上方漫才大賞は、1966年に創設された関西を代表する漫才の表彰制度です。第1回から2026年の第61回まで、60年を超える歴史の中で、かしまし娘、横山やすし・西川きよし、ダウンタウン、中川家、千鳥、かまいたちなど、時代を代表する漫才師が大賞を受賞してきました。
2026年4月7日に開催された第61回では、ザ・ぼんちが45年ぶり2度目の大賞を受賞。奨励賞には金属バット、新人賞にはぐろうが選ばれました。ラジオ大阪と関西テレビが公表した歴代受賞者一覧を基に、1966年から2026年までの各賞の受賞結果、歴代最多受賞コンビ、選考方法、2020年の選考中止の経緯まで整理します。
【基本情報】上方漫才大賞とは?1966年から続く関西漫才界の伝統ある賞

上方漫才大賞は、上方の文化である漫才を育て、その功績を顕彰する目的で1966年にラジオ大阪が設立した賞です。漫才に関する表彰制度として長い歴史を持ち、関西の演芸界を代表する賞として知られています。
現在はラジオ大阪と関西テレビ放送が共同主催しています。1999年に関西テレビが主催に加わり、2005年から両局による同時生放送が行われるようになりました。
最大の特徴は、単純な漫才コンテストではないことです。年間を通じた劇場出演、テレビ・ラジオでの活動、舞台での実績など、漫才師としての総合的な活躍が評価の対象になります。
上方漫才大賞の基本情報
- 創設:1966年
- 設立:ラジオ大阪
- 共同主催:ラジオ大阪・関西テレビ放送
- 第1回:1966年
- 第61回:2026年
- 主な賞:上方漫才大賞・奨励賞・新人賞
- 通称:上漫(かみまん)
賞の価値を高めているのは、長い歴史だけではありません。過去の受賞者には、昭和の漫才ブームを支えた大御所から、M-1グランプリなどで活躍した現代の人気コンビまで、幅広い世代が並んでいます。
そのため、歴代受賞者をたどることは、関西漫才の流行や世代交代を振り返ることにもつながります。
【1966年〜2026年完全版】上方漫才大賞の歴代受賞者一覧・年表
ここでは、ラジオ大阪の公式受賞者一覧に掲載されている記録を基に、第1回から第61回までの受賞者をまとめます。
大賞・奨励賞・新人賞の3部門を年度別に整理しました。なお、新人部門は時期によって新人奨励賞や優秀新人賞などの区分が設けられていたため、該当する年度は当時の賞名を併記しています。
第1回〜第20回(1966年〜1985年)
創設初期から1980年代前半にかけては、横山やすし・西川きよし、夢路いとし・喜味こいし、オール阪神・巨人など、後世に名を残す漫才師が大賞を獲得しています。
第21回〜第40回(1986年〜2005年)
1980年代後半から1990年代には、ダウンタウン、トミーズ、ハイヒール、宮川大助・花子などが受賞。2000年代に入ると、ますだおかだ、フットボールアワー、横山ホットブラザーズなど、新たな世代や異なる芸風の漫才師も名を連ねます。
第41回〜第61回(2006年〜2026年)
2000年代後半から2020年代は、NON STYLE、ブラックマヨネーズ、中川家、千鳥、笑い飯、ダイアン、かまいたち、ミルクボーイなど、全国的な知名度を持つコンビが大賞を受賞しています。
2026年の第61回までの全受賞結果は以下のとおりです。
| 回・年度 | 大賞 | 奨励賞 | 新人部門(当時の賞名) |
|---|---|---|---|
| 第1回・1966年 | かしまし娘 | 島田洋介・今喜多代 | 若井はんじ・けんじ |
| 第2回・1967年 | 海原お浜・小浜 | 京唄子・鳳啓助 | 横山やすし・西川きよし |
| 第3回・1968年 | 中田ダイマル・ラケット | 漫画トリオ | 若井ぼん・はやと |
| 第4回・1969年 | 夢路いとし・喜味こいし | フラワーショウ | 正司敏江・玲児 |
| 第5回・1970年 | 横山やすし・西川きよし | 平和ラッパ・日佐丸 | コメディーNo.1、鳳らん太・ゆう太 |
| 第6回・1971年 | 島田洋介・今喜多代 | 横山ホットブラザーズ | レツゴー三匹、中田カウス・ボタン |
| 第7回・1972年 | 宮川左近ショー | チャンバラトリオ | 浮世亭三吾・十吾 |
