小林珠維選手の経歴で特に注目したいのが、投手と野手の両方に挑戦した時期を経て、最終的に投手一本の道を選んだことです。
高校時代は投手として最速150キロを投げる一方、打者としても高校通算30本塁打を記録。まさに投打両面で能力を発揮する選手でした。
しかし、2019年のドラフトでソフトバンクが評価したのは野手としての将来性でした。
2022年オフが人生の転換点
2022年10月、小林選手はソフトバンクから戦力外通告を受けました。ただし、球団から育成契約を打診されたことで、現役を続けながら新しい可能性を追求する機会を得ます。
当初は野手としての育成に加え、投手としての再挑戦も視野に入れていました。
同年11月の契約更改では、投手と内野手の二刀流に挑戦する意向を示しています。投手の練習を中心にしながら、野手としての練習も継続する方針でした。
その後、2023年から投手への転向を本格化させます。
この選択は、単純にポジションを変更したという話ではありません。
高校時代から持っていた投手としての能力を、プロの世界でもう一度磨き直す決断でした。
2024年の戦力外通告とオイシックスへの移籍
2024年シーズン終了後、小林選手はソフトバンクから再び戦力外通告を受けました。
プロ入りから5年間、1軍公式戦への出場はありませんでしたが、投手としての現役続行を希望していました。
その後、2024年12月10日、オイシックス新潟アルビレックスBCが獲得を発表します。
小林選手は入団時に、チームの勝利とNPB復帰を目指す考えを表明しました。
新天地で背番号31を背負い、投手一本で勝負することになります。
オイシックス時代の成績は?
日本野球機構(NPB)が公表した2025年のイースタン・リーグ個人成績によると、小林選手の投手成績は次の通りです。
- 登板:26試合
- 勝利:1勝
- 敗戦:9敗
- 投球回:82回2/3
- 被安打:78
- 奪三振:58
- 防御率:4.35
この数字からは、投手として一定の登板機会を得て、年間を通して実戦経験を積んだことが分かります。
一方、勝敗や防御率を見ると、NPB復帰を実現するにはさらなる成長が求められる段階でした。
その1年後、韓国で9勝を挙げるまでに成長したことを考えると、オイシックスで投手として実戦を積んだ経験も、キャリアを考えるうえで重要な意味を持っています。
【韓国初勝利の舞台裏】本人のnoteから分かる2026年シーズン

小林選手の韓国での初勝利については、本人が運営するnote「小林 珠維/Jui Kobayashi」に詳しい記録があります。
2026年3月31日付の投稿「初勝利と韓国生活1ヶ月の今」では、韓国で本格的に生活を始めて約1か月が経過し、シーズン開幕後に2登板を終えたことを報告しました。
本人の発信からは、成績だけでは分からない韓国での生活や、現地の野球文化への適応過程も読み取れます。
初勝利を挙げて感じた韓国野球の文化
韓国野球について、小林選手が印象的な出来事として紹介したのが、勝利投手がチームメイトにピザやチキンを振る舞う文化です。
初勝利を挙げた後、チームのミーティングでチームメイトから「ピザ」「チキン」と声を掛けられ、最初はその意味が分からなかったと振り返っています。
元広島カープの岡田明丈投手が先に勝利した際には、岡田選手がピザを振る舞っていたとのことです。
小林選手も次は自分がチキンを用意する番だと、韓国ならではの習慣を楽しそうに紹介していました。
こうしたエピソードは、異国のチームに所属する選手が、野球だけでなく生活面でも新しい環境に溶け込んでいく様子を伝えています。
初勝利は決して納得のいく内容ではなかった
2026年10月15日の振り返り記事では、シーズン中に経験した重要な試合について、さらに詳しく説明しています。
本人が分岐点として挙げたのは、NCダイノスとの試合でした。
この登板では5イニングを投げ、被安打8、与四球2、失点6、自責点4という内容でした。
投球内容だけを見れば、決して満足できる登板ではありません。
それでも、味方の援護によって勝利投手となり、この試合がその後の7連勝につながる最初の1勝になったと本人は振り返っています。
試合後には、守備や打線で助けてくれた野手、後を継いだリリーフ投手に対して感謝と謝罪のメッセージを送ったそうです。
返ってきたのは、失敗を責める言葉ではなく、チームの一員として信頼しているという励ましでした。
