REAL VALUEのCEOとして経済エンターテインメントを展開
2024年12月にスタートした『REAL VALUE』は、経営者のプレゼンテーションや事業評価をエンターテインメントとして見せる番組です。
堀江貴文氏、溝口勇児氏、三崎優太氏らがチェアマンを務め、各分野の経営者で構成される「マフィア」とともに、プレゼンターの事業構想や経営戦略について議論します。
単に成功した経営者の話を聞く番組ではなく、事業の弱点や成長可能性について厳しい意見を交わす構成が特徴です。
2025年7月の番組関連発表では、開始から約半年で関連動画の総再生数が4億2,000万回を突破したと公表されました。
加えて、2026年1月のグループ発表では、開始4か月で総再生回数5億回超、月間1億8,000万回再生という実績が紹介されています。
これらは番組側の発表数値ですが、経営者の知見を動画コンテンツに転換する事業モデルが、大きな発信力を獲得したことを示す指標です。
NoBorderで報道事業にも参入
2025年6月30日、溝口氏は国際的な報道ネットワークを持つ報道会社をM&Aで取得し、社名をNoBorderに変更したと自身のXで発表しました。
その後、2025年7月8日に新番組『NoBorder』を始動させています。
NoBorderが掲げるテーマは、既存メディアでは扱いにくいとされる政治・社会問題などへの切り込みです。
2025年のグループ発表では、番組開始4か月でチャンネル登録者数45万人を超えたと紹介されています。
2026年7月には、株式会社NoBorderが『NoBorder News』の配信実績を公表。物価高と消費減税、皇室典範改正、週刊誌ジャーナリズムなど、政治・社会に関わるテーマを扱っています。
特に注目したいのは、溝口氏が単なる番組出演者ではなく、報道事業を運営する会社のCEOを務めていることです。
ただし、報道事業では再生数や登録者数だけでなく、取材の正確性、情報源の透明性、訂正対応、編集の独立性も評価されます。視聴者からの注目を、長期的な報道への信頼につなげられるかが今後の課題です。
2026年9月29日、WEIN/BACKSTAGE GroupからYOAKE Groupへ
2026年の大きな転換点となったのが、9月29日のグループ再編です。
WEIN/BACKSTAGE Groupは、持株会社の商号を株式会社YOAKEに変更し、YOAKE Groupとして再始動しました。
株式会社YOAKEの発表によると、グループは全30社で構成されています。
事業領域は大きく3つです。
- エンターテインメント: BreakingDown、REAL VALUE、NoBorder、LAST CALLなど
- マーケティング: SNSマーケティング、デジタル制作、オフライン広告など
- 教育: HERO'ZZ、CREATOR'ZZ、AI+、REAL VALUE ACADEMIAなど
今回の再編は、単なる社名変更ではありません。
複数の会社やブランドに分かれていた事業をYOAKEという一つのグループブランドにまとめ、各社の制作力、発信力、コミュニティ、人材育成のノウハウを組み合わせる狙いがあります。
加えて、同発表では福岡・北九州を拠点とするCROSS FMとの連携も発表されました。
溝口氏はCROSS FMの取締役とCROSS FM TOKYOのCEOにも就任することになり、インターネット動画だけでなく、ラジオを含む放送メディアにも活動を広げています。
FiNC時代のヘルスケアアプリから、格闘技、経済番組、報道、教育、放送へ。事業の共通点は、コンテンツやテクノロジーを活用して、人とサービス、情報をつなぐ仕組みをつくることです。
2026年の教育事業:AI・動画制作・起業家育成
2026年1月7日、WEIN/BACKSTAGE Groupは3つの教育事業を同時展開すると発表しました。
| 教育ブランド | 学習分野 | 目指す方向性 |
|---|---|---|
| AI+ | 生成AI・業務活用 | AIを実務に取り入れる人材の育成 |
| CREATOR'ZZ | 動画制作・クリエイター活動 | 映像制作と発信力の習得 |
| REAL VALUE ACADEMIA | 起業・経営 | 事業を立ち上げる実践力の育成 |
AI+では、生成AIの基礎、プロンプト設計、画像・動画制作、業務自動化などを扱います。
CREATOR'ZZは動画クリエイター育成、REAL VALUE ACADEMIAは起業家育成を目的としています。
特徴は、座学だけで完結させず、実際の事業運営やコンテンツ制作で得た知見を教育に転用する点です。
溝口氏がトレーナー時代から重視してきた「専門知識を相手に合わせて提供する」という考え方が、教育事業にもつながっています。
ゼロ高等学院の理事に就任、堀江貴文氏と教育改革へ
