2026年11月現在、元埼玉西武ライオンズの投手・多和田真三郎は、北海道の社会人軟式野球チーム「六花亭」で現役を続けている。2026年10月に開催された第80回国民スポーツ大会の軟式野球競技でも登板し、4試合で19回1/3を投げ、防御率0.47、19奪三振を記録した。プロ野球の第一線を離れてからも、マウンドに立ち続けていることが最新の試合記録から確認できる。
2018年には西武のエース格として16勝5敗を記録し、パ・リーグ最多勝のタイトルを獲得。しかし、2019年に自律神経失調症を公表してからは長い苦難が続き、2021年には戦力外通告を受けた。その後、六花亭での会社員生活と軟式野球を両立し、2023年にはNPB復帰を目指して合同トライアウトにも再挑戦している。輝かしい実績から退団後の歩み、そして2026年の最新成績までを整理する。
【2026年現在】多和田真三郎は六花亭で現役続行!最新の活動と成績

多和田真三郎の現在を知るうえで、最も重要なのが北海道の社会人軟式野球チーム「六花亭」での活動だ。
六花亭は北海道の菓子メーカーとして知られる企業で、社会人軟式野球チームも運営している。多和田は2022年から同チームに所属。富士大学時代の恩師である青木久典氏が監督を務めており、プロ退団後も野球を続けられる環境を得た。
2023年11月の日刊スポーツの取材では、六花亭の社員としてフルタイムで働き、業務終了後に練習する生活が紹介された。本人によると、仕事は1日7~8時間に及び、体調に合わせて練習内容を調整していたという。
2026年10月の国スポで好投
2026年の近況を裏付ける重要な記録が、第80回国民スポーツ大会「青の煌めきあおもり国スポ」の軟式野球競技だ。
一球速報.comのOmyuTechに掲載された大会記録によると、多和田は六花亭の投手として4試合に登板。合計19回1/3を投げ、19奪三振、防御率0.47という成績を残した。
特に注目したいのが、10月11日の滋賀八幡病院との試合だ。先発登板した多和田は8イニングを投げ、9奪三振、無失点の投球を披露した。10月13日の大阪シティ信用金庫戦でも先発し、6イニングを4安打、7奪三振、無失点に抑えている。
2026年の大会成績を整理すると、次のようになる。
- 所属:六花亭(北海道)
- 背番号:21
- 登板:4試合
- 投球回:19回1/3
- 奪三振:19
- 防御率:0.47
- 自責点:1
これはNPBの公式戦成績ではなく、社会人軟式野球の大会記録である。それでも、2026年10月まで実際に公式大会のマウンドに立ち、安定した投球を続けていることは明確だ。
なお、2023年当時の会社員としての勤務状況は報道されているが、2026年現在の具体的な仕事内容や勤務部署については新たな公表情報がない。現在について確実に言えるのは、六花亭の選手として競技を続けているという点だ。
【経歴・プロフィール】中部商業高校から富士大学を経て西武ドラフト1位へ
多和田真三郎は1993年4月13日生まれ、沖縄県出身の右投右打の投手だ。身長182cm、体重82kg。高校、大学時代から実力を評価され、2015年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから1位指名を受けた。
中部商業高校時代から注目された右腕
出身高校は沖縄県立中部商業高校。高校時代から投手としてプレーし、2011年夏の沖縄大会では準優勝を経験している。甲子園出場はなかったものの、その後進学した富士大学で大きく評価を高めた。
富士大学でノーヒットノーランを達成
富士大学硬式野球部では、重心の低い独特の投球フォームと最速152km/hのストレートを武器に活躍した。
大学時代の大きな実績が、2012年の明治神宮野球大会でのノーヒットノーランだ。さらに2013年の全日本大学野球選手権ではベスト8に進出。北東北大学野球リーグでは通算31勝8敗を記録した。
富士大学が2015年10月17日に公表したプロ野球志望届の情報にも、こうした実績が記されている。大学時代から三振を奪う能力と安定した投球が評価されていたことが分かる。
2015年ドラフト1位で埼玉西武へ
