2026年11月現在、つんくの声はどうなっているのか。シャ乱Qのボーカリストとして「シングルベッド」「ズルい女」などを歌い上げた彼は、2014年の喉頭がん治療を経て、声帯を含む喉頭の全摘出手術を受けた。現在は、失われた声帯の代わりに食道を振動させて音を出す「食道発声法」を身につけ、日常生活でのコミュニケーションに活用している。
本人は公益社団法人銀鈴会のインタビューで、食道発声は騒音のある場所では聞き取りにくく、長時間話すと疲れることや、スマートフォンのLINEなどで文字を使って意思を伝える場面があることを明かしている。また、2026年4月4日には、総合プロデューサーを務める近畿大学の入学式を体調不良で欠席し、スクリーンを通じて新入生にメッセージを届けた。
かつての歌声は戻ったのか、現在はどのような方法で会話しているのか。そして2026年の体調不良は、過去のがんと関係があるのか。本人の発言、公式発表、医療機関の解説、最新の活動情報をもとに整理する。
【2026年最新】つんくの現在の声はどうなった?元の歌声は復活したのか

最初に知っておきたいのは、つんくの現在の声は、シャ乱Q時代の声帯を使った歌声とは根本的に異なるということだ。
2014年10月、つんくは喉頭がんの再発を受け、声帯を含む喉頭の全摘出手術を受けた。声を生み出す声帯そのものを取り除いたため、手術前と同じ仕組みで声を出すことはできない。
しかし、声を使ったコミュニケーションが完全に不可能になったわけではない。食道に取り込んだ空気を利用し、食道入口部付近を振動させて音を出す食道発声法を習得している。
この発声は、一般的な声帯による発声とは音の響きや音量、話し方が異なる。本人も、日常会話で十分に意思を伝えられる場面がある一方、騒がしい場所では聞き取ってもらえないことがあると説明している。
つまり、「つんくの声は完全に戻った」という理解も、「まったく声が出せなくなった」という理解も正確ではない。元の歌声は戻っていないが、別の仕組みで声を出し、会話する能力を身につけている。
現在の声とシャ乱Q時代の歌声は何が違う?
シャ乱Qのボーカルとして活躍していた時代のつんくは、伸びのある高音や独特のハスキーな響きを特徴としていた。「シングルベッド」「ズルい女」「いいわけ」などの楽曲では、声の表情そのものが作品の魅力を支えていた。
一方、食道発声は声帯を振動させる仕組みではない。食道の粘膜などを振動源として、口や舌を動かしながら言葉を作る方法だ。
そのため、現在の発声を過去の歌声と同じものとして扱うことはできない。音程や声量、音色の自由度にも違いがある。
過去の楽曲を聴いて「今も同じ声で歌えるのでは」と考える人もいるかもしれないが、過去の録音音源と現在の発声能力は分けて考える必要がある。
【2014年の真相】つんくが喉頭がんで声帯全摘出を決断した理由
つんくが喉頭がんを公表したのは2014年3月6日だった。
本人の公式サイトでの発表によると、声帯左側には約7~8年前から違和感があり、ファルセットなどの高音が出しにくい状態が続いていたという。さらに2013年10月ごろから声全体がかすれ、発声しづらくなったことから、2014年2月に全身麻酔による手術と細胞検査を受けた。
その結果、喉頭声帯にがんが発見された。
最初は放射線治療と薬物療法で声帯を残すことを目指した
がんが見つかった当初、つんくは声帯を残しながら治療する方向で治療に取り組んだ。
2014年9月25日の公式発表では、放射線治療と分子標的薬による化学療法を併用し、約2カ月間の集中的な治療を実施したことが説明されている。治療から6カ月後の検査では、医師から「完全寛解」と伝えられた。
ただし、本人は当時、声がまだ本調子ではなく、テレビ出演や歌手活動への復帰には時間がかかると説明していた。
2014年10月、がんの再発が判明して手術へ
状況が変わったのは2014年10月だった。
本人の10月17日付の公式発表によると、治療後も喉の腫れや痛み、息苦しさ、声のかすれが続いていたため、再度、声帯の生検を実施。その後、ニューヨーク滞在中に日本からがんが見つかったとの連絡を受け、予定を切り上げて帰国した。
帰国後すぐに検査、入院、手術へと進んだ。結果として声帯を含む喉頭の摘出が必要になった。
2015年4月4日、母校・近畿大学の入学式で、つんくは自らの声帯を摘出したことを初めて公にした。スクリーンに表示された祝辞では、次の言葉が伝えられた。
「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」
ボーカリストにとって声は仕事道具であると同時に、自分自身を表現するための大切な存在だ。その声を失う選択は、単なる職業上の転換ではない。
しかし、つんくは命を守ることを優先し、音楽家として別の方法で表現を続ける道を選んだ。
