宮本亞門さんは1958年1月4日生まれの演出家です。1987年にミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家デビューし、2004年には『太平洋序曲』をブロードウェイで上演。同作はトニー賞4部門にノミネートされました。国内外で幅広く活動する人物です。
そんな宮本さんの前立腺がんが発覚したのは2019年2月。きっかけは、TBS系の医療バラエティー番組『名医のTHE太鼓判!』の企画で受けた人間ドックでした。
きっかけはテレビ番組の健康診断
当時、宮本さんは中国で予定されていた仕事が急きょキャンセルとなり、スケジュールに空きができていました。そのタイミングで番組出演の話があり、人間ドックを受けることになったと、2019年9月の日刊ゲンダイのインタビューで振り返っています。
検査では前立腺に影が見つかり、精密検査を勧められました。
その後、NTT東日本関東病院でPSA検査や針生検などを受け、前立腺がんと診断されます。
宮本さんは当時、目立った自覚症状がありませんでした。本人も後年、番組の企画がなければ発見できなかった可能性に触れ、スタッフへの感謝を語っています。
最初の診断はステージ2、その後の検査でステージ3に
がんの進行度については、報道の時期によって表現に違いがあります。
2019年4月の会見ではステージ2と説明され、転移も確認されていませんでした。
一方、同年9月の日刊ゲンダイのインタビューでは、追加検査によってステージ3に上がったと宮本さん自身が説明しています。
2026年8月のTBS NEWS DIGの報道でも、当時の状態はステージ2~3程度と紹介されました。
したがって、当初のステージ2という診断と、追加検査後のステージ3という本人の説明を分けて理解する必要があります。
告知を受けた当時の宮本さんは、次のような心境を明かしていました。
「落ち込んでいる場合じゃない。今まで以上に充実している。生きている感じがする」
がんという言葉に大きな衝撃を受けながらも、演出家としての仕事を続けたいという気持ちは失っていませんでした。
【2019年の治療年表】前立腺全摘手術を決断した理由とは?

宮本さんは診断後、複数の治療選択肢について検討しました。
前立腺がんの治療には、病状や患者の年齢、健康状態、生活上の希望などに応じて複数の方法があります。宮本さんの場合は、仕事への復帰時期や治療期間も判断材料になりました。
発覚から手術までの時系列
| 時期 | 出来事 | 詳細 |
|---|---|---|
| 2019年2月下旬 | 人間ドック | 『名医のTHE太鼓判!』の企画で異常が判明 |
| 2019年3月上旬 | 精密検査 | 前立腺がんと診断 |
| 2019年4月2日 | がん公表 | 本人がSNSで公表 |
| 2019年4月12日 | 記者会見 | ステージ2、転移なしと説明 |
| 2019年5月22日 | 前立腺全摘手術 | 手術成功をスタッフが報告 |
| 2019年6月1日 | 退院 | 手術後の療養を経て退院 |
| 2019年6月12日 | 公の場に復帰 | 術後の経過と心境の変化を説明 |
| 2026年8月23日 | 市民公開講座 | がんは「一切発生していない」と報告 |
| 2026年11月2日 | Dクリニック発表会 | 術後のEDや尿漏れ、回復への取り組みを告白 |
なぜ前立腺を全部摘出する治療を選んだのか
2019年9月の日刊ゲンダイのインタビューによると、宮本さんには手術以外の選択肢も提示されていました。
重粒子線治療を紹介されたこともありましたが、ホルモン治療を併用すると治療期間が約2年に及ぶ可能性があり、通院と仕事の両立に不安を感じたといいます。
当時は国内外の公演予定が数年先まで入っていました。
また、ホルモン治療に伴う副作用が演出家としての仕事に影響する可能性も気にしていました。
そこで選んだのが、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた前立腺全摘出手術でした。
治療方法を決める際には、セカンドオピニオンも検討し、知人にも相談したと語っています。
