2026年11月現在、来年のNHK大河ドラマは、松坂桃李主演の『逆賊の幕臣』に決定しています。第66作となる本作は、2027年1月10日(日)に放送開始予定。幕末の幕臣・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)の波乱に満ちた生涯を描きます。
小栗忠順は、遣米使節としてアメリカの近代文明を目の当たりにし、横須賀製鉄所の建設など日本の近代化に尽力した人物です。しかし、明治維新後は新政府軍によって捕らえられ、1868年に処刑されました。勝海舟を演じる大沢たかおとの関係や、安達奈緒子による脚本、2026年11月2日に発表された最新情報、豪華キャストまで、作品の背景となる史実とともに整理します。
【来年の大河ドラマは『逆賊の幕臣』!2027年1月10日放送開始】

2027年の大河ドラマは『逆賊の幕臣』です。NHKが発表した第66作で、主人公は幕末の幕臣・小栗忠順。主演には松坂桃李が起用されました。
本作が特徴的なのは、幕末の歴史を勝者や倒幕派の視点だけでなく、江戸幕府を支えた幕臣の側から描く点です。坂本龍馬や西郷隆盛など、これまで数多くの作品で取り上げられてきた人物とは異なる立場から、幕末の政治と日本の近代化を見つめます。
放送日・放送時間・基本情報
放送開始日は2027年1月10日(日)です。初回は通常より15分長い拡大版が予定されています。
- 作品名:逆賊の幕臣
- 放送年:2027年
- 大河ドラマ:第66作
- 放送開始日:2027年1月10日(日)
- 主演:松坂桃李
- 脚本:安達奈緒子
- 演出:西村武五郎、末永創、川上剛、田中諭ほか
- 時代考証:岩下哲典、門松秀樹
- 制作統括:勝田夏子、深川貴志
- 音楽:大間々昂
- 語り:青木崇高
放送時間は、NHK総合が毎週日曜午後8時から8時45分まで。NHK BSは日曜午後6時から、BSプレミアム4Kは日曜午後0時15分からの予定です。NHK総合では翌週土曜午後1時5分から再放送も予定されています。
これらの放送情報は、2026年11月2日付のNHK財団運営メディア「ステラnet」に掲載された番組情報で確認できます。
2027年は小栗忠順の生誕200年にあたります。主人公の人物と放送年が重なることも、本作の歴史的な節目として注目される理由です。
2026年11月2日に発表された最新情報
2026年11月2日には、作品に関する新たな発表が相次ぎました。
- 語りを青木崇高が担当することが決定。
- キービジュアルと題字の制作陣が発表された。
- 音楽担当が大間々昂に決定。
- テーマ曲は広上淳一の指揮、NHK交響楽団の演奏で制作されることが発表された。
特に注目したいのが、青木崇高の語りです。青木は劇中で小栗の盟友・栗本鋤雲も演じます。主人公の近くにいる人物が語りも担うことで、物語にどのような距離感や深みが生まれるのか期待が高まります。
キービジュアルは、アートディレクターの木谷友亮とフォトグラファーの高梨遼平らが手掛けています。人物デザイン監修は柘植伊佐夫です。
題字には小栗が日常的に書き残した手書きの線を取り入れ、整然とした役人の姿と、時代の枠を越えようとする内面の強さを対比させています。作品のテーマを視覚的にも表現したデザインです。
また、10月31日には群馬県高崎市で関連イベント「プレリュードin高崎」が開催され、上白石萌音、青木崇高、草川拓弥、甲本雅裕らが登壇しました。小栗忠順ゆかりの地域でも、放送に向けた動きが進んでいます。
(出典:NHK財団・ステラnetの2026年11月2日付発表)
【小栗忠順とは何者?遣米使節と日本の近代化に残した功績】
『逆賊の幕臣』を理解するうえで欠かせないのが、主人公・小栗上野介忠順の実像です。
小栗は1827年、江戸の神田駿河台で旗本の家に生まれました。幕府の要職を歴任した官僚であり、外交、財政、軍事、産業政策など幅広い分野で改革を進めた人物です。
現代では横須賀造船所の建設を推進した功績などから、日本の近代化を先取りした幕臣として再評価されています。
1860年の遣米使節で見た西洋文明
