坂本龍一さんは、ステージ4のがんと向き合いながらも、亡くなる直前まで音楽制作を続けていました。
所属関係者が2023年4月2日に発表した訃報によると、坂本さんは同年3月28日に71歳で亡くなりました。
坂本龍一の死因は直腸がんだったのか
坂本さんの死去について、所属関係者の公式発表は、2020年6月に見つかったがんの治療を受けながら亡くなったことを説明しています。
ただし、訃報そのものには、医学的な直接死因を詳細に記した記述はありません。
一方、坂本さんは生前に直腸がん、ステージ4、肺転移を公表していました。大小6回の手術を経験し、その後も薬物治療を続けていたことから、がん闘病中の死去として報じられています。
したがって、死因については、がんの治療を続ける中で亡くなったことが公式に確認できる事実です。特定の臓器不全など、発表されていない医学的な詳細まで断定することはできません。
体調が良い日は自宅スタジオで音楽制作
所属関係者の訃報には、坂本さんの最期の日々について次のような説明があります。
「体調の良い日は自宅内のスタジオで創作活動をつづけ、最期まで音楽と共にある日々でした」
この言葉は、坂本さんの晩年を象徴するものです。
病状が進行し、何度も手術を受け、身体的な負担が大きくなっても、音楽は生活の中心にあり続けました。
2022年12月には、2年ぶりとなるピアノ・ソロコンサートを世界配信しています。この公演は2022年9月中旬に収録・編集されたものでした。
本人は選曲やアレンジに時間をかけたことを振り返り、自身の新境地とも感じていたことを語っています。
『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』に残された本音
坂本さんの闘病生活を知るうえで欠かせないのが、文芸誌『新潮』で連載された自伝的インタビューです。
『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』は、2022年7月号から2023年2月号まで連載されました。
聞き手は編集者の鈴木正文さんです。
この作品では、2009年以降の音楽活動だけでなく、がんの発覚、転移、手術、治療、死を意識するようになった心境などが語られています。
前作にあたる2009年刊行の自伝『音楽は自由にする』が、それまでの人生と音楽活動を振り返る内容だったのに対し、本作は病を得てからの人生観や創作への思いが色濃く表れています。
2023年6月には書籍として刊行されました。坂本さんが亡くなる直前まで言葉を残していたことから、後世に伝わる重要な記録となっています。
NHK『Last Days 坂本龍一 最期の日々』が映し出したもの
2024年4月7日には、NHKスペシャル『Last Days 坂本龍一 最期の日々』が放送されました。
番組では、晩年の日記を手がかりに、坂本さんが死と向き合っていた姿や、音楽に対する思考が紹介されています。
日記には、病気への苦悩だけでなく、音楽を何のために残すのかという葛藤も記されていました。
そして2025年11月28日には、このNHK番組をベースに新たな映像などを加えたドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: Diaries』が劇場公開されました。
監督は大森健生さん、日記の朗読は田中泯さんが担当しています。
本人の日記、プライベート映像、未完成の音楽などを通じて、闘病と創作が並行していた最後の3年半をたどる作品です。
【2026年最新情報】坂本龍一の現在と遺された作品・展覧会

2026年11月現在、坂本龍一さんは2023年3月28日に亡くなっているため、本人のがん治療や病状に関する「現在の経過」はありません。
一方、作品や資料を通じて、その創作活動を振り返る企画は続いています。
2025年公開の映画『Ryuichi Sakamoto: Diaries』
監督:大森健生/朗読:田中泯/上映時間:96分
坂本さんの日記と貴重な映像を軸に、最後の3年半の闘病と創作活動を記録した作品です。
この映画の特徴は、病気の経過だけでなく、坂本さんが日々何を見て、何を聴き、どのように音楽を考えていたのかに焦点を当てていることです。
『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』と併せて触れることで、本人が残した文章と映像の両方から晩年を理解できます。
