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【あらすじ】『かぐや姫の物語』は何を描いた映画なのか?

硲 俊 硲 俊 • 更新: • 公開: • 読了約 24 分
目次

物語は、山で竹を取って暮らす翁が、光り輝く竹の中から小さな女の子を見つけるところから始まる。

女の子は驚くほどの速さで成長し、翁と媼に大切に育てられる。近隣の子どもたちから「タケノコ」と呼ばれ、自然の中で自由に走り回る日々を送る。特に、少年・捨丸との交流は、後の人生を考えるうえで重要な意味を持つ。

やがて翁は、竹の中から黄金や美しい衣を見つける。これを天から授かった使命だと考えた翁は、娘を高貴な姫君に育てるため、都へ移り住むことを決める。

しかし、都での暮らしは姫が望んでいたものとは違っていた。

礼儀作法を教え込まれ、身分にふさわしい振る舞いを求められ、自由に生きることが難しくなる。美しく成長した姫のもとには、名のある五人の貴公子や帝まで求婚に訪れる。

姫は求婚者たちに、実在しない宝物や入手困難な品を持ってくるよう求める。相手の本心を試すための課題だったが、求婚者たちは名誉や欲望にとらわれ、姫の気持ちを理解しようとしない。

次第に姫の心には、山で過ごした自由な日々への懐かしさが募っていく。

そして、地上で生きる喜びや悲しみ、愛する人とのつながりを知った姫は、ある運命に直面する。

それが月への帰還である。

物語の終盤、月から迎えの一団が訪れ、姫は愛する家族や地上の記憶を残したまま帰らなければならなくなる。

この作品の本当の見どころは、月へ帰るという結末そのものよりも、そこに至るまでの姫の感情の変化にある。

かぐや姫の人生を変えた3つの出来事

- 山での生活:自然や仲間との交流を通じて、生きる喜びを知る。
- 都での生活:身分や形式に縛られ、自分らしく生きることの難しさを知る。
- 月への帰還:地上で得た愛情や記憶を失うことへの悲しみと向き合う。

高畑勲監督は、昔話の出来事を順番に映像化するだけではなく、その出来事を経験する少女の内面を物語の中心に据えた。

そのため、観客はかぐや姫を遠い世界の伝説上の人物ではなく、悩み、喜び、怒り、悲しむ一人の人間として受け止めることになる。

【原作との違い】『竹取物語』を高畑勲はどう描き直したのか?

かぐや姫高畑勲

『竹取物語』は平安時代初期に成立したと考えられている日本の古典文学である。作者は分かっていない。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブの解説によると、竹の中から見つかった少女が成長し、五人の貴公子や帝から求婚され、最終的に月へ帰るという物語が描かれている。

高畑勲監督は、このよく知られた筋書きを大切にしながら、原作では十分に説明されない人物の感情や背景を映像化した。

原作と映画の主な違い

比較項目 原作『竹取物語』 映画『かぐや姫の物語』
物語の中心 不思議な出生と月への帰還 姫の人生と心の変化
幼少期 竹の中から見つかり急速に成長 山での自然な暮らしや子どもたちとの交流を描写
捨丸 登場しない 姫の幼少期を象徴する重要人物
都での生活 姫の美しさや求婚を中心に展開 姫が感じる窮屈さや葛藤を詳しく描く
求婚者 五人の貴公子に難題を与える 求婚の場面を通じて人間の欲望や虚栄心を描く
月への帰還 迎えの者が現れ、姫は帰還する 地上で生きたいという姫の思いと別れの悲しみを強調
物語の主題 不思議な運命と人間世界の無常 生きること、自由、愛情、別れ

最も大きな違いは「かぐや姫の心」が描かれたこと

原作を読んで疑問に感じやすいのは、かぐや姫がなぜ求婚者たちを拒絶するのか、なぜ月へ帰るときに悲しむのかという点だ。

高畑監督は、この疑問を映画の出発点にした。

原作では、かぐや姫の美しさや不思議な力、求婚者たちとのやり取りが物語の重要な要素となる。一方、映画では姫自身が何を望み、何を失い、何を大切にしていたのかが丁寧に描かれる。

特に、捨丸との関係は映画独自の重要な要素だ。

幼少期に一緒に遊んだ捨丸は、姫にとって自由だった山の生活を思い起こさせる存在である。都での生活に違和感を覚える姫にとって、過去の記憶は単なる懐かしさではなく、自分らしく生きるための原点でもある。

