まず押さえておきたいのは、2026年11月1日現在、九州場所の幕内優勝者はまだ決まっていないという点だ。11月8日の初日を前に、日本相撲協会の公式情報でも優勝力士は決定後に発表する扱いとなっている。
開幕前の勢力図を判断するうえでは、直近の9月場所だけでなく、2026年の年間成績と過去の九州場所での実績を合わせて見る必要がある。
現段階での優勝予想は次のとおりだ。
本命:大の里
2026年9月場所・12勝3敗で幕内優勝。横綱としての実績と直近の優勝を評価。
対抗:安青錦
2026年1月・7月場所で優勝。2025年九州場所の優勝経験も強み。
単穴:霧島
2026年3月場所の優勝者。年間を通じて高い勝率を残している。
注目:豊昇龍
実力は優勝候補級。ただし、直近の休場状況から出場後の調子が焦点。
穴候補:琴櫻・藤ノ川
琴櫻は九州場所の優勝経験者。藤ノ川は9月場所11勝4敗の好成績で勢いがある。
この予想で大の里を本命にする理由は、直近の幕内優勝という明確な結果があるためだ。9月場所では千秋楽の安青錦との直接対決を制し、12勝3敗で6度目の幕内優勝を達成した。
一方、安青錦は2025年11月場所と2026年1月場所、7月場所を制しており、九州場所との相性も含めて警戒すべき存在だ。
ただし、九州場所は15日間の長丁場。初日からの連勝だけでなく、終盤の横綱・大関戦でどれだけ勝ち星を積み上げられるかが最終的な優勝を左右する。
【令和8年十一月場所の最新番付と注目力士】

日本相撲協会が2026年10月26日に発表した十一月場所の番付では、大の里と豊昇龍が横綱として東西に並んだ。
大関には安青錦、琴櫻、霧島の3人が名を連ねる。関脇は藤ノ川と熱海富士、小結は美ノ海と義ノ富士という顔ぶれだ。
2026年11月場所の開催日程
11月8日〜22日
令和8年十一月場所
福岡国際センター(福岡市)
15日間開催・11月22日千秋楽
番付発表:10月26日
日本相撲協会およびチケット大相撲の開催情報に基づく
幕内上位の番付
| 番付 | 東 | 西 |
|---|---|---|
| 横綱 | 大の里 | 豊昇龍 |
| 大関 | 安青錦 | 琴櫻 |
| 大関 | 霧島 | ― |
| 関脇 | 藤ノ川 | 熱海富士 |
| 小結 | 美ノ海 | 義ノ富士 |
| 前頭筆頭 | 朝乃山 | 藤凌駕 |
| 前頭2枚目 | 宇良 | 藤青雲 |
| 前頭3枚目 | 高安 | 伯乃富士 |
| 前頭4枚目 | 尊富士 | 大栄翔 |
番付で見逃せない2つのニュース
今回の番付で注目したいのが、美ノ海と玉鷲だ。
美ノ海は小結に昇進。日刊スポーツによると、沖縄県出身力士として初めて三役に入った。9月場所では10勝5敗を記録しており、新三役としてどこまで上位陣に食い込めるかが見どころとなる。
もう一人は玉鷲だ。41歳11カ月で幕内に再入幕し、最年長再入幕の記録を更新した。優勝候補の中心ではないものの、経験豊富なベテランが若手・中堅力士とどう渡り合うかも興味深い。
なお、番付は場所前の地位を示すもので、実際の出場や休場、15日間の成績を保証するものではない。特に休場明けの力士については、初日の出場状況と序盤の相撲内容を確認したい。
【大の里・安青錦・豊昇龍・霧島・琴櫻を徹底比較】
今回の優勝争いを読むうえで欠かせないのが、上位力士の2026年の成績だ。
