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セ・リーグDH制は2027年導入!2026年の最終年と6球団の候補・影響を徹底解説

河野 恵 河野 恵 • 更新: • 公開: • 読了約 27 分
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プロ野球のセントラル・リーグ(セ・リーグ)では、2027年シーズンから指名打者(DH)制が正式に導入される。2025年8月4日のリーグ理事会で6球団が採用を決定し、長年守られてきた投手も打席に立つ「9人野球」は、大きな転換点を迎えた。2026年シーズンは移行準備のための猶予期間と位置付けられ、セ・リーグ主催試合では従来のルールが維持されてきた。

DH制への変更は、単に投手の打席がなくなるだけではない。巨人、阪神、横浜DeNA、中日、広島、ヤクルトの6球団では、打線の組み方、外国人選手の獲得、ドラフト戦略、守備位置の再編まで影響が及ぶ。2026年11月3日時点の最新動向を踏まえ、導入が決まった経緯から制度の仕組み、各球団のDH候補、メリット・デメリットまで整理する。

【結論】セ・リーグのDH制はいつから?2027年導入が正式決定

dhセリーグ

セ・リーグのDH制は、2027年シーズンから導入される。決定したのは2025年8月4日。東京都内で開かれたセ・リーグ理事会において、巨人、ヤクルト、DeNA、中日、阪神、広島の6球団が正式採用を決めた。

日本野球機構(NPB)の公式発表でも、2027年シーズンからの指名打者制度採用が明記されている。長年にわたってセ・リーグが維持してきた投手も打席に立つ方式から、パ・リーグと同じDH制を基本とする運営へ移行する。

2026年は投手が打席に立つ最後のシーズン

2026年は、セ・リーグにとってDH制導入前の最後のシーズンだった。セ・リーグ主催の公式戦では、従来どおり投手が打順に入り、打席に立つ形式が続いた。

ただし、2026年のすべての試合で投手が打席に立ったわけではない。セ・パ交流戦では、従来からパ・リーグ球団の主催試合でDH制が使われていたためだ。2026年も、パ・リーグ主催試合ではDH制、セ・リーグ主催試合では原則として投手が打席に立つ方式が維持された。

2026年9月25日には、NPB公式サイトの記録員コラムでも投手の「プロ最終打席」が取り上げられた。投手が打席に立つ姿が見られる最後のシーズンという意味で、記録面でも節目の年となった。

「来年のセ・リーグペナントレースは『投手が打席に立つ最後のシーズン』となります」

出典:2025年8月4日、日本野球機構・榊原定征コミッショナーのコメント

2027年から何が変わるのか

最も大きな変化は、投手の代わりに攻撃専門の打者を打順に組み込めることだ。投手は基本的に投球に専念し、打撃力の高い野手がDHとして攻撃に参加する。

これにより、セ・リーグでも投手の打順に代打を送る必要がなくなり、攻撃力を維持したまま投手交代を進めやすくなる。また、打撃力は高いものの守備面で課題を抱える選手にも、レギュラーとして出場する道が広がる。

なお、DH制の採用は、すべての試合で必ずDHを使用しなければならないという意味ではない。規則上、チームがDHを使わず、投手を打順に入れる選択肢も残されている。

【制度を理解】DH制の仕組みとセ・リーグ・パ・リーグの違い

DHは「Designated Hitter」の略で、日本語では「指名打者」と呼ばれる。守備には就かず、投手に代わって打撃を担当する選手を意味する。

DH制では打つ選手が1人増える

従来のセ・リーグでは、投手を含めた9人の選手が攻撃と守備の両方を担当していた。

DH制では、守備を担当する選手は従来どおり9人だが、攻撃時には投手とは別に指名打者が加わる。そのため、基本的には10人の打順で試合を進めることになる。

例えば、投手が9番打者だったチームなら、その打順にDHとして強打者を配置できる。投手が打席に立つ必要がなくなるため、投球能力を重視した選手起用がしやすくなる。

NPBのDH制における基本ルール

指名打者制度は、公認野球規則5.11に定められている。主なルールは次のとおりだ。

  • DHを使う場合は、試合開始前に打順表へ指名打者を記載する。
  • DHを使用するかどうかはチームが選択できる。
  • 試合途中から新たにDHを設定することはできない。
  • DHに代打や代走を送ることはでき、その選手がDHの役割を引き継ぐ。
  • DHが守備位置に就くと、原則としてDH制は消滅する。
  • DH制が消滅した場合、投手は退いた野手の打順を引き継ぐ。

