2026年現在も「日枝フジテレビ」というキーワードが検索される背景には、日枝久氏が約40年にわたってフジテレビとフジ・メディア・ホールディングスの経営中枢に関わってきた歴史があります。1988年の社長就任から会長、取締役相談役へと立場を変えながら、役員人事や経営方針に強い影響力を持っていた人物です。
転機となったのは、中居正広氏をめぐる一連の問題が表面化した2024年末から2025年にかけての経営刷新でした。日枝氏は2025年3月にフジテレビの取締役相談役を退任し、同年6月には親会社の取締役も退任。加えて、フジサンケイグループ代表の職も辞任しています。一方、2026年9月8日には日本美術協会会長として約1年9カ月ぶりに公の場に登場し、10月28日の高松宮殿下記念世界文化賞授賞式でも挨拶しました。現在の肩書と、フジテレビ経営への影響力はどう変わったのでしょうか。
【約40年の歴史】日枝久とフジテレビの関係は?社長・会長・相談役を歴任

日枝久氏は、フジテレビの経営史を語るうえで欠かせない人物です。
1937年12月31日生まれ。早稲田大学教育学部を卒業し、1961年4月にフジテレビへ入社しました。最初から経営者として迎えられたわけではなく、番組編成の現場からキャリアを積み上げた社内出身者です。
1988年に社長就任、2001年には会長へ
日枝氏の経歴で大きな転換点となったのが、1988年6月の代表取締役社長就任です。
それ以前には編成局長や取締役、常務取締役などを経験しています。番組編成に関する実務経験を持っていたことが、経営トップへの昇進につながりました。
2001年6月には代表取締役会長に就任。その後もフジテレビの経営中枢にとどまり、2003年にはフジサンケイグループ代表にも就任しました。
2008年には認定放送持株会社への移行に伴い、フジテレビジョンとフジ・メディア・ホールディングスの企業体制が分かれます。日枝氏は両社の経営に関わり続けました。
なぜ日枝氏の影響力は大きかったのか
理由の一つは、単に社長や会長という肩書を長く務めたことだけではありません。
第三者委員会の調査報告書によれば、日枝氏は役員人事に関する重要な判断に関わり、フジテレビと親会社の経営トップの交代にも大きな影響を及ぼしていました。
つまり、経営方針を決める立場だけでなく、次の経営者を誰にするかという人事の領域にも関与していたのです。
このような構造が長期間続いたことで、社内では日枝氏の意向を意識した意思決定が行われていたと、第三者委員会は分析しています。
重要なのは、日枝氏の影響力が単なる名誉職の権威ではなく、経営上の意思決定や人事の仕組みと結びついていた点です。
フジテレビの公式プロフィールに関連する経歴資料や第三者委員会の調査報告書にも、こうした長期的な経営関与が記録されています。
【時系列で検証】中居正広氏の問題から日枝久の2025年退任まで
日枝氏の退任を理解するには、中居正広氏をめぐる問題とフジテレビの経営対応を時系列で確認する必要があります。
問題の発端となったのは2023年6月の中居氏と女性Aとの事案です。その後、2024年12月に週刊誌報道によって表面化し、フジテレビの対応や企業統治そのものが問われる事態に発展しました。
2023年から2026年までの主な出来事
2023年6月:中居氏と女性Aの間で事案が発生
第三者委員会の報告書では、2023年6月2日に発生した事案について調査が行われています。
同委員会は、女性Aが中居氏による性暴力の被害を受けたと認定し、重大な人権侵害が発生したと評価しました。
2024年12月19日:女性トラブルが報道される
女性セブンが中居氏をめぐる女性トラブルを報道。その後、週刊文春もフジテレビ幹部社員の関与に関する内容を報じました。
2024年12月27日:フジテレビが社員の関与を否定
フジテレビは公式サイトで、当該社員が会食の設定に関与していないとする説明を公表しました。
2025年1月17日:フジテレビが最初の記者会見
港浩一社長(当時)が会見を実施しましたが、限定的な参加形式や説明の不十分さが批判を招きました。
2025年1月23日:第三者委員会の設置と中居氏の引退発表
フジテレビは第三者委員会を設置。中居氏も芸能活動からの引退を発表しました。
2025年1月27日:経営陣が交代