2019年5月22日に手術成功を報告
手術が行われたのは2019年5月22日です。
同日、スタッフが宮本さんのSNSを更新し、手術が無事終了したことを報告しました。
病院のベッドで笑顔を見せ、親指を立てた写真も公開されました。
その後、6月1日に退院。6月12日には手術後初めて公の場に登場しています。
当時の宮本さんは、全摘手術には約3時間かかり、全身麻酔から目覚めたときには手術が終わっていたと説明しました。
【術後の後遺症】尿漏れは約4か月、EDには精神的な葛藤も
前立腺がんの手術が成功したからといって、身体的な問題がすぐに解消するわけではありません。
宮本さんの闘病経験で見逃せないのが、手術後に続いた排尿機能の問題と性機能への影響です。
術後の尿漏れと約3か月のおむつ生活
2019年6月の術後会見で、宮本さんは体力が十分に戻っておらず、尿の問題が生活に影響していると話していました。
加えて、同年9月の日刊ゲンダイのインタビューでは、退院から約3か月が経過しても尿漏れが続いていたことを告白しています。
そして2026年8月23日の市民公開講座では、尿漏れが約4か月続いたと振り返りました。
尿漏れパッドについても詳しくなり、サイズや大きさによって使用感が大きく異なることを実体験から説明しています。
2026年11月2日のDクリニック発表会では、さらに具体的な生活の様子を明かしました。
「手術の後、3か月ずっとおむつをしていました。何かと不便だし、気になるんですよね」
おむつ生活は日常の不便だけでなく、精神的な負担にもつながっていたようです。
宮本さんは、おむつだけはできるだけ避けたいという強い思いから、尿漏れの改善に取り組んだと説明しています。
EDについて初めて公の場で率直に告白
2026年11月2日の発表会で、特に注目を集めたのがEDについての発言でした。
宮本さんは、前立腺全摘手術後のEDについて、それまで人前で詳しく話してこなかった心境を明かしました。
「その後やはりEDに関しては、落ち込む時期が2〜3か月ありました。本当に全摘でよかったのかと、いろいろ悩んだ時期があったのは正直なところです」
加えて、この話を公の場で初めてしたことにも触れています。
興味深いのは、手術を決断した当時の前向きな姿勢と、術後に経験した葛藤が必ずしも同じではなかった点です。
がんを取り除くという治療上の目的を達成しても、身体機能や自分自身の在り方について考える時間が必要だったのです。
2019年9月の日刊ゲンダイのインタビューでも、宮本さんは性的機能への影響について語り、それまでの生き方や考え方を変えざるを得なかったと振り返っていました。
つまり、EDの問題は2026年になって突然生じたものではなく、手術後から続いていた大きなテーマだったと読み取れます。
骨盤底筋トレーニングにも積極的に取り組んだ
尿漏れの改善に向けて、宮本さんが取り組んだのが骨盤底筋のトレーニングです。
骨盤底筋は、骨盤の底に位置し、排尿などに関係する筋肉群です。
Dクリニック発表会では、宮本さんがさまざまな動画を参考にしながら、尿漏れを改善するための運動を調べて実践したと説明しました。
「全部やりました」
そう即答する一方で、体操を続ける難しさについても率直に話しています。
人前では取り組みにくい姿勢もあり、継続には工夫が必要だったそうです。
同席した辻村晃医師は、骨盤底筋トレーニングは3か月以上継続することが目安になると説明しました。
ただし、これは一般的な説明であり、宮本さん個人の回復期間や治療効果を示す数値ではありません。
【2026年最新】宮本亜門のがんは再発した?現在の健康状態
読者が最も気になるのは、現在もがんが残っているのか、再発していないのかという点でしょう。
2026年8月23日に行われた市民公開講座で、宮本さんは現在のがんの状態について明確に説明しています。
2026年8月23日「がんは一切発生していない」
東京国際フォーラムで開催された市民公開講座「伝えてみよう 言葉ではじめる前立腺がん治療」に登壇した宮本さん。
前立腺がんを経験した当時の状況や、手術後の生活について話しました。
その際、現在のがんの状態を次のように説明しています。
「一切発生していない」