特に注意したいのが、DHは自由に入れ替えられるわけではないという点だ。試合開始時に指名されたDHは、原則として相手の先発投手に対して少なくとも1度は打撃を完了する必要がある。

大谷ルールもNPBではすでに採用されている

DH制を語るうえで欠かせないのが、通称「大谷ルール」だ。これは、先発投手が投手とDHを兼任して試合に出場できる仕組みである。

例えば、投手として先発した選手がDHも兼任していれば、途中で投手として降板してもDHとして打席に立ち続けられる。反対に、DHを退いた後も投手として続投することが可能だ。

日本では2023年からプロ野球でもこの規則が採用されている。2027年にセ・リーグがDH制を導入する際も、二刀流選手を生かす重要なルールとなる。

ただし、投手とDHの役割は独立しているため、いったん退いた役割に再び戻ることはできない。二刀流選手を起用する場合には、通常のDH交代以上に細かな選手交代の管理が必要となる。

セ・リーグとパ・リーグの違いはどう変わる?

両リーグの違いは、長年にわたってDH制の有無にあった。

パ・リーグは1975年にDH制を正式採用。一方、セ・リーグは投手も打席に立つ9人制を維持してきた。これによって、同じNPBでありながらリーグごとに試合の戦術や選手編成が異なっていた。

2027年からは両リーグともDH制を採用できる環境となる。交流戦でも主催球団によってルールが変わる従来の構造がなくなり、リーグ間の戦術的な条件がそろう。

ただし、パ・リーグが50年以上積み重ねてきたDH運用の経験と、これから本格的に制度を活用するセ・リーグとの間には、編成や選手起用のノウハウに差が残る可能性がある。

【導入の経緯】なぜセ・リーグはDH制を導入する決断をしたのか

セ・リーグがDH制導入を決めた背景には、国際的な野球の標準化とアマチュア野球の制度変更がある。ただし、今回の決断は突然の方針転換ではない。長年にわたる議論の積み重ねがあった。

DH制導入を巡る主な歴史と転換点

セ・リーグの方針転換を理解するためには、国内外の制度変更を時系列で見る必要がある。

時期 出来事 意味・影響
1973年 MLBアメリカン・リーグがDH制を導入 投手と打者の役割分担が進む
1975年 NPBパ・リーグがDH制を正式採用 セ・パのルールの違いが定着
2005年 セ・パ交流戦が始まる 主催球団側のルールに合わせる方式を採用
2016年ごろ セ・リーグ内でDH制導入の議論が継続 伝統と国際的な制度統一の間で検討
2022年 MLBナショナル・リーグもDH制を正式採用 MLB全体でDH制に統一
2025年4月 東京六大学野球連盟が2026年からのDH制採用を決定 大学野球の伝統あるリーグも方針転換
2025年8月4日 セ・リーグ6球団が2027年からのDH制導入を正式決定 プロ野球のセ・パの制度統一へ
2026年 高校野球・東京六大学野球などでDH制を運用 セ・リーグの移行準備期間
2027年 セ・リーグがDH制を採用 セ・パ両リーグでDH制を基本とする体制へ

理由1:国際大会とのルール統一

大きな理由の一つが、世界の野球におけるDH制の普及だ。

MLBでは1973年にアメリカン・リーグがDH制を導入し、2022年にはナショナル・リーグも採用した。これにより、MLBは両リーグ共通のDH制へ移行した。

WBCやプレミア12などの国際大会でもDH制が採用されている。日本代表の選手が普段から慣れ親しんでいるルールと、国内プロリーグのルールをそろえることには、戦術面でも育成面でも意味がある。

NPBの榊原定征コミッショナーも、2025年8月4日のコメントでセ・パ両リーグのルール統一を課題の一つとして挙げていた。

理由2:高校野球・大学野球でDH制が広がった

もう一つの大きな転換点が、アマチュア野球界の動きだ。

日本高等学校野球連盟は2025年8月1日、2026年度シーズンからのDH制採用を決定した。東京六大学野球連盟も同年4月10日の理事会で、2026年からの導入を決めている。関西学生野球連盟も同様に2026年からの採用を決定した。