ただし、捨丸との交流を原作に存在する恋愛関係と考えるのは誤りだ。これは高畑監督が原作の空白に加えた映画独自の人物関係である。

五人の求婚者と帝の存在が意味するもの

五人の求婚者が登場するエピソードは原作にもある。

それぞれに難題を与える展開は、単純な恋愛物語ではない。姫の美しさを手に入れようとする男性たちの虚栄心や、身分を利用した欲望が浮かび上がる。

映画では、求婚者たちの行動や周囲の反応を通じて、姫が置かれた社会的な立場の不自由さが強調される。

帝との関係も同様だ。

権力を持つ人物であっても、姫の心を自由にすることはできない。高畑監督は、社会的な地位や財産によって人間の幸福が決まるわけではないという問題を、かぐや姫の人生を通じて描いている。

【罪と罰の真相】かぐや姫はなぜ月に帰らなければならなかったのか?

本作を理解するうえで、最も多くの読者が疑問を抱くのが「姫の犯した罪と罰。」という宣伝コピーである。

この言葉は映画のポスターなどでも印象的に使用された。しかし、高畑監督自身は、このコピーと作品の主題との関係について、必ずしも同じ考えを持っていなかった。

原作における罪と罰

『竹取物語』では、かぐや姫は月の都の人間であり、昔の約束によって地上にやってきたと説明する。

加えて、月から迎えに来た者は、姫が罪を犯したために地上へ降ろされ、償いの期間が終わったので迎えに来たという趣旨を翁に告げる。

つまり、原作では罪を犯したことと、地上に滞在することが結びついている。

ただし、何をしたことが具体的な罪だったのかについては、原作の本文でも明確な説明がない。

高畑勲が当初考えていた罪と罰

映画の企画段階では、罪と罰に関する具体的な構想が存在した。

企画書を紹介した解説記事によると、月の世界にいたかぐや姫が、地上の記憶を持つ女性の過去を呼び覚ましてしまい、その女性を苦しませたことが罪として設定されていた。

その罰として地上に降ろされることになるが、姫自身は地球の自然や人間の喜怒哀楽に強く憧れていたため、地上へ行くことを望んでいたという構想だ。

しかし、この初期構想がそのまま完成した映画の物語になったわけではない。

高畑監督は制作の過程で、このテーマを作品の中心に置くことをやめている。

この経緯は、宣伝コピーをめぐる鈴木敏夫プロデューサーとの考え方の違いにもつながった。

「姫の犯した罪と罰。」は監督自身の結論ではない

このコピーを考えたのは鈴木敏夫プロデューサーだった。

初期の企画書に罪と罰の構想があったことから、宣伝上のメッセージとして採用された。

ところが、高畑監督は、そのテーマはすでにやめていたという趣旨の説明をしている。

All Aboutが『ジブリの教科書19 かぐや姫の物語』などをもとに紹介した経緯でも、監督がコピーに違和感を示し、インタビューで「あのコピーは間違っています」と述べていたことが取り上げられている。

ここで押さえておきたいのは、宣伝コピーと完成作品の主題を同一視しないことだ。

映画は罪を犯した少女が罰を受ける物語として単純化できない。

むしろ、地上で生きることの喜びを知った少女が、その人生を最後まで生きられないという悲劇に重点が置かれている。

月に帰る理由は何なのか?

月への帰還には、原作と映画で共通する運命の設定がある。

しかし、映画では月の世界そのものの描き方に重要な意味がある。

月は、苦しみや悲しみ、執着から解放された清浄な世界として表現される。一見すると理想郷のようだが、そこには地上の人間が持つ感情の豊かさが存在しない。

かぐや姫は、地上でさまざまな感情を経験した。

嬉しいこともあれば、悲しいこともある。愛する人との出会いがあれば、別れもある。

しかし、そのすべてを含めて地上で生きることに価値を見いだしていた。

そのため、月への帰還は単純な幸福の回復ではない。

地上で得た記憶や愛情を失い、人生の続きを奪われることでもある。

月の使者が近づき、天人の羽衣によって地上の記憶が薄れていく終盤は、この作品の最も悲しい場面の一つだ。

【プロの視点】

この作品の「罪と罰」を考える際には、原作の設定、制作初期の企画、完成した映画の主題を分けて考える必要がある。

企画書に書かれた罪の説明を、そのまま映画の公式な答えとして扱うと、高畑監督が最終的に何を描こうとしたのかを見失ってしまう。

映画が問いかけるのは、罪を犯したかどうかだけではない。

苦しみがあると分かっていても、それでも生きたいと思える世界とは何なのかという、人間の根本的な問題なのである。

【制作秘話】約8年・24万枚の作画に込められた高畑勲の執念

『かぐや姫の物語』は、スタジオジブリ作品の中でも異例の制作規模を持つ作品だ。

テレビ東京の番組「新美の巨人たち」が2019年に紹介した制作データによると、製作期間は約8年、描かれた絵は約24万枚、スタッフは700人以上に及んだ。

また、ディズニー公式の作品紹介では、制作過程を約2年半にわたって記録したドキュメンタリー「高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~」も紹介されている。

