「名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件~史上最悪の二日間~」は、江戸川コナンが銭湯で気を失い、謎の男たちに連れ去られるところから始まる92分のテレビスペシャルだ。目を覚ましたコナンは、自分が誰なのかさえ分からない記憶喪失状態。いつもの推理力を失ったかのような姿に、灰原哀や阿笠博士も巻き込まれていく。
2014年12月26日に初回放送された本作は、2026年1月23日にも「名探偵コナン」テレビアニメ放送30周年記念企画の一環として金曜ロードショーで再放送された。脚本は映画『鍵泥棒のメソッド』で知られる内田けんじ、監督は山本泰一郎。香川照之と広末涼子がゲスト声優として参加したことでも知られる。加えて、タツとコンドウの正体、コナンの記憶喪失の真相には、物語を大きく反転させる仕掛けが隠されている。
【作品の基本情報】コナン失踪事件の初回放送日と2026年の再放送を整理

正式タイトルは『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件~史上最悪の二日間~』。青山剛昌による漫画『名探偵コナン』を原作としたテレビスペシャルで、原作連載20周年を記念して制作された作品だ。
トムス・エンタテインメントの公式作品情報によると、放送時間は92分、全1話。通常のテレビシリーズとは異なる長編構成で、複数の人物の思惑が交錯する本格ミステリーとして描かれている。
初回放送から2026年再放送までの経緯
初回放送は2014年12月26日。小学館ジュニア文庫からは放送に先駆けて12月24日にノベライズ版も発売されている。
その後、2020年9月18日にも金曜ロードSHOW!で放送。さらに2026年1月23日、テレビアニメ30周年記念企画として再び金曜ロードショーに登場した。
読売テレビの30周年プロジェクトでは、2026年1月16日に『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』、翌週の1月23日に本作を放送する2週連続の特別企画が告知された。原作連載20周年を記念した作品が、今度はテレビアニメ30周年の節目に再び選ばれた形だ。
作品データ一覧
- 正式タイトル:名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件~史上最悪の二日間~
- 初回放送:2014年12月26日
- 2026年再放送:2026年1月23日(金)
- 再放送時間:21時00分~22時54分
- 本編時間:92分
- 原作:青山剛昌
- 監督:山本泰一郎
- 脚本:内田けんじ
- 音楽:大野克夫
- 主題歌:倉木麻衣「DYNAMITE」
- 挿入歌:倉木麻衣「無敵なハート」
2026年11月現在、1月23日の放送はすでに終了している。放送日を探している人は、当時の再放送情報と今後の放送予定を混同しないようにしたい。
【あらすじ】銭湯での誘拐事件からコナン失踪までを時系列で解説
物語の始まりは、阿笠博士の家のお風呂が壊れてしまったこと。コナン、灰原哀、毛利蘭の3人は、銭湯へ出かけることになる。
第1段階:銭湯で怪しい男を目撃したコナン
男湯の脱衣場で不審な人物を見つけたコナンは、その行動に違和感を覚える。ところが、浴場の入り口付近で足を滑らせて転倒。そのまま意識を失ってしまった。
コナンを連れ去ったのは、アドリブのタツとコンドウという2人の男だった。彼らは銭湯で何者かから依頼された秘密の任務を進めており、コナンに計画を知られたと考えて車で連れ出したのだ。
第2段階:目を覚ましたコナンが記憶喪失に?