| 第8回・1973年 | レツゴー三匹 | Wヤング | はな寛太・いま寛大 |
| 第9回・1974年 | 三人奴 | 人生幸朗・生恵幸子 | トリオ・ザ・ミミック |
| 第10回・1975年 | Wヤング | 青芝フック・キック | 海原かける・めぐる、若井小づえ・みどり |
| 第11回・1976年 | チャンバラトリオ | 上方柳次・柳太 | オール阪神・巨人 |
| 第12回・1977年 | 横山やすし・西川きよし | 若井ぼん・はやと | 浮世亭ジョージ・ケンジ |
| 第13回・1978年 | Wヤング | B&B | 新人賞:青芝まさお・あきら/新人奨励賞:中田伸江・伸児 |
| 第14回・1979年 | コメディNo.1 | ちゃっきり娘 | 新人賞:ザ・ぼんち/新人奨励賞:Wさくらんぼ |
| 第15回・1980年 | 横山やすし・西川きよし | 青芝フック・キック | 新人賞:島田紳助・松本竜介/新人奨励賞:青芝金太・紋太 |
| 第16回・1981年 | ザ・ぼんち | オール阪神・巨人 | 新人賞:春やすこ・けいこ/新人奨励賞:太平サブロー・シロー、海原さおり・しおり |
| 第17回・1982年 | オール阪神・巨人 | 今いくよ・くるよ | 新人賞:太平サブロー・シロー/新人奨励賞:ミヤ蝶美・蝶子 |
| 第18回・1983年 | オール阪神・巨人 | 若井小づえ・みどり | 新人賞:ミヤ蝶美・蝶子/新人奨励賞:やすえ・やすよ |
| 第19回・1984年 | 今いくよ・くるよ | 西川のりお・上方よしお | 新人賞:宮川大助・花子/新人奨励賞:トミーズ |
| 第20回・1985年 | オール阪神・巨人 | 太平サブロー・シロー | 新人賞:ちゃらんぽらん、トミーズ/新人奨励賞:ハイヒール |
| 第21回・1986年 | 太平サブロー・シロー | 宮川大助・花子 | 新人賞:パート2/新人奨励賞:ダウンタウン |
| 第22回・1987年 | 宮川大助・花子 | ダウンタウン、大木こだま・ひびき | 新人賞:非常階段/新人奨励賞:まるむし商店 |
| 第23回・1988年 | 若井小づえ・みどり | ダウンタウン | 新人賞:清水圭・和泉修/新人奨励賞:ビッグブラザーズ |
| 第24回・1989年 | ダウンタウン | トミーズ | 新人賞:ビッグブラザーズ/新人奨励賞:月亭かなめ・ぜんじろう |
| 第25回・1990年 | 宮川大助・花子 | 中田カウス・ボタン | 新人賞:どんきほーて/新人奨励賞:ベイブルース |
| 第26回・1991年 | 中田カウス・ボタン | トミーズ | 新人賞:ティーアップ/新人奨励賞:ぴのっきお |
| 第27回・1992年 | トミーズ | 大木こだま・ひびき | 新人賞:犬丸兄弟/新人奨励賞:よゐこ |
| 第28回・1993年 | トミーズ | 横山たかし・ひろし | 新人賞:トゥナイト/新人奨励賞:雨上がり決死隊 |
| 第29回・1994年 | 横山たかし・ひろし | 酒井くにお・とおる | 新人賞:千原兄弟/新人奨励賞:ますだおかだ |
| 第30回・1995年 | ハイヒール | 里見まさと・亀山房代 | 新人賞:中川家/新人奨励賞:海原やすよ・ともこ |
| 第31回・1996年 | 大木こだま・ひびき | どんきほーて | 新人賞:ジャリズム/新人奨励賞:高僧・野々村 |
| 第32回・1997年 | 酒井くにお・とおる | おかけんた・ゆうた | 新人賞:海原やすよ・ともこ/新人奨励賞:こん松・せんべい |
| 第33回・1998年 | 里見まさと・亀山房代 | トゥナイト | 新人賞:ハリガネロック/新人奨励賞:2丁拳銃 |
| 第34回・1999年 | おかけんた・ゆうた | ちゃらんぽらん | 新人賞:アメリカザリガニ/新人奨励賞:りあるキッズ |
| 第35回・2000年 | ちゃらんぽらん | 海原はるか・かなた | 新人賞:シンクタンク/新人奨励賞:スクラッチ |
| 第36回・2001年 | 中田カウス・ボタン | ますだおかだ | 優秀新人賞:COWCOW/新人賞:キングコング |
