2026年の平良は、先発投手として20試合、救援で1試合に登板。シーズンを通じて106回1/3を投げ、109奪三振、防御率3.30という成績を残した。
数字を詳しく見ると、単純な勝敗以上に評価できる部分がある。奪三振率は9.23、WHIPは1.17、与四球は23個。三振を奪う能力と四球を抑える能力の両方が数字に表れている。
2026年の主要投手成績
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 登板試合数 | 21試合 |
| 先発登板 | 20試合 |
| 勝利 | 5勝 |
| 敗北 | 8敗 |
| 防御率 | 3.30 |
| 投球回 | 106回1/3 |
| 奪三振 | 109 |
| 被安打 | 101 |
| 被本塁打 | 9 |
| 与四球 | 23 |
| WHIP | 1.17 |
| 奪三振率 | 9.23 |
| QS | 6回 |
| QS率 | 30.0% |
出典:2026年度投手成績の公開データ。WHIPは1イニングあたりの被安打・与四球による走者数を示す指標。
5勝8敗という数字をどう評価するべきか
最初に注目したいのは、5勝8敗という勝敗と防御率3.30の関係だ。
勝敗だけを見れば負け越しだが、防御率3.30は極端に崩れたシーズンを意味する数字ではない。さらに109奪三振を記録しており、奪三振率は9.23。1試合当たりではなく9イニング換算で約9個の三振を奪う計算になる。
与四球は23個で、奪三振との比率を示すK/BBは4.74。打者を歩かせず、三振を奪う能力には評価できる材料がある。
一方で、QS(クオリティ・スタート)は6回、QS率は30.0%だった。QSとは先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えること。先発20試合のうち6試合という数字からは、安定して6回以上を投げ切る部分に課題が残ったことも読み取れる。
つまり、2026年の平良は三振を奪い、四球を抑える能力を発揮した一方、先発投手として長いイニングを安定して消化する点には改善の余地があったという評価が妥当だ。
【プロフィール・経歴】北山高校から巨人、そしてDeNAへ

平良拳太郎(たいら・けんたろう)
2026年11月時点
- 生年月日:1995年7月12日
- 出身地:沖縄県
- 身長:180cm
- 体重:80kg
- 投打:右投右打
- ポジション:投手
- 背番号:59
- ドラフト:2013年5位
平良拳太郎は沖縄県出身のプロ野球選手だ。北山高校から2013年のドラフト5位で読売ジャイアンツに指名され、2014年にプロ入りした。
現在の所属は横浜DeNAベイスターズ。巨人でのプロ生活を経て、2017年からDeNAでプレーしている。身長180cmの右投右打の投手で、サイド気味の腕の振りと変化球を生かした投球が特徴だ。
球団公式プロフィールでは、経歴を「北山高-巨人(14年~16年)-横浜DeNA(17年~)」と紹介している。
巨人時代はどんな選手だった?
2013年ドラフト5位で巨人に入団した平良は、プロ入り後、まずファームで経験を積んだ。
巨人時代のファーム成績を見ると、2014年は7試合に登板して1勝0敗、防御率1.71。2015年は16試合で4勝3敗、2016年は12試合で6勝2敗、防御率2.31だった。
2016年には一軍登板も経験している。ただし、一軍での登板は1試合、投球回は3回2/3。0勝1敗、防御率9.82という結果だった。
当時はまだ一軍で実績を積み上げる段階にあり、巨人での在籍期間は2014年から2016年までの3年間だった。
DeNA移籍の理由は山口俊のFA移籍
平良のキャリアを考えるうえで重要なのが、2017年の横浜DeNA移籍だ。
この移籍は、一般的な交換トレードとは異なる。2016年オフ、DeNAからFA権を行使して巨人へ移籍した山口俊の人的補償として、DeNAが平良を獲得したものだった。
DeNAは2017年1月5日に平良との選手契約を発表。日本野球機構(NPB)の公示でも、2017年1月6日付で巨人からDeNAへの移籍が記録されている。
当初は巨人で一軍実績が少なかった平良だが、新天地で先発投手としての可能性を広げていくことになる。
【キャリア年表】平良拳太郎の転換点と年度別成績
平良のプロ生活は、巨人時代、DeNA移籍後の成長期、肘の手術からの復帰、そして2026年の先発登板増加という流れで整理できる。
以下は、球団公式の年度別成績とNPBの移籍記録を基にまとめた主な経歴だ。
| 年度 | 所属・出来事 | 一軍成績 |
|---|---|---|
| 2013年 | 巨人からドラフト5位指名 | プロ入り |
| 2014年 | 巨人 | ファームで1勝 |
| 2015年 | 巨人 | ファームで4勝 |
| 2016年 | 巨人 | 一軍1試合、0勝1敗 |
| 2017年 | FA人的補償でDeNA移籍 | 1勝3敗 |
| 2018年 | DeNA | 5勝3敗、防御率3.49 |
| 2019年 | DeNA | 5勝6敗、防御率4.11 |
| 2020年 | DeNA | 4勝6敗、防御率2.27 |
| 2021年 | DeNA | 右肘の手術を経験 |
