2026年11月現在、日本の10年パスポート(10年用一般旅券)の発給手数料は、2026年7月1日の制度改定によって大幅に引き下げられています。国内で申請する場合、オンライン申請は8,900円、窓口申請は9,300円です。改定前はいずれも15,000円を超えていたため、今回の変更は申請者にとって大きな負担軽減となりました。
ただし、安く取得するには申請方法だけでなく、年齢による申請条件、マイナポータルの利用環境、新規申請と更新(切替申請)の違いも理解しておく必要があります。申請から受け取りまでは通常約2週間かかり、申請後に窓口で本人が受け取る必要もあります。
【2026年7月改定】10年パスポートの費用はオンライン8,900円・窓口9,300円

2026年7月1日から、日本のパスポート発給手数料が改定されました。外務省が公表した新料金では、18歳以上の人が取得する10年旅券について、オンライン申請と窓口申請で異なる金額が設定されています。
現在の料金は次のとおりです。
- オンライン申請:8,900円
- 窓口申請:9,300円
両者の差額は400円です。10年間有効なパスポートを取得する場合、オンライン申請を選ぶだけで窓口申請よりも400円安くなります。
オンライン申請と窓口申請、どちらがお得?
料金だけで比較すれば、オンライン申請が有利です。ただし、実際のメリットは金額だけではありません。
オンライン申請では、自宅などからマイナポータルを利用して申請できるため、申請時に旅券窓口へ行く必要がありません。窓口へ出向くのは、原則として新しいパスポートを受け取るときの1回だけです。
一方、窓口申請は申請書や必要書類を直接提出できるため、スマートフォンの操作や電子申請に不慣れな人に向いています。
なお、8,900円と9,300円はパスポートの発給手数料です。写真館などで証明写真を別途撮影する場合の料金や、申請窓口までの交通費などは含まれません。
【改定前後を比較】10年旅券は7,000円値下げ!2026年7月1日が境目
今回の改定で特に注目したいのは、10年旅券の手数料が7,000円引き下げられたことです。
外務省の改定前後の比較資料によると、2026年6月30日までに申請した場合と、7月1日以降に申請した場合では、次のような違いがあります。
| 旅券の種類・区分 | 申請方法 | 6月30日まで | 7月1日以降 | 値下げ額 |
|---|---|---|---|---|
| 10年旅券 | オンライン | 15,900円 | 8,900円 | 7,000円 |
| 10年旅券 | 窓口 | 16,300円 | 9,300円 | 7,000円 |
| 5年旅券・12歳以上(旧区分) | オンライン | 10,900円 | 4,400円 | 6,500円 |
| 5年旅券・12歳以上(旧区分) | 窓口 | 11,300円 | 4,800円 | 6,500円 |
| 5年旅券・12歳未満(旧区分) | オンライン | 5,900円 | 4,400円 | 1,500円 |
| 5年旅券・12歳未満(旧区分) | 窓口 | 6,300円 | 4,800円 | 1,500円 |
値下げ額はオンラインと窓口で同じ
10年旅券については、オンラインでも窓口でも値下げ額は7,000円です。つまり、オンライン申請だけが大幅に優遇されたわけではありません。
オンライン申請のほうが400円安いという従来の料金差は、改定後も維持されています。
手数料が変わるのは受取日ではなく申請受理日
注意したいのが、改定後の料金が適用されるタイミングです。
新料金は、日本時間の2026年7月1日午前0時以降に申請が受理されたものから適用されます。
例えば、6月30日までに申請が受理され、実際の受け取りが7月以降になった場合でも、適用されるのは改定前の料金です。反対に、7月1日以降に申請した場合は、新料金となります。
「7月に受け取るから新料金になる」という理解は間違いです。判断基準はあくまで申請の受理日です。
今回の改定は旅券法の一部改正と旅券法施行令の改正に基づくもので、外務省は2026年10月22日にも改定後の情報を案内しています。
【18歳以上の申請条件】10年と5年のパスポートはどう変わった?