| 第37回・2002年 | ますだおかだ | 受賞者なし | 優秀新人賞:フットボールアワー/新人賞:ブラックマヨネーズ |
| 第38回・2003年 | 横山ホットブラザーズ | アメリカザリガニ | 優秀新人賞:チョップリン/新人賞:笑い飯 |
| 第39回・2004年 | フットボールアワー | ティーアップ | 優秀新人賞:せんたくばさみ/新人賞:チュートリアル |
| 第40回・2005年 | 中田カウス・ボタン | メッセンジャー | 優秀新人賞:南海キャンディーズ/新人賞:麒麟 |
| 第41回・2006年 | 大木こだま・ひびき | 安田大サーカス | 優秀新人賞:NON STYLE/新人賞:アジアン |
| 第42回・2007年 | メッセンジャー | 矢野・兵動 | 優秀新人賞:なすなかにし/新人賞:のろし |
| 第43回・2008年 | ティーアップ | 海原やすよ・ともこ | 優秀新人賞:ギャロップ/新人賞:鎌鼬 |
| 第44回・2009年 | 矢野・兵動 | シンデレラエキスプレス | 優秀新人賞:ジャルジャル/新人賞:ダイアン |
| 第45回・2010年 | 中川家 | 笑い飯 | スマイル |
| 第46回・2011年 | ブラックマヨネーズ | 千鳥 | 銀シャリ |
| 第47回・2012年 | 海原やすよ・ともこ | シャンプーハット | プラスマイナス |
| 第48回・2013年 | 千鳥 | テンダラー | プリマ旦那 |
| 第49回・2014年 | 笑い飯 | ダイアン | 学天即 |
| 第50回・2015年 | テンダラー | 学天即 | 吉田たち |
| 第51回・2016年 | オール阪神・巨人 | 銀シャリ | コマンダンテ |
| 第52回・2017年 | 海原やすよ・ともこ | スーパーマラドーナ | トット |
| 第53回・2018年 | ダイアン | 和牛 | 祇園 |
| 第54回・2019年 | 中川家 | かまいたち | ミキ |
| 第55回・2020年 | シャンプーハット | 新型コロナウイルス感染拡大防止のため選考中止 | 公式一覧に受賞者記載なし |
| 第56回・2021年 | かまいたち | プラス・マイナス | ネイビーズアフロ |
| 第57回・2022年 | ミルクボーイ | ミキ | ニッポンの社長 |
| 第58回・2023年 | プラス・マイナス | 吉田たち | カベポスター |
| 第59回・2024年 | 笑い飯 | 見取り図 | 天才ピアニスト |
| 第60回・2025年 | 銀シャリ | ヘンダーソン | 豪快キャプテン |
| 第61回・2026年 | ザ・ぼんち | 金属バット | ぐろう |
一覧を見る際の注意点:新人部門は時代によって賞の名称や位置付けが異なります。また、受賞当時のコンビ名を掲載しているため、現在の芸名・コンビ名と異なる場合があります。特別賞や審査員特別賞などは上記の3部門とは別枠です。
なお、2020年は大賞そのものが中止になったわけではありません。大賞はシャンプーハットが受賞しており、奨励賞の選考が中止されました。この違いは歴代一覧を読むうえで押さえておきたいポイントです。
【2026年最新】第61回上方漫才大賞の受賞結果と注目ポイント
2026年4月7日、大阪市のCOOL JAPAN PARK OSAKAで第61回上方漫才大賞が開催されました。今回の各賞は、ザ・ぼんち、金属バット、ぐろうの3組が獲得しています。
大賞:ザ・ぼんちが45年ぶり2度目の受賞
2026年の最大の話題は、ザ・ぼんちの大賞受賞です。
ぼんちおさむと里見まさとのコンビであるザ・ぼんちは、1981年の第16回で初めて大賞を獲得しています。今回の受賞は、実に45年ぶり2度目となりました。
2人は芸歴55年目を迎えたベテランです。2025年には、芸歴16年以上の漫才師を対象とする賞レース「THE SECOND」で決勝に進出。長年にわたって舞台に立ち続け、若手とともに劇場で漫才を披露してきた活動も注目されました。
2026年の舞台では、ぼんちおさむの型破りなパフォーマンスと、それを受け止めながら漫才を展開する里見まさとの掛け合いが印象的でした。