2026年9月29日、溝口氏は堀江貴文氏が主宰するゼロ高等学院の理事に就任しました。
ゼロ高等学院は、通信制高校と連携しながら実践的な学習や社会経験を積む教育機関です。
新体制では、生成AIやAI動画の実践教育、高校在学中のインターン、進学・就職・起業に対応した進路支援などを導入する構想が発表されました。
特に注目されるのが、2027年度からの授業料引き下げです。
ゼロ高等学院の2027年度からの教育改革
従来の年間授業料約80万円

2027年度からの予定額約40万円
- 堀江貴文氏と溝口勇児氏がそれぞれ1億円を拠出する方針
- 合計2億円の「堀江・溝口ゼロ基金」を構想
- AI+とCREATOR'ZZをカリキュラムに導入
- 高校2年次までのインターンや実務プロジェクトを推進
- 一定条件を満たした生徒への授業料一部返金制度も予定
この取り組みには、溝口氏自身の生い立ちが関係しています。
2026年9月の発表で、本人は幼い頃に教師を夢見ていたものの、家庭の経済状況から進学を諦めた経験を語りました。
17歳でトレーナーの仕事に出会った後も、人を育てたいという思いは持ち続けていたといいます。
つまり、教育事業は単に新しい市場へ進出するための取り組みではなく、自身が経験した進路選択の制約を、次の世代には繰り返させたくないという問題意識にも結びついています。
2026年9月時点でゼロ高等学院の在籍生徒数は約85人と公表されています。今後は、教育内容の質と費用負担の両面で、どれだけ継続的な成果を出せるかが問われます。
【評判・実績】溝口勇児は何が評価され、何が課題なのか
溝口氏の評判を考える際には、事業実績、経営能力、組織運営、情報発信力を分けて見る必要があります。
評価される主な実績
最初に、客観的な経歴として確認できる代表的な実績は次のとおりです。
1.FiNCで大規模な資金調達を実現
創業企業で累計150億円強の資金調達に至ったことは、投資家や事業パートナーを集める経営者としての実績です。
2.複数ジャンルのコンテンツ事業を展開
BreakingDown、REAL VALUE、NoBorderなど、異なる視聴者層を持つコンテンツを事業として運営しています。
3.経営者としての受賞・選出歴
YOAKE Groupの公式プロフィールでは、2018年のWIRED INNOVATION AWARD選出、2017年の日経ビジネス「若手社長が選ぶベスト社長」選出が紹介されています。
4.教育事業への展開
AI、動画制作、起業家育成に加え、ゼロ高等学院の理事として教育機関の運営にも参画しています。
評価する際に見逃せない経営上の課題
一方、事業規模が大きいことだけで、経営者としてのすべての能力が証明されるわけではありません。
特に注目したいのは、WEIN時代の経営体制をめぐる問題です。
2021年には、共同で事業を進めていた経営陣との対立が表面化し、溝口氏はグループの代表を退任しました。本人も当時の関係者に謝罪し、ファンドの整理方針を公表しています。
また、2026年10月には、HERO'ZZの経営体制にも変更がありました。
運営会社の2026年10月9日付発表によると、代表取締役だったヴァンビ氏は10月6日付で代表取締役と取締役を辞任し、新たにかずひらこと森本一平氏が代表取締役社長に就任しました。
会社側は一連の報道を受けて関係者に謝罪し、事実関係の確認を進めていると説明しています。
一方、溝口氏は取締役会長として引き続き経営に携わると発表されました。
この発表は、溝口氏本人に関する問題を示すものではありません。ただし、同氏が経営に関与する教育事業の信頼性や組織管理を考えるうえで、重要な動きです。
溝口勇児の実績を判断する5つの基準
| 評価項目 | 確認できる実績 | 今後の判断ポイント |
|---|---|---|
| 起業・資金調達 | FiNC累計150億円強 | 調達後の事業継続性 |
| コンテンツ運営 | BreakingDown、REAL VALUE | 視聴者の継続率と収益性 |
| メディア事業 | NoBorder | 報道の正確性と編集の信頼性 |
| 教育事業 | HERO'ZZ、AI+、ゼロ高 | 受講生・生徒の長期的な成果 |
| 組織経営 | YOAKE Group全30社 | ガバナンスとグループ間の統制 |
特に重要なのは、売上や再生回数といった規模を示す指標と、顧客や利用者に長期的な価値を提供できているかという指標を混同しないことです。
溝口氏は大きな構想を掲げ、短期間で複数の事業を立ち上げる力を示してきました。今後は、それぞれの事業をどれだけ持続可能な組織として育てられるかが、経営者としての評価を左右します。
【よくある質問】溝口勇児の経歴に関するFAQ
Q1:溝口勇児の出身高校はどこですか?