これは2026年8月23日付の日刊スポーツが報じた本人の発言です。
TBS NEWS DIGも同日の講座を取り上げ、宮本さんが現在は定期的な血液検査を続ける以外、通常の生活を送っていると伝えました。
したがって、2026年8月時点で本人が公表した内容では、がんの再発は確認されていません。
現在も定期的な血液検査を継続
前立腺全摘手術を受けた後も、宮本さんは定期的に血液検査を受けています。
前立腺がんの術後フォローでは、PSA(前立腺特異抗原)の血液検査が重要な役割を果たします。
前立腺全摘後はPSA値の推移を確認し、再発の兆候がないかを継続的に評価します。
宮本さんも、現在は定期的な血液検査以外は通常の生活を送っていると説明しました。
ただし、2026年11月2日の発表会で新しいPSA数値や検査結果が公表されたわけではありません。
そのため、8月の本人の説明を現在の健康状態に関する基準として捉えるのが適切です。
がんを経験して変わった人生観
宮本さんは2026年8月の講座で、がんを経験したことによる心境の変化についても語りました。
以前よりも今という時間を大切にするようになり、心が穏やかになったといいます。
また、演出家として劇場で作品を届けるだけではなく、病院や家庭など、悩みを抱える人たちのもとでも誰かを喜ばせる活動ができないかと考えるようになったそうです。
この変化は、2019年の手術直後にも表れていました。
同年6月のテレビ出演では、自分自身に優しくなったことを心境の変化として挙げています。
がんになる前は、もっと頑張らなければならないと自分を追い込んでいたものの、手術後は自分の身体をいたわる意識が強くなったと語っていました。
【2026年11月最新】Dクリニックで辻村晃医師と対談した理由
2026年11月2日、宮本さんはDクリニックのスペシャルアンバサダーに就任しました。
同日開催された「MEN’S HEALTH PROJECT(メンズヘルスプロジェクト)」発表会では、順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授で、Dクリニックの医師でもある辻村晃医師と対談しました。
Dクリニックのアンバサダー就任と男性の健康問題
今回のプロジェクトのテーマは「我慢に、幕を。」です。
男性のEDや排尿障害、更年期など、人に相談しにくい身体の悩みについて、正しい知識を広めることを目的としています。
Dクリニックが発表した男性1,000人を対象とする意識調査では、EDや排尿の悩みがあっても約4人に3人が何も行動していないという結果が紹介されました。
背景には、恥ずかしさや人目への不安があるとされています。
宮本さんは、自身の経験を踏まえ、こうした悩みをオープンに話すことの大切さを訴えました。
辻村晃医師との対談で話題になったこと
対談では、排尿機能やED、男性ホルモンの変化などが取り上げられました。
宮本さんは辻村医師に対し、日本ではどれくらいの人がEDに悩んでいるのかと質問。
加えて、自身の前立腺全摘手術の経験を交え、前立腺と排尿機能の関係についても尋ねています。
辻村医師は、排尿の状態は前立腺の大きさだけで決まるわけではなく、骨盤底筋の筋力なども関係すると説明しました。
また、EDについては、血流との関係や医療機関で相談する重要性を解説しています。
この対談の意義は、単なる著名人の闘病体験の紹介にとどまりません。
宮本さんが実際に経験した問題を入り口に、男性が抱えやすい健康上の悩みを医学的な話題につなげたことにあります。
宮本亜門が骨盤底筋トレーニングについて語った背景
今回の発表会では、Dクリニックが紹介する骨盤底筋トレーニング機器「スターフォーマー」についても説明がありました。
これは服を着たまま座って使用し、磁気によって骨盤底筋を収縮させる仕組みの機器です。
辻村医師は、座ったまま約20分間過ごす使用方法を紹介しました。
ただし、宮本さんがこの機器を使って自身の尿漏れを治療したという発表ではありません。
本人が明かしたのは、自分で動画などを調べて骨盤底筋の体操を実践してきたという経験です。
この区別は大切です。アンバサダー就任や医師との対談が、本人の治療実績や特定機器の効果を証明するものではありません。
