大相撲の「序二段(じょにだん)」は、番付の下から2番目に位置する階級です。序ノ口から一つ上、三段目から一つ下にあたり、関取を目指す力士たちが日々しのぎを削っています。通常1場所に7番の相撲を取り、4勝3敗以上なら勝ち越し、3勝4敗以下なら負け越しとなります。ただし、勝ち越せば必ず三段目に昇進できるわけではありません。番付の位置やほかの力士の成績によって、翌場所の昇降は変わります。
2026年11月場所の番付では、序二段に200人の力士が名を連ねています。東序二段筆頭の山根、西序二段筆頭の夏野登岩など、次の階級を目指す力士にも注目が集まります。加えて、2027年1月場所からは力士の手当や優勝賞金の改定も予定されています。番付の仕組み、昇進の目安、給料、十両との待遇差まで、最新の相撲界の動きを交えて解説します。
【序二段とは】大相撲の番付でどの位置にある?階級一覧を解説

序二段とは、日本相撲協会が定める大相撲の番付における階級の一つです。読み方は「じょにだん」。横綱や大関のような上位力士とは異なり、関取を目指して経験を積む力士養成員に属します。
番付は大きく6つの階級に分かれています。序二段はそのうち上から5番目に位置し、序ノ口より上、三段目より下です。
大相撲の番付・階級一覧
大相撲の階級を上位から順番に並べると、次のようになります。
- 幕内:横綱・大関・関脇・小結・前頭が所属する最上位の階級。
- 十両:関取として認められる最下位の階級。
- 幕下:十両昇進を目前に控える力士も多い階級。
- 三段目:幕下への昇進を目指す力士が競う階級。
- 序二段:序ノ口から昇進した力士などが所属する下から2番目の階級。
- 序ノ口:新弟子が本格的な番付生活を始める最下位の階級。
なお、新弟子検査に合格した直後の力士などが参加する「前相撲」は、通常の番付上の6階級とは別の扱いです。
序二段と序ノ口の違い
序二段と序ノ口の最大の違いは、番付上の位置と昇進段階です。
序ノ口は新弟子が最初に経験することの多い階級で、そこから成績を積み重ねて序二段に上がります。一方、序二段には入門から間もない若手だけでなく、三段目や幕下を経験したベテランも在籍しています。
そのため、序二段を単純に初心者の集まりと考えるのは正確ではありません。過去の実績や経験が豊富な力士と、将来を期待される若手が同じ土俵で対戦することもあります。
序二段と三段目の比較
三段目は序二段より一つ上の階級です。両者とも関取ではなく、基本的な取組数は7番ですが、場所手当や昇進後の待遇には違いがあります。
2026年11月場所の番付と各階級の基本的な仕組みを整理すると、次のとおりです。
| 階級 | 序列 | 人数 | 通常の取組数 | 2026年の場所手当 |
|---|---|---|---|---|
| 幕内 | 1番目 | 42人 | 15番 | 月給制 |
| 十両 | 2番目 | 28人 | 15番 | 月給110万円 |
| 幕下 | 3番目 | 120人 | 7番 | 16万5,000円 |
| 三段目 | 4番目 | 160人 | 7番 | 11万円 |
| 序二段 | 5番目 | 200人 | 7番 | 8万8,000円 |
| 序ノ口 | 6番目 | 43人 | 7番 | 7万7,000円 |
※人数は2026年11月場所の番付における実際の掲載人数です。序二段と序ノ口には固定の定員がありません。場所手当は2026年11月場所までの金額です。
特に注目したいのは、序二段の人数です。三段目の160人を上回る200人が在籍しており、2026年11月場所では各階級の中でも大きな人数を抱えています。
三段目に昇進すると場所手当も1場所11万円に上がります。序二段との差は2万2,000円です。番付の一段上昇は、競技上の評価だけでなく、経済的な待遇にもつながっています。
【2026年11月場所の最新情報】序二段の人数と現在の力士
2026年11月2日時点で最新の番付は、令和8年11月場所のものです。九州場所は11月8日に初日を迎え、11月22日に千秋楽を迎える予定です。