2回目の記者会見が行われ、嘉納修治会長と港浩一社長が辞任。清水賢治氏が新社長に就任しました。
2025年2月3日:大株主側から日枝氏の辞任要求
フジ・メディア・ホールディングスの株式を保有する米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが日枝氏の辞任を求める書簡を送ったことを公表しました。
2025年3月27日:日枝氏が退任
フジテレビの取締役相談役を退任し、フジサンケイグループ代表も辞任しました。親会社の取締役相談役についても、6月の株主総会で退任することが発表されました。
2025年3月31日:第三者委員会の調査報告書を公表
一連の問題の事実関係だけでなく、フジテレビの企業風土や経営体制、日枝氏の影響力についても厳しい指摘が示されました。
2026年9月8日:日枝氏が公の場に登場
日本美術協会会長として、第37回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表会見に出席しました。
2026年10月28日:世界文化賞の授賞式に出席
日本美術協会会長として挨拶し、文化・芸術分野での活動を続けていることが公式発表で確認できます。
日枝久と関係組織の変化を一覧で整理
以下は、日枝氏とフジテレビを中心とする関連組織の関係をまとめたものです。
この表から分かるのは、日枝氏がフジテレビの役職を退いたことと、社会的な活動まで終了したことは別だという点です。フジテレビの経営からは離れていますが、日本美術協会では現在も代表理事・会長という立場にあります。
【第三者委員会の調査報告書】日枝久の影響力の実態と82%の回答
日枝氏の経営への影響力を考えるうえで、最も重要な資料が2025年3月31日に公表されたフジテレビとフジ・メディア・ホールディングスの第三者委員会による調査報告書です。
この報告書は、中居氏をめぐる問題の調査だけでなく、フジテレビグループの経営体制や役員人事、組織風土についても検証しています。
役職員アンケートで約82%が「人事権を掌握している」と回答
特に注目されたのが、日枝氏の人事への影響力に関するアンケート結果です。
第三者委員会が実施した役職員アンケートでは、日枝氏がフジテレビグループの人事権を掌握しているという見方について、約82%がそのように感じると回答しました。
加えて、組織への影響について尋ねた質問では、次のような回答が目立ちました。
- 役員が日枝氏の方ばかり見て行動している:769人
- 実力や素養に関係なく、日枝氏に気に入られた人物が出世する:717人
- コネ入社や情実人事がまかり通っている:555人
これは、日枝氏の人事への影響力が、単なる社外の評判ではなく、社内で広く意識されていたことを示すデータです。
ただし、82%という数字はアンケート回答者の認識を示すものであり、全ての人事が日枝氏一人によって決められていたことを意味するものではありません。
第三者委員会が確認した人事決定の仕組み
さらに重要なのは、アンケートだけでなく、実際の人事決定プロセスについても調査が行われたことです。
報告書によれば、FMHとフジテレビの代表取締役会長・代表取締役社長の交代については、日枝氏が決定していたとされています。
その他の社内役員についても、会長が候補者を決めた後、日枝氏に相談して決定するケースがありました。
一方、金光修氏がFMHの社長に就任してからは、親会社の代表取締役以外の社内取締役について金光氏が決定していたという例外も記されています。
日枝氏本人は、自分の役割を調整役と説明していました。しかし、第三者委員会は調査結果を踏まえ、役員人事に強い影響力を持っていたことは明らかだと評価しています。
つまり、表向きの役職だけでは把握できない意思決定の構造が存在していたのです。
日枝氏だけが問題だったのか
第三者委員会の指摘は、日枝氏個人だけに責任を集中させるものではありません。
報告書では、男性優位で同質性の高い組織構造や、ハラスメントへの意識の低さ、取締役会の監督機能の不十分さなどが問題として挙げられています。
また、経営幹部による判断や取締役会全体の機能不全についても厳しい評価が示されました。
日枝氏の長期的な影響力は、そうした企業風土を形成した要因の一つとして位置づけられています。