小栗の人生における大きな転機は、1860年(万延元年)の遣米使節への参加でした。
この使節の目的は、日米修好通商条約の批准書を交換することです。小栗は監察として渡米し、ワシントン海軍造船所などを視察しました。
そこで目の当たりにしたのは、日本と欧米の工業技術や生産体制の大きな違いでした。精密な機械を使った大量生産や、近代的な造船設備を見た小栗は、日本が独立を守るためには産業基盤そのものを強化する必要があると考えるようになります。
国立国会図書館の「近代日本人の肖像」によると、小栗は帰国後、勘定奉行や軍艦奉行などを務め、横須賀製鉄所の建設、関税率改訂交渉、軍制改革などに取り組みました。
横須賀製鉄所の建設と近代化への貢献
小栗の代表的な功績として知られるのが、横須賀製鉄所の建設です。
1863年、小栗は造船所の前身となる製鉄所の建設案を幕府に提出しました。当時の幕府内には反対意見もありましたが、フランスの技術協力を得ながら計画を推進。1865年11月15日に建設が始まりました。
小栗自身は施設の完成を見ることなく処刑されましたが、1871年には現存する1号ドックが完成しています。横須賀製鉄所はその後、横須賀造船所と改称され、日本の造船・工業技術の発展を支える重要な施設となりました。
小栗忠順が進めた近代化政策
小栗の功績は造船所だけにとどまりません。高崎市の公式観光情報では、次のような取り組みが紹介されています。
- 横須賀製鉄所:日本の近代的な造船・工業基盤の整備を推進。
- 軍制改革:フランス式軍制の導入を進め、幕府陸軍の近代化を図った。
- 火薬工場:西洋式の兵器・弾薬製造体制の整備に取り組んだ。
- フランス語伝習所:語学だけでなく数学、地理、歴史などを学ぶ実学教育を推進。
- 兵庫商社:1867年に商人から出資を募り、近代的な商業組織の設立を進めた。
特にフランス語伝習所は、単なる外国語教育の施設ではありません。海外の技術や知識を理解し、自国で活用できる人材を育てるための教育機関でした。
小栗の近代化構想は、建物や機械を導入するだけではなく、それらを運用できる人材と組織まで整備しようとするものでした。
高崎市の公式資料によれば、小栗が進めた政策やインフラ整備の一部は、明治新政府にも引き継がれています。幕府の敗北とともに小栗の仕事がすべて消えたわけではなかったのです。
(出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」、高崎市公式観光サイト)
【逆賊の幕臣の最新キャスト一覧!松坂桃李・大沢たかおら豪華32人】
『逆賊の幕臣』では、主人公の小栗忠順だけでなく、徳川将軍家、幕府の要人、朝廷、薩摩・長州の人物まで幅広く登場します。
2025年の主演発表から2026年10月9日の第8弾発表までに、主要キャスト32人が公表されています。2026年11月2日には青木崇高の語りも発表されました。
主要キャストと役柄の関係一覧
| 人物・関係グループ | 役名 | 出演者 |
|---|---|---|
| 主人公 | 小栗忠順 | 松坂桃李 |
| ライバル・理解者 | 勝海舟 | 大沢たかお |
| 勝家 | たみ(勝海舟の妻) | 瀧内公美 |
| 小栗家 | 小栗忠高・くに・みち・忠道 | 北村有起哉・鈴木京香・上白石萌音・齋藤潤 |
| 小栗の盟友・幼なじみ | 栗本鋤雲・駒井朝温・滝川具挙・朝比奈昌広 | 青木崇高・高橋光臣・宮野真守・芝大輔 |
| 小栗家の関係者 | 三野村利左衛門・建部政醇・荒川祐蔵・武笠祐左衛門・佐藤藤七 | 荒川良々・飯尾和樹・草川拓弥・ANI・甲本雅裕 |
| 幕府の要人・師 | 井伊直弼・安積艮斎・徳川家慶・徳川家定・徳川家茂・阿部正弘・鳥居耀蔵・徳川斉昭 | 岡部たかし・中村雅俊・宅麻伸・ふかわりょう・神尾楓珠・岩田剛典・北村一輝・柄本明 |
| 朝廷関係者 | 孝明天皇・明治天皇・岩倉具視・鷹司政通 | 眞栄田郷敦・奥野壮・山中崇・長塚京三 |
| 長州・薩摩 | 吉田松陰・高杉晋作・島津久光・島津斉彬 | 中村倫也・寛一郎・斎藤工・西岡德馬 |