単純に過去の優勝回数だけを比較するのではなく、直近の勝敗、休場の有無、九州場所での実績を組み合わせると、それぞれの強みと課題が見えてくる。
1.大の里:直近優勝の勢いを持つ横綱
二所ノ関部屋・東横綱
2026年9月場所:12勝3敗・優勝
大の里の最大の強みは、直近の優勝実績と攻めの力強さにある。
2026年は1月場所で10勝5敗、3月場所と5月場所では休場を経験したものの、7月場所では9勝6敗、9月場所では12勝3敗で優勝した。
9月場所では千秋楽に安青錦を破り、幕内優勝6回目を達成。日本相撲協会の公式プロフィールにも、この成績が記録されている。
注目したいのは、立ち合いから相手に圧力をかける相撲だ。大の里が自分の形を作り、前に出る展開になれば、対戦相手は受け身になりやすい。
一方で、2026年には休場した場所もある。15日間を通じて安定した相撲を続けられるかが、連続優勝への条件になる。
2.安青錦:九州場所との相性が光る対抗馬
安治川部屋・東大関
2026年9月場所:11勝4敗
安青錦は、2025年九州場所で初優勝を果たした力士だ。
2025年11月場所では新関脇として12勝3敗を記録。千秋楽の本割で琴櫻を破り、豊昇龍との優勝決定戦にも勝利した。ウクライナ出身力士として初の幕内優勝だった。
その後も2026年1月場所で12勝3敗の優勝を達成。3月場所は7勝8敗、5月場所は全休だったが、7月場所で再び12勝3敗の優勝を飾った。
9月場所も11勝4敗と好成績を残している。
安青錦の特徴は、右四つからの攻めと、相手の動きを利用した巧みな取り口だ。力任せに押し切るだけではなく、相手の体勢を崩して勝機を作れる。
九州場所では前年の優勝経験があるだけに、連覇への期待も大きい。
3.豊昇龍:休場明けの巻き返しが焦点
立浪部屋・西横綱
2026年9月場所:全休
豊昇龍は、投げ技や素早い動きを生かした相撲が持ち味の横綱だ。
2026年3月場所は11勝4敗だったが、5月場所は0勝2敗13休、7月場所は7勝7敗1休、9月場所は全休となった。
日本相撲協会の公式プロフィールからも、ここ数場所の成績には波があることが分かる。
実力だけを見れば、優勝争いの中心に加わっても不思議ではない。
ただし、今回の焦点は15日間を通じた安定性だ。序盤で白星を重ねられるか、上位力士との対戦で本来の動きを取り戻せるかに注目したい。
4.霧島:2026年の実績では見逃せない存在
音羽山部屋・大関
2026年3月場所:12勝3敗・優勝
霧島は2026年3月場所で幕内優勝を果たした実力者だ。
同場所では12勝3敗を記録し、殊勲賞も獲得。その後、5月場所と7月場所でも12勝3敗を残した。
9月場所は8勝7敗だったが、年間を通じた実績を考えると、優勝争いから外すことはできない。
左四つからの攻めや投げ技を持ち味とし、相手に応じて取り口を変えられる点も強みだ。
大の里や安青錦が序盤で取りこぼすようなら、霧島が一気に優勝争いの中心に浮上する可能性がある。
5.琴櫻:九州場所の優勝経験を持つ大関
佐渡ヶ嶽部屋・西大関
2026年9月場所:9勝6敗
琴櫻は2024年11月場所で14勝1敗を記録し、幕内優勝を果たしている。
九州場所で優勝した経験を持つため、会場や場所の雰囲気も含めて注目したい力士だ。
ただし、2026年7月場所は8勝7敗、9月場所は9勝6敗と、直近の成績は優勝争いの最前線にいる力士と比べると控えめだ。