これまでセ・リーグがDH制を慎重に扱ってきた理由の一つには、アマチュア球界への影響があった。投手として優れた能力を持ち、同時に打者としても活躍できる選手の育成環境をどう守るかという問題だ。

しかし、高校・大学野球でもDH制が広がれば、プロ入り後にセ・リーグだけが異なるルールを採用することの意味は変わってくる。選手の育成からプロ入り後の競技環境まで、一貫した制度を整える必要性が高まった。

理由3:2025年の監督会議で賛否が表面化

2025年1月20日の12球団監督会議でも、DH制の導入は議論の対象となった。

ソフトバンクの小久保裕紀監督は、セ・パ交流戦での試験的なDH制導入を提案。一方、ヤクルトの高津臣吾監督や広島の新井貴浩監督は慎重・反対の立場を示した。

巨人の阿部慎之助監督やロッテの吉井理人監督らからは、投手の負担軽減という利点と、代打などの出場機会が減る可能性という課題の両面が指摘された。

この時点では賛否が分かれていたものの、同年8月4日の正式決定では6球団が全会一致で採用を決めた。

なぜ2026年ではなく2027年からなのか

導入時期を2027年とした理由には、球団の編成事情がある。

セ・リーグ各球団は、従来の9人制を前提に選手のスカウティングや外国人選手の獲得を進めていた。2025年2月ごろから動いていた補強計画を、急にDH制へ対応させるのは容易ではない。

特に外国人選手の契約には複数年契約もあり、DHを想定していない契約条件や選手構成を短期間で変更するには無理があった。

スポーツ紙の報道によると、2025年8月4日の会見で広島の鈴木清明球団本部長は、スカウティングがすでにDHなしの前提で進んでいたことを説明。約1年半の準備期間を設ける考えを示した。

つまり2026年は、単なる移行待ちではない。選手の獲得、契約、守備位置の整理、若手育成など、2027年の新体制に向けた重要な準備期間だった。

【6球団を比較】巨人・阪神・DeNA・中日・広島・ヤクルトのDH候補

DH制導入によって最も注目されるのが、セ・リーグ6球団の選手起用だ。

DH枠には、単純に打撃成績が優れた選手を置けばよいわけではない。守備の負担を軽減したい主力、守備位置が限られる外国人選手、代打で出場してきた選手など、各球団の事情によって最適な人選は異なる。

2026年シーズン中の戦力分析や交流戦での起用実績を踏まえると、次のような選手が候補として挙がる。なお、以下は2027年の確定オーダーではなく、契約・移籍やキャンプでの競争によって変わる暫定的な候補だ。

球団 DH候補 起用の狙い・注目点
巨人 ダルベックなど打撃型選手 長打力を生かしながら三塁・一塁の守備配置を再編する
阪神 前川右京、嶋村麟士朗など 守備位置の競争を生かし、打撃を評価する選手に出場機会を与える
DeNA 宮﨑敏郎、筒香嘉智など ベテランの負担を軽減し、強力な打線を維持する
中日 村松開人、細川成也など 打力を残しながら遊撃・外野の守備配置を改善する
広島 坂倉将吾など 捕手・一塁・DHを組み合わせて打撃力と休養を両立する
ヤクルト サンタナなど 打撃力を維持しながら外野の守備力を高める

巨人:ダルベックら長打力を持つ選手の活用

巨人では、2026年シーズン中の分析でダルベックがDH候補として挙げられていた。

DH制の導入によって、守備位置の兼ね合いで起用が難しかった長距離打者を打線に残しやすくなる。三塁や一塁の守備配置を見直すことで、攻撃力と守備力を別々に最適化できる可能性がある。

また、2026年1月には阿部慎之助監督がDH制を見据えたドラフト戦略について言及。浦和学院の藤井健翔内野手を指名したことに触れ、パワーのある打者を獲得した狙いを説明していた。