ここで押さえておきたいのは、第三者委員会が中居氏の問題について認定した事実と、日枝氏の経営責任は、同じ論点ではないということです。
委員会は女性Aへの性暴力を認定し、フジテレビの業務の延長線上で発生した事案と評価しました。一方、中居氏が女性Aを問題の会合に誘った行為について、フジテレビ社員が直接手配した事実は認められなかったとしています。
したがって、社員が当日の誘いを設定したという話と、フジテレビの業務上の関係性や企業風土が問題の背景にあったという認定は、分けて理解する必要があります。
また、第三者委員会による調査認定は、刑事裁判の有罪判決と同じものではありません。
【退任理由の真相】日枝久はなぜ2025年にフジテレビを去ったのか
日枝氏が退任した理由については、本人の意思による辞任という会社側の説明と、経営刷新を求める社内外の圧力という二つの側面があります。
1. 大株主からの辞任要求
2025年2月3日、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは、フジ・メディア・ホールディングスに対して日枝氏の辞任を求める書簡を送ったと公表しました。
同ファンドはFMH株式を7%超保有しており、今回の問題をめぐる経営責任や企業統治のあり方を問題視していました。
上場企業にとって、大株主から経営体制の変更を求められることは、単なる社内人事では済まない問題です。
株主の信頼を回復するためには、従来の経営体制との決別を示す必要がありました。
2. 企業統治への批判と経営刷新
2025年1月以降、フジテレビはスポンサーのCM差し替えや広告出稿の見直しなど、経営面でも大きな打撃を受けました。
1月17日の会見に対する批判、1月27日の会見での経営陣交代、第三者委員会の設置など、経営体制を抜本的に見直す必要性が高まっていきました。
こうした状況の中で、40年以上にわたって経営に関与してきた日枝氏が取締役として残り続けることは、刷新を進めるうえで大きな課題になっていました。
3. 2025年3月27日に本人から辞意を申し出
2025年3月27日、フジテレビとFMHは取締役会で経営体制の刷新を決定しました。
このとき、FMHの金光修社長は、日枝氏本人からフジサンケイグループ代表を辞任する申し出があったと説明しています。
日枝氏は同日付でフジテレビの取締役相談役を退任しました。
FMHの取締役相談役については、同年6月の定時株主総会をもって退任しています。
退任に際して、日枝氏本人が記者会見を開き、個別の判断理由や経営責任について詳しく説明したわけではありません。
そのため、退任の背景は、本人の辞意表明だけでなく、株主からの要求、企業統治への批判、スポンサーや視聴者からの信頼低下、経営刷新の必要性を合わせて見る必要があります。
退任後に相談役・顧問制度も廃止
さらに重要なのが、日枝氏の退任後に行われた制度改革です。
フジ・メディア・ホールディングスは2025年6月の定時株主総会で定款を変更し、相談役制度を廃止しました。顧問制度についても廃止する方針が実行されました。
これは日枝氏個人だけを経営から外すのではなく、退任した経営者が相談役や顧問という立場から影響力を保持し続ける可能性を、制度面から抑える改革です。
つまり、2025年の退任は一人の経営者の交代にとどまらず、長期間にわたり権限が集中する仕組みそのものを見直す転換点になりました。
【2026年最新】日枝久の現在の役職は?9月・10月の公の場への登場
2026年10月31日現在、日枝久氏は88歳です。
フジテレビの経営からは退いていますが、社会的な活動をすべて終了したわけではありません。
現在の活動を理解するうえで重要なのが、日本美術協会との関係です。
現在の役職は日本美術協会会長・代表理事
日本美術協会の公式組織情報では、日枝氏は代表理事・会長として掲載されています。
同協会は、高松宮殿下記念世界文化賞を主催する団体です。
同賞は、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で優れた功績を残した芸術家を顕彰する国際的な文化賞です。
日枝氏はフジテレビの経営者としてではなく、日本美術協会の会長という立場で、この文化事業に関わっています。
ここは現在の肩書を理解するうえで要点です。
