ガソリン代は全国一律ではない。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査を基にした2026年10月26日のデータでは、レギュラーガソリンの全国平均は170.1円/Lだった。
前週の170.2円/Lから0.1円下がっており、10月時点で全国平均が急激に上昇しているわけではない。
一方、都道府県によっては全国平均を大きく上回る地域もある。
47都道府県で最も高い県・安い県は?
2026年10月26日の調査では、次の結果となった。
最も安い県163.3円

宮城県
レギュラー1L
最も高い県178.7円
長崎県
レギュラー1L
両県の価格差は1L当たり15.4円。50L給油すれば770円の違いになる。
価格が安い地域・高い地域のランキング
| 順位 | 県名 | レギュラー価格 |
|---|---|---|
| 1 | 宮城県 | 163.3円 |
| 2 | 愛知県 | 164.0円 |
| 3 | 岩手県 | 164.3円 |
| 4 | 埼玉県 | 165.1円 |
| 5 | 茨城県 | 166.3円 |
| 43 | 鳥取県 | 175.9円 |
| 44 | 長野県 | 176.4円 |
| 45 | 山形県 | 177.5円 |
| 46 | 鹿児島県 | 177.8円 |
| 47 | 長崎県 | 178.7円 |
2026年10月26日調査。税込み、1L当たり。上位・下位の一部を抜粋。
価格差には、輸送距離、製油所や油槽所との位置関係、地域の販売競争、店舗ごとの仕入れ条件などが関係する。
離島や輸送コストの高い地域では、全国平均より高い価格になる場合もある。
また、同じ県内でも店舗によって販売価格は異なる。県別平均だけで給油先を決めるのではなく、実際に利用できる店舗の価格を比較することが大切だ。
【家計への影響】ガソリン代が5円・10円・20円上がると年間いくら増える?
ガソリン価格の変化は、車を日常的に利用する家庭ほど影響が大きい。
特に通勤や通学、買い物、子どもの送迎などで車が欠かせない家庭では、数円の値上がりでも毎月の支出に差が生まれる。
1回の給油で増える金額
仮にガソリン価格が現在より5円/L上昇した場合、給油量別の負担増は次のようになる。
| 給油量 | 5円上昇 | 10円上昇 | 20円上昇 |
|---|---|---|---|
| 30L | 150円 | 300円 | 600円 |
| 40L | 200円 | 400円 | 800円 |
| 50L | 250円 | 500円 | 1,000円 |
| 60L | 300円 | 600円 | 1,200円 |
例えば、50Lの給油を月2回行う家庭の場合、5円/Lの値上がりで月500円、年間6,000円の負担増になる。
20円/Lの値上がりなら、年間24,000円の差だ。
これは、実際の販売価格が想定どおり上昇した場合の単純計算であり、政府の基準価格引き上げ幅がそのまま店頭価格に反映されるという予測ではない。
毎月100L使う家庭の場合
通勤などで毎月100Lのガソリンを使用する家庭を考えてみよう。
- 5円/L上昇:月500円、年間6,000円増
- 10円/L上昇:月1,000円、年間12,000円増
- 20円/L上昇:月2,000円、年間24,000円増
特に地方では、公共交通機関の利用が難しく、車が生活必需品になっている家庭も多い。
ガソリン代を節約するために車の利用を減らしたくても、通勤距離や勤務時間、家族の送迎事情によっては簡単に変更できない。
ガソリン代を抑えるためにできる5つの対策
補助金縮小に備えて、家計側でもできる対策はある。
1. 給油前に近隣店舗の価格を比較する
同じ地域でも店舗によって価格差がある。特売日や会員価格、アプリクーポンなども確認したい。
2. 急発進・急加速を減らす
アクセル操作を穏やかにし、不要なアイドリングを減らすことで燃料消費を抑えやすくなる。
3. タイヤの空気圧を定期的に確認する
空気圧が適正でない状態は燃費悪化につながる。車両メーカーが指定する基準を守りたい。
4. 不要な荷物を積みっぱなしにしない
車両重量が増えると燃料消費にも影響する。使わない荷物は降ろしておくとよい。
5. 給油量と月間走行距離を記録する
ガソリン代を単純な金額だけで比較すると、走行距離の変化を見落とすことがある。燃費と走行距離を合わせて確認すると、節約効果を把握しやすい。
重要なのは、必要な移動を無理に減らすことではなく、同じ移動をより少ない燃料で行えるようにすることだ。
【ガソリン価格の今後の見通し】2027年春までにどうなる?