これはDH制が、既存選手の起用だけでなく、将来の選手獲得にも影響していることを示す事例だ。

阪神:前川右京ら若手にチャンスが広がる

阪神では、2026年の交流戦で前川右京がDHとして3試合連続で出場した。6月11日のソフトバンク戦では、DHで起用されて適時打を記録している。

前川は外野手としての競争に加え、打撃を生かしたDH起用という選択肢が生まれる。嶋村麟士朗ら、従来のポジションでは出場機会が限られていた選手にも可能性がある。

ただし、2027年の阪神を考えるうえで大きな変化となったのが佐藤輝明の動向だ。

2026年11月2日、阪神球団は佐藤輝明のポスティングシステムによる移籍交渉の申請がMLBに受理されたと発表した。2026年に三冠王を獲得した主砲のメジャー挑戦が進むため、2027年のDH枠を佐藤が担うという従来の想定は変更を迫られている。

阪神にとっては、前川ら既存選手の成長と、新たな長距離打者の補強が重要なテーマとなる。

DeNA:宮﨑敏郎・筒香嘉智の打撃力を生かす

DeNAは、もともと長打力のある選手を多く抱えるチームだ。

宮﨑敏郎や筒香嘉智など、打撃面で大きな貢献が期待できる選手をDHに回せば、守備の負担を抑えながら打線に残すことができる。

特に宮﨑のような経験豊富な選手については、守備負担を減らしながら打席での存在感を維持できることがメリットになる。

一方、DHに主力を固定すれば、その選手が従来守っていたポジションを誰が担当するかが問題になる。若手野手の成長や、三塁の世代交代も含めた編成が注目される。

中日:村松開人・細川成也の起用法が焦点

中日では、村松開人や細川成也の起用方法が注目される。

2026年シーズン中の戦力分析では、村松をDHへ回して打撃を生かす案や、細川を打撃に集中させる案が挙がっていた。

特に村松をDHにする場合、遊撃の守備を誰が担当するかが大きな課題になる。DHで打線を強化しても、空いた守備位置の選手の打撃力が低ければ、チーム全体の得点力は思ったほど伸びない。

中日はDH導入を機に、二遊間の補強と打線のバランスを同時に考える必要がある。

広島:坂倉将吾の複数ポジション起用が鍵

広島では、坂倉将吾の起用方法がポイントになる。

坂倉は捕手としての能力に加えて打撃力も持つ選手だ。DHを利用すれば、捕手、一塁、DHを組み合わせて出場機会を確保しやすくなる。

特に捕手は試合中の負担が大きいため、DHで起用する日を設ければ、打撃力を維持しながら休養を確保することもできる。

ただし、坂倉をDHに固定する必要はない。相手投手や選手のコンディションに応じて柔軟に起用することが、広島にとって合理的な運用となる。

ヤクルト:サンタナをDHに回して守備力を強化

ヤクルトでは、サンタナが有力なDH候補として挙げられる。

打撃力の高い外国人選手をDHに配置すれば、守備面の負担を抑えながら打線の中心として起用できる。外野には赤羽由紘や丸山和郁など、守備面で貢献できる選手を配置する選択肢も生まれる。

ヤクルトは神宮球場を本拠地としており、打線の長打力は重要な武器となる。DH制によって攻撃力を維持しながら守備のバランスを改善できるかが注目される。

【試合への影響】DH制導入で投手・打線・球団編成はどう変わる?

DH制は試合のルールだけでなく、監督の采配や選手のキャリアにも影響する。特に変化が大きいのは、投手交代のタイミングと野手の出場機会だ。

投手の打席がなくなると継投策が変わる

従来のセ・リーグでは、投手の打順が近づくと、監督は続投させるか代打を送るかを判断していた。

例えば、先発投手が好投していても、試合終盤にチャンスが巡ってくれば、打撃力を優先して代打を送るケースがあった。結果として、予定より早く投手交代が行われることもあった。