2026年9月8日、約1年9カ月ぶりに公の場へ
2026年9月8日、日枝氏は東京都内で開催された第37回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表記者会見に出席しました。
中居氏をめぐる問題が2024年末に表面化して以降、日枝氏が公の場に姿を見せたのは初めてと報じられています。
約1年9カ月ぶりの公の場への登場でした。
当時88歳だった日枝氏は、杖をついて登壇。会見では、受賞者を発表できることへの喜びを語りました。
また、フジテレビの社員も世界文化賞を支える一助を担っていることに触れたと日刊スポーツが報じています。
ただし、これは日本美術協会会長としての文化事業に関する発言であり、フジテレビの経営に復帰したことを示すものではありません。
2026年10月28日、世界文化賞授賞式でも挨拶
加えて、2026年10月28日には、第37回高松宮殿下記念世界文化賞の授賞式が東京・元赤坂の明治記念館で開催されました。
日本美術協会の公式発表によると、日枝氏は同協会会長として式典で挨拶しています。
授賞式には、常陸宮妃殿下をはじめ、各国の国際顧問や芸術関係者らが出席しました。
このことから、2026年秋の日枝氏は、少なくとも公的な活動において日本美術協会の代表者として役割を果たしていることが確認できます。
現在のフジテレビ経営陣との距離は?
では、フジテレビとの関係は現在どうなっているのでしょうか。
2026年10月時点のフジ・メディア・ホールディングス公式役員一覧では、代表取締役社長として清水賢治氏が掲載されています。
取締役には檜原麻希氏、武内賢氏、柳敦史氏、菅野嘉則氏、齊藤三希子氏らが名を連ねています。
一方、日枝氏の名前は役員一覧にありません。
また、2025年6月に相談役・顧問制度が廃止されたため、以前のように相談役という会社の制度上の立場から経営に関わる仕組みもなくなっています。
したがって、2026年現在の公表資料から確認できるのは、次の関係です。
- フジテレビの取締役ではない。
- フジ・メディア・ホールディングスの取締役ではない。
- フジサンケイグループ代表でもない。
- 日本美術協会の会長・代表理事として活動している。
日枝氏とフジテレビの歴史的な関係は深いものの、現在の正式な経営体制とは区別する必要があります。
非公式な人間関係や個別の交流まで公表資料だけで判断することはできませんが、少なくとも現行の役員構成に日枝氏が経営者として参加している事実は確認できません。
【フジテレビのガバナンス改革】日枝体制から何が変わったのか
日枝氏の退任後、フジテレビとFMHは経営体制の大幅な見直しを進めました。
重要なのは、単純に役員を入れ替えるだけでなく、権限の集中や人事の不透明さを解消する制度を整えたことです。
2025年に実施された主な改革
フジテレビが2025年4月30日に公表した再生・改革策では、次のような取り組みが示されました。
1. 取締役会の構成を見直す
取締役の人数を削減し、独立社外取締役が過半数を占める体制を目指しました。
2. 相談役・顧問制度を廃止する
特定の人物に権限が長期間集中する可能性を抑え、意思決定の透明性を高める仕組みを整備しました。
3. 役員の定年制を導入する
代表取締役や常勤取締役などに定年制を設け、世代交代を促進する方針を打ち出しました。
4. 人権・コンプライアンス体制を強化する
社外の専門家や独立性の高い社外取締役を活用し、人権問題やリスク管理を監督する仕組みを整えました。
5. 組織構造を再編する
編成・制作部門の組織を見直し、アナウンス室を独立させるなど、従来の組織構造にも手を入れました。
2026年も改革は継続している
2026年3月27日のフジテレビ社長会見では、清水賢治社長が第三者委員会の報告書公表後の1年間を振り返り、人権を尊重する会社への転換を最優先に取り組んできたと説明しました。
同会見では、取締役会の人数を半分以下にし、女性比率を30%以上、独立社外取締役を過半数とする体制に改めたことも説明されています。
また、コンプライアンス・オフィサーの設置やコンプライアンス委員会の整備など、社内の監督機能も強化されました。
加えて、2026年6月のFMH定時株主総会では、会社提案の取締役候補者選任議案が承認・可決されています。