制作に関する重要データ

項目 内容 関係者・補足
公開日 2013年11月23日 東宝配給
製作期間 約8年 テレビ東京の番組資料
作画枚数 約24万枚 テレビ東京の番組資料
スタッフ数 700人以上 大規模な共同制作
制作記録 933日 2011年5月5日から取材開始
原案・脚本・監督 高畑勲 作品の企画と演出を担当
脚本 坂口理子 高畑勲と共同で物語を構成
人物造形・作画設計 田辺修 キャラクターの造形と作画設計
美術 男鹿和雄 背景美術を担当
音楽 久石譲 映画音楽を担当
主題歌 二階堂和美 「いのちの記憶」

※製作期間約8年とドキュメンタリーの933日は、異なる範囲の数字である。933日は記録映像の取材・制作過程に関する日数であり、映画全体の製作期間を示すものではない。

田辺修の作画設計が作品の印象を決めた

本作の映像を語るうえで欠かせないのが、人物造形・作画設計を担当した田辺修である。

一般的なアニメーションでは、キャラクターの形を一定に保ち、線や色を整えることで画面全体の統一感を作る。

しかし、本作では異なる方向性が追求された。

人物の表情や動きに合わせて線の勢いや形を変え、まるで鉛筆で描いたスケッチがそのまま動き出したような映像を実現している。

西村義明プロデューサーのWEBアニメスタイルでのインタビューによると、田辺はレイアウト段階から積極的に修正を加え、人物の描き方を作品全体で統一する役割を担っていた。

これは単に絵を美しくするための作業ではない。

人物が何を感じ、どのように動いているのかを、線そのものに表現するための取り組みだった。

なぜ24万枚もの作画が必要だったのか

作画枚数が膨大になった理由は、細かな背景や装飾を増やしたからだけではない。

むしろ、本作は描き込みを減らし、線の勢いや余白を生かす方向を目指していた。

一見すると簡単そうに見える表現だが、実際には難易度が高い。

例えば、かぐや姫が走る場面では、動きの速さだけでなく、怒りや悲しみ、解放感といった感情まで画面に反映されている。

線を少し変えるだけで、人物の印象や動きの意味が変わってしまう。

高畑監督が求めた映像を実現するには、膨大な試行錯誤と修正が必要だったのである。

ドキュメンタリー「933日の伝説」で分かる制作現場

制作の舞台裏を知りたい人には、公式に紹介されているドキュメンタリーも見逃せない。

「高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~」では、制作スタッフが集まった第7スタジオの様子や、完成までの試行錯誤が記録されている。

