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【閉店理由を検証】なぜ100店舗から6店舗まで減少したのか

硲 俊 硲 俊 • 更新: • 公開: • 読了約 13 分
目次

「から揚げの天才」の閉店が相次いだ背景には、単独の原因ではなく、フランチャイズ経営と唐揚げ市場の環境変化が重なった事情がある。

1. フランチャイズ加盟店の採算が悪化した

象徴的な出来事が、2022年のアークコアによるフランチャイズ事業からの撤退だ。

アークコアは2020年9月にワタミと契約し、関東地方で「から揚げの天才」を11店舗運営していた。しかし、2022年6月28日にフランチャイズ契約の解除を発表し、同年7月末で飲食事業から撤退する方針を明らかにした。

J-CASTニュースが報じた同社の決算情報によると、2022年2月期のフランチャイズ事業は1億4,900万円の営業赤字だった。有価証券報告書では、競合店舗の増加、新規出店費用、想定を大きく下回った店舗売上などが経営上の問題として挙げられている。

これはブランド全体の全店舗が赤字だったことを意味しない。しかし、加盟企業にとって、出店を増やせば必ず利益が伸びるわけではないという現実を示す事例となった。

2. ワタミ自身も店舗の整理を進めた

ワタミの株主総会資料にも、店舗整理の動きが記録されている。

同社の2023年6月の事業報告資料では、2022年1月に「から揚げの天才」の駅前を中心とした14店舗を閉鎖した経緯が記載されている。同時に弁当メニューの強化も進められていた。

つまり、閉店はフランチャイズ加盟企業だけの判断ではなく、運営会社側も店舗網の見直しを進めていたことが分かる。

3. コロナ禍のテイクアウト需要が平常化した

出店拡大の追い風だったのが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテイクアウト需要だ。

外食を控える人が増え、持ち帰り専門店は比較的出店しやすい業態として注目された。唐揚げは調理工程を標準化しやすく、幅広い年代に需要があるため、多くの企業が市場に参入した。

しかし、外食需要が戻ると、テイクアウト専門店だけが持っていた優位性は薄れていく。飲食店の通常営業が回復すれば、顧客は唐揚げを買う場所を専門店だけに限定する必要がなくなる。

4. 原材料費・人件費・光熱費の上昇

唐揚げは比較的安価な鶏肉を使うため、低価格で提供できるというイメージが強い。一方、実際の店舗経営では鶏肉だけでなく、食用油、小麦粉、包装資材、光熱費、人件費などが必要になる。

帝国データバンクの2025年12月の調査では、輸入鶏肉価格の高止まりに加え、キャノーラ油や人件費、光熱費の上昇が唐揚げ店の経営を圧迫していると分析されている。

価格を上げれば顧客が離れる可能性があり、価格を維持すれば利益が減る。この構造は、低価格とボリュームを強みとしていた唐揚げ専門店にとって大きな課題だった。

こうした事情を総合すると、「から揚げの天才」の縮小は、商品そのものの人気がなくなったという単純な話ではない。急拡大を前提にした店舗網が、コロナ後の需要とコスト構造に適応する過程で大きく再編されたと見るのが妥当だ。

【メニュー・価格・評判】デカからとからたま弁当は今も人気?

テリー伊藤唐揚げ

店舗数が減った現在も、公式サイトには「デカから」を中心とする唐揚げ商品や、玉子焼きを組み合わせた弁当が掲載されている。

看板商品「デカから」の特徴

ブランドの中心商品は、存在感のある大きな唐揚げ「デカから」だ。

2021年の100店舗達成時にワタミが発表した商品仕様では、唐揚げは1個約60g。当時の価格は税別99円(税込106円)だった。大きさと値ごろ感を両立させることが、初期の差別化戦略だった。

また、味の違いを楽しめるように、白・黒・赤といった味付けのバリエーションも展開してきた。

2026年の公式メニューと価格

公式のおしながきに掲載されている主な商品と価格は次のとおり。いずれも税込表示だ。

- からたま2個弁当:620円
- からたま3個弁当:740円
- からたま4個弁当:870円
- デカから3個弁当:630円
- から揚げ丼:610円
- デカから8個パック:1,190円
- ファミリーパック:1,480円
- 焼肉&から揚げ弁当:790円