2026年7月1日以降、パスポートの有効期間に関する申請条件も変更されました。
大きな変更点は、18歳以上の人は原則として10年旅券のみ、18歳未満の人は5年旅券のみを申請する制度になったことです。
18歳以上は10年旅券が基本
改定前は18歳以上であっても、10年旅券と5年旅券のどちらかを選択できました。
しかし、2026年7月1日以降は成人が通常の新規発給や切替申請を行う場合、10年旅券が基本となります。
そのため、以前のように「海外旅行の予定が少ないので、成人でも5年旅券を安く取得したい」という選択は、原則としてできなくなりました。
18歳未満は5年旅券のみ
18歳未満については、引き続き5年旅券が発給されます。
改定後の料金はオンライン4,400円、窓口4,800円です。旧制度では12歳未満と12歳以上で料金が異なっていましたが、2026年7月1日以降は12歳未満の独立した料金区分が廃止されました。
つまり、18歳未満であれば、年齢による旧来の12歳区分にかかわらず、同じ5年旅券の料金が適用されます。
2026年7月1日前後に18歳になる人は要注意
年齢の判定にも注意が必要です。旅券の年齢計算では、法律上、誕生日の前日に1歳加算して取り扱われます。
- 2008年7月1日生まれ:2026年6月30日申請分から18歳以上として扱われる。
- 2008年7月2日生まれ:2026年7月1日申請分から18歳以上として扱われる。
誕生日当日ではなく、その前日から年齢区分が変わる点がポイントです。
なお、2026年7月1日以前に取得した18歳以上の人の5年旅券は、制度改定によって直ちに無効になるわけではありません。有効期間満了日までは引き続き使用できます。
【オンライン申請と窓口申請】必要書類・手順・費用の違い
2025年3月24日から、全国の都道府県でパスポートの新規申請もオンラインで受け付けられるようになりました。
オンライン申請の窓口はマイナポータルです。従来は更新中心だったオンライン手続きが、新規申請にも広がったことで、初めてパスポートを取得する人も自宅から申請できるようになっています。
オンライン申請に必要なもの
国内でマイナポータルから申請する場合、基本的に次のものを準備します。
- マイナンバーカード
- マイナポータルアプリに対応したスマートフォン
- 署名用電子証明書のパスワード(6~16桁)
- パスポート用の顔写真データ
- 本人の自署画像
- 切替申請の場合は現在有効なパスポート
申請画面の案内に沿って顔写真と自署を登録し、必要事項を入力して提出します。
戸籍謄本の紙原本が不要になるのもメリット
新規申請では、通常、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の提出が必要です。
しかし、オンライン申請では戸籍情報が電子的にシステム連携されるため、通常の申請で戸籍謄本の紙原本を取得して提出する必要がありません。
これは単に書類をデータ化するというだけではありません。戸籍謄本を取得するために市区町村の窓口へ行く手間や、取得費用を省ける点もメリットです。
ただし、戸籍情報の連携に必要な条件が整っていない場合や、申請者と法定代理人の戸籍が異なる場合などには、電子戸籍パスの準備が必要になることがあります。
窓口申請に必要な書類
窓口で新規申請する場合は、基本的に次の書類を用意します。
- 一般旅券発給申請書
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の原本1通
- パスポート用写真1枚(縦45mm×横35mm)
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 必要な場合は住民票の写し
住民票の写しは、住民基本台帳ネットワークの利用を希望しない場合や、住民登録のある都道府県以外で申請する場合などに必要となることがあります。
また、有効期限が切れたパスポートを持っている場合は、申請時に返納して失効処理を受けます。
オンライン申請の具体的な流れ
- マイナポータルにログイン:マイナンバーカードを使って本人確認を行う。
- 申請内容を選択:新規申請または切替申請を選ぶ。
- 受取窓口を選択:パスポートを受け取る都道府県の窓口を指定する。
- 顔写真と自署を登録:スマートフォンで撮影するか、保存済みの画像をアップロードする。
- 申請内容を送信:必要事項を確認して申請を完了する。
- 審査結果を確認:マイナポータルの通知から交付予定日を確認する。
- 本人が受け取る:指定した窓口で新しいパスポートを受け取る。
オンライン申請後に不備が見つかった場合は、マイナポータルに修正や追加書類の提出を求める通知が届きます。申請したまま放置せず、「やること」から進捗を確認してください。
また、オンライン申請を利用した場合でも、パスポートの受け取りは本人が窓口へ出向く必要があります。
オンライン申請の支払い方法
オンライン申請では、対応している窓口でクレジットカードによるオンライン納付を利用できます。ただし、オンライン納付への対応状況は都道府県によって異なります。
オンライン申請を選んだからといって、必ずクレジットカードで支払わなければならないわけではありません。従来の納付方法を利用できる場合もあるため、申請先の案内を確認しましょう。
【更新・切替申請】10年パスポートの取得費用は新規申請と同じ?