日本相撲協会の番付情報を基にした2026年11月場所の序二段には、東西合わせて200人が掲載されています。東西それぞれ100枚目まであり、筆頭から下位まで幅広い顔ぶれがそろっています。
2026年11月場所の注目力士
今場所の序二段筆頭には、東に山根、西に夏野登岩が配置されました。
山根は鳴戸部屋所属の力士です。2026年9月場所では東序二段71枚目で6勝1敗を記録し、11月場所では東序二段筆頭まで大きく番付を上げました。6勝1敗という好成績が、約70枚の上昇につながった例です。
夏野登岩は湊部屋所属で、前場所の西序二段21枚目から西序二段筆頭に上がりました。2026年9月場所の成績は4勝3敗です。勝ち越しによって番付を上げた具体例として注目できます。
この2人を比較すると、同じ序二段筆頭でも前場所の成績や番付上の位置によって昇進幅が異なることが分かります。
序二段には若手だけでなくベテランもいる
序二段の特徴は、力士の年齢やキャリアが幅広いことです。
例えば、2026年11月場所の東序二段60枚目には高砂部屋の朝乃丈段平がいます。40歳の力士で、最高位は幕下56枚目です。現在の番付だけを見ると下位に位置していますが、過去には幕下まで昇進した経験があります。
また、玉ノ井部屋の東山は東序二段70枚目に位置しています。過去の番付履歴を見ると、序ノ口から序二段へ昇進した経験を持つ力士です。
こうした例からも、序二段には単に出世途中の若手だけではなく、長い現役生活の中で番付を上下する力士がいることが分かります。
序二段の力士を観戦する際は、現在の番付だけでなく、過去の最高位や直近数場所の成績を合わせて見ると、それぞれの力士が歩んできた道のりが見えてきます。
【序二段の昇進条件】7番相撲で何勝すれば番付が上がる?
序二段の昇進を理解するうえで欠かせないのが、幕下以下の取組制度です。
幕内と十両の力士は15日間で15番の相撲を取ります。一方、幕下・三段目・序二段・序ノ口の力士は、通常15日間の本場所で7番の取組を行います。
日本相撲協会の公式解説によると、幕下以下は基本的に2日に1番のペースで相撲を取り、13日目以降は千秋楽までの3日間で1番を取る仕組みです。
勝ち越しと負け越しの基準
7番制では、4勝以上すれば勝ち越し、3勝以下なら負け越しです。
- 7勝0敗:全勝。大幅な番付上昇が期待できる。
- 6勝1敗:大きく勝ち越し。上位への昇進が有力になる。
- 5勝2敗:3つの勝ち越し。番付上昇につながりやすい。
- 4勝3敗:1つの勝ち越し。翌場所の番付上昇が期待できる。
- 3勝4敗:1つの負け越し。番付が下がる可能性がある。
- 2勝5敗:3つの負け越し。番付下降の幅が大きくなりやすい。
- 1勝6敗:大きな負け越し。下位への転落が考えられる。
- 0勝7敗:全敗。翌場所の番付に大きく影響する。
ただし、勝ち越しと昇進は同じ意味ではありません。4勝3敗でも必ず三段目へ上がれるわけではなく、序二段の中で番付が上がるケースもあります。
三段目への昇進は何勝が目安?
序二段から三段目への昇進には、現在の番付と勝ち星の組み合わせが影響します。
大相撲の過去の番付データを集計した観戦ガイドの分析では、2016年9月場所から2026年7月場所までの記録において、序二段での勝ち星と翌場所の番付上昇幅の中央値は次のようになっています。
- 4勝3敗:約26.5枚上昇
- 5勝2敗:約38.5枚上昇
- 6勝1敗:約66.5枚上昇
- 7勝0敗:三段目への昇進
これは過去の番付編成を分析した目安であり、日本相撲協会が定める固定的な昇進規定ではありません。
例えば、序二段上位で4勝3敗なら三段目昇進の可能性がありますが、下位で同じ成績の場合は序二段内での昇進にとどまることもあります。
逆に、7戦全勝は非常に強い昇進材料です。現在の番付が下位であっても、全勝すれば翌場所の三段目昇進が有力になります。
序二段から幕下への昇進は可能?