※出演者と役名は、2026年10月9日までに公表された主要キャストの発表をもとに整理しています。語りの青木崇高は栗本鋤雲役も兼任します。
主演・松坂桃李が演じる小栗忠順
小栗忠順を演じるのは松坂桃李です。
松坂にとって大河ドラマ出演は今回が3作目で、主演を務めるのは本作が初めてとなります。
小栗は、数字や財政に強く、海外の技術や制度を積極的に取り入れようとした実務派の幕臣です。一方、幕府という既存の組織を維持しながら改革を進めようとしたため、政治的な対立にも巻き込まれていきます。
単純な英雄像ではなく、組織を変えようとする官僚の葛藤をどう演じるのかが見どころです。
大沢たかおが演じる勝海舟
勝海舟役は大沢たかおです。
勝は、蘭学を学び、海軍の整備や外交に関わった幕臣です。後に江戸無血開城を実現した人物として広く知られています。
小栗が組織や制度を改良して幕府を立て直そうとする一方、勝は幕府という枠組みにこだわらず、能力のある個人が活躍できる新しい仕組みを考えていました。
大沢たかおは映画『キングダム』シリーズやドラマ『JIN-仁-』などで知られ、重厚な人物表現にも定評があります。小栗とは対照的な価値観を持つ勝をどのように表現するのか、作品の大きな注目点です。
安達奈緒子の脚本と物語のあらすじ
脚本を担当するのは安達奈緒子です。
代表的な作品には、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』やドラマ『きのう何食べた?』などがあります。人物同士の関係性や、日常の中にある感情の動きを丁寧に描いてきた脚本家です。
『逆賊の幕臣』の物語は1860年の遣米使節から始まります。
小栗忠順は米艦ポーハタン号に乗り、遣米使節団の中核としてアメリカへ向かいます。一方、随行する咸臨丸には勝海舟が乗船。しかし、勝は体調を崩し、船内で思うように活動できない状況に追い込まれます。
この対照的な出発点から、二人の立場や価値観の違いが描かれていきます。
その後、小栗は井伊直弼の暗殺、朝廷による開国への反発、国内の攘夷運動、幕府の財政難など、さまざまな政治的危機に直面します。
フランスとの協力を通じて改革を加速させようとする一方、徳川慶喜の本心も見えなくなっていく。国内の対立と外国勢力の圧力が重なる中、小栗は日本の独立を守るために奔走します。
NHK財団の番組紹介では、幕末の政治を背景に、信頼と裏切りが交錯するドラマとして紹介されています。
(出典:ステラnetの出演者発表・番組紹介、シネマトゥデイの大河ドラマ情報)
【小栗忠順と勝海舟の関係は?ライバルと呼ばれた二人の違い】
『逆賊の幕臣』の大きな見どころが、小栗忠順と勝海舟の関係です。
二人は同じ幕臣であり、欧米の技術や知識を取り入れる必要性を理解していた開明派でした。しかし、目指した改革の方向性には違いがありました。
1860年の遣米使節で二人は別の船に乗っていた
まず押さえておきたいのが、1860年の遣米使節における二人の役割です。
国立国会図書館の資料によると、遣米使節の監察が小栗忠順で、勝海舟は咸臨丸の船将として随行しました。
小栗は米艦ポーハタン号に乗る使節団の中核を担い、勝は咸臨丸を率いて太平洋を渡りました。つまり、二人は同じ外交目的のもとで渡米したものの、同じ船で行動していたわけではありません。
この違いは、ドラマの冒頭における二人の描写を理解するうえでも重要です。
小栗は幕府の改良、勝は幕府の解体を志向した
NHKの制作統括による作品紹介では、二人の思想の違いが明確に説明されています。
小栗は幕府を改良し、人々を束ねる制度や仕組みを作ろうとした人物。一方、勝は幕府という組織を解体してでも、実力ある個人が活躍できる社会を目指す人物として描かれます。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
- 小栗忠順:組織や制度を整備し、幕府を近代国家の基盤として再構築する方向。
- 勝海舟:旧来の組織に固執せず、人材や能力を生かす新しい政治体制を模索する方向。