【病状と活動の年表】つんくの声に起きた変化を時系列で整理
つんくの病気と現在の発声を理解するには、2014年の治療経過だけでなく、手術後のリハビリテーションや活動の変化も押さえておきたい。
| 時期 | 出来事 | 声・活動への影響 |
|---|---|---|
| 2006~2007年ごろ | 声帯左側に違和感 | ファルセットなどが出しにくくなる |
| 2013年10月ごろ | 声全体のかすれが悪化 | 発声しづらい状態が続く |
| 2014年2月 | 検査で喉頭声帯のがんが判明 | 治療を開始 |
| 2014年3月6日 | 喉頭がんを公式発表 | 治療に専念 |
| 2014年9月25日 | 完全寛解を報告 | 声はまだ本調子ではないと説明 |
| 2014年10月 | がんの再発が判明し手術 | 声帯を含む喉頭を摘出 |
| 2015年4月4日 | 近畿大学入学式で摘出を公表 | 文字による祝辞で新入生にメッセージ |
| 2015年以降 | 銀鈴会で食道発声を学ぶ | 代用音声による会話を習得 |
| 2020年前後の本人インタビュー | 日常生活の発声について説明 | 騒音下での会話やLINEによる文字入力の課題を紹介 |
| 2026年4月4日 | 近畿大学入学式を体調不良で欠席 | スクリーンを通じて祝辞を送る |
| 2026年10月 | 公式サイトで音源配信やコラム更新を発表 | 音楽・プロデュース活動を継続 |
この年表で特に重要なのは、2014年9月の完全寛解発表と、翌10月の再発判明が連続している点だ。
完全寛解という言葉だけを見ると、治療がすべて終わり、問題が解決したように受け取られやすい。しかし、その後の検査で再びがんが確認された。最終的には、声を残すことよりも命を守ることを優先する手術が必要になった。
また、2015年以降の食道発声の習得は、単に声を出すための訓練ではない。家族や仕事仲間と意思疎通を続け、社会生活を送るための重要なリハビリテーションでもあった。
【本人が明かした実態】つんくの食道発声は聞き取りにくい?LINEも使う現在の会話方法
つんくの現在の声について、最も具体的な情報を提供しているのが、喉頭摘出者の支援団体である公益社団法人銀鈴会に掲載された本人インタビューだ。
同会は、喉頭を摘出した人たちの発声訓練や生活支援に取り組んでいる団体である。つんく自身も2015年2月に入会し、食道発声を学んだ経験を語っている。
食道発声を選んだ理由は自分の力で声を出すことへの挑戦
インタビューでつんくは、食道発声以外にもシャント発声や電気式人工喉頭という方法があることを説明したうえで、まずは自力でどこまで発声できるか挑戦したかったと話している。
当時はハワイへの移住も計画しており、シャント発声に必要な定期的な器具のメンテナンスや医療費についても考慮したという。
最初の発声練習では、銀鈴会のレッスンに参加した日に「あ」という音が出たと振り返っている。指導者や経験者から励まされたことも、習得への自信につながった。
食道発声は騒音や雑音の影響を受けやすい
一方で、食道発声を習得すれば、どんな場所でも自由に会話できるわけではない。
本人が具体的に挙げているのは、車のエンジン音、水道の流水音、レストランの食器を洗う音、空調の音などだ。
こうした環境では、食道発声の音が周囲の雑音に紛れ、相手にうまく伝わらないことがあるという。
加えて、声を大きく出そうとすると身体に力が入り、長時間の会話では疲労も大きくなる。本人は、30分ほど話しただけでぐったりすることもあると説明している。
この発言から分かるのは、食道発声が単純に声を取り戻す手段ではなく、発声の負担や周囲の環境まで考えながら使う必要があるコミュニケーション手段だということだ。
重要な連絡にはスマートフォンの文字入力を使用
つんくは、会話の聞き取りにくさを補うために、スマートフォンのテキスト入力も活用している。
銀鈴会のインタビューでは、LINEなどの文字を使うことで、相手に正確に内容を伝えられる場面があると語っている。
特に、レジでの注文や家族との約束など、数字や場所を間違えると困る内容については、文字で伝えることが多いという。
「スマホのテキスト(LINE等)をつかって重要なことは横にいる人でも伝える方が的確」
ここには、現在のつんくのコミュニケーションの特徴がよく表れている。
食道発声で伝えられることは声で伝え、聞き取りにくい環境や正確さが求められる場面では文字に切り替える。声だけに頼らず、複数の手段を組み合わせて意思疎通を成立させているのだ。
なお、本人が明かした具体的な会話上の工夫は銀鈴会のインタビューに基づくものであり、2026年に同じ発声状態がどの程度変化したかについては、最新の本人による詳細な説明は公表されていない。