立ち合いから主導権を握り、序盤で白星を積み上げられるかが鍵になる。
【有力力士の成績・関係性を一覧表で整理】
ここまでの情報を比較すると、2026年九州場所の優勝争いは、大の里と安青錦を中心に、複数の実力者が追う構図になる。
| 力士 | 2026年11月番付 | 2026年9月成績 | 優勝争いでの位置付け |
|---|---|---|---|
| 大の里 | 横綱・東 | 12勝3敗・優勝 | 直近優勝の本命 |
| 豊昇龍 | 横綱・西 | 0勝0敗15休 | 復調すれば対抗 |
| 安青錦 | 大関・東 | 11勝4敗 | 前年優勝者・対抗 |
| 琴櫻 | 大関・西 | 9勝6敗 | 九州場所優勝経験者 |
| 霧島 | 大関 | 8勝7敗 | 2026年3月優勝者 |
| 藤ノ川 | 関脇・西 | 11勝4敗 | 上位進出の注目株 |
| 熱海富士 | 関脇・東 | 8勝7敗 | 上位陣への挑戦者 |
| 美ノ海 | 小結・東 | 10勝5敗 | 新三役として注目 |
この表から読み取れる要点は3つある。
第一に、大の里と安青錦は直近の優勝実績で一歩リードしている。 どちらも2026年に複数回の優勝を経験しており、15日間の戦い方を知っている。
第二に、豊昇龍の成績が優勝争いの構図を変える可能性がある。 横綱としての実力は十分だが、直近の休場を踏まえると、初日からの状態確認が欠かせない。
第三に、藤ノ川と美ノ海のような新しい上位勢力も見逃せない。 優勝候補として名前が挙がる横綱・大関だけでなく、上位戦で星を伸ばす力士が出てくれば、優勝争いは大きく動く。
特に藤ノ川は9月場所で11勝4敗を記録し、11月場所では関脇に昇進した。上位陣との直接対決が今場所の見どころになる。
【九州場所の歴代優勝力士と優勝決定戦のドラマ】
九州場所は、一年を締めくくる最後の本場所として知られる。
過去の優勝者を見ると、横綱・大関だけでなく、平幕から頂点に立った力士もいる。番付上位の実力者が必ずしも優勝するわけではないところに、大相撲の面白さがある。
直近の九州場所優勝者
| 年 | 幕内優勝力士 | 優勝成績 |
|---|---|---|
| 2025年 | 安青錦 | 12勝3敗 |
| 2024年 | 琴櫻 | 14勝1敗 |
| 2023年 | 霧島 | 13勝2敗 |
| 2022年 | 阿炎 | 12勝3敗 |
この4年間だけを見ても、安青錦、琴櫻、霧島、阿炎と、異なるタイプの力士が賜杯を手にしている。
2022年の阿炎は前頭9枚目から優勝。2023年の霧島は大関として優勝し、2024年の琴櫻は14勝1敗という好成績で制した。
2025年は新関脇の安青錦が初優勝。まさに番付と優勝の関係が一様ではないことを示す結果だった。
2025年の優勝決定戦はなぜ注目されたのか
2025年九州場所は、優勝争いの行方が千秋楽まで分からない展開となった。
14日目を終えた段階では、大の里、豊昇龍、安青錦が11勝3敗で並んでいた。
ところが千秋楽、大の里は休場。豊昇龍は不戦勝となり、安青錦は本割で琴櫻を破った。
その結果、豊昇龍と安青錦が12勝3敗で並び、優勝決定戦に進出。最後は安青錦が豊昇龍を送り投げで下し、初優勝を決めた。TBS NEWS DIGも、この一戦をウクライナ出身力士初の幕内優勝として報じている。
九州場所の優勝決定戦はどんな仕組み?