| 2022年 | 復帰に向けたリハビリ期間 | 一軍登板なし |
| 2023年 | 一軍復帰 | 4勝4敗、防御率3.49 |
| 2024年 | DeNA | 2勝0敗、防御率1.21 |
| 2025年 | DeNA | 4勝3敗、防御率2.95 |
| 2026年 | DeNA | 5勝8敗、防御率3.30 |
出典:横浜DeNAベイスターズ公式選手プロフィール、NPB公示、週刊ベースボールONLINEの選手情報。
2021年の右肘手術がキャリアの大きな分岐点
平良のキャリアを語るうえで、2021年の右肘の故障は避けて通れない。
週刊ベースボールONLINEの選手紹介によると、2021年は開幕ローテーション入りを果たしたものの、開幕早々に右肘の張りで緊急降板。その後、同年6月にトミー・ジョン手術を受けた。
手術後は育成契約を経てリハビリに取り組み、2022年7月30日に再び支配下登録された。2023年は本格的な一軍復帰シーズンとなり、4月5日の登板では6回4安打無失点の投球で勝利を挙げている。
2024年も2勝0敗、防御率1.21と好成績を残したが、一軍登板は4試合にとどまった。故障からの復帰後も、継続的な登板機会を確保することが大きなテーマだったことが分かる。
2025年から2026年にかけて登板数が増加
2025年は12試合に登板し、4勝3敗、防御率2.95。55イニングを投げ、46奪三振を記録した。
続く2026年は21試合、106回1/3まで登板数と投球回が増加。前年と比較すると、投球回は約2倍になっている。
手術後の復帰を経て、2026年には一軍の先発ローテーションを担う機会が増えた。故障からの復帰という観点でも、21試合に登板したことはキャリアの一つの節目といえる。
【投球フォーム・球種】平良拳太郎の武器は多彩な変化球
平良の投球を特徴づけているのは、独特の投球フォームと複数の変化球を組み合わせるスタイルだ。
スポーツナビの選手紹介では、平良はサイド気味のフォームから鋭い変化球を投げる右腕として紹介されている。週刊ベースボールONLINEも、独特のトルネード投法を特徴として挙げている。
一般的なオーバースローの投手とは異なる腕の角度や体の使い方によって、打者にとってタイミングを合わせにくい投球を生み出すタイプだ。
2026年に使用した主な球種
2026年の球種別投球データを見ると、平良はストレートを軸に、スライダー、カットボール、シンカーを組み合わせている。
| 球種 | 投球割合 | 平均球速 |
|---|---|---|
| ストレート | 37.1% | 142.5km/h |
| スライダー | 20.7% | 125.9km/h |
| カットボール | 18.8% | 137.2km/h |
| シンカー | 17.0% | 137.0km/h |
| フォーク | 4.2% | 128.6km/h |
| カーブ | 2.2% | 114.4km/h |
出典:2026年の球種別投球データ集計。球速は集計上の平均値で、試合や計測条件によって変動する。
ストレートだけに頼らない投球設計
最も投球割合が高いのはストレートで、全体の約37%を占める。ただし、スライダー、カットボール、シンカーもそれぞれ約17~21%を占めており、複数の球種をバランスよく使用している。
特にスライダーは平良の投球を構成する重要な球種だ。2026年の投球データでは、スライダーの投球割合は20.7%。ストレートに続く使用頻度となっている。
また、シンカーは打者の手元で変化する球種であり、スライダーやカットボールとは異なる軌道を見せる。左右の打者に対して球種を使い分けられる点が、平良の投球の幅につながっている。
2026年のストレートは最速148km/hを記録。平均球速は142.5km/hだった。圧倒的な球速だけで押すタイプではなく、フォームと変化球の組み合わせで打者の反応を引き出す投手と捉えると分かりやすい。
【通算成績と実力】平良拳太郎はDeNAの先発陣で何を担うのか
2026年シーズン終了時点で、平良の一軍通算成績は97試合、30勝34敗、防御率3.23、427奪三振となっている。
通算投球回は498回1/3。巨人時代の一軍登板は1試合に限られているため、キャリアの大部分はDeNAで積み上げたものだ。
年度別成績から見える成長
| 年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|
| 2016 巨人 | 1 | 0勝1敗 | 9.82 | 4 |
| 2017 DeNA | 4 | 1勝3敗 | 7.07 | 6 |
| 2018 DeNA | 13 | 5勝3敗 | 3.49 | 53 |
| 2019 DeNA | 15 | 5勝6敗 | 4.11 | 55 |
| 2020 DeNA | 14 | 4勝6敗 | 2.27 | 65 |
| 2021 DeNA | 2 | 0勝0敗 | 0.90 | 6 |
| 2023 DeNA | 11 | 4勝4敗 | 3.49 | 61 |
| 2024 DeNA | 4 | 2勝0敗 | 1.21 | 22 |
| 2025 DeNA | 12 | 4勝3敗 | 2.95 | 46 |