どちらも日本の将来を考えていましたが、既存の幕府をどう扱うかという点で考え方が異なっていたのです。
二人は本当に敵同士だったのか
「ライバル」という言葉から、個人的に激しく憎み合っていた関係を想像する人もいる可能性があります。しかし、作品の紹介では、対立しながらも互いの能力を認め合う関係として説明されています。
そもそも二人は、幕府内で立場や経歴が異なりながら、開国と近代化の必要性を理解していた人物です。自分にない能力を相手に見いだし、時には協力する関係でもありました。
したがって、二人の関係は単純な敵対関係ではありません。政治思想の違いと、互いへの評価が同時に存在する複雑なものとして捉えるのが適切です。
なお、ドラマで描かれる具体的な会話や心理描写は脚本上の表現です。国立国会図書館の資料から確認できる役割の違いと、ドラマ独自の人物関係の演出は分けて楽しみたいところです。
(出典:国立国会図書館「世界を見たサムライ達」、NHK財団・ステラnetの制作統括コメント)
【小栗上野介が逆賊と呼ばれた理由は?処刑に至る幕末の真相】
作品タイトルにもなっている「逆賊」という言葉には、小栗忠順の悲劇的な最期が関係しています。
日本の近代化に尽力した人物でありながら、なぜ小栗は明治新政府から逆賊と見なされたのでしょうか。
戊辰戦争で幕府への徹底抗戦を主張
1868年、江戸幕府が崩壊へ向かう中で、旧幕府勢力と新政府軍の対立は激しさを増していました。
小栗は幕府の要職を務めていた人物であり、戊辰戦争では強硬な抗戦論を主張しました。そのため、幕府の新体制への移行や徳川慶喜の恭順路線と意見が一致せず、1868年1月にはすべての役職を罷免されています。
小栗はその後、群馬県高崎市の現在の倉渕町権田に移り、隠棲生活に入りました。
新政府軍に捕らえられた背景
小栗が権田村に移った後も、新政府側は彼の動向を警戒していました。
高崎市立中央図書館が発行した2026年3月の歴史資料では、当時の高崎藩士による報告書をもとに、小栗の捕縛と処刑の経緯が検証されています。
新政府側の追捕命令では、小栗が自宅に砲台を設け、城郭のような構えを整えていることなどが問題視されました。徳川慶喜が恭順している状況で、小栗が抗戦の準備をしているのではないかという疑いが生じたのです。
しかし、地元の高崎藩・安中藩・吉井藩との談判では、小栗は謀反の意図がないと説明し、所持していた大砲を預けました。その結果、いったんは派遣された軍勢が引き揚げています。
ところが、その後、東山道総督府の使者による再度の捕縛指示が出され、小栗は再び捕らえられました。
1868年5月27日、42歳で処刑
小栗忠順は慶応4年閏4月6日、現在の暦で1868年5月27日、群馬県の烏川河原で斬首されました。享年42歳でした。
この処刑については、当時の高崎藩士の報告書に、捕縛から処刑までの経緯が記録されています。
高崎市立中央図書館の市史研究では、最初の談判で謀反の意思がないことを示した後にもかかわらず、再度捕縛され、短期間のうちに処刑に至った経緯が取り上げられています。
この史料からは、公開の裁判で罪状を十分に審理したうえで判決を下したという経過は確認できません。
小栗が「逆賊」とされた背景には、旧幕府の重臣として新政府に警戒された政治的立場と、戊辰戦争における抗戦論、そして権田村での武装をめぐる疑惑がありました。
つまり、「逆賊」という評価は、勝者となった新政府側の政治的な判断と深く結び付いています。
なぜ小栗の功績は長く知られにくかったのか
明治維新を扱う歴史では、新政府側で活躍した人物が中心に語られる機会が多くありました。
その一方、幕府の制度や産業基盤を整えようとした小栗のような人物は、政治的な敗者という立場から評価されにくい面がありました。
しかし、横須賀製鉄所をはじめ、小栗が推進した政策の一部は新政府にも受け継がれています。
小栗の生涯は、政治的な勝敗と歴史的な功績が必ずしも一致しないことを示す事例です。
(出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」、高崎市公式資料、高崎市立中央図書館『市史のひろば』令和8年3月号)