大相撲の幕内優勝は、15日間の本割の成績によって決まる。
千秋楽終了時に複数の力士が同じ最多勝星で並んだ場合、優勝決定戦を行って優勝者を決める。
- 15日間の本割で単独最多勝となれば、その力士が優勝。
- 2人が並んだ場合は直接対決による優勝決定戦。
- 3人以上が並んだ場合は巴戦などで優勝者を決定する。
2025年の安青錦と豊昇龍のように、本割だけでは決着しない場合もある。
2026年も終盤まで優勝争いがもつれれば、優勝決定戦が実施される可能性がある。特に横綱・大関同士の対戦が終盤に組まれる場合、千秋楽まで目が離せない展開になりそうだ。
【プロの結論】2026年九州場所で優勝を左右する3つのポイント
開幕前の優勝予想で大の里を本命に置く理由は、直近の優勝実績と横綱としての安定感だ。
しかし、九州場所の優勝を予想するなら、単純な番付だけで判断するのは早い。
ポイント1:序盤5日間の取りこぼし
15日間のうち、序盤で連敗すると優勝争いから後退する可能性が高まる。
大の里と安青錦は、初日から自分の相撲を取れるかが重要だ。豊昇龍については、序盤の相撲内容からコンディションを見極めたい。
ポイント2:横綱・大関同士の直接対決
優勝争いを大きく左右するのが、上位陣同士の対戦だ。
大の里と安青錦は9月場所の千秋楽でも直接対決している。霧島や琴櫻がこの2人に勝つようなら、優勝争いの勢力図が変わる。
ポイント3:休場せず15日間を戦い抜けるか
大相撲では、一日の白星だけでなく、15日間を通じた安定性が重要になる。
2026年は大の里、豊昇龍、安青錦など上位陣にも休場経験がある。実力があっても、出場を続けられなければ優勝は難しい。
開幕前の最終予想は、大の里が本命、安青錦が対抗、霧島が単穴。豊昇龍の状態次第では、この序列が大きく変わる。
これが2026年九州場所の最大の見どころだ。
【大相撲九州場所の優勝に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の大相撲九州場所は誰が優勝しそう?
A1:開幕前の予想では大の里が本命、安青錦が対抗、霧島が単穴。豊昇龍や琴櫻も優勝争いに加わる可能性がある。実際の優勝者は15日間の取組終了後に決まる。
Q2:2026年九州場所の初日と千秋楽はいつ?
A2:初日は2026年11月8日(日)、千秋楽は11月22日(日)。会場は福岡国際センターだ。
Q3:九州場所の歴代優勝力士は誰?
A3:直近では2025年が安青錦、2024年が琴櫻、2023年が霧島、2022年が阿炎。いずれも幕内優勝を果たしている。
Q4:安青錦は九州場所で優勝したことがある?
A4:ある。2025年11月場所で12勝3敗を記録し、豊昇龍との優勝決定戦を制して初優勝した。2026年は連覇を目指す立場となる。
Q5:豊昇龍の九州場所での成績はどうなる?
A5:2026年9月場所は全休だった。11月場所では西横綱に位置しているが、実際の出場状況と初日以降の相撲内容が注目される。
Q6:2026年九州場所で優勝決定戦はある?
A6:現時点では未定。千秋楽終了時に複数の力士が最多勝で並んだ場合に行われる。2025年は安青錦と豊昇龍による決定戦が実施された。
まとめ:2026年九州場所は大の里と安青錦の優勝争いに注目
2026年の大相撲九州場所は、11月8日から22日まで福岡国際センターで開催される。
最新番付では大の里と豊昇龍が横綱、安青錦、琴櫻、霧島が大関として上位に並ぶ。
優勝予想の中心は、9月場所を制した大の里と、九州場所で前年優勝を果たした安青錦だ。加えて、2026年3月場所の優勝者・霧島、実績豊富な琴櫻、休場明けの豊昇龍にも注目したい。
今回の場所では、次の3点をチェックしておきたい。
- 大の里が9月場所に続く優勝を果たすか。
- 安青錦が九州場所2連覇を達成するか。
- 豊昇龍や霧島が優勝争いをかき回すか。
開幕前の予想と実際の結果がどこまで一致するのか。15日間の熱戦を通じて、新たな九州場所の優勝力士が誕生する瞬間に期待したい。
主な情報源:日本相撲協会公式サイト、福岡県庁、日刊スポーツ、TBS NEWS DIG、スポーツナビ。記事の情報基準日:2026年11月1日。