2026年の自民党内で注目すべきなのは、派閥の人数以上に、誰が党の重要ポストを握っているかという点です。
2026年9月16日の党役員人事では、次の体制が決まりました。
| 役職 | 人物 | 党内での役割 |
|---|---|---|
| 総裁 | 高市早苗 | 党と政権の最高責任者 |
| 副総裁 | 麻生太郎 | 党内調整・政権運営の重要人物 |
| 幹事長 | 鈴木俊一 | 党務・選挙・組織運営の中核 |
| 政調会長 | 小林鷹之 | 政策立案・政策調整 |
| 総務会長 | 梶山弘志 | 党の重要事項の審議 |
| 選対委員長 | 西村康稔 | 選挙戦略・候補者調整 |
| 幹事長代行 | 萩生田光一 | 幹事長を補佐し党務を担当 |
高市早苗首相と麻生太郎副総裁の関係
一方、麻生氏は副総裁として党内の重要ポストに残り、鈴木俊一幹事長も留任しています。
この配置から読み取れるのは、高市首相が政権運営を進めるうえで、麻生氏を中心とする党内の協力関係を重視していることです。
ただし、両者の関係を単純な上下関係として理解するのは適切ではありません。高市氏には総裁としての選挙実績と政権運営の正統性があり、麻生氏には派閥と党内人脈を背景とする独自の影響力があります。
旧安倍派は高市支持に回るのか
旧安倍派の動向も見逃せません。
2026年10月18日のBS番組や20日の記者会見で、旧安倍派との関係が深い萩生田光一幹事長代行は、高市首相が次の総裁選に出馬した場合の支持について前向きな考えを示しました。
また、小林鷹之政調会長も10月21日のラジオ番組で、今後も高市政権を支える考えを明らかにしています。
旧安倍派は正式には解散していますが、所属経験者の人脈は残っています。
したがって、今後の総裁選では旧安倍派出身者のまとまりが、高市首相を支える重要な要素になる可能性があります。
もっとも、旧安倍派の全議員が同じ行動を取ると決まったわけではありません。過去の所属派閥だけで現在の投票行動を断定することはできません。
【ネットの反応・炎上】自民党の派閥復活をめぐる議論と噂の真相

2026年の自民党政治をめぐっては、「派閥は本当に解散したのか」「国力研究会は事実上の高市派なのか」「麻生氏の影響力が強すぎるのではないか」といった疑問が生まれやすい状況です。
特に、旧派閥の再結集が報じられるたびに、政治資金問題を忘れたかのような派閥回帰ではないかという批判が論点になります。
東洋経済オンラインは2026年3月、旧派閥出身者による会合の活発化と、新人議員の勧誘競争を報道しました。同時に、派閥回帰と受け取られれば有権者の支持を失うという党内の懸念も紹介しています。
よくある疑問を事実関係から検証
噂1:自民党の派閥は完全に復活した?
これは正確ではありません。
2025年6月までに旧5派閥の政治団体としての解散が完了しています。2026年に活発化しているのは、旧所属議員による会合、政策グループ、議員連盟などです。
人脈の再結集と正式な派閥の復活は別の問題です。
噂2:国力研究会の347人は全員が高市首相の支持者?
これも断定できません。
347人という数字は2026年5月21日時点の議員連盟の参加者数です。政策実現を支援する組織であり、総裁選の投票行動を拘束する派閥ではありません。
参加者数と個人的な忠誠関係を同一視するのは誤りです。
噂3:麻生派が自民党のすべてを支配している?
麻生派の影響力が大きいことは事実です。
しかし、党の政策決定には総裁、幹事長、政調会長、総務会長、各議員連盟、参議院側の調整などが関わります。
麻生派の60人という規模だけで、自民党全体の意思決定を説明することはできません。
噂4:高市首相の2027年総裁再選は確定している?
