大会は2026年10月30日から11月1日まで、群馬県のALSOKぐんまアイスアリーナで開催された。紀平梨花選手と西山真瑚選手が出場したのは、全日本選手権のアイスダンス予選を兼ねるシニアのアイスダンス部門だ。
10月31日のリズムダンス(RD)で65.79点を獲得し、2位でスタート。翌11月1日のフリーダンス(FD)では99.53点を記録した。2種目の合計は165.32点となり、最終順位は3位だった。
特に注目したいのは、上位争いの接戦ぶりだ。2位の櫛田育良・島田高志郎組は165.53点。紀平・西山組との差はわずか0.21点だった。表彰台に立つだけでなく、上位カップルとほぼ互角の得点を争ったことにも意味がある。
大会翌日の11月2日には、西山選手の所属先であるオリエンタルバイオが大会結果を公表。紀平・西山組の3位と、全日本選手権への出場決定を伝えた。したがって、全日本進出は単なる見込みではなく、公式に確認できる結果である。
【東日本選手権2026の順位一覧】りかしんはRD2位・FD3位で総合3位

今回の東日本選手権アイスダンスは全7組が出場した。注目されたのは、吉田唄菜・森田真沙也組、櫛田育良・島田高志郎組、そして紀平梨花・西山真瑚組による上位争いだ。
最終順位を確認すると、紀平・西山組はRDで2位、FDで3位。リズムダンスで築いた順位をフリーダンスで維持できなかったものの、合計では3位を確保した。
東日本選手権2026・アイスダンス最終順位
出典:東日本選手権2026の競技結果。単位は点。RD・FDの数値は各種目の得点。
この表から分かるのは、紀平・西山組と2位の櫛田・島田組の差が非常に小さいことだ。RDでは紀平・西山組が65.79点、櫛田・島田組が65.68点で、りかしんが0.11点上回っていた。
一方、FDでは櫛田・島田組が99.85点、紀平・西山組が99.53点。0.32点の差で順位が入れ替わった。最終的な総合差も0.21点にとどまっている。
なお、競技途中の速報と最終順位は区別する必要がある。RDでは演技順によって一時的な暫定順位が変わるが、最終的には吉田・森田組が71.43点で1位、紀平・西山組が65.79点で2位となった。
この結果は、単に3位という数字だけを見るよりも、RDとFDの両方で上位争いに加わった点を評価したい。特にFDで99点台に乗せたことは、国際大会を見据えるうえでも注目できる材料だ。
【演技内容を検証】紀平梨花のRD65.79点とFD99.53点の見どころ
リズムダンス:息の合ったツイズルとダイナミックなリフト
10月31日のRDで、紀平・西山組は65.79点を獲得した。演技では冒頭のダイナミックなリフトや、2人のタイミングを合わせたツイズルが注目された。
THE DIGESTの競技レポートによると、2人はスピード感を高めながらリンクを大きく使い、表情の変化も交えて演技を展開。後半には、西山選手が紀平選手を両肩で担ぎ上げ、紀平選手が後方に回転して着地するアクロバティックな動きも披露した。
アイスダンスでは、単純に技の難度だけでなく、2人の動きが音楽にどれだけ自然に溶け込んでいるかも評価の対象になる。紀平選手がシングル時代から培ってきた身体能力と、西山選手のアイスダンス経験をどう融合させるかが、このプログラムの見どころだ。
フリーダンス:表現力を前面に出した99.53点
11月1日のFDでは、紀平選手がワインレッド、西山選手が黒を基調とした衣装で登場した。使用曲は「小雀に捧げる歌」などを含む構成で、重厚なメロディーに合わせて緩急のある滑りを見せた。
特に印象的だったのがカーブリフトだ。紀平選手が脚を180度に開く場面があり、柔軟性と身体コントロールの高さを印象づけた。演技後には2人が左手でタッチを交わす姿も見られたと報じられている。
得点は99.53点。FD単独では3位だったが、上位の櫛田・島田組との差は0.32点だった。技術的な要素をこなしながら、プログラム全体の世界観を表現することができた点は、今回の収穫といえる。
一方、紀平選手自身は演技内容について、必ずしも最高の出来ではなかったと振り返っている。それでも予想以上の得点を得られたことが、自信につながったという。
「自信にもつながった」
これは日刊スポーツが伝えた紀平選手の演技後のコメントの一部だ。得点だけを喜ぶのではなく、演技の完成度を冷静に見つめているところに、競技者としての姿勢が表れている。
【紀平梨花の現在】女子シングルからアイスダンスへの転向と競技復帰