車の中で意識を取り戻したコナンは、自分が誰なのか分からないような態度を見せる。頭を打った影響で記憶を失ったかのように振る舞い、タツやコンドウを困惑させる。
誘拐された少年が名探偵コナンだとは知らない男たちにとって、記憶を失った子供は計画外の存在だった。コナンが何も覚えていないのであれば、扱いをどうするべきか。彼らの間にも迷いが生じる。
一方、蘭のもとにはコナンから心配しないよう伝えるメールが届く。突然いなくなったはずのコナンから連絡があったことで、事態はさらに不可解になっていく。
第3段階:香苗の浮気調査とコンドウの写真
同じころ、毛利探偵事務所には香苗という女性が訪れていた。夫の浮気調査を依頼するためだ。
毛利小五郎に夫の写真を見せた香苗。しかし、その写真に写っていたのは、コナンを連れ去った男の一人であるコンドウだった。
ここで、コナン誘拐事件と毛利探偵事務所の浮気調査が一本の線でつながる。別々に進行していた2つの物語が、同じ人物を中心に交差し始める展開が本作の大きな特徴だ。
第4段階:灰原と阿笠博士がコナンを追う
コナンの異変を察知した灰原哀と阿笠博士は、少年探偵団バッジの追跡機能などを手掛かりに行方を追う。
2人はコナンが連れて行かれた廃工場にたどり着くものの、そこにはすでにコナンの姿がない。さらに廃工場では爆発が発生し、事件は単なる誘拐の域を超えた危険な展開へ進んでいく。
この段階では、誰が本当の敵なのか、コンドウは本当に伝説の殺し屋なのか、そしてコナンは本当に記憶を失っているのか、すべてが謎に包まれている。
【人物相関・声優一覧】タツ、コンドウ、香苗の関係と正体
本作を理解するうえで欠かせないのが、犯罪グループの人物と『鍵泥棒のメソッド』から引き継がれた登場人物の関係だ。
特にコンドウと香苗は、単なるゲストキャラクターではない。2012年公開の映画で描かれた人物関係を踏まえると、本作の人間ドラマがより深く理解できる。
| 人物・キャラクター | 声優・俳優 | 役割・関係性 |
|---|---|---|
| 江戸川コナン | 高山みなみ | 銭湯で誘拐される主人公。記憶喪失をめぐる謎の中心人物。 |
| タツ | 草尾毅 | アドリブのタツと呼ばれる人物。事件の計画を主導する。 |
| コンドウ | 香川照之 | 伝説の殺し屋と呼ばれる男。香苗の夫で、重要な秘密を持つ。 |
| 香苗(水嶋香苗) | 広末涼子 | コンドウの妻。小五郎に夫の浮気調査を依頼する。 |
| ナナ | 深見梨加 | 詐欺師。タツらと行動を共にする人物。 |
| エム | 水島裕 | ハッカー。犯行グループの計画に関わる。 |
| マル | 田原アルノ | 鍵屋として登場する人物。 |
| ジョー | 白石稔 | 運び屋として事件に関わる人物。 |
| 桜井 | 岩永哲哉 | 『鍵泥棒のメソッド』に登場した売れない役者と同じ人物。 |
| 毛利蘭 | 山崎和佳奈 | コナンの失踪をめぐる騒動に巻き込まれる。 |
| 灰原哀 | 林原めぐみ | 阿笠博士とともにコナンの行方を追う。 |
| 毛利小五郎 | 小山力也 | 香苗から浮気調査を依頼される。 |
コンドウの正体は山崎信一郎
コンドウの正体を理解するためには、映画『鍵泥棒のメソッド』を知っておく必要がある。
コンドウの本名は山崎信一郎。映画では香川照之が演じた人物で、伝説の殺し屋として裏社会に知られている。
しかし、その実態は一般的にイメージされる殺し屋とは違う。映画『鍵泥棒のメソッド』では、依頼された標的を実際には殺さず、殺害したように見せかけて安全な場所へ逃がすという、いわば便利屋としての仕事をしていた。
つまり、コンドウの恐ろしい評判と、本来の仕事には大きな隔たりがある。この二面性が、今回の事件でも重要な意味を持つ。
香苗は広末涼子が演じた映画の人物
香苗は広末涼子が声を担当する女性で、映画『鍵泥棒のメソッド』に登場した水嶋香苗と同一人物だ。
映画では婚活中の雑誌編集者として描かれ、コンドウこと山崎信一郎と関わっていく。本作ではコンドウの妻として登場し、夫の浮気を疑って毛利探偵事務所を訪れる。
香苗の存在は、事件の謎を解くための手掛かりであると同時に、コンドウが守ろうとする大切な人物という意味も持っている。
【ネタバレ注意】コナン失踪事件の犯人は誰?タツの正体と衝撃の結末
ここからは物語の核心に触れる。犯人やコナンの記憶喪失の真相、コンドウの本当の立場を知りたくない人は、視聴後に読むことをおすすめする。
真犯人はアドリブのタツ
事件の中心人物は、裏社会でアドリブのタツと呼ばれていた男だ。
タツはコンドウの隠し部屋に入り込んだ際、偶然、ニホリカ国の女王と子供を暗殺するという依頼に関する電話を受ける。そして、伝説の殺し屋コンドウになりすまし、その仕事を勝手に引き受けてしまった。
狙いは巨額の報酬だった。加えて、実際の犯行をコンドウの仕業に見せかけることで、自分の計画から注意をそらそうとしていた。
タツはナナやエムらと協力し、コンドウの評判と名前を利用して暗殺計画を進めていく。コンドウが最初から犯人のように見える構成そのものが、タツの仕掛けた大きなミスリードになっている。
ナナとエムも計画に加担
事件にはタツだけでなく、詐欺師のナナやハッカーのエムも関わっている。
ナナは冷静に状況を判断しながら計画を進め、エムは情報や監視の面で犯行を支える。複数の専門性を持った人物がそれぞれ役割を担うことで、事件は単純な誘拐から大規模な暗殺計画へと発展する。
なお、暗殺依頼の背後には、アセラン国の政府長官やニホリカ国側の人物も存在する。タツが現場で計画を仕切る主犯格である一方、依頼そのものにも国際的な思惑が絡んでいた。
コナンは本当に記憶を失っていたのか?