現在パスポートを持っている人が新しい10年旅券を取得する場合、通常は更新に相当する「切替申請」を行います。
18歳以上の人が通常の10年旅券へ切り替える場合、手数料は新規申請と同じです。
- オンライン切替申請:8,900円
- 窓口切替申請:9,300円
初めて取得する人だけが安くなる制度ではありません。現在の旅券から10年旅券に切り替える場合も、同じ料金が適用されます。
切替申請ができるタイミング
外務省によると、一般的に切替申請ができるのは次のようなケースです。
- 現在のパスポートの残存有効期間が1年未満になった場合
- 査証欄の余白が見開き3ページ以下になった場合
現在のパスポートが有効期間内であっても、残り1年未満になれば切替申請を検討できます。
また、査証欄の余白が少なくなった場合も、新しい旅券への切り替えが可能です。
残っている有効期間は新しい旅券に引き継げない
見落としやすいのが、切替申請では現在のパスポートの残存有効期間が新しい旅券に加算されないことです。
例えば、有効期間があと8か月残っている10年旅券を新しい10年旅券に切り替えた場合、残り8か月が追加されて10年8か月になるわけではありません。
旧パスポートは残存期間を含めて失効し、新しい旅券の有効期間は発行日から10年間となります。
そのため、旅行予定がないのに早めに切り替えると、残っていた有効期間を使い切れないことになります。費用だけでなく、残存期間も考慮して申請時期を決めることが大切です。
5年旅券から10年旅券への切り替えも可能
現在有効な5年旅券を持っている18歳以上の人も、切替申請の条件を満たせば、新しい10年旅券を取得できます。
ただし、現在の5年旅券が有効だからといって、すぐに新しい旅券へ切り替える必要はありません。残存有効期間が1年未満になる時期を目安に、海外渡航の予定と照らし合わせて判断するとよいでしょう。
【申請から受け取りまでの日数】通常2週間、旅行前は余裕を持って
パスポートの申請で料金と同じくらい気になるのが、実際に受け取れるまでの日数です。
外務省によると、2026年11月現在、国内で申請した場合の交付までの期間は通常約2週間です。海外の在外公館で申請する場合は、通常2週間から1か月程度かかります。
2025年旅券の導入で発給体制が変化
2025年3月24日から導入された新しいパスポートは、顔写真ページにプラスチック基材を採用し、文字や顔写真をレーザーで印字・印画するICチップ搭載旅券です。
偽造・変造対策を強化するため、国立印刷局で集中的に作成する方式になりました。
申請を受理した都道府県から国立印刷局へ作成を依頼し、完成した旅券が各都道府県の旅券事務所へ配送される仕組みです。この工程があるため、従来よりも受け取りまでの時間が必要になっています。
2026年7月の手数料改定直後は混雑にも注意
2026年7月1日の手数料改定前後には、申請者の集中による混雑が予想され、外務省からも交付まで通常より時間を要する可能性が案内されていました。
現在の標準的な目安は約2週間ですが、実際の日数は申請先の旅券事務所の審査状況や申請内容によって変わります。
特に海外旅行や出張の日程が決まっている場合は、出発直前の申請を避けることが大切です。外務省は海外渡航の約1か月前までの申請を目安として案内しています。
受取可能日は「パスけん」で確認できる
2026年3月22日からは、パスポート受取可能日検索システム「パスけん」で、申請した旅券の作成状況や確実に受け取れる日を確認できるようになりました。
マイナポータルから申請した場合は、交付予定日の通知に記載された案内から確認できます。
なお、新しいパスポートが発行されてから6か月以内に受け取らない場合は失効します。未交付失効後5年以内に再申請すると、通常より高い手数料が適用されるため、交付通知を受け取ったら早めに受け取りましょう。
【プロの結論】10年パスポートはオンライン申請がおすすめ?損をしない選び方
2026年の制度改定によって、10年パスポートの取得費用は大きく下がりました。オンライン申請なら8,900円で取得でき、窓口申請の9,300円と比べて400円節約できます。
ただし、最も重要なのは、料金の安さだけで申請方法を決めないことです。自分の状況に応じて、手続きのしやすさや必要書類、受取窓口までの距離も考える必要があります。