2015年10月22日のドラフト会議で、西武は多和田を1位指名。球団の編成担当者も、浮き上がるようなストレートを武器として評価し、先発ローテーション候補に挙げていた。
2016年にプロ入りすると、背番号18を背負って一軍の先発投手として経験を積んだ。1年目は18試合に登板して7勝5敗、防御率4.38。2017年も5勝を挙げ、徐々に先発としての地位を確立していった。
【西武時代の全盛期】2018年16勝5敗で最多勝を獲得した実力
多和田真三郎のプロ野球人生を振り返ると、最大の輝きを放ったのが2018年シーズンだ。
この年は埼玉西武ライオンズの先発陣を支える存在となり、26試合に登板。16勝5敗、防御率3.81、172回2/3を投げ、パ・リーグの最多勝利投手に輝いた。
2018年の16勝は偶然ではなかった
16勝という数字だけでなく、特筆すべきなのは投球回数と完投数だ。
多和田は2018年に5完投、2完封を記録。先発投手として長いイニングを投げ、救援陣の負担を軽減できる能力を備えていた。リーグ優勝を果たした西武にとって、非常に大きな戦力だった。
同年は月間MVPも3・4月と9・10月の2度受賞。最優秀バッテリー賞やスピードアップ賞も獲得している。単に勝ち星が多かっただけではなく、シーズンを通して高い評価を得た投手だった。
NPB公式記録で見る年度別成績
日本野球機構(NPB)の個人年度別成績に掲載されている数字を整理すると、次のとおりだ。
- 2016年:18試合、7勝5敗、防御率4.38
- 2017年:16試合、5勝5敗、防御率3.44
- 2018年:26試合、16勝5敗、防御率3.81
- 2019年:12試合、1勝6敗、防御率5.83
プロ通算では72試合に登板し、29勝21敗、防御率4.17、304奪三振。2016年から2019年までの4シーズンで積み上げた数字だ。
2018年の成績と比較すると、翌2019年の急激な変化が際立つ。前年に最多勝を獲得した投手が、わずか1年で1勝にとどまった。この成績の変化には、後に明らかになる健康上の問題が関係していた。
【経歴年表】2019年の離脱から2021年戦力外、2026年までの転換点
多和田のキャリアを理解するには、最多勝獲得後の2019年から、育成契約、退団、六花亭への加入までを時系列で整理する必要がある。
| 時期 | 出来事・所属 | 主な実績・状況 |
|---|---|---|
| 2015年 | 西武ドラフト1位 | 富士大学から指名 |
| 2016年 | 西武でプロ入り | 18試合、7勝5敗 |
| 2018年 | 西武の主力先発投手 | 16勝5敗、パ・リーグ最多勝 |
| 2019年9月 | 一軍離脱 | 頻脈性不整脈と診断 |
| 2019年12月 | 病状を公表 | 原因が自律神経失調症と発表 |
| 2020年7月 | 西武と支配下契約 | 二軍で実戦復帰 |
| 2021年10月 | 西武から戦力外通告 | 育成契約を経て退団 |
| 2021年12月 | 合同トライアウト | 最速146km/hを記録 |
| 2022年 | 六花亭に加入 | 社会人軟式野球で競技継続 |
| 2023年11月 | 合同トライアウト再挑戦 | 最速143km/h、無安打投球 |
| 2024年 | 六花亭で公式大会に出場 | 天皇賜杯大会で23回、防御率1.17 |
| 2025年 | 六花亭軟式野球部 | 日刊スポーツが所属先として掲載 |
| 2026年10月 | 六花亭で国スポに出場 | 4試合19回1/3、防御率0.47 |
2019年に公表された自律神経失調症
2019年は多和田にとって大きな転換点となった。
開幕投手を務めたものの、シーズン途中に体調不良で離脱。9月には頻脈性不整脈と診断されたことが発表された。そして同年12月23日、西武は球団を通じて、その原因が自律神経失調症であると公表した。
球団の説明によると、本人の同意を得たうえで病状を公表し、治療を優先するため契約保留選手として扱うことになった。翌シーズンの開幕復帰も難しい状況だった。
ここで注意したいのは、自律神経失調症の公表と、2019年の成績不振を単純に同一視しないことだ。多和田は身体的な症状と向き合いながら、競技復帰に向けた調整を続けていた。