本作最大の仕掛けが、江戸川コナンの記憶喪失だ。
実は、コナンは本当に記憶を失ったわけではない。銭湯での一件から事件の異常さを察知し、犯人たちの懐に入り込むために記憶喪失を装っていた。
つまり、物語の序盤で見せていた頼りない少年の姿も、犯人たちを油断させるための演技だったのである。
ここで、それまでの場面の意味が一気に変わる。何も分からない子供として扱われていたコナンは、実際には状況を観察し、相手の行動を読みながら事件の全体像に近づいていた。
視聴者がコナンの記憶喪失を前提に推理している間に、本人は別の視点から事件を追っていたという構造が、この作品の面白さだ。
最終決戦と事件の結末
物語のクライマックスでは、横浜の赤レンガ倉庫で開催される仮面ヤイバー展が重要な舞台となる。犯人グループの目的は、来日しているニホリカ国の女王と子供を爆発事件に巻き込むことだった。
コナンはコンドウの本当の立場を理解し、秘密裏に協力関係を築く。コンドウもまた、香苗を守るために犯人たちの計画に立ち向かう。
爆発物を利用した暗殺計画は、コナンとコンドウの機転によって失敗に終わる。犯人側が想定していた爆発の結果を逆手に取り、一般市民への被害を避ける展開が用意されている。
一方、灰原や阿笠博士を巻き込んだ危機も続く。犯人グループのアジトでは、蘭がハッカーのエムを制圧し、コナンたちの救出に貢献する。
最後は、香苗を人質にしていたタツの計画も崩れる。コナンは変声機を使ってコンドウの声を再現し、タツから事件の真相を引き出す。電話の相手がコンドウだと思い込んでいたタツは、実際にはコナンに追い詰められていたのだ。
警察が介入し、タツたちの計画は失敗。香苗も救出され、コナンの失踪事件は解決へと向かう。
事件後には、灰原がコナンの無事を喜ぶ姿も描かれる。大きな危機を乗り越えた2人の関係を感じさせる場面も、本作の印象的な締めくくりとなっている。
【脚本・演出・主題歌】内田けんじと『鍵泥棒のメソッド』の関係が面白い
本作が通常のコナン作品と少し違った印象を与える理由は、脚本を担当した内田けんじの存在にある。
内田けんじ脚本ならではの入れ替わりとミスリード
内田けんじは、2012年公開の映画『鍵泥棒のメソッド』で監督・脚本を担当した映画監督・脚本家だ。
『鍵泥棒のメソッド』は、売れない役者の桜井武史と、伝説の殺し屋コンドウの人生が銭湯での転倒事故をきっかけに入れ替わる物語。記憶喪失、他人になりすます行為、人物の正体をめぐる誤解などが重要な要素になっている。
本作では、この映画の人物や設定が引き継がれている。
特に注目したいのが、次の共通点だ。
- 銭湯での転倒と記憶喪失という導入。
- コンドウと桜井武史という映画由来の人物。
- コンドウと香苗のその後を描く人物関係。
- 本当の正体を隠しながら、別人として振る舞う登場人物。
- 序盤の印象を終盤で覆すミステリー構成。
小学館のノベライズ紹介でも、映画『鍵泥棒のメソッド』の主人公などがゲストキャラクターとして登場することが説明されている。本作はコナンの世界に映画の人物を組み込んだ、異色のクロスオーバー作品といえる。
桜井武史の登場にも注目
映画では堺雅人が演じた桜井武史も、本作に登場する。ただし、アニメ版の桜井の声を担当するのは堺雅人ではなく、岩永哲哉だ。
映画を見ている人なら、コンドウと香苗だけでなく、桜井の登場にも気付くはずだ。物語の背景を知ってから見ると、人物の立ち位置や小さな演出にも別の意味が見えてくる。
山本泰一郎監督と高山みなみ・香川照之・広末涼子の出演
監督は山本泰一郎。『名探偵コナン』のテレビシリーズや劇場版を長年手掛けてきた人物で、本作では内田けんじのミステリー脚本をアニメーション作品としてまとめている。
声優陣では、江戸川コナン役の高山みなみが物語の中心を担う。加えて、映画『鍵泥棒のメソッド』に出演した香川照之と広末涼子が、それぞれコンドウと香苗を担当している。
この2人は単なる有名俳優のゲスト出演ではない。映画と同じ役柄を演じることで、作品間のつながりを声の面からも成立させている。
倉木麻衣「DYNAMITE」が主題歌
主題歌は倉木麻衣の「DYNAMITE」。2014年11月からテレビシリーズのオープニングテーマにも使用されていた楽曲で、本作の主題歌としても起用された。
加えて、倉木麻衣の「無敵なハート」が挿入歌として使われている。