【医療的な違い】食道発声・電気式人工喉頭・シャント発声を徹底比較
声帯を含む喉頭を全摘出した人が利用する代用音声には、主に食道発声、電気式人工喉頭、シャント発声の3種類がある。
いずれも通常の声帯による発声とは異なるが、音の出し方や習得の難しさ、器具の必要性に違いがある。
食道発声法の仕組み
食道発声は、口から取り込んだ空気を食道に送り込み、それを吐き出す際に食道入口部付近の粘膜を振動させて音を作る方法だ。
発生した音を口や舌、唇などで調整することで言葉にする。一般的には、空気を取り込む動作と吐き出す動作を繰り返しながら発声する。
電気機器を必要としないことが大きな特徴だが、習得には時間がかかる。声の大きさや会話の流暢さにも個人差がある。
3種類の代用音声の違い
国立がん研究センターのがん情報サービスでは、喉頭全摘出後の代用音声について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説している。
- 食道発声:食道に取り込んだ空気で粘膜を振動させる。器具は不要だが、習得には時間がかかる。
- 電気式人工喉頭:電気で振動する機器を首などに当てて音を作る。習得しやすい一方、機械的な音になり、片手がふさがる。
- シャント発声:気管と食道をつなぐ経路を設け、肺からの呼気を利用して発声する。比較的習得しやすいが、器具の管理や交換が必要になる。
どの方法が適しているかは、手術後の状態や生活環境、本人の希望によって異なる。医師や言語聴覚士と相談しながら選択することが基本となる。
つんくが選んだ食道発声も、すべての喉頭摘出者にとって最善というわけではない。本人が挑戦したかったことや当時の生活設計など、複数の事情が重なった選択だった。
【2026年4月最新】つんくが近畿大学入学式を体調不良で欠席した理由
2026年4月4日、つんくは母校・近畿大学の令和8年度入学式を体調不良のため欠席した。
日刊スポーツなどの報道によると、つんくは2014年から近畿大学入学式の総合プロデュースを担当しており、今回で11回目のプロデュースだった。式典には約9000人の新入生が参加していた。
前日の連絡で急きょ欠席、祝辞はスクリーンで公開
デイリースポーツの報道では、近畿大学側に欠席の連絡があったのは前日の4月3日だった。
当日は本人が会場に登場することはなかったものの、スクリーンを通じて新入生にメッセージを届けた。
日刊スポーツが報じた祝辞では、幸せであるために必要なこととして、次のメッセージが紹介された。
「結論! それは『とにかく元気であること』。これだけです」
この年の入学式には、近畿大学OBである霜降り明星のせいや、コロコロチキチキペッパーズのナダルもサプライズゲストとして登場した。
体調不良は喉頭がんの再発を意味するのか
ここで注意したいのが、2026年4月の欠席と2014年の喉頭がんを直接結びつけないことだ。
報道で確認できる欠席理由は「体調不良」であり、当時、近畿大学や本人からがんの再発、喉頭がんの再治療、声の悪化などが発表されたわけではない。
過去に大きな病気を経験している人物だけに、欠席のニュースを見て健康状態を心配する人がいるのは自然なことだ。しかし、体調不良による一度の欠席だけで、がんの再発や深刻な病状を判断することはできない。
また、入学式を欠席したことと、声帯摘出後の発声機能は別の問題である。食道発声ができることと、長距離移動や長時間の式典参加が可能であることも同じではない。
2026年11月現在、公式サイトでは音楽関連のリリースやコラム更新などが続いている。4月の欠席だけを切り取って、活動全体が止まったと捉えるのは適切ではない。
【プロの結論】つんくの現在の声と音楽活動から分かる本当の変化
つんくの現在を理解するうえで、もう一つ重要なのが、声を使うことと音楽を作ることは必ずしも同じではないという点だ。
シャ乱Q時代のつんくは、自ら歌うボーカリストとして音楽を届けていた。しかし、声帯摘出後は、作詞・作曲・プロデュースを中心とする活動へと比重が移っている。
2026年も音楽家・プロデューサーとして活動を継続
つんくの公式プロフィールでは、現在も音楽家、総合エンターテインメントプロデューサーとして紹介されている。
2026年7月2日には、11年ぶりとなる「リズム天国」シリーズの新作「リズム天国 ミラクルスターズ」が発売された。つんくの公式サイトでも、同シリーズのプロデュース実績が紹介されている。
さらに2026年10月29日には、つんくソロ曲とつんくバンド音源のサブスクリプション配信が一斉解禁された。10月にはnoteでのコラム更新も続いている。
これらは、声帯摘出後も過去の音楽的資産や新しいエンターテインメントの企画を通じて、音楽業界で活動を続けていることを示している。