序二段から幕下を目指すことは可能ですが、通常は一段ずつ昇進していくことになります。
基本的な道筋は、序二段から三段目へ、三段目から幕下へという順番です。
三段目で7勝0敗などの好成績を残せば、翌場所に幕下へ昇進する可能性が高まります。さらに幕下上位まで番付を上げ、好成績を続ければ、十両昇進が現実的な目標になります。
つまり、序二段は関取への道のりにおける重要な通過点です。7番の取組で安定して白星を重ねることが、上位階級への第一歩になります。
序二段の優勝決定戦とは?
序二段にも各段の優勝制度があります。
通常7番の取組を行い、7勝0敗の全勝力士が優勝候補になります。ただし、同じ段に複数の全勝力士がいる場合は、千秋楽に優勝決定戦を行って優勝者を決めます。
日本相撲協会も、幕下以下の力士について、全勝者が複数いる場合には千秋楽に優勝決定戦を行うと説明しています。
取組数が7番しかないため、1敗するだけで優勝争いから後退する可能性があります。序二段の優勝争いは、短期決戦ならではの緊張感があります。
【序二段の給料と待遇】十両に上がると何が変わる?
序二段の力士と十両力士の間には、番付以上に大きな待遇差があります。その最大の境界線が「関取」と呼ばれる資格です。
十両以上の力士は関取として扱われ、毎月の給与が支給されます。一方、序二段を含む幕下以下は「力士養成員」に分類され、関取と同じ月給はありません。
2026年の序二段の場所手当
2026年11月場所までの序二段の場所手当は、1場所につき8万8,000円です。
本場所は年間6回開催されるため、1年間同じ序二段に在籍した場合、場所手当の合計は52万8,000円になります。
このほか、勝ち星に応じた勝星金や勝ち越し金などの奨励金が支給されます。2026年11月場所までの序二段の基準は、勝星金が1勝につき2,500円、勝ち越し金が勝ち越し点1点につき5,500円です。
ただし、これらは月給とは異なります。力士の収入は番付や成績によって変わり、場所手当だけで生活費のすべてをまかなう仕組みではありません。
2027年1月から場所手当が増額
2026年7月30日、日本相撲協会は理事会で力士の給与・手当や優勝賞金などの改定を発表しました。適用は2027年1月場所からです。
序二段の待遇に関係する主な変更は次のとおりです。
- 場所手当:8万8,000円から9万5,000円へ増額。
- 勝星金:1勝につき2,500円から3,000円へ増額。
- 勝ち越し金:1点につき5,500円から7,500円へ増額。
- 序二段優勝賞金:20万円から30万円へ増額。
場所手当だけを年間6場所分で計算すると、従来の52万8,000円から57万円になります。
今回の改定は序二段だけではありません。幕下、三段目、序ノ口の場所手当や関取の給与も引き上げられ、力士全体の待遇改善が図られています。
十両と序二段の待遇の違い
十両に昇進すると、力士の生活環境は大きく変わります。
2026年12月までの十両の月給は110万円です。序二段には月給がないため、金銭面だけでも大きな差があります。
加えて、関取になると個室や付け人が与えられ、身の回りの仕事を自分で行う必要も少なくなります。大銀杏や化粧まわしなど、土俵上の装いや身だしなみに関する待遇も変わります。
2027年1月場所からは十両の月給が120万円に増額される予定です。
十両昇進が力士にとって大きな目標となる理由は、競技上の評価だけではありません。収入、生活環境、相撲界での立場が大きく変わるためです。
【序二段の由来と歴史】なぜ「四段目」ではなく序二段なのか
序二段という名称には、大相撲の番付表の歴史が関係しています。
日本相撲協会の2025年2月の公式解説によると、江戸相撲では宝暦7年(1757年)に縦一枚番付が登場しました。当時は現在のように厳密な階級制度が完成していたわけではありません。
宝暦10年(1760年)には、番付表が現在につながる5段構成に整理されました。その後、番付表に記載される段によって階級が区分されるようになります。
序二段はもともと四段目だった
現在の序二段に相当する位置は、古くは「四段目」と呼ばれていました。
しかし、日本では古来「四」という数字が「死」を連想させるとして、縁起を気にする文化がありました。
そこで、序ノ口の二段目という意味合いを持たせた「序二段」という名称が使われるようになったと、日本相撲協会の公式解説は紹介しています。
現在の序二段という名称は、単なる数字の順番ではなく、番付表の歴史や当時の文化的背景を反映したものなのです。
三段目だけは名称が残った
現在の番付の中で、三段目は古い呼称がそのまま残った階級です。
一方、上位の名称は幕内や幕下、十両などに変化しました。序ノ口も、出世の入り口を意味する「上ノ口」に由来し、明治時代に現在の表記が定着したとされています。
こうした変遷を知ると、序二段は単に下位の階級というだけではなく、江戸時代から続く大相撲の番付文化を受け継ぐ存在でもあることが分かります。
【序二段に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:序二段は大相撲で何番目の階級ですか?