DH制では、この判断が基本的に不要になる。投手の打席を気にせず続投を判断できるため、投球内容や球数、相手打線との相性を中心に継投策を考えられる。

一方、投手の打順を利用した代打やダブルスイッチなど、従来のセ・リーグ特有の采配は減少する。試合終盤の選手交代の考え方も変わっていく。

投手の負担軽減と故障リスクへの影響

投手が打席に立たなくなれば、打撃練習や試合中の走塁に割く負担を減らしやすくなる。

特に投手は、投球動作だけでも身体に大きな負担がかかる。打撃や走塁に関する負担が軽減されれば、投球に集中できる環境を整えやすい。

ただし、DH制を導入しただけで投手の故障がなくなるわけではない。投球数、登板間隔、トレーニング、コンディション管理など、故障予防には複数の要素が関係する。

打撃専門選手やベテランの出場機会が増える

DH制によって大きな恩恵を受けるのが、守備よりも打撃に強みを持つ選手だ。

守備位置の関係で先発出場が難しかった選手や、代打での出場が中心だった選手にとって、DHは新たなレギュラー争いの舞台になる。

また、ベテラン選手にとっては、守備の負担を抑えながら打撃でチームに貢献できる機会となる。出場機会を確保しつつ、シーズンを通したコンディション維持を図れる可能性がある。

外国人選手の獲得方針も変化する

これまでセ・リーグでは、外国人野手を獲得する際に打撃力だけでなく、守備位置や守備能力も重要な判断材料となっていた。

DH制が導入されれば、守備位置が限定される長距離打者も獲得候補にしやすくなる。パワーに特化した外国人選手を打線に組み込みやすくなるため、外国人選手の編成方針にも変化が出る。

ただし、DH枠は1つしかない。複数の打撃専門選手を獲得しても、全員を同時に先発起用できるわけではないため、守備力や複数ポジションへの対応力も引き続き重要だ。

【メリット・デメリット】DH制導入でプロ野球は面白くなる?

DH制には明確なメリットがある一方、従来のセ・リーグが持っていた戦術的な魅力が失われるという意見もある。制度変更を評価するには、両方の視点が欠かせない。

DH制の主なメリット

  • 投手の負担軽減:投球に集中でき、打撃や走塁による追加負担を抑えられる。
  • 攻撃力の向上:打撃専門の選手を起用でき、打線の厚みを増やせる。
  • 若手の出場機会拡大:守備位置が限られる選手にも先発出場の可能性が生まれる。
  • ベテランの活用:守備の負担を減らしながら、打撃力を生かせる。
  • 国際大会との整合性:国内リーグと国際大会で基本的なルールをそろえやすくなる。

DH制の主なデメリット

  • 投手の打撃という魅力が減る:投手が打席に立つ意外性や、投打の駆け引きが見られなくなる。
  • 采配の選択肢が変わる:投手の打順をめぐる代打策やダブルスイッチの機会が減る。
  • 代打専門選手の役割が変化する:従来の投手の打順に対する代打機会がなくなり、選手の役割が再編される。
  • DH候補の確保が必要:打撃力のある選手を確保できない球団は、戦力差が広がる可能性がある。
  • 守備位置の再編が必要:DHに主力を回すと、その選手が守っていたポジションを別の選手で補う必要がある。

【プロの結論】本当に重要なのはDHの打者より守備の再編

DH制導入を考える際、注目されがちなのは「誰がDHに入るのか」という問題だ。しかし、チーム編成の視点では、もう一つ重要な問いがある。

それは、DHに移った選手が守っていたポジションを、誰が埋めるのかということだ。

例えば、打撃力のある三塁手をDHに回しても、代わりに出場する三塁手の打撃力が大きく下がれば、チーム全体の得点力は期待ほど伸びない。DHによって攻撃力が増える一方で、守備位置の変更が新たな弱点になる可能性もある。

2026年6月のセ6球団の戦力分析でも、中日の遊撃、広島の三塁・遊撃、巨人の三塁・一塁など、DH転向後の守備位置が補強課題として挙げられていた。

また、DH候補を固定することが必ずしも正解ではない。主力選手の休養日には別の選手をDHに置き、相手投手との相性によって打順を調整する運用も考えられる。

DH制の導入で本当に強くなる球団は、単に長距離打者を1人追加した球団ではない。攻撃力、守備力、選手のコンディションを総合的に管理できる球団だ。

【2026年最新情報】東京六大学野球のDH制導入から見える新時代

セ・リーグのDH制導入を考えるうえで、2026年から先行して制度を採用したアマチュア野球の動きも参考になる。

東京六大学野球連盟は2026年春からDH制を採用

東京六大学野球連盟は、2025年4月10日の理事会で2026年シーズンからのDH制導入を決定した。

1925年創設の歴史あるリーグにとって、長年続けてきた伝統的な試合方式を変更する大きな決断だった。慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学の6校が新しいルールの下で戦うことになった。