【プロの結論】宮本亜門の闘病から読み取れる3つの重要なこと
宮本さんの経験を振り返ると、前立腺がんの発見から手術、術後の回復、そして2026年の健康啓発活動まで、一貫しているテーマがあります。
それは、病気を発見することだけでなく、治療後の生活まで考える必要があるという点です。
1. 自覚症状がなくても検査が発見のきっかけになる
宮本さんは、目立った自覚症状がない状態で人間ドックを受け、前立腺がんが見つかりました。
過去の検査でもPSA値の異常を指摘されていたものの、忙しさなどから再検査につながらなかった経緯を2019年のインタビューで明かしています。
この経験から読み取れるのは、検査結果を受け取った後の行動も健康管理の一部だということです。
2. 治療の成功と生活の回復は別の問題
宮本さんの場合、がんの手術自体は成功しました。
しかし、尿漏れやEDなど、術後の身体的な問題には時間が必要でした。
治療法を選ぶ際には、がんを取り除くことだけでなく、その後の排尿機能や性機能、仕事、日常生活への影響も医師と相談する必要があります。
3. 男性特有の悩みを相談できる環境が必要
EDや尿漏れは、本人にとって非常にデリケートな問題です。
宮本さんも、術後のEDについて長く悩み、2026年11月になって初めて公の場で詳しく語りました。
その告白は、同じ悩みを抱える人が医療機関に相談するきっかけにもなり得ます。
一方、治療法は個々の病状や身体の状態によって異なります。著名人の経験だけで治療方法を決めず、泌尿器科などの専門医に相談することが大切です。
【宮本亜門のがん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:宮本亜門のがんは何がんですか?
A1:2019年に発覚した前立腺がんです。TBS系『名医のTHE太鼓判!』の人間ドック企画が発見のきっかけでした。
Q2:宮本亜門の前立腺がんはステージいくつでしたか?
A2:当初はステージ2と説明されました。その後の追加検査でステージ3に上がったと、2019年の本人のインタビューで語られています。
Q3:宮本亜門はいつ前立腺全摘手術を受けましたか?
A3:2019年5月22日です。手術は無事成功し、同年6月1日に退院しました。
Q4:宮本亜門のがんは2026年現在、再発していますか?
A4:2026年8月23日の市民公開講座で、本人はがんについて「一切発生していない」と説明しています。定期的な血液検査も続けています。
Q5:宮本亜門は術後に尿漏れがあったのですか?
A5:ありました。2026年8月には約4か月続いたと説明し、11月には術後約3か月間おむつを使用していたことも明かしました。
Q6:宮本亜門は術後のEDについて何と話しましたか?
A6:2026年11月2日の発表会で、EDについて2~3か月間落ち込んだ時期があったと告白しました。全摘手術を選んでよかったのか悩んだことも明かしています。
Q7:宮本亜門は尿漏れ改善のために何をしましたか?
A7:骨盤底筋トレーニングに取り組みました。さまざまな動画を参考にしながら体操を実践したと語っています。
まとめ:宮本亜門はがんを経験し、現在も前向きに活動している
宮本亞門さんの前立腺がんは、2019年にテレビ番組の人間ドック企画で発見されました。追加検査を経て前立腺全摘手術を決断し、5月22日に手術を受けています。
術後には尿漏れやEDなどの問題に直面しました。尿漏れは約4か月続き、骨盤底筋トレーニングにも積極的に取り組んできました。EDについても、2026年11月2日に初めて公の場で詳しい心境を明かしています。
2026年8月には、がんは「一切発生していない」と本人が報告。現在は定期的な血液検査を続けながら、通常の生活を送っています。
演出家としての活動を続ける一方、自身の経験を男性の健康問題について語る機会につなげている宮本さん。がんの発見だけでなく、術後の生活や心の変化まで率直に伝える姿勢は、同じ悩みを抱える人にとっても大きな意味を持っています。
2019年の闘病から2026年の啓発活動まで、その歩みは、治療後の人生も大切にすることの意味を伝えています。