「DYNAMITE」は、作品の緊張感やスピード感を引き立てる楽曲だ。テレビシリーズとの音楽的なつながりを持たせながら、長編スペシャルとしての独立した雰囲気も演出している。
どんな人におすすめ?視聴前に知っておきたいポイント
本作は、次のような人に特におすすめできる。
- コナンの本格的な推理や二転三転するミステリーが好きな人。
- 記憶喪失や人物の入れ替わりをテーマにした物語が好きな人。
- 『鍵泥棒のメソッド』を見て、コンドウや香苗のその後が気になる人。
- 香川照之や広末涼子のゲスト声優としての出演に興味がある人。
- 通常のテレビシリーズとは異なる長編オリジナルストーリーを楽しみたい人。
反対に、黒の組織や新一と蘭の恋愛関係を中心とした本筋の進展を期待する人には、少し異色に感じられる可能性がある。レギュラーキャラクターが多数登場する一方、物語の中心はコンドウやタツらゲストキャラクターに置かれているためだ。
【プロの結論】本作の面白さは「誰が何者なのか」という二重構造にある
本作を単なるコナン誘拐事件として見ると、銭湯での事故や記憶喪失が中心の物語に思える。しかし、実際にはコナン、コンドウ、タツという3人の人物が、それぞれ別の意味で正体を隠している。
コナンは記憶喪失を装い、コンドウは殺し屋という評判の裏に本来の仕事を隠し、タツはコンドウの名前を利用して自分の犯罪を成立させようとする。この三者の思惑が重なることで、物語の前半と後半では同じ人物の印象が大きく変わる。
内田けんじ脚本の持ち味である人物の入れ替わりや情報の見せ方を楽しむなら、『鍵泥棒のメソッド』を先に見ておくのも有効だ。もちろん、コナンのスペシャル作品として単独で視聴しても事件の筋は追える。
【よくある質問】コナン失踪事件に関するFAQ
Q1:コナン失踪事件の初回放送日はいつですか?
A1:2014年12月26日です。原作連載20周年を記念して制作された92分のテレビスペシャルで、2026年1月23日にも金曜ロードショーで再放送されました。
Q2:コナン失踪事件の犯人は誰ですか?
A2:事件の実行計画を主導した中心人物はアドリブのタツです。ナナやエムも計画に加担しており、コンドウは当初疑われるものの、実際にはタツに利用されていました。
Q3:コナンは本当に記憶喪失になったのですか?
A3:いいえ。コナンは最初から記憶喪失を装っていました。犯人たちの警戒を解き、事件の情報を集めるための演技です。
Q4:コンドウの正体は何者ですか?
A4:映画『鍵泥棒のメソッド』に登場する山崎信一郎です。伝説の殺し屋と呼ばれていますが、実際には標的の殺害を偽装して逃がす便利屋として活動していました。
Q5:香苗役の声優は誰ですか?
A5:広末涼子です。映画『鍵泥棒のメソッド』で演じた水嶋香苗と同じ人物を担当しています。
Q6:コナン失踪事件の脚本と監督は誰ですか?
A6:脚本は内田けんじ、監督は山本泰一郎です。内田けんじは映画『鍵泥棒のメソッド』の監督・脚本も担当しています。
Q7:主題歌は何ですか?
A7:倉木麻衣の「DYNAMITE」です。また、「無敵なハート」が挿入歌として使用されています。
まとめ:コナン失踪事件は正体をめぐる二重ミステリーの傑作
『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件~史上最悪の二日間~』は、銭湯での転倒と誘拐を発端に、記憶喪失、裏社会の人物、浮気調査、国際的な暗殺計画が複雑に絡み合う長編スペシャルだ。
2014年12月26日の初回放送から2026年1月23日の再放送まで、節目の年に取り上げられてきた背景には、通常のコナン作品とは異なる脚本構成と、映画『鍵泥棒のメソッド』との独特なつながりがある。
事件の中心にいるのはタツだが、コンドウの正体やコナンの記憶喪失の真相を知ることで、序盤の何気ない場面まで違った意味を持ち始める。特に、香川照之と広末涼子が映画と同じ役柄で参加している点は、映画ファンにとって見逃せないポイントだ。
犯人を知ったうえで再視聴するなら、注目したいのはコナンがいつから事件の全体像を把握していたのか、そしてコンドウがタツの計画にどう向き合ったのかという部分。『鍵泥棒のメソッド』と合わせて見ることで、事件の裏側にある人物関係まで楽しめる作品になっている。