【逆賊の幕臣と史実の違いは?2026年大河ドラマや歴代作品と比較】
歴史を題材にした大河ドラマでは、実際の出来事を基礎にしながら、人物の感情や人間関係、出来事の順序などをドラマとして構成します。
『逆賊の幕臣』も、実在した小栗忠順の経歴や政治的な活動を軸にしつつ、人物同士の対立や信頼関係を描く作品です。
史実とドラマの描写を区別するポイント
- 遣米使節:1860年に小栗が監察として渡米し、勝が咸臨丸の船将として随行したことは史実です。
- 近代化政策:横須賀製鉄所の建設や軍制改革、外国語教育の整備などは歴史的な記録に基づきます。
- 勝とのライバル関係:両者の政治的な方向性の違いは制作側も説明していますが、具体的な会話や感情表現にはドラマ独自の演出が含まれます。
- 新政府による処刑:1868年5月27日に処刑されたことは記録されています。捕縛から処刑に至る過程は、当時の史料に基づく検証が重要です。
特に注意したいのが、勝海舟と小栗忠順の関係です。二人の思想的な違いは歴史的な背景がありますが、ドラマで描かれるすべてのやり取りが、そのまま当時の会話を再現したものとは限りません。
2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』との違い
2026年の大河ドラマは、第65作『豊臣兄弟!』です。主演は仲野太賀で、天下人・豊臣秀吉の弟である豊臣秀長を主人公に据えています。脚本は八津弘幸が担当しています。
2026年1月4日に放送が始まった同作は、豊臣兄弟の絆や秀長の活躍を通じて、戦国時代の天下統一を描く物語です。
一方、2027年の『逆賊の幕臣』は、幕末の政治と近代化を題材にしています。
二作品の違いを整理すると、次のようになります。
- 豊臣兄弟!:戦国時代を舞台に、兄弟の協力と天下統一への道を描く。
- 逆賊の幕臣:幕末を舞台に、幕府の制度改革と日本の近代化に挑んだ幕臣の生涯を描く。
主人公の立場にも違いがあります。『豊臣兄弟!』は歴史の勝者となる豊臣政権の中枢にいた人物が主人公ですが、『逆賊の幕臣』は、歴史の転換期に敗者となった幕府側の人物が主人公です。
歴代の幕末大河ドラマと何が違う?
幕末を舞台にした大河ドラマには、2010年の『龍馬伝』や2018年の『西郷どん』などがあります。
『龍馬伝』では坂本龍馬を中心に、薩長同盟や海援隊など新しい時代を切り開く動きが描かれました。『西郷どん』では、西郷隆盛の生涯を通じて、薩摩藩と明治維新の歴史が描かれています。
これらと比較した場合、『逆賊の幕臣』の大きな違いは、江戸幕府を支えた官僚の視点を中心に据えていることです。
幕末の物語では、倒幕派の志士や新政府側の人物が中心になりやすい一方、幕府内部で制度改革や財政再建、軍備の近代化を進めた人々の姿は、比較的取り上げられる機会が限られていました。
小栗忠順を主人公にすることで、幕末を単純な新旧勢力の交代ではなく、日本という国をどのように存続させるかをめぐる複数の選択肢の競争として描ける点に、本作の独自性があります。
『逆賊の幕臣』はどんな人におすすめ?
本作は、次のような人に特におすすめです。
- 幕末の歴史を坂本龍馬や西郷隆盛とは異なる視点から知りたい人。
- 勝海舟、井伊直弼、徳川慶喜など幕末の政治家に興味がある人。
- 横須賀造船所や日本の産業近代化の歴史に関心がある人。
- 松坂桃李や大沢たかおをはじめとする実力派俳優の共演を楽しみたい人。
- 歴史上の敗者や、政治的な事情によって評価が変わった人物に興味がある人。
反対に、戦国時代の合戦や戦国武将の勢力争いを中心に楽しみたい人にとっては、外交・財政・制度改革が重要なテーマとなる本作は、少し異なる印象になる可能性があります。
本作をより深く楽しむためには、登場人物の善悪だけで判断せず、それぞれが何を守ろうとし、どのような未来を目指していたのかに注目することがポイントです。
【来年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:来年の大河ドラマは何ですか?