2020年は支配下復帰、2021年は育成契約へ
2020年7月30日、西武は多和田と支配下選手契約を締結したと発表した。3月には三軍の練習に合流しており、少しずつ復帰への道を進んでいた。
同年8月23日には二軍公式戦に復帰。最終的に二軍では5試合に登板し、1勝2敗、防御率3.65を記録した。ただし、一軍での登板はなかった。
2021年は育成選手として再スタートしたものの、イースタン・リーグでの登板はなく、実戦復帰には至らなかった。
2021年10月5日、西武は多和田に翌シーズンの契約を結ばないことを通告した。渡辺久信GMは、育成選手として復帰を目指していたものの、実戦に上がれない状況が続いたことなどを説明している。
6年間在籍した西武を離れることになったが、この時点で多和田は現役引退を選んだわけではなかった。
【トライアウトと退団後】六花亭での会社員生活からNPB復帰への挑戦
西武退団後の多和田は、野球を続けながら生活の基盤を築く道を選んだ。ここから始まったのが、六花亭での社会人生活と軟式野球を両立する日々だ。
2021年12月の合同トライアウトで最速146km/h
戦力外通告を受けた同年12月8日、多和田は12球団合同トライアウトに参加した。
日刊スポーツによると、打者3人と対戦し、1四球、無安打に抑えた。最速146km/hを計測し、現役続行への意欲を示した。
本人も当時、完全な状態ではないとしながら、投球が元に戻りつつあることを説明していた。
ただし、このトライアウト後にNPB球団との契約は実現しなかった。その後、2022年から北海道の社会人軟式野球チーム六花亭でプレーすることになる。
六花亭で仕事と野球を両立
六花亭に加入する際には、富士大学時代の恩師である青木久典氏との縁もあった。恩師が監督を務めるチームで、心身の回復を図りながら野球を続ける環境が整った。
2023年のスポーツ報道では、六花亭の社員として働きながら練習する多和田の生活が紹介された。
仕事を終えてからグラウンドに向かうため、プロ時代のように野球だけに集中できる環境ではない。加えて、普段プレーするのは軟式球であり、NPB復帰を目指す場合には硬式球への対応も必要だった。
それでも、2022年から2024年にかけて六花亭の公式大会に出場。2024年の天皇賜杯第79回ENEOSトーナメントでは3試合に登板し、23イニング、防御率1.17、17奪三振を記録している。
2023年11月15日、2年ぶりにトライアウトへ
2023年11月15日、多和田は千葉県の鎌ケ谷スタジアムで開催された12球団合同トライアウトに参加した。2021年以来、2年ぶりの挑戦だった。
対戦したのは、オリックスの佐藤優悟、ソフトバンクの居谷匠真、ロッテの福田秀平。最初の打者を143km/hの直球で中飛に打ち取り、2人目からは141km/hの直球で見逃し三振を奪った。最後の打者には四球を与えたものの、被安打はゼロだった。
登板後にはスタンドに向かって頭を下げ、次のように語った。
「元気な姿を見せられたかな」
この言葉には、単に投球内容をアピールするだけではない意味があった。2019年以降、長い時間をかけて体調を整え、野球を続けられる状態まで戻ってきたことを伝えたかったのだ。
日刊スポーツやスポーツ報知の報道では、硬式球を握って本格的に投球練習をしたのは11月に入ってからで、ブルペンでの練習も4~5回程度だったと紹介されている。
十分な硬式球での練習時間を確保できないなかでの挑戦だったが、無安打投球と三振という結果を残した。
2023年のトライアウト以降、NPB球団との契約や復帰を発表する情報は確認されていない。しかし、2026年の国スポでの登板記録を見る限り、野球そのものから離れたわけではない。
【プロの結論】NPB復帰と現在の実力をどう評価するべきか
多和田真三郎の現在を評価する際には、2018年の最多勝投手という過去の実績と、2026年の社会人軟式野球での成績を分けて考える必要がある。
「引退した元プロ野球選手」という理解は正確ではない
多和田は2021年に西武から戦力外通告を受けたが、その後も六花亭で競技を続けている。2026年10月の国スポでも登板しているため、現在の姿を単純に「引退した選手」と表現するのは適切ではない。
