は感染歴のある人もワクチンを接種できると案内しています。接種の対象やタイミングについては、年齢、健康状態、過去の接種歴などを踏まえて医師や自治体に確認してください。

まとめ:同じ株への再感染を防ぐには免疫を過信しないことが大切

2026年10月現在、新型コロナウイルスは複数の変異株が世界で流行・監視されており、以前感染した人が再び感染する可能性はなくなっていません。

特に重要なのは、同じ変異株でも再感染することがある一方、感染後の免疫は重症化を防ぐ働きも持っているという点です。再感染の可能性があるからといって、過去の感染による免疫が無意味になるわけではありません。

また、短期間でPCR検査が再陽性になった場合は、必ずしも新しい感染とは限りません。厚生労働省の診療指針が示すように、感染後のRNA残存を考慮した検査結果の解釈が必要です。

今後もWHOによる変異株の監視や新しい研究報告を確認しながら、体調管理、換気、適切な検査、必要に応じたワクチン接種を組み合わせることが大切です。

「一度感染したからもう大丈夫」という考え方ではなく、感染歴があっても再感染と重症化の可能性を理解し、自分や周囲の人の健康を守る判断につなげてください。


主な参考資料:世界保健機関(WHO)COVID-19ダッシュボード、米国疾病予防管理センター(CDC)再感染に関する解説、厚生労働省「新型コロナウイルス感染症 診療の指針 2025」、厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症総合対策」、Communications Medicine掲載研究(2025年7月)。

同じカテゴリの記事

天音 栞

アイドルグループとアーティストの動向を追うライター。公式サイト・公式SNS・音楽配信のクレジットを照合し、卒業や加入などの発表は必ず一次情報の日付とともに記録します。

おすすめの関連記事