注目したいのは「からたま弁当」だ。唐揚げと玉子焼きを一つの弁当にまとめることで、同店らしい商品構成を実現している。

また、公式メニューには焼肉弁当、のり弁、しょうが焼き弁当なども掲載されている。唐揚げ単品だけでなく、弁当需要を取り込む方向に商品構成を広げていることがうかがえる。

なお、公式サイトには店舗によって取り扱いのない商品や価格が異なる場合があるとの注意書きがある。実際の注文時には各店舗の最新情報を確認したい。

テリー伊藤こだわりの玉子焼きが差別化のポイント

もう一つの看板商品が玉子焼きだ。

テリー伊藤の実家である築地の丸武は、大正末期に創業した老舗。丸武の公式紹介では、契約農場から毎日直送される卵を使用し、秘伝のだしを生かして職人が焼き上げる製法を紹介している。

この背景があるからこそ、玉子焼きは単なる付け合わせではなく、ブランドの個性を形成する商品になった。

唐揚げだけで競争するのではなく、弁当の定番おかずである玉子焼きを組み合わせる。これは商品力とブランドストーリーを同時に訴求する戦略だったといえる。

から揚げの天才の評判はどうなのか

口コミを見る際には、チェーン全体の評判と個別店舗の評価を区別する必要がある。

例えば、板橋区役所前仲宿店については、Yahoo!マップ上で総合評価4.29、16件の評価が掲載されていた時期があり、ボリューム感や食材へのこだわりが利用者の注目点として挙がっている。

一方、不動前店については、口コミ分析サイトでGoogleの評価3.6(65件)という情報が掲載されている。店舗によって評価の数字は異なり、全国共通の満足度を示すものではない。

商品の特徴から整理すると、評価されやすい要点は次のようになる。

- ボリューム感: 大きめの唐揚げを食べたい人に向いている。
- 味の選択肢: 定番の味だけでなく、味付けの違いを楽しめる。
- 弁当の組み合わせ: 玉子焼きと唐揚げを一度に味わえる。
- 価格の比較: スーパーやコンビニの惣菜と比較して、価格に見合う量や満足感があるかが判断材料になる。

反対に、唐揚げをできるだけ安く購入したい人や、近所にスーパーの惣菜売り場が充実している人にとっては、必ずしも専門店を選ぶ理由が強くない可能性がある。

【唐揚げ専門店ブームは終焉した?】2026年の市場を分析

「から揚げの天才」の店舗数減少は、唐揚げ専門店全体の市場環境とも深く関係している。

ただし、唐揚げ専門店ブームの終焉と、唐揚げそのものの人気低下は同じではない。

帝国データバンクが示す倒産件数の変化

帝国データバンクの調査によると、持ち帰り中心の唐揚げ店の倒産件数は、次のように推移している。

- 2023年:27件
- 2024年:16件
- 2025年1~11月:12件
- 2026年1~8月:2件

特に注目したいのは、2026年1~8月の倒産件数が前年同期間の15件から2件へ減少したことだ。帝国データバンクは、前年同期比で約9割減と報告している。

調査対象は負債1,000万円以上で法的整理となった事業者であり、通常の閉店や自主廃業をすべて含む数字ではない。それでも、倒産件数の推移から市場の淘汰が落ち着きつつある様子が読み取れる。

ブームから定着へ変わる唐揚げ市場

帝国データバンクが2026年9月に公表した分析では、急激な出店競争を経て、固定客を持つ店舗が生き残る段階に移っていると指摘している。

生き残った店舗では、唐揚げ単品の販売だけに依存せず、弁当やのり弁、トッピングなどを充実させ、客単価と付加価値を高める動きが見られる。

これは「から揚げの天才」が焼肉弁当やのり弁などを取り入れている方向性とも重なる。専門店という看板だけでは集客が難しくなり、日常的に利用してもらえる弁当屋としての価値が問われているのだ。