なお、里見まさとは1998年に里見まさと・亀山房代としても大賞を受賞しています。したがって、ザ・ぼんちというコンビの受賞回数は2回ですが、里見まさと個人の大賞受賞歴は別のコンビでの受賞を含めて3回となります。
奨励賞:金属バットが482点で逆転受賞
奨励賞を受賞したのは、小林圭輔と友保隼平による金属バットです。
今回の奨励賞には、ツートライブ、たくろう、カベポスター、天才ピアニスト、金属バットの5組がノミネートされました。
特に注目されたのは、M-1グランプリ2025王者のたくろうとの得点争いです。たくろうが442点を獲得して高得点を記録した後、最後に登場した金属バットが482点を獲得。40点差で逆転しました。
観客100人による5点満点の採点で、金属バットはその日の会場を大きく沸かせました。賞レースでの実績とは異なる評価軸で、劇場型の漫才の強さを示した結果でもあります。
新人賞:ぐろうが若手部門を制する
新人賞は、家村涼太と高松巧によるお笑いコンビ、ぐろうが受賞しました。
新人賞には、愛凛冴、ぐろう、三遊間、生姜猫、例えば炎の5組がノミネート。5組が漫才を披露し、その中からぐろうが選ばれました。
ぐろうの受賞は、これからの上方漫才を担う若手にとっても注目すべき結果です。大賞のザ・ぼんちが長いキャリアを経て再び評価された一方、新人賞では新しい世代の漫才師が存在感を示しました。
第61回の受賞結果まとめ
- 大賞:ザ・ぼんち
- 奨励賞:金属バット
- 新人賞:ぐろう
- 開催日:2026年4月7日
- 会場:COOL JAPAN PARK OSAKA
- 放送:関西テレビ・ラジオ大阪
第61回は、ゴールデンタイムの18時30分から21時まで放送されたことも大きな変化でした。伝統ある賞を、より幅広い視聴者に届ける新たな展開となりました。
【賞の仕組みを解説】大賞・奨励賞・新人賞の受賞基準と選考方法
上方漫才大賞には、主に大賞・奨励賞・新人賞の3部門があります。それぞれ評価対象や受賞資格が異なるため、同じ年の受賞者でも意味合いは大きく違います。
大賞:年間を通じて最も活躍した漫才師を表彰
大賞は、上方漫才界でその年度に最も活躍した漫才師に贈られる最高位の賞です。
評価対象は、単に一度のネタ披露で観客を笑わせたかどうかだけではありません。寄席、劇場、テレビ、ラジオ、舞台などでの年間の活動が評価されます。
そのため、M-1グランプリなどの大会で優勝したかどうかだけで大賞が決まるわけではありません。長年にわたる活動や、上方漫才界への貢献も評価を考えるうえで重要な要素です。
奨励賞:大賞未受賞の実力派が対象
奨励賞は、大賞に次ぐ位置付けの賞です。中堅クラスの漫才師を中心とする部門で、今後の大賞受賞につながる登竜門的な意味も持っています。
2026年の選考では、過去に大賞を受賞したことのない漫才師がノミネート対象となりました。
今回の金属バットの受賞は、M-1グランプリなどの大規模な大会とは違う舞台で、独自の漫才スタイルが評価された事例です。
新人賞:結成10年目までの若手漫才師が対象
新人賞は、上方漫才界の次世代を担う若手漫才師を表彰する部門です。2026年の制度では、結成10年目までのコンビが対象となっています。
第61回では、5組のノミネートからぐろうが受賞しました。
新人賞は歴史の中で制度が変更されています。第1回から第35回までは新人部門の1位に相当する賞でしたが、第36回から第44回までは優秀新人賞と新人賞の2つが設けられました。第45回以降は、現在につながる新人賞の形になっています。
2026年の選考方法は観客100人による採点方式
第61回では、選考方法にも大きな変更がありました。
奨励賞と新人賞のネタ審査では、会場に集まった一般観客100人が審査員を担当。それぞれの出場者のネタ披露後に電子機器を使い、5点満点で採点しました。
この方式では、100人全員が5点を付けた場合の満点は500点です。金属バットの482点は、単純計算で平均4.82点に相当します。
一方、大賞は年間の活動を評価する部門であり、奨励賞・新人賞の当日ネタ審査とは評価の仕組みが異なります。
つまり、上方漫才大賞は3つの部門を通して、年間の実績、現在の実力、これからの成長という異なる側面を表彰する制度なのです。