本人はこの経験を通じて、投球中に気づいたことをその場で野球ノートに記録する習慣を強めたと説明しています。
相手打者の特徴や狙い球、自分の投球がうまくいった理由、打たれた原因などを記録し、次の登板に生かす取り組みです。
韓国での初勝利は、単に勝敗欄に1が付いたという出来事ではありませんでした。
投手としての課題を見つめ直し、チームとの信頼関係を深めるきっかけにもなったのです。
韓国特有のABSへの対応も課題だった
韓国野球への適応では、試合環境の違いもありました。
小林選手は本人のnoteで、相手打者のデータが少ない状態で対戦する難しさや、試合中に感じたことを記録して次の対戦に生かす必要性について触れています。
また、ABS(自動ボール・ストライク判定システム)やピッチクロックについても、試合中の判断材料として意識していたことを明かしています。
日本とは異なる判定環境や野球文化に適応することも、韓国で結果を出すための課題でした。
【2026年シーズン成績】23試合9勝5敗、防御率2.94の躍進
2026年シーズンの小林選手は、蔚山ホエールズの先発陣を支える投手として活躍しました。
2026年11月1日付の韓国メディア「マネートゥデイ」の報道によると、シーズン成績は次の通りです。
| 項目 | 2026年成績 |
|---|---|
| 所属 | 蔚山ホエールズ |
| 登板 | 23試合 |
| 勝利 | 9勝 |
| 敗戦 | 5敗 |
| 防御率 | 2.94 |
| チーム内勝利数 | 1位 |
| リーグ勝利数順位 | 2位 |
特に注目したいのは、9勝という数字です。
2025年にオイシックスで記録した1勝から大きく伸ばし、韓国で迎えた最初のシーズンにチーム最多勝を達成しました。
防御率も2.94と3点を下回っています。
登板数や勝敗だけでなく、先発投手として試合を作る役割を果たしたことが、シーズンを通じた評価につながっています。
蔚山ホエールズの南部リーグ優勝にも貢献
小林選手個人の活躍だけでなく、チーム全体の成績も見逃せません。
2026年7月8日付の韓国・国際新聞の報道によると、蔚山ホエールズは前半戦を南部リーグ1位で終えました。
7月6日のKIAタイガース戦では6対4で逆転勝利を収め、チームは40勝に到達しています。
同報道では、蔚山の投手陣を支えた選手として、小林選手と長大聖投手の名前が挙げられています。
加えて、蔚山はシーズン終了後の優勝決定戦にも進出しました。
10月30日付のTHE ANSWERの報道によれば、南部リーグを制した蔚山は準決勝にも勝利し、決勝で尚武と対戦。3対7で敗れ、最終的には準優勝となりました。
創設初年度のチームが南部リーグ優勝と優勝決定戦準優勝を成し遂げた背景には、日本人投手を含めた投手陣の働きがありました。
2026年の小林珠維をどう評価するべきか
小林選手の2026年の成績を評価する際には、次の3点が重要です。
1.投手としての役割を確立したこと
ソフトバンク時代には野手としてプロ入りし、投手への転向を経験しました。韓国では先発投手としてチームを引っ張る役割を期待され、実際に9勝を挙げています。
2.異なる野球環境に適応したこと
韓国語、生活習慣、応援文化、ABSなど、国内とは違う環境に順応する必要がありました。本人の発信からは、こうした違いを学びながら成長していく過程が伝わります。
3.チーム成績にも貢献したこと
蔚山の南部リーグ優勝を支え、個人でもチーム最多勝を記録しました。個人の数字とチームの結果が両立したシーズンだったと評価できます。
【プロの結論】小林珠維のキャリアは投手転向後に新しい段階へ
小林珠維選手のこれまでの経歴を振り返ると、2019年のドラフト指名から2026年の韓国での活躍まで、決して一直線ではない野球人生を歩んできたことが分かります。
高校時代は投打両面で評価され、プロ入り後は野手として育成されました。
その後、育成契約を機に投手への再挑戦を選び、ソフトバンクを退団した後も投手としての可能性を追い続けました。
2025年のオイシックスでの1勝9敗、防御率4.35という成績から、2026年には韓国で9勝5敗、防御率2.94へと数字を伸ばしています。
この変化は、投手転向という決断が実戦経験を通じて成果につながってきたことを示しています。
NPB復帰の可能性はある?