A1:上から5番目、下から2番目です。序ノ口の一つ上、三段目の一つ下に位置しています。
Q2:序二段は何勝すれば三段目に昇進できますか?
A2:通常7番の取組で4勝3敗以上が勝ち越しですが、4勝すれば必ず三段目に上がれるわけではありません。現在の番付やほかの力士の成績によって昇進幅が決まります。7戦全勝は三段目昇進につながる非常に強い成績です。
Q3:序二段の力士には月給がありますか?
A3:ありません。2026年11月場所までの場所手当は1場所8万8,000円です。2027年1月場所からは9万5,000円に増額される予定です。
Q4:序二段の力士は1場所に何回相撲を取りますか?
A4:基本的に7番です。幕内・十両の15番とは異なり、幕下以下の力士は原則として2日に1番のペースで取組を行います。
Q5:序二段に定員はありますか?
A5:固定の定員はありません。新弟子の人数や各階級の番付編成によって人数が変わります。2026年11月場所では200人が在籍しています。
Q6:序二段から幕下に直接昇進できますか?
A6:通常は序二段から三段目へ昇進し、その後に幕下を目指す流れです。三段目で好成績を残すことが次の大きな目標になります。
まとめ:序二段は関取への道を切り開く重要な階級
序二段は大相撲の番付で下から2番目に位置する階級ですが、そこには若手からベテランまで、多様な経歴を持つ力士が集まっています。
通常7番の取組で4勝3敗以上が勝ち越しとなり、5勝2敗や6勝1敗、7戦全勝といった好成績を残せば、三段目への昇進が近づきます。ただし、昇進は勝ち星だけで決まるわけではなく、番付上の位置や全体の編成状況も関係します。
2026年11月場所では200人が序二段に在籍し、山根や夏野登岩など、上位への昇進を狙う力士が注目されています。また、2027年1月からは場所手当や勝星金、優勝賞金の増額も予定されています。
序二段を見るときに注目したいのは、単純な勝敗だけではありません。前場所から何枚番付を上げたのか、過去にどの階級まで昇進したのか、全勝優勝を狙える位置にいるのかといった点も観戦の楽しみになります。
十両昇進という大きな目標に向かい、一番一番の相撲を積み重ねる序二段の力士たち。上位番付の華やかな取組だけでなく、その下で続く厳しい競争にも目を向けることで、大相撲の奥深さをより感じられるはずです。
主な参照資料
- 日本相撲協会:2026年11月場所の番付・番付トピックス・開催日程。
- 日本相撲協会:幕下以下の7番制と優勝決定戦の公式解説。
- 日本相撲協会:序二段の名称と番付の歴史に関する公式解説。
- 2026年11月場所の序二段番付・成績分析。
- デイリースポーツ・日刊スポーツ:2027年1月からの給与、手当、優勝賞金改定の報道。
- 週刊女性PRIME:関取と幕下以下の待遇差に関する解説。