【歴代最多受賞コンビ】オール阪神・巨人は大賞4回で単独トップ
上方漫才大賞の歴代受賞者の中で、最も多く大賞を獲得しているのはオール阪神・巨人です。
2016年の第51回で大賞を受賞した際、同コンビは通算4回目の受賞となり、歴代最多記録を更新しました。
オール阪神・巨人の大賞受賞歴
- 1982年・第17回:大賞
- 1983年・第18回:大賞
- 1985年・第20回:大賞
- 2016年・第51回:大賞
1976年の第11回では新人賞、1981年の第16回では奨励賞も受賞しています。若手時代から各部門で評価を受け、長いキャリアの中で大賞4回という記録を残しました。
2016年の受賞は、芸歴40周年を迎えた時期でした。過去には横山やすし・西川きよし、中田カウス・ボタンがそれぞれ大賞3回を獲得していましたが、オール阪神・巨人が4回目を獲得したことで単独最多となりました。
ザ・ぼんちも歴代の複数回受賞コンビ
2026年に大賞を受賞したザ・ぼんちも、歴史に残る複数回受賞コンビです。
コンビとしての受賞は1981年と2026年の2回。45年という長い期間を隔てて、再び最高賞に輝きました。
ただし、里見まさとは1998年に別のコンビである里見まさと・亀山房代としても大賞を受賞しています。コンビ単位の記録と個人の受賞歴を混同しないことが大切です。
歴代受賞コンビから見える上方漫才の変化
歴代大賞受賞者を振り返ると、時代ごとの漫才界の変化が見えてきます。
- 1960〜1970年代:かしまし娘、横山やすし・西川きよし、夢路いとし・喜味こいしなど、上方漫才の基礎を築いた名コンビが中心。
- 1980年代:オール阪神・巨人、ザ・ぼんち、ダウンタウンなど、多彩なスタイルが評価される時代。
- 1990年代:トミーズ、ハイヒール、宮川大助・花子など、テレビと劇場の双方で活躍する漫才師が並ぶ。
- 2000年代:ますだおかだ、フットボールアワー、中川家など、新しい世代が台頭。
- 2010年代:千鳥、笑い飯、ブラックマヨネーズ、ダイアンなど、全国区の人気を持つコンビが受賞。
- 2020年代:かまいたち、ミルクボーイ、プラス・マイナス、銀シャリ、ザ・ぼんちなど、世代や芸風の異なるコンビが評価される。
大賞の受賞歴は、漫才師個人の人気だけではなく、その時代にどのような漫才が支持されてきたかを知る手掛かりにもなります。
【歴史の転換点】ラジオ大阪と関西テレビの共同主催、2020年の選考中止
上方漫才大賞は、創設から現在までに運営体制や選考方式を変化させてきました。長い歴史を理解するうえで、主催体制の変更と2020年の特例は欠かせません。
1966年:ラジオ大阪が賞を創設
第1回が開催されたのは1966年です。ラジオ大阪が上方漫才の育成と顕彰を目的に創設しました。
第1回の大賞は、かしまし娘。奨励賞は島田洋介・今喜多代、新人賞は若井はんじ・けんじでした。
当時から大賞だけでなく、次世代を担う漫才師を評価する部門が設けられていた点に、この賞の特徴があります。
1999年:関西テレビが共同主催に参加
1999年からは関西テレビ放送が共同主催に加わりました。
ラジオ放送を基盤としてきた賞がテレビ局との連携を強化したことで、より幅広い視聴者に受賞発表や漫才を届ける体制が整いました。
2005年:両局による同時生放送がスタート
2005年からはラジオ大阪と関西テレビによる同時生放送が始まりました。
劇場での漫才披露と放送を組み合わせる形式は、上方漫才大賞を関西の視聴者がリアルタイムで楽しめるイベントとして定着させるうえで大きな役割を果たしました。
2015年以降:奨励賞のネタ審査方式が定着
選考方法にも変化があります。以前は大賞と奨励賞を審査委員会が事前に選考する方式が中心でした。
その後、奨励賞についてもノミネートされた漫才師が当日にネタを披露し、審査を受ける形式へと変わりました。新人賞もネタ披露による競争形式が採用され、出場者の漫才そのものを比較できるようになっています。
2016年の第51回では、大賞候補3組、奨励賞候補5組、新人賞候補7組が発表され、奨励賞と新人賞は当日のネタ披露を経て受賞者が決定しました。