2026年春季リーグの開幕週と第2週の計8試合を対象にしたスポーツナビの分析では、DHの成績は6校合計で65打数20安打17打点だった。

DH制を採用していなかった前年秋の同時期には、投手から生まれた安打は3本で、打点は0だった。対象試合数が限られるため単純比較には注意が必要だが、DH制によって打順の攻撃力が変わる様子が見て取れる。

高校野球でも2026年から導入

高校野球でも2026年度シーズンからDH制が採用された。日本高等学校野球連盟は、公認野球規則5.11に基づく指名打者の運用方法を公開し、試合前の申告や選手交代のルールなどを説明している。

高校野球での導入は、投手の負担軽減だけでなく、投打両方の能力を持つ選手の育成という観点でも注目される。

DH制を採用しても、投手が打撃能力を磨くこと自体が禁止されるわけではない。大谷ルールのように投手と打者を兼任できる仕組みも存在するため、二刀流を目指す選手の可能性が閉ざされるわけではない。

2027年以降のプロ野球で注目すべきポイント

2027年のセ・リーグでは、次のような点がシーズンを通じた注目材料になる。

  • 各球団が開幕戦でどの選手をDHに起用するか。
  • DHを固定するのか、複数選手でローテーションするのか。
  • 投手の交代や代打のタイミングがどう変化するか。
  • 外国人野手の獲得方針に変化が出るか。
  • 若手選手がDH枠を通じてレギュラーを獲得できるか。
  • 交流戦でセ・パ両リーグの戦術的な違いがどう変化するか。

特に注目したいのは、DH制を使った選手起用の柔軟性だ。DHを単なる打撃専門の固定ポジションとして扱うのか、主力選手の休養や若手の育成にも活用するのかによって、チームの戦い方は大きく変わる。

【セ・リーグのDH制】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:セ・リーグのDH制は2027年のいつから始まりますか?
A1:2027年シーズンから導入されることが正式決定している。具体的な適用開始日は2027年の公式戦日程に従う。2026年は移行準備期間で、セ・リーグ主催試合では従来どおり投手が打席に立っていた。

Q2:DH制導入後、投手は絶対に打席に立たなくなるのですか?
A2:必ずしもそうではない。DHを使わない選択肢があり、投手を打順に入れることもできる。また、大谷ルールでは先発投手がDHを兼任し、投手降板後も打席に立ち続けられる。

Q3:パ・リーグはいつからDH制を導入していますか?
A3:パ・リーグは1975年から正式にDH制を採用している。セ・リーグが2027年から導入することで、NPBの両リーグでDH制を基本とする体制が整う。

まとめ:セ・リーグDH制の本当の転換点は2027年の球団編成にある

セ・リーグのDH制は、2025年8月4日に6球団の合意によって正式決定し、2027年シーズンから導入される。2026年は移行準備期間であり、投手が打席に立つ従来のセ・リーグ野球にとって最後のシーズンとなった。

導入の背景には、MLBや国際大会とのルール統一、高校・大学野球でのDH制普及、投手の負担軽減、そして球団の編成方針の変化がある。

巨人は長打力を持つ選手の活用、阪神は佐藤輝明のMLB挑戦を受けた新たな打線の構築、DeNAはベテランの負担軽減、中日は二遊間の再編、広島は坂倉将吾の柔軟な起用、ヤクルトはサンタナら外国人打者の活用が注目される。

一方、DH制によって投手の打席や従来の代打策など、セ・リーグ独自の試合展開が変わることも避けられない。伝統を惜しむ声があるのも自然なことだ。

しかし、制度変更の価値は導入初年度の本塁打数や得点数だけでは判断できない。選手の出場機会、若手の成長、投手の負担、守備力と攻撃力のバランスなど、長期的な視点で評価する必要がある。

2027年のセ・リーグで注目すべきなのは、DHに誰が入るかだけではない。DHを使うことで、これまで出場できなかった誰がグラウンドに立てるようになるのか。その変化こそが、セ・リーグの新しい野球を占う最大のポイントになる。

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河野 恵
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美容・健康・暮らしのテーマを担当。公的機関の資料やメーカー公式の成分表示を参照し、効果を断定しない書き方で整理することを心がけています。

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