ただし、過去の歌声を収録した音源が配信されることと、本人が現在その声で新たに歌唱できることは別の話だ。
声を失っても音楽を生み出せる理由
つんくのキャリアには、もともとボーカリスト以外の側面もあった。
シャ乱Qの楽曲制作だけでなく、モーニング娘。をはじめとするアーティストのプロデュース、作詞、作曲、音楽ディレクションなど、幅広い仕事を手がけてきた。
1999年の「LOVEマシーン」は、モーニング娘。の代表曲として大きなヒットを記録した。こうした実績からも分かるように、つんくの音楽的な強みは歌唱力だけに限定されない。
歌声を使えなくなった後も、楽曲の構成、メロディー、歌詞、アーティストの魅力を引き出す能力は、別の形で仕事に生かせる。
これは単なる職業転換ではなく、音楽家としての表現手段を広げてきた歩みでもある。
ネットで広がりやすい3つの誤解
つんくの現在の声については、次のような誤解が生じやすい。
- 誤解1:声が完全に元通りになった。
実際には声帯を含む喉頭を摘出している。食道発声による代用音声と、手術前の声帯による発声は異なる。 - 誤解2:声帯を摘出したため一切話せない。
食道発声を習得しており、日常会話にも活用している。必要に応じて文字入力も使う。 - 誤解3:2026年の近大入学式欠席はがん再発の証拠である。
公表された欠席理由は体調不良であり、がん再発を示す発表ではない。
この3点を整理すると、つんくの現在は「声を完全に取り戻した状態」でも「コミュニケーションができない状態」でもないことが分かる。
声帯を使った歌唱という従来の表現方法は失われた。しかし、食道発声、文字入力、音楽制作という複数の手段を組み合わせながら、現在も音楽家として活動を続けている。
【つんくの現在の声】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:つんくの現在の声は元に戻っていますか?
A1:声帯を含む喉頭を摘出しているため、シャ乱Q時代と同じ声帯による発声には戻っていません。現在は食道発声という代用音声を使っています。
Q2:つんくは現在、どのような方法で会話していますか?
A2:食道発声で会話するほか、聞き取りにくい環境や正確な伝達が必要な場合には、スマートフォンのLINEなどを利用した文字入力も活用しています。
Q3:つんくの食道発声は聞き取りにくいのでしょうか?
A3:本人は、車のエンジン音や水道音、レストランの雑音などがある場所では、相手に声が伝わりにくいと説明しています。静かな場所や相手との距離など、環境によって会話のしやすさが変わります。
Q4:2026年4月の近畿大学入学式を欠席したのは、がんが再発したからですか?
A4:報道で伝えられた理由は体調不良です。2026年4月の欠席について、喉頭がんの再発が原因だったという公式発表はありません。
Q5:つんくは現在も音楽活動を続けていますか?
A5:はい。作詞・作曲・プロデュースなどを継続しています。2026年には「リズム天国 ミラクルスターズ」の発売や、ソロ曲・バンド音源のサブスクリプション配信などの動きがありました。
まとめ:つんくの現在の声は食道発声、音楽活動は2026年も継続
2026年11月現在、つんくの声は、2014年の喉頭がんによる声帯全摘出手術以前とは異なるものになっている。シャ乱Q時代の歌声がそのまま復活したわけではないが、食道発声を習得し、日常生活での会話に活用している。
本人が銀鈴会のインタビューで明かしたのは、食道発声には騒音に弱いという課題があり、長時間の会話では疲れること、そして重要な情報はLINEなどの文字入力で伝えることもあるという現実だった。
2026年4月の近畿大学入学式欠席については、体調不良が理由として報じられた。がんの再発を示す発表はなく、その後も公式サイトでは音源配信やコラム更新などの活動が続いている。
つんくの現在を知るうえで大切なのは、元の歌声が戻ったかどうかだけで評価しないことだ。声帯を失った後も、代用音声を習得し、文字によるコミュニケーションを取り入れ、音楽を生み出す仕事を続けている。
かつての歌声は、今もシャ乱Qの楽曲に残っている。そして現在のつんくは、歌うことだけにとどまらない音楽家として、新しい作品やエンターテインメントを世に送り出している。その活動こそが、声帯摘出後も続く彼の音楽人生を物語っている。
主な確認資料
- つんく公式サイト「2014年3月・9月・10月の本人発表」
- 公益社団法人銀鈴会「つんくさんに聞く」本人インタビュー
- 国立がん研究センター「喉頭がん 治療・代用音声のリハビリテーション」
- 日刊スポーツ「2026年4月4日・5日の近畿大学入学式欠席報道」
- つんく公式サイト「2026年10月の最新活動情報」