2026年10月、東京・渋谷で写真展を開催
PHOTO RYUICHI SAKAMOTO
会場:東京・渋谷 SAI
会期:2026年10月17日〜11月8日
1980年代に坂本さん自身が撮影した写真を紹介する展覧会です。
この写真展では、音楽活動の裏側にあった坂本さん自身の視点を、写真という別の表現形式から見ることができます。
旅行先の風景や日常の光景など、1980年代に撮影された作品が展示されています。坂本龍一エステートの協力による企画です。
2026年11月9日には写真集『PHOTO RYUICHI SAKAMOTO』発売
出版社:リトルモア
価格:9,680円(税込)
ポラロイド篇とスナップショット篇の2冊組。約100枚の写真を収録した作品です。
この写真集は、音楽家としてだけでなく、写真を通じて世界を観察していた坂本さんの一面を伝えるものです。
2026年における新たな動きとして、闘病記録だけではない創作活動の広がりを知る手がかりになります。
台湾でも2026年から大規模回顧展が開催
台北市立美術館では、2026年10月31日から2027年3月14日まで「坂本龍一|觀音・聽時(Ryuichi Sakamoto | seeing sound, hearing time)」が開催されています。
2000年代以降の作品を中心に、音響、映像、デジタル技術を組み合わせた大型インスタレーションを紹介する展覧会です。
高谷史郎さん、真鍋大度さん、カーステン・ニコライさんらとの協働作品も取り上げられています。
こうした企画からも、坂本さんの活動が音楽の枠を超えて、現代美術や映像表現にまで広がっていたことが分かります。
【坂本龍一のがんに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:坂本龍一が患ったがんは何ですか?
A1:2014年に中咽頭がん、2020年6月に直腸がんが見つかりました。中咽頭がんは治療後に寛解したと本人が説明しています。直腸がんについては、肝臓やリンパ節、肺への転移が明らかになりました。
Q2:坂本龍一がステージ4と公表したのはいつですか?
A2:2022年6月です。文芸誌『新潮』の連載『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』で、自身のがんがステージ4であることや、両肺への転移、手術について明かしました。
Q3:坂本龍一の死因は直腸がんですか?
A3:直腸がんの治療を続けていたことは本人と所属関係者の発表から確認できます。2023年3月28日に71歳で亡くなりました。ただし、公式の訃報には医学的な直接死因の詳細までは記載されていません。
まとめ:坂本龍一の闘病と音楽が2026年に伝えるもの
坂本龍一さんのがんの経過を振り返ると、2014年の中咽頭がんと、2020年に見つかった直腸がんという2つの大きな病気が人生に影響を与えていたことが分かります。
2014年の中咽頭がんは治療を経て寛解しました。しかし、2020年には新たに直腸がんが発覚し、肝臓、リンパ節、肺への転移が判明。本人はステージ4と公表し、約2年間で大小6回の手術を受けました。
そして2023年3月28日、71歳でその生涯を閉じました。
【プロの結論】坂本龍一の闘病を理解するための3つの視点
1. 2014年と2020年のがんを区別すること。 中咽頭がんは寛解し、その後に別の部位で直腸がんが見つかっています。
2. 診断時期と公表時期を混同しないこと。 直腸がんは2020年6月に発覚し、2021年1月に公表。ステージ4の公表は2022年6月でした。
3. 病気だけでなく創作活動にも目を向けること。 手術や治療を重ねる中でも、本人は音楽制作を続け、日記や自伝に自分の思考を残しました。
2026年現在、『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』や映画『Ryuichi Sakamoto: Diaries』、写真展などを通じて、坂本さんの最後の日々や芸術への姿勢を知ることができます。
所属関係者の訃報に記された言葉は、坂本さんが好んだ一節でもありました。
Ars longa, vita brevis. 芸術は長く、人生は短し。
がんとの闘病を経てもなお音楽を作り続けた坂本龍一さん。その作品と残された言葉は、2026年になった今も、多くの人に聴かれ、読み継がれています。