A1:2027年のNHK大河ドラマは『逆賊の幕臣』です。松坂桃李が主演し、幕末の幕臣・小栗忠順の生涯を描きます。
Q2:『逆賊の幕臣』の放送開始日はいつですか?
A2:2027年1月10日(日)です。初回は15分拡大版が予定されています。
Q3:小栗忠順を演じる俳優は誰ですか?
A3:松坂桃李です。小栗上野介忠順という実在の幕臣を演じます。
Q4:勝海舟役は誰が演じますか?
A4:大沢たかおです。主人公・小栗忠順と対照的な政治思想を持つ勝海舟を演じます。
Q5:『逆賊の幕臣』の脚本家は誰ですか?
A5:安達奈緒子です。『おかえりモネ』『きのう何食べた?』などを手掛けた脚本家です。
Q6:小栗忠順はなぜ逆賊と呼ばれたのですか?
A6:幕府の重臣として戊辰戦争で強硬な抗戦論を主張し、新政府軍から反乱の疑いをかけられたためです。1868年5月27日に処刑されました。
Q7:小栗忠順の代表的な功績は何ですか?
A7:横須賀製鉄所の建設、軍制改革、フランス語伝習所の設立、西洋式の兵器・火薬製造体制の整備などです。日本の近代化の基礎を築いた人物として評価されています。
Q8:勝海舟と小栗忠順は本当にライバルだったのですか?
A8:二人は同じ幕臣で、開国や近代化の必要性を理解していましたが、幕府を改良するか、解体して新しい仕組みを作るかという点で考え方が異なっていました。ドラマでは対立しながらも互いを認め合う関係として描かれます。
Q9:2026年11月時点の最新キャストは誰ですか?
A9:主演の松坂桃李、大沢たかお、上白石萌音、鈴木京香、青木崇高、中村倫也、寛一郎、斎藤工、西岡德馬など、主要キャスト32人が発表されています。また、2026年11月2日に青木崇高が語りを担当することも発表されました。
まとめ:2027年の大河ドラマは小栗忠順の知られざる功績に注目
2027年のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』は、2027年1月10日(日)に放送開始予定です。松坂桃李が主人公の小栗忠順を演じ、大沢たかおが勝海舟を演じます。脚本は安達奈緒子が担当します。
小栗忠順は、遣米使節として欧米の技術を学び、横須賀製鉄所の建設や軍制改革、教育制度の整備などを進めた人物でした。しかし、幕府の敗北によって政治的な立場を失い、42歳で新政府軍に処刑されます。
本作の最大の見どころは、単なる幕末の英雄物語ではなく、歴史の勝者になれなかった人物が何を考え、どのような未来を日本に残そうとしたのかを描く点です。
また、勝海舟との対照的な関係、井伊直弼や徳川慶喜をめぐる政治的な駆け引き、薩摩・長州と幕府の緊張関係など、幕末の複雑な歴史を多角的に楽しめる作品になりそうです。
【プロの結論】
『逆賊の幕臣』を見る際に注目したいのは、小栗忠順を単に「正しかったのに報われなかった人物」として捉えるのではなく、幕府の制度を守りながら近代化を進めるという難しい課題に挑んだ政治家として理解することです。
政治的な勝者が必ずしも歴史的な功績のすべてを担うわけではありません。小栗が残した横須賀の造船施設や教育・産業政策は、そのことを考えるうえで重要な手掛かりになります。
2026年の『豊臣兄弟!』から2027年の『逆賊の幕臣』へ。歴史の中心にいた人物だけでなく、その陰で時代を動かした人々にも目を向けることで、大河ドラマの楽しみ方はさらに広がります。
2027年の放送では、小栗忠順の知られざる生涯と、彼が日本の未来に残したものにぜひ注目してください。