オンライン申請が向いている人
- マイナンバーカードと対応スマートフォンを持っている人
- 仕事や育児で平日に申請窓口へ行く時間が取りにくい人
- 400円でも手数料を節約したい人
- 戸籍謄本を紙で取得する手間を省きたい人
- スマートフォンで写真や自署画像を登録できる人
窓口申請が向いている人
- マイナンバーカードを持っていない人
- スマートフォンでのオンライン操作に不安がある人
- 申請書類について担当者に直接確認したい人
- 写真や本人確認書類などを対面で確認してもらいたい人
申請前に確認したい5つのポイント
- 年齢:18歳以上なら原則10年旅券、18歳未満なら5年旅券。
- 申請方法:オンラインなら窓口より400円安い。
- 書類:新規申請と切替申請では必要書類が異なる。
- 有効期間:切替申請では旧旅券の残存期間を引き継げない。
- 渡航日程:国内でも交付まで通常約2週間かかる。
また、料金を比較するときは、古い情報にも注意が必要です。2026年6月までの10年旅券の料金である15,900円・16,300円を、現在の料金として掲載している情報は改定前のものです。
2026年11月現在の正しい料金は、オンライン8,900円、窓口9,300円です。申請前には外務省の最新の旅券手数料案内と、各都道府県の旅券事務所の情報を確認してください。
【パスポート10年費用】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の10年パスポートの料金はいくらですか?
A1:2026年7月1日以降の申請では、オンライン申請が8,900円、窓口申請が9,300円です。オンライン申請のほうが400円安くなります。
Q2:10年パスポートは18歳以上なら誰でも申請できますか?
A2:18歳以上の人は、原則として10年旅券を申請できます。2026年7月1日以降は成人向けの通常の5年旅券の申請はできなくなっています。
Q3:パスポートのオンライン申請では戸籍謄本は必要ですか?
A3:通常のオンライン新規申請では、戸籍情報がシステム連携されるため、戸籍謄本の紙原本を提出する必要はありません。窓口申請では原則として戸籍謄本の原本が必要です。
Q4:パスポートの更新(切替申請)にも8,900円かかりますか?
A4:18歳以上の人が通常の10年旅券へ切り替える場合、オンライン8,900円、窓口9,300円です。新規申請と同じ手数料が適用されます。
Q5:申請してからパスポートを受け取るまで何日かかりますか?
A5:国内では通常約2週間、海外の在外公館では通常2週間から1か月程度です。申請先や審査状況によって異なるため、出発の約1か月前までの申請を目安にしましょう。
Q6:オンラインで申請すればパスポートを郵送してもらえますか?
A6:郵送での受け取りはできません。オンライン申請でも本人が指定した窓口へ出向いて受け取る必要があります。
Q7:2026年7月より前に取得した5年パスポートは使えなくなりますか?
A7:いいえ。改定前に取得した5年旅券は、制度改定後も有効期間満了日まで使用できます。
まとめ:2026年の10年パスポートはオンライン8,900円が最安
2026年11月現在、日本の10年パスポートの発給手数料は、オンライン申請8,900円、窓口申請9,300円です。2026年7月1日の改定によって、従来より7,000円安くなりました。
オンライン申請は400円安いだけでなく、申請時の来庁が不要になり、戸籍謄本の紙原本も通常は提出不要になるなど、手続き面でもメリットがあります。
一方、18歳以上は原則10年旅券のみという年齢条件や、申請から受け取りまで通常約2週間かかる点には注意が必要です。
これから新規取得や更新を予定している人は、まず現在のパスポートの有効期間と渡航予定を確認し、マイナポータルを利用できる場合はオンライン申請を検討するとよいでしょう。
料金だけでなく、申請の手間、必要書類、受け取りまでの日数を総合的に比較することが、2026年のパスポート取得で余計な出費や手続きの遅れを防ぐポイントです。
主な公的根拠: 外務省「旅券手数料改定 関連情報」「日本国内及び国外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類」「国内からオンライン申請する」「2025年旅券に関するお問い合わせ」。