完成した映画だけを見ると、自然に動いているように感じる場面も、実際には多くのスタッフの検討と修正を経ている。

この記録映像を見ると、24万枚という数字が単なる宣伝上の数字ではなく、表現を追求するために積み重ねられた仕事の結果であることが理解できる。

【映像表現と演出】高畑勲が目指した「生きているようなアニメーション」

『かぐや姫の物語』の映像は、従来のジブリ作品とは異なる印象を与える。

鉛筆で描いたような線、あえて描き込みすぎない背景、画面に残された余白。

その特徴は、単なる絵柄の変更ではなく、高畑勲監督のアニメーションに対する考え方と結びついている。

手描き風の映像は何を表現しているのか

本作では、人物の輪郭が常に均一ではない。

動きに応じて線が揺れたり、形が崩れたりする。

通常のアニメーションでは、キャラクターの形を安定させることが重要視されるが、高畑監督はあえてその安定感を手放した。

MANTANWEBのインタビュー記事では、高畑監督が、絵の裏側にある本物を観客に想像してほしいという考えを語っている。

つまり、すべてを描き切ることで現実を再現するのではなく、描かれていない部分を観客の想像力で補ってもらうという演出である。

これは絵画的な美しさだけでなく、観客が映像に参加するための仕掛けでもある。

特に注目したい3つの映像表現

1.自然の中を駆け回る幼少期の場面

山の風景や草木、動物たちの描写には、自然の中で暮らすことの喜びが表れている。

人物だけでなく、周囲の環境そのものが生命を持っているように感じられる。

2.都から逃げ出す場面

本作を代表する映像表現の一つが、姫が感情を爆発させて走り出す場面だ。

線の勢いが増し、人物の輪郭が大きく変化する。動きの滑らかさよりも、感情が画面からあふれ出すような表現が優先されている。

3.月の使者が現れる終盤

地上の色彩豊かな世界と、清浄で感情の起伏が乏しい月の世界。

この対比によって、観客は姫が何を失うのかを視覚的に理解できる。

高畑勲の演出にはどんな特徴があるのか

高畑勲の演出は、人物の感情をセリフだけで説明しないところに特徴がある。

代表作を並べると、その作風の幅広さが分かる。

- 『火垂るの墓』(1988年):戦争によって日常と家族を失う兄妹の姿を描いた。
- 『おもひでぽろぽろ』(1991年):大人になった女性の記憶と人生の選択を描いた。
- 『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年):自然と人間社会の関係をユーモアと社会的視点から描いた。
- 『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年):日常生活の何気ない出来事を独自の絵柄で表現した。
- 『かぐや姫の物語』(2013年):古典文学を通じて、生きることの喜びと悲しみを描いた。

これらの作品に共通するのは、派手な展開だけに頼らず、人間の生活や感情を観察し、そこに物語の本質を見いだす姿勢だ。

高畑監督は、アニメーションを単なる娯楽としてではなく、人間や社会を考えるための表現手段として追求していた。

『かぐや姫の物語』は、その長年の試みが結実した作品といえる。

【声優・音楽・評価】朝倉あき、久石譲、二階堂和美が支えた世界

映像と物語の魅力をさらに引き立てているのが、声優陣と音楽である。

かぐや姫役の朝倉あきが選ばれた理由

主人公のかぐや姫を演じたのは朝倉あき。

映画.comのインタビュー記事によると、朝倉は数百人規模のオーディションを経て主役に選ばれた。

高畑監督が求めたのは、単に美しく落ち着いた声ではなかった。

感情を率直に表現でき、喜びや怒り、悲しみを自然に伝えられる声だった。

かぐや姫は、上品な姫君として振る舞う一方で、幼少期には活発で自由奔放な少女でもある。

その両面を表現するには、声の演技にも大きな幅が必要だった。

朝倉の演技は、かぐや姫の純粋さと強さ、そして地上で生きたいという切実な願いを伝えている。

主要声優と担当キャラクター

キャラクター 声優 物語での役割
かぐや姫 朝倉あき 物語の主人公
捨丸 高良健吾 姫の幼少期からの知り合い
翁 地井武男 姫を見つけて育てる人物
媼 宮本信子 姫を愛情深く見守る人物
相模 高畑淳子 姫に都での作法を教える人物
女童 田畑智子 姫の身近に仕える少女
斎部秋田 立川志の輔 姫の教育や儀式に関わる人物
石作皇子 上川隆也 求婚者の一人
阿部右大臣 伊集院光 求婚者の一人
大伴大納言 宇崎竜童 求婚者の一人
御門 中村七之助 帝

久石譲の音楽が生み出す感情

音楽を担当したのは久石譲。

高畑監督作品において、音楽は単に感動的な場面を盛り上げるためのものではない。

映像のリズムや人物の感情と結びつき、観客が物語の世界に入り込むための重要な役割を担っている。

『かぐや姫の物語』では、自然の中での躍動感と、都での生活の息苦しさ、そして月へ帰る場面の寂しさが音楽によって際立つ。

特に終盤の音楽は、映像と一体になって作品の余韻を深めている。

主題歌「いのちの記憶」と二階堂和美

主題歌「いのちの記憶」を歌うのは二階堂和美。

作詞・作曲も本人が担当している。

この曲は、映画のテーマである生命や記憶、愛する人との別れを象徴する楽曲だ。

作品の内容をそのまま説明するのではなく、観客が自分自身の人生や大切な人を思い返すような余韻を残す。

高畑監督が描いた「生きることの喜びと悲しみ」と、楽曲の世界観が自然につながっている。

『かぐや姫の物語』の評価と受賞歴

本作は国内外で評価され、2015年の第87回アカデミー賞では長編アニメーション賞にノミネートされた。

スタジオジブリの公式プロフィールでも、毎日映画コンクールのアニメーション映画賞やロサンゼルス映画批評家協会賞のアニメーション映画部門などの受賞歴が紹介されている。