出身高校の具体的な学校名は、本人の公式プロフィールや確認できるインタビューでは明確になっていません。高校在学中からスポーツクラブで働き、トレーナーとしての経験を積んだことは本人の対談で確認できます。
Q2:溝口勇児は大学に進学していますか?
大学には進学していません。高校卒業後、スポーツクラブで働きながらトレーナーとしてのキャリアを積みました。
Q3:FiNCで150億円超を調達したのは溝口勇児個人ですか?
いいえ。150億円強はFiNC Technologiesという会社の累計資金調達額です。2020年1月に会社が発表した数字であり、溝口氏個人の資産ではありません。
Q4:溝口勇児はBreakingDownのCEOですか?
BreakingDownのCEOは朝倉未来氏です。溝口氏はCOOであり、BACKSTAGEのCEOとして大会運営全般に関わっています。
Q5:2026年現在、溝口勇児は何の会社の代表ですか?
YOAKE GroupのCEO、REAL VALUEのCEO、NoBorderのCEOなどを務めています。また、BreakingDown株式会社のCOO、HERO'ZZの取締役会長としても経営に関与しています。2026年9月にはCROSS FMの取締役、CROSS FM TOKYOのCEOへの就任も発表されました。
まとめ:溝口勇児の経歴から見える起業家としての強みと今後
溝口勇児氏の経歴を振り返ると、高校時代のトレーナー活動からFiNC創業、WEIN設立、BACKSTAGEでのエンターテインメント事業、そして2026年のYOAKE Groupへの再編まで、一貫して事業の仕組みをつくる仕事に取り組んできたことが分かります。
特に押さえておきたい転換点は3つです。
- 2012年: FiNCを創業し、健康・フィットネス分野のテクノロジー化に挑戦。
- 2020〜2022年: WEINで起業家支援に取り組み、その後BACKSTAGEを通じてエンターテインメント事業へ進出。
- 2025〜2026年: REAL VALUE、NoBorder、教育事業を拡大し、YOAKE Groupとして30社を束ねる体制へ移行。
2026年の活動で特に注目されるのは、教育への本格参入です。
自らが経済的な理由で進学を諦めた経験を持つ溝口氏が、AI教育や高校教育に関わるようになったことには、本人の人生と事業構想のつながりが表れています。
一方で、FiNCの資金調達額や番組の再生回数だけで経営能力を判断するのは十分ではありません。WEINの経営問題や、各事業の組織運営、教育サービスの実際の成果も含めて評価する必要があります。
【プロの結論】
溝口勇児氏の最大の特徴は、トレーナーとして現場を経験し、その後、テクノロジー、投資、コンテンツ、メディア、教育へと事業領域を広げてきた点です。
今後の評価を左右するのは、新しい事業を立ち上げるスピードだけではありません。YOAKE Groupの規模拡大に伴い、各事業の品質、組織の透明性、利用者や視聴者からの信頼をどこまで維持できるかです。
2026年11月現在、溝口氏は単なるFiNC創業者ではなく、複数の事業を横断して動かす連続起業家として、新たな段階に進んでいます。