こうした動きは、日枝氏が退任した後も、フジテレビグループが経営改革を継続していることを示しています。
【プロの結論】日枝氏の退任だけでフジテレビは変わったのか
日枝氏の退任は、フジテレビの経営史における大きな転換点です。
しかし、企業統治の問題を一人の経営者の退任だけで解決できるわけではありません。
第三者委員会が明らかにしたのは、長期間にわたる人事権の集中だけでなく、経営陣の監督機能の不足、組織の同質性、ハラスメントへの対応の遅れといった複数の構造的な問題でした。
そのため、フジテレビの改革を評価する際には、次の3点を見る必要があります。
第一に、役員人事の透明性です。
特定の人物への相談や意向確認に依存せず、独立した指名・報酬委員会が客観的な基準で候補者を審議できているかが重要です。
第二に、人権問題への対応力です。
問題が発生した際、現場だけに判断を任せず、コンプライアンス部門や取締役会が適切に関与できるかが問われます。
第三に、社内で異論を述べられる環境です。
役職や年齢、性別に関係なく意見を出せる環境が整わなければ、経営陣を刷新しても従来の企業風土が残る可能性があります。
フジテレビにとって本当に必要なのは、日枝氏という象徴的な人物がいなくなったことではなく、誰が経営トップになっても権力が過度に集中しない組織を実現することです。
2026年の改革を評価する際も、役員名簿や制度変更だけでなく、それらが実際の経営判断や社員の働く環境に反映されているかが重要な判断材料になります。
【日枝久とフジテレビの関係】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日枝久は現在もフジテレビの相談役ですか?
A1:いいえ。日枝氏は2025年3月27日付でフジテレビの取締役相談役を退任し、同年6月にはフジ・メディア・ホールディングスの取締役相談役も退任しました。相談役・顧問制度自体も2025年6月に廃止されています。
Q2:日枝久がフジテレビを退任した理由は何ですか?
A2:中居正広氏をめぐる問題による経営責任への批判、株主からの辞任要求、企業統治の見直し、経営刷新の必要性などが背景にあります。会社側は本人からフジサンケイグループ代表の辞任申し出があったと説明しています。
Q3:日枝久の2026年現在の役職は何ですか?
A3:日本美術協会の会長・代表理事です。2026年9月8日の高松宮殿下記念世界文化賞の発表会見、10月28日の授賞式にも同協会会長として出席しています。
Q4:日枝久は現在もフジテレビに影響力を持っているのですか?
A4:第三者委員会は2025年の報告書で、日枝氏が役員人事に強い影響力を持っていたと評価しました。ただし、2026年現在はフジテレビとFMHの正式な役員から退いており、現行の役員一覧にも氏名はありません。退任後の非公式な影響力については、公表資料から具体的に判断できる状況にはありません。
まとめ:日枝久とフジテレビの関係は2025年を境に大きく変化した
日枝久氏は1961年にフジテレビへ入社し、1988年の社長就任、2001年の会長就任を経て、約40年にわたり経営中枢に関わってきました。
その影響力は、2025年3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書でも具体的に検証されています。特に、役職員の約82%が日枝氏の人事権への影響を感じていたというアンケート結果は、長期経営体制の実態を理解するうえで重要な資料です。
2025年3月のフジテレビ退任、同年6月のFMH取締役退任と相談役制度の廃止によって、日枝氏とフジテレビの正式な経営上の関係は大きく変わりました。
一方、2026年現在の日枝氏は日本美術協会会長として活動を続け、9月の記者会見と10月の世界文化賞授賞式にも出席しています。
日枝氏の現在を理解する最大の要点は、フジテレビの元経営トップとしての過去と、日本美術協会会長としての現在を区別することです。
そしてフジテレビの今後を見極めるには、経営トップの交代だけでなく、人事の透明性、人権保護、取締役会の監督機能が実際に機能しているかを継続的に確認する必要があります。
2026年は、日枝体制の終焉だけでなく、フジテレビが新しい企業統治を定着させられるかどうかを判断する重要な時期になっています。