2026年に9勝を挙げたことは、今後のキャリアを考えるうえで大きな実績です。
特に、NPBでの経験がある選手が海外のファームリーグで結果を残したことは、投手としての評価を見直す材料になります。
ただし、KBOフューチャースリーグでの成績が、そのままNPB1軍での活躍を保証するわけではありません。
今後の評価では、次のような要素が重要になります。
- 防御率や勝敗を継続して維持できるか
- 先発投手として安定した投球回を確保できるか
- 奪三振や与四球など、投球内容が改善しているか
- NPBの打者に対しても通用する投球を示せるか
- 韓国での経験を次の契約や所属先で生かせるか
2026年は結果を残したシーズンですが、今後どのリーグでプレーするか、NPB復帰を目指すのかについては、本人や球団からの新たな発表が注目されます。
【小林珠維の現在・経歴・成績】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:小林珠維の読み方は?
A1:こばやし・じゅいです。2001年5月7日生まれ、北海道出身の右投右打の野球選手です。
Q2:小林珠維は2026年現在どこの球団に所属していますか?
A2:韓国の蔚山ホエールズです。2026年2月にオイシックス新潟を退団し、KBOフューチャースリーグに参加する同球団へ移籍しました。
Q3:小林珠維の2026年の成績は?
A3:韓国メディアの2026年11月1日付報道では、23試合に登板して9勝5敗、防御率2.94です。チーム最多勝を記録しました。
Q4:小林珠維はもともと投手だったのですか?
A4:はい。東海大札幌高校時代は最速150キロの投手としてプレーし、打撃力も評価されていました。2019年のドラフトではソフトバンクから内野手として指名され、プロ入り後に投手への再転向を進めました。
Q5:小林珠維は大谷翔平のような二刀流選手ですか?
A5:高校時代は投手と野手の両方で能力を発揮し、ソフトバンク時代にも二刀流に挑戦しました。ただし、その後は投手一本に専念しており、2026年の蔚山ホエールズでも投手として登録されています。
Q6:小林珠維は韓国で初勝利を挙げましたか?
A6:はい。本人が2026年3月31日付のnoteで初勝利を報告しています。同年10月の振り返り投稿では、NCダイノスとの試合がその後の7連勝につながる最初の勝利だったと説明しています。
まとめ:小林珠維の2026年は野手から投手への挑戦が実を結んだ1年
小林珠維選手は、東海大札幌高校から2019年ドラフト4位でソフトバンクに入団し、野手としてプロ生活を始めました。
その後、育成契約や戦力外通告という転機を経験しながら、投手への転向を決断。2025年にはオイシックス新潟で投手一本の道を歩み、2026年には韓国の蔚山ホエールズへ移籍しました。
韓国で迎えた初年度は、23試合で9勝5敗、防御率2.94。チーム最多勝を記録し、蔚山の南部リーグ優勝にも貢献しました。
特に印象的なのは、本人がnoteで発信している野球への向き合い方です。失敗した登板を振り返り、チームメイトの支えを受けながら改善点を探し、次の試合につなげていく姿勢が伝わります。
小林珠維選手の2026年は、単なる海外移籍の成功にとどまりません。高校時代に持っていた投手としての能力を、プロの舞台で改めて開花させるための重要な1年になりました。
今後の注目点は、韓国で築いた実績を次のキャリアへどうつなげるかです。NPB復帰を含め、投手としてどのような道を選ぶのか。25歳の右腕がこれから見せる成長に期待が集まります。
主な情報源
- オイシックス新潟アルビレックスBCの公式移籍発表・選手プロフィール
- 福岡ソフトバンクホークスの公式選手情報
- 日本野球機構(NPB)の2025年度公式投手成績
- 小林珠維本人のnote(2026年2月・3月・10月の投稿)
- 国際新聞(2026年7月8日)
- THE ANSWER(2026年10月30日)
- 韓国・マネートゥデイ(2026年11月1日)