2026年10月時点では確定していません。
萩生田氏や小林氏らから支持を示す発言が出ていますが、非主流派とされる議員には今後の政権運営を見極めようとする姿勢もあります。読売新聞は10月22日、早期の再選支持表明と慎重な議員の動きを報じました。
ネット上の炎上を判断するときの注意点
派閥関連のニュースでは、次の3つが混同されやすくなっています。
- 議員連盟に加入したことと、総裁選で特定候補を支持すること。
- 旧派閥の会合を開くことと、政治団体として派閥を復活させること。
- 党役員に就任したことと、特定の派閥が人事を独占すること。
こうした区別をしないまま「派閥復活」「高市独裁」「麻生支配」といった言葉だけが先行すると、実際の政治状況を見誤ります。
ネット上の個別投稿や話題性だけでは、世論全体の評価や炎上の規模も判断できません。重要なのは、発言者、組織の正式な位置付け、発言した日付、実際の人事や政策決定を照らし合わせることです。
【2027年の総裁選を展望】自民党派閥勢力図の今後の注目ポイント
2026年10月末の自民党は、衆院選での大勝によって政権基盤を強化する一方、党内の権力構造については再編の途中にあります。
今後の勢力図を左右する要点は、大きく3つあります。
1. 高市首相の再選をめぐる支持の広がり
2027年秋に予定される次期総裁選は、今後の党内政治を占う重要なイベントです。
現職の高市首相に対しては、萩生田氏や小林氏などから支持を示す発言が出ています。
しかし、現時点で無投票再選や対抗候補の不在が確定しているわけではありません。
今後、経済政策、物価高対策、安全保障、連立政権の運営などが評価を左右する可能性があります。
2. 麻生派の60人という規模が持つ意味
麻生派は正式な派閥として唯一残り、党内で明確な組織基盤を持っています。
新人議員の受け入れを通じて規模を拡大したことも、今後の党内人事や総裁選を考えるうえで重要です。
一方、麻生派以外の議員が旧派閥系のグループや政策研究会を通じて結束すれば、必ずしも麻生派だけが党内の調整役になるとは限りません。
3. 旧安倍派・旧岸田派・旧茂木派の再編
旧派閥の人脈は、2026年の時点ですでに政策研究会や議員連絡会などの形で活動しています。
特に、旧安倍派系の議員と高市政権との連携、旧岸田派系の政策ネットワーク、旧茂木派系の中堅議員の動きは注目点です。
ただし、これらのグループが再び統一された派閥として活動するのか、政策ごとに連携する緩やかな集団として残るのかは、今後の動向次第です。
【プロの結論】2026年の自民党は派閥の人数より人事と政策連携を見るべき
2026年の自民党派閥勢力図を読み解くうえで、最も大切なのは、かつての6大派閥の人数をそのまま現在に当てはめないことです。
現在の党内政治には、少なくとも次の3つの異なる力が存在します。
- 組織的な力: 麻生派のように正式な派閥として組織を維持する力。
- 政策的な力: 国力研究会や保守団結の会などを通じて政策を推進する力。
- 人的な力: 旧安倍派、旧岸田派、旧茂木派、旧二階派の人脈を生かした議員間の連携。
これらは互いに重なり合っており、単純な議員数ランキングでは実態を捉えられません。
今後、党内の勢力を判断する際には、次の基準が役立ちます。
1. 総裁選で実際に何人の支持をまとめられるか。
2. 党四役や国会対策などの重要ポストに誰が就いているか。
3. 政策決定や法案調整でどのグループが主導権を持つか。
4. 選挙で新人議員や現職議員をどれだけ支援できるか。
5. 政治資金問題への説明責任を果たし、国民の信頼を維持できるか。
特に最後の点は、今後の派閥再編を考えるうえで欠かせません。組織を再び作ること自体よりも、政治資金の透明性を確保しながら政策を実現できるかどうかが問われています。
【自民党派閥勢力図】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、自民党に正式な派閥はいくつありますか?
A1:2025年6月25日に旧安倍派の政治団体解散が正式に受理されたことで、2026年10月現在、正式な派閥として存続しているのは麻生派のみです。ただし、派閥以外の議員グループや政策集団は複数存在します。
Q2:2026年の自民党で最も人数が多いグループはどこですか?
A2:政策実現を目的とする議員連盟では、2026年5月発足の国力研究会が347人の参加を発表しています。一方、正式な派閥では麻生派が約60人です。組織の種類が異なるため、同じ基準で比較することはできません。
Q3:旧安倍派は2026年も高市首相を支持していますか?
A3:旧安倍派そのものは正式解散していますが、萩生田光一氏など旧安倍派に影響力を持つ議員から高市首相への支持を示す発言が出ています。ただし、旧安倍派出身者全員の支持が確定しているわけではありません。
まとめ:2026年の自民党派閥勢力図は再編期にある
2026年の自民党は、政治資金問題による派閥解散を経て、新たな党内勢力図を形成しています。
正式な派閥として残る麻生派は約60人の規模を維持し、党の主要ポストにも影響力を持っています。一方、国力研究会、保守団結の会、参議院クラブなどの新しい政治グループも存在感を高めています。
加えて、旧安倍派・旧岸田派・旧茂木派・旧二階派の人脈も、勉強会や政策研究会という形で再び動き始めました。
2026年の自民党は「派閥がなくなった党」ではなく、「派閥という形式から、複数の政治グループによる連携へと移行している党」と捉えるのが実態に近いでしょう。
2027年の総裁選に向けて、高市早苗首相、麻生太郎副総裁、旧派閥系議員、そして新しい政策グループがどのような関係を築くのか。今後の党役員人事と政策決定が、自民党の次の勢力図を読み解く最大の手掛かりになります。