つまり、終わったのは唐揚げ需要そのものではなく、短期間で店舗を増やせば成長できるというブーム型のビジネスモデルだったと考えられる。

【プロの結論】店舗数の多さよりリピーターを獲得できるか

飲食チェーンの成長を評価する際、店舗数は分かりやすい指標だ。しかし、店舗数が増えても加盟店が利益を確保できなければ、持続的な成長にはつながらない。

「から揚げの天才」の事例から見えるのは、商品力、知名度、低投資の出店モデルという三つの強みがあっても、立地ごとの需要や店舗収益、原価管理が伴わなければ事業を維持できないという現実だ。

今後の飲食業界で重要になるのは、急激な出店競争ではなく、顧客が繰り返し利用したくなる理由を作ることだろう。唐揚げという身近な商品だからこそ、味、価格、量、利便性のバランスが厳しく比較される。

100店舗を達成した実績は確かな成長の記録だが、2026年の6店舗という現状もまた、外食フランチャイズの難しさを示す重要な事実である。

【テリー伊藤の唐揚げ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:テリー伊藤の唐揚げ店「から揚げの天才」は閉店したのですか?
A1:完全閉店したわけではない。2026年10月時点で公式店舗一覧には6店舗が掲載されており、東京都、静岡県、宮城県で営業している。

Q2:から揚げの天才はなぜ100店舗から6店舗まで減ったのですか?
A2:主な背景は、フランチャイズ加盟店の採算悪化、コロナ禍後のテイクアウト需要の変化、競合店の増加、原材料費や人件費の上昇など。2022年には加盟企業アークコアが11店舗を運営から撤退した事例もある。

Q3:テリー伊藤は現在も「から揚げの天才」を経営しているのですか?
A3:ブランドの運営主体はワタミ株式会社。テリー伊藤はブランド立ち上げ時に玉子焼きの商品コンセプトなどに関わった人物だが、現在の日常的な店舗経営への関与は公表資料から確認できない。

Q4:から揚げの天才の人気メニューと価格はいくらですか?
A4:公式メニューでは、からたま2個弁当620円、3個弁当740円、4個弁当870円、デカから3個弁当630円などが掲載されている。店舗によって取り扱いや価格が異なる場合がある。

Q5:から揚げの天才の店舗はどこにありますか?
A5:板橋区役所前仲宿店、うぐいす谷店、住吉店、不動前店、磐田今之浦店、イオンモール新利府北館店の6店舗が公式一覧に掲載されている。

まとめ:テリー伊藤の唐揚げ店は縮小してもブランド存続

「から揚げの天才」は、テリー伊藤とワタミの協業によって2018年に誕生し、2021年7月には100店舗を達成した唐揚げ専門店だ。大きなデカからと築地・丸武にゆかりのある玉子焼きを組み合わせた商品戦略は、ブランド独自の魅力を生み出した。

しかし、その後はフランチャイズ加盟店の撤退や不採算店舗の整理が進み、2026年10月には公式店舗一覧で6店舗となっている。

閉店の背景には、コロナ禍後の需要変化、競争激化、原材料費や人件費の上昇など、飲食業界全体に共通する課題があった。100店舗達成からの急減は、急成長型のフランチャイズ経営が抱えるリスクを浮き彫りにした。

一方で、唐揚げ専門店の市場そのものは、ブームから日常的な中食需要へと変化している。2026年の市場データにも、倒産件数の減少という変化が表れている。

テリー伊藤の名前で知られる「から揚げの天才」は、かつての全国規模のチェーンから、限られた地域で営業を続けるブランドへと姿を変えた。今後の注目点は、店舗数を再び増やせるかだけではない。デカからや玉子焼きという独自の強みを生かし、地域の顧客に選ばれ続ける店になれるかどうかだ。

華やかな100店舗達成の記録と、その後の大幅な縮小。この両方を知ることで、唐揚げ専門店ブームの実態と、飲食ビジネスにおける持続的な成長の難しさが見えてくる。

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コンテンツディレクター 硲 俊
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アニメ・漫画・声優の話題を扱うライター。制作委員会や出版社の公式告知、雑誌の巻末情報を確認し、放送日やキャスト変更は公式発表に基づいて更新します。

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