| 2026 DeNA | 21 | 5勝8敗 | 3.30 | 109 |
| 通算 | 97 | 30勝34敗 | 3.23 | 427 |
出典:横浜DeNAベイスターズ公式選手プロフィールの年度別一軍投手成績。2022年は一軍登板なし。
2026年は奪三振能力が際立ったシーズン
2026年の109奪三振は、平良の一軍キャリアでも目立つ数字だ。これまでの年度別成績と比べても、2023年の61奪三振、2025年の46奪三振を大きく上回っている。
2026年は投球回も106回1/3まで増えた。単純に登板数が増えただけではなく、打者と対戦する機会が増え、その中で三振を奪う能力を発揮したことが分かる。
一方、先発投手としての評価では奪三振だけでなく、投球回、QS率、防御率も見る必要がある。2026年はQS率30.0%だったため、三振を取れることと、試合を長く任せられることの両立が今後の課題になる。
DeNAで期待される役割
平良の強みは、複数の変化球を使いながら打者を打ち取れることにある。右打者、左打者のどちらにも対応できる球種構成は、先発投手としての選択肢を広げる。
また、2021年の手術を経験し、復帰後も登板機会を増やしてきた経歴を考えると、年間を通じて先発ローテーションに定着できるかは大きな評価ポイントになる。
2026年の21試合登板は、その意味で前進を示す数字だ。ただし、今後さらに評価を高めるには、登板数を維持しながら6回以上を投げる試合を増やし、シーズンを通じて安定した投球を続けることが求められる。
【プロの結論】平良拳太郎の2026年をどう評価するべきか
2026年の平良を評価するとき、5勝8敗という勝敗だけで判断するのは適切ではない。防御率3.30、109奪三振、WHIP1.17という数字には、先発投手としての能力が表れている。
特に注目したいのは、奪三振率9.23と与四球23個という組み合わせだ。打者を三振に仕留める能力を備えながら、無駄な四球を比較的少なく抑えている。
ただし、QS率30.0%という数字は見逃せない。先発投手にとって重要なのは、短いイニングで三振を量産するだけでなく、試合の中盤以降も失点を抑えながら投げ続けることだからだ。
今季の評価を整理すると、次のようになる。
- 評価できる点: 109奪三振、奪三振率9.23、WHIP1.17。
- 強み: ストレート、スライダー、カットボール、シンカーを使い分ける投球。
- 課題: QS率30.0%で、先発として長いイニングを投げる安定感。
- 今後の注目点: 登板数を維持しながら、6回以上を投げる先発登板を増やせるか。
平良は、単に球速で勝負する投手ではない。フォームの特徴と複数の変化球を組み合わせ、打者のタイミングを外す投球に持ち味がある。2026年は奪三振能力を数字で示した一方、先発としての総合力をさらに高める余地も残したシーズンだった。
平良拳太郎に関するよくある質問(FAQ)
Q1:平良拳太郎は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年11月時点では、横浜DeNAベイスターズに所属しています。背番号は59です。
Q2:平良拳太郎の2026年の成績は?
A2:レギュラーシーズンは21試合に登板し、5勝8敗、防御率3.30、109奪三振でした。投球回は106回1/3です。
Q3:平良拳太郎は巨人からDeNAにトレードされたのですか?
A3:正確には通常の交換トレードではありません。2016年オフに山口俊がDeNAから巨人へFA移籍した際、人的補償としてDeNAが平良を獲得しました。
Q4:平良拳太郎はどこの高校出身ですか?
A4:沖縄県の北山高校出身です。2013年ドラフト5位で巨人に指名され、2014年にプロ入りしました。
Q5:平良拳太郎の通算成績は?
A5:2026年シーズン終了時点で97試合、30勝34敗、防御率3.23、427奪三振、通算投球回498回1/3です。
Q6:平良拳太郎の投球フォームや球種の特徴は?
A6:サイド気味の独特なフォームが特徴です。ストレートを中心に、スライダー、カットボール、シンカー、フォーク、カーブなどを使用します。
まとめ:平良拳太郎は2026年に先発投手として存在感を示した
平良拳太郎は、北山高校から2013年ドラフト5位で巨人に入団し、2017年にFA人的補償で横浜DeNAへ移籍した右腕だ。右肘の手術という大きな試練を経験しながら、一軍のマウンドに戻り、キャリアを積み重ねてきた。
2026年は21試合登板、5勝8敗、防御率3.30、109奪三振を記録。特に奪三振能力と制球力は評価できる一方、QS率30.0%という数字からは、先発としての投球回をさらに伸ばす課題も見えてくる。
今後の注目要点は、故障なくシーズンを通して登板できるか、そして複数の変化球を生かしながら長いイニングを安定して投げられるかという2点だ。
巨人時代からDeNA移籍後、手術からの復帰、そして2026年の21試合登板まで。平良のキャリアは、着実に経験を積み重ねてきた歩みでもある。今後も背番号59の投球内容と、先発ローテーションでの役割に注目したい。
主な参照資料:横浜DeNAベイスターズ公式選手プロフィール・ニュース、NPB公式選手名鑑・公示、スポーツナビ、週刊ベースボールONLINE、2026年度投球データ集計。