また、第37回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞を受賞し、久石譲も優秀音楽賞を受賞した。

評価されている要点は主に次の3つだ。

- 古典文学を現代的な人間ドラマとして再構成した脚本。
- 手描きの質感を追求した独自のアニメーション表現。
- 生きることの喜びや別れを深く描いたテーマ性。

一方で、約137分という長い上映時間や、一般的なアニメーションとは異なるラフな作画表現は、好みが分かれる部分でもある。

華やかな映像やテンポの速い展開を期待する観客には、少し異質に感じられるかもしれない。

しかし、作品の意図を理解して見ると、余白や線の揺れまでが物語を語る重要な要素になっていることが分かる。

【よくある質問】かぐや姫と高畑勲に関するFAQ

Q1:『かぐや姫の物語』は高畑勲監督の遺作ですか?

A1:監督として手がけた最後の長編アニメーション映画です。2013年に公開されました。高畑勲は2018年4月5日に82歳で亡くなっています。

Q2:かぐや姫の犯した罪とは何ですか?

A2:原作では、罪を犯したために地上へ降ろされたと説明されますが、具体的な罪は明確にされていません。映画の企画初期には、地上の記憶を呼び覚まして女性を苦しませたことが罪という構想がありました。ただし、高畑監督は最終的にそのテーマを変更しています。

Q3:『かぐや姫の物語』の制作期間と作画枚数は?

A3:テレビ東京の番組資料によると、製作期間は約8年、作画枚数は約24万枚、スタッフ数は700人以上です。通常のアニメーションとは異なる表現を追求した大規模な作品です。

Q4:かぐや姫役の声優は誰ですか?

A4:主人公のかぐや姫を演じたのは朝倉あきです。捨丸役は高良健吾、翁役は地井武男、媼役は宮本信子が担当しました。

Q5:主題歌「いのちの記憶」は誰が歌っていますか?

A5:二階堂和美です。作詞・作曲も本人が担当しています。映画音楽は久石譲が手がけています。

Q6:『かぐや姫の物語』は原作と大きく違いますか?

A6:物語の基本的な流れは原作『竹取物語』を踏襲していますが、幼少期の山での暮らしや捨丸との交流、姫の心理描写などが映画独自に加えられています。特に、主人公の内面を中心に据えた点が大きな違いです。

【まとめ】高畑勲が『かぐや姫の物語』に込めた本当のメッセージ

『かぐや姫の物語』は、誰もが知っている昔話を題材にしながら、ひとりの女性が生きることの意味を問い直した作品である。

原作『竹取物語』との最大の違いは、かぐや姫の心を物語の中心に据えたことだ。山で過ごした自由な日々、都で感じた不自由さ、捨丸との記憶、そして月への帰還。これらの出来事を通して、高畑勲監督は生きることの喜びと悲しみを描き出した。

「姫の犯した罪と罰。」という宣伝コピーには、企画段階の構想と完成作品との間に違いがある。罪の正体を一つの答えに固定するよりも、なぜ姫が地上で生きることを望み、なぜ別れを悲しんだのかに注目することが、作品を理解する近道となる。

また、約8年の制作期間と約24万枚の作画、田辺修による人物造形、久石譲の音楽、二階堂和美の主題歌など、数多くの才能が結集したことも忘れてはならない。

2026年現在も、この映画は高畑勲の演出思想を知るうえで欠かせない作品である。初めて見る人はもちろん、すでに鑑賞した人も、今度は姫の表情や線の動き、背景の余白に注目して見直してほしい。

そこには、昔話の結末だけでは語り尽くせない、一人の人間が生きた時間が描かれている。


主な参考資料・取材記録

- スタジオジブリ公式「かぐや姫の物語」作品情報・高畑勲監督プロフィール
- ウォルト・ディズニー・スタジオ公式作品情報・制作ドキュメンタリー紹介
- 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ「竹取物語」
- テレビ東京「新美の巨人たち」2019年8月3日放送資料
- WEBアニメスタイル「アニメーションとしての『かぐや姫の物語』」
- MANTANWEB 高畑勲監督インタビュー
- 映画.com 朝倉あきインタビュー・作品情報
- 米国映画芸術科学アカデミー 第87回アカデミー賞記録

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硲 俊
コンテンツディレクター 硲 俊
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アニメ・漫画・声優の話題を扱うライター。制作委員会や出版社の公式告知、雑誌の巻末情報を確認し、放送日やキャスト変更は公式発表に基づいて更新します。

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