今後のガソリン価格を考えるうえで、注目したいのは3つのポイントだ。
- 政府による補助金の縮小ペース
- 中東情勢と国際原油価格
- 円相場と国内の燃料流通コスト
この3つの動きによって、2027年に向けたガソリン価格の方向性が変わってくる。
シナリオ1:原油価格が落ち着けば値上がりは限定的
中東情勢が沈静化し、原油の供給や輸送が安定すれば、国際原油価格には下落圧力がかかる。
その場合、補助金の縮小によって生じる価格上昇圧力を、原油価格の下落が一部相殺する可能性がある。
基準価格が毎月5円引き上げられたとしても、店頭価格が同じ幅で上昇するとは限らない。
シナリオ2:中東情勢が悪化すれば値上がり圧力が強まる
反対に、イランをめぐる緊張やサウジアラビア周辺のエネルギー輸送への攻撃が続けば、原油の供給不安が強まる。
2026年10月のJOGMECの分析でも、中東地域の供給リスクが原油価格を押し上げる要因として取り上げられている。
日本は海外から原油を調達しているため、国際市場の混乱が長引けば、国内の燃料調達費用にも影響する。
この場合、補助金縮小と原油高が同時に進み、ガソリン価格が想定以上に上昇する可能性がある。
シナリオ3:円高になれば上昇圧力が和らぐ可能性
国際原油価格が高止まりしていても、円高が進めば円換算の輸入費用は軽減される。
反対に、円安が進めば原油価格が横ばいでも国内の燃料コストが増えることがある。
したがって、原油価格のニュースだけを見てガソリン価格を予測するのは不十分だ。
ガソリン補助金はいつまで続く?
ここは読者が特に注意したい点だ。
2026年10月29日時点で、政府は補助金の完全終了日を明示していない。
高市首相が示したのは、12月以降、春先に向けて基準価格を毎月5円ずつ引き上げるという基本方針である。
原油価格や国民生活への影響を考慮しながら判断するため、具体的な終了月や最終的な補助額は確定していない。
したがって、「2027年3月に補助金が完全終了する」「2027年4月から必ず通常価格に戻る」といった情報を確定事項として受け取るのは適切ではない。
今後は、政府の発表だけでなく、資源エネルギー庁が毎週公表する石油製品価格調査と補助単価の更新をセットで確認する必要がある。
【よくある質問】ガソリン代値上げに関するFAQ
Q1:ガソリン代の値上げは2026年12月から始まる?
A1:政府は2026年12月以降、ガソリン補助の基準価格を毎月5円ずつ引き上げる方針を示している。ただし、店頭価格が12月1日から一律5円上がるわけではない。実際の価格は原油相場や為替、補助金の支給状況などによって変わる。
Q2:ガソリン補助金は2027年3月で終了する?
A2:2026年10月31日時点で完全終了日は決まっていない。政府は春先に向けて段階的に基準価格を引き上げる方針だが、その後の支援については原油価格や経済への影響を踏まえて判断する。
Q3:2026年10月のガソリン全国平均はいくら?
A3:2026年10月26日調査のレギュラーガソリン全国平均は170.1円/L。前週の170.2円/Lから0.1円下がっている。都道府県別では宮城県が163.3円/Lで最安、長崎県が178.7円/Lで最高だった。
まとめ:ガソリン代値上げに備えるなら2026年12月以降の政策変更に注目
2026年のガソリン価格をめぐる最大の要点は、政府が長期間続けてきた燃料油価格対策の出口を意識し始めたことだ。
10月26日時点のレギュラーガソリン全国平均は170.1円/L。高市首相は10月29日、補助金について12月以降、基準価格を毎月5円ずつ引き上げる方針を表明した。
ただし、これはガソリン税の引き上げでも、全国一律の店頭価格値上げでもない。
今後の価格を左右するのは、政府の補助縮小だけではなく、中東情勢、原油価格、為替、燃料の輸送・流通コストだ。
特に車を生活必需品として利用する家庭は、次の3点を意識しておきたい。
- 価格の確認:資源エネルギー庁の週次調査で全国平均と地域価格を確認する。
- 政策の確認:毎月の基準価格と補助単価の変更をチェックする。
- 家計の対策:給油先の比較や燃費改善によって、日常的な支出を抑える。
ガソリン価格は、補助金の変更だけで決まるものではない。12月以降の政策変更と国際原油市場の動きを合わせて見ることが、家計への影響を正しく判断するためのポイントになる。