正確には、NPBの所属選手ではなく、社会人軟式野球の選手として現役を続けているという位置づけだ。
2026年の防御率0.47が示すもの
国スポでの防御率0.47、19奪三振という結果は、投手としての競技力を維持していることを示す材料になる。
一方、軟式野球とNPBの硬式野球では、使用球、打者のレベル、試合環境、練習時間などが異なる。社会人軟式野球で優れた数字を残したからといって、そのままNPBで通用することを証明するものではない。
NPB復帰を判断するには、硬式球での実戦能力、継続的な投球負荷への対応、球団側の補強方針や契約判断など、複数の要素が関係する。
今後の動向を見極める3つの判断基準
- NPB球団との契約発表:支配下契約や育成契約など、球団から正式発表があれば復帰が確定する。
- 硬式球での実戦機会:トライアウトや硬式野球の試合で、球速だけでなく制球力や投球内容を確認する必要がある。
- 六花亭での競技継続:社会人軟式野球の大会記録を追えば、プロ退団後の活動や投手としての現状を把握できる。
特に重要なのは、NPB復帰の可能性と、野球選手として活動を続けている事実を混同しないことだ。2026年時点で確認できるのは、NPB復帰ではなく、六花亭での現役継続と公式大会での好投である。
2018年の最多勝から長い時間が経過した現在も、投手としてマウンドに立ち続けている。その歩みそのものが、多和田の退団後のキャリアを考えるうえで要点になっている。
【多和田真三郎の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:多和田真三郎は2026年現在、何をしている?
A1:北海道の社会人軟式野球チーム「六花亭」で投手として活動している。2026年10月の国民スポーツ大会にも出場し、4試合で19回1/3、防御率0.47、19奪三振を記録した。2023年の取材では六花亭の社員として働いていることも報じられている。
Q2:多和田真三郎はNPBに復帰した?
A2:2026年11月時点で、NPB球団との再契約や復帰を示す公式発表は確認されていない。2023年11月には12球団合同トライアウトに参加したが、その後は六花亭で社会人軟式野球を続けている。
Q3:多和田真三郎は2018年に何勝して最多勝を獲得した?
A3:2018年は26試合に登板して16勝5敗、防御率3.81を記録した。パ・リーグ最多勝に加え、5完投、2完封という実績も残している。
Q4:多和田真三郎が西武を戦力外になった理由は?
A4:2019年に自律神経失調症と、それに関連する頻脈性不整脈が公表され、長期離脱したことが背景にある。2020年に支配下復帰したものの、2021年は実戦登板がなく、球団は翌シーズンの契約を結ばない判断をした。
Q5:多和田真三郎は六花亭で何をしている?
A5:六花亭の社会人軟式野球チームで投手としてプレーしている。2023年の報道では会社員として勤務しながら練習していることが紹介された。2026年にも公式大会で登板している。
まとめ:多和田真三郎は六花亭で現役を続け、2026年も好投
多和田真三郎は、2018年に16勝5敗でパ・リーグ最多勝を獲得した実力派右腕だ。しかし、翌2019年に自律神経失調症を公表してからは、長期離脱や育成契約を経験し、2021年には西武から戦力外通告を受けた。
その後は北海道の六花亭に活動の場を移し、会社員として働きながら社会人軟式野球を継続。2021年と2023年には合同トライアウトにも参加し、NPB復帰への意欲を示してきた。
そして2026年10月には、国民スポーツ大会で4試合19回1/3、防御率0.47、19奪三振という結果を残している。
現時点でNPB復帰は実現していないが、野球選手としての活動は続いている。2018年の最多勝だけで多和田のキャリアを語るのではなく、苦しい時期を経て六花亭で投げ続ける現在にも目を向けたい。
今後の注目点は、六花亭での競技活動がどのように続いていくのか、そしてNPB球団との新たな契約が発表される機会があるのかという点だ。2026年の好投は、プロ退団後も投手として挑戦を続ける多和田真三郎の現在を伝える確かな記録となっている。
主な参照資料・記録