2020年:新型コロナウイルスの影響で奨励賞が選考中止
2020年の第55回では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、奨励賞の選考が中止されました。
一方、大賞は予定どおり発表され、シャンプーハットが受賞しています。
ここで注意したいのは、2020年の上方漫才大賞全体が中止になったわけではないという点です。歴代一覧にシャンプーハットの名前が残っているのは、そのためです。
また、ラジオ大阪の公式歴代一覧では2020年の新人賞受賞者も掲載されていません。したがって、奨励賞の選考中止と大賞の受賞結果を分けて確認する必要があります。
2026年:ゴールデンタイム進出と観客審査の導入
第61回では、放送時間が18時30分から21時までのゴールデンタイムに設定されました。
加えて、奨励賞と新人賞のネタ審査に100人の一般観客が参加する方式が導入されました。これまでの歴史を受け継ぎながら、観客の反応をより直接的に反映させる新たな試みです。
こうした変更は、劇場で漫才を楽しむファンだけでなく、テレビを通じて賞を知る新しい視聴者にも大会の魅力を伝えるものになっています。
【よくある質問】上方漫才大賞の歴代受賞者に関するFAQ
Q1:2026年の第61回上方漫才大賞の受賞者は誰ですか?
A1:大賞はザ・ぼんち、奨励賞は金属バット、新人賞はぐろうです。2026年4月7日に開催され、ザ・ぼんちは1981年以来45年ぶり2度目の大賞を獲得しました。
Q2:上方漫才大賞の歴代最多受賞コンビは誰ですか?
A2:オール阪神・巨人です。1982年、1983年、1985年、2016年の計4回、大賞を受賞しています。2016年の第51回で歴代最多となる4回目の受賞を達成しました。
Q3:2020年の上方漫才大賞は中止になったのですか?
A3:大会全体が中止になったわけではありません。大賞はシャンプーハットが受賞しましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、奨励賞の選考は中止されました。新人賞についても公式歴代一覧には受賞者が掲載されていません。
まとめ:上方漫才大賞の歴代受賞者から読み解く関西漫才の魅力
上方漫才大賞は、1966年の第1回から2026年の第61回まで続く、関西漫才界を代表する歴史ある表彰制度です。
歴代大賞には、かしまし娘、横山やすし・西川きよし、オール阪神・巨人、ダウンタウン、中川家、千鳥、かまいたちなど、各時代を象徴する漫才師が名を連ねています。
2026年の第61回では、ザ・ぼんちが45年ぶりに大賞へ返り咲き、金属バットが奨励賞、ぐろうが新人賞を獲得しました。ベテランの再評価と若手の台頭が同時に見られた、印象的な大会となりました。
歴代結果を調べる際は、次の3点を押さえておくと理解しやすくなります。
- 大賞:その年度を代表する活躍をした漫才師への最高位の評価。
- 奨励賞:大賞未受賞の実力派が競う、中堅漫才師の重要な表彰。
- 新人賞:これからの上方漫才を担う若手を発掘する登竜門。
また、歴代最多記録はオール阪神・巨人の大賞4回です。ザ・ぼんちの2026年の受賞は、長いキャリアを重ねた漫才師が再び最高賞に輝く可能性を示しました。
上方漫才大賞の魅力は、単にその年の人気コンビを決めることではありません。長年舞台を支えてきたベテランから、これから活躍する若手まで、異なる世代の漫才師を同じ舞台で評価するところにあります。
今後の受賞結果を追う際も、大賞だけでなく奨励賞と新人賞まで確認することで、上方漫才界の世代交代や新しい才能の登場を、より立体的に捉えられるはずです。
主な根拠資料
- ラジオ大阪「上方漫才大賞受賞者一覧」:第1回から第61回までの歴代受賞記録。
- ラジオ大阪「第61回上方漫才大賞 各賞の受賞者が決定しました」:2026年の公式受賞結果。
- 関西テレビ公式エンタメNEWS「みよか」:2026年の選考方法、受賞背景、観客審査の詳細。
- ラジオ大阪公式資料:1966年の創設、1999年の共同主催化、2005年の同時生放送開始。
- ORICON NEWS:オール阪神・巨人の歴代最多4回受賞記録。