2026年11月現在、紀平梨花選手は24歳。西山真瑚選手とアイスダンスのカップルを組み、鹿島所属の選手として競技を続けている。
かつての紀平選手を知るファンにとって、現在の姿は大きな変化に映るかもしれない。女子シングルでは2018年のグランプリファイナルを制し、2019年と2020年には全日本選手権を連覇。四大陸選手権でも優勝を経験した、日本女子フィギュア界を代表する選手だった。
しかし、競技人生は順調な道のりばかりではなかった。2021年に右足首の疲労骨折を負い、その後も故障の影響に悩まされた。北京2022冬季五輪を目指していた時期にも、思うような競技活動ができなかった。
2025年9月29日、紀平選手は西山選手とのアイスダンスカップル結成を発表した。日本オリンピック委員会(JOC)の報道によると、シングルでのミラノ・コルティナ2026冬季五輪出場の可能性がなくなったことも、競技転向に至る背景の一つだった。
この決断は、単なる種目変更ではない。シングルで積み上げてきた技術や表現力を生かしながら、新しい競技スタイルで再び世界を目指すという選択だった。
競技復帰から2026年までの主な歩み
「紀平梨花の競技復帰」を理解するには、国内大会への復帰と国際大会への復帰を分けて見る必要がある。
2人はカップル結成から約2カ月半後の2025年12月、全日本選手権に出場してアイスダンス4位となった。2026年9月にはチャレンジャーシリーズ木下グループ杯で、2人そろって初めての国際大会に出場。紀平選手にとっては、女子シングルで出場した2022年以来、約4年ぶりの国際大会だった。
同大会ではRD61.37点、FD95.49点、合計156.86点で8位。初の国際大会として経験を積み、東日本選手権では合計165.32点まで得点を伸ばした。単純比較には大会ごとの採点環境の違いも考慮する必要があるが、数字の上でも前進が見られる。
【りかしんとは?】西山真瑚との関係とアイスダンスで目指すもの
「りかしん」は紀平梨花選手と西山真瑚選手の名前を組み合わせたカップルの愛称だ。2人は2025年9月に正式にカップル結成を発表し、2026-27シーズンには結成2季目を迎えている。
西山選手は、アイスダンスで経験を積んできた選手だ。以前は田中梓沙選手とカップルを組み、2025年の冬季アジア大会で銅メダルを獲得した。その後、新たなパートナーを探していた時期に紀平選手とのカップル結成に至った。
2人の強みは、それぞれ異なる競技経験を持っていることだ。紀平選手は女子シングルで培ったジャンプ技術、柔軟性、身体能力、音楽表現を持つ。一方、西山選手はアイスダンスのパートナーとの連動やプログラム構成に関する経験を積んできた。
シングルで実績を残した選手が、アイスダンスでパートナーと呼吸を合わせることは簡単ではない。自分の動きだけで完結するのではなく、相手の動き、スピード、重心、タイミングまで考慮する必要がある。2人が結成2季目で165点台に到達した背景には、こうした協調性の積み重ねがある。
「本物の愛」という発言は交際を意味する?
今回の東日本選手権では、西山選手が愛をテーマにしたプログラムの表現について言及したことも話題になった。
「本物の愛を見せられるように」
これは西山選手が日刊スポーツの取材で語った表現へのこだわりだ。プログラムの中で、実際に恋愛関係にあるかどうかにかかわらず、観客が本当に愛し合っているように感じる演技を目指すという趣旨だった。
つまり、この発言は競技上の表現力についてのコメントであり、2人の私生活での交際を発表したものではない。「りかしん」という愛称や演技中の親密な動作だけから、恋愛関係を事実として判断することはできない。
アイスダンスでは、パートナー同士の信頼関係と演技上の感情表現が密接に関わる。観客に物語を伝えるための表現と、選手の私生活は分けて考える必要がある。
【NHK杯2026の展望】紀平梨花・西山真瑚組は日本代表3組の一角へ
東日本選手権を終えた「りかしん」の次の大きな注目大会は、2026年11月27日から29日に東京都調布市の京王アリーナTOKYOで開催されるNHK杯だ。
日本スケート連盟が公表している2026年大会の出場予定選手には、紀平梨花・西山真瑚組の名前が掲載されている。日本からは、吉田唄菜・森田真沙也組、櫛田育良・島田高志郎組も出場する予定で、東日本選手権の上位3組が国際舞台で再び顔を合わせる構図となった。
NHK杯はISUグランプリシリーズの第6戦。東日本選手権のような国内予選とは異なり、海外の実力あるカップルとの比較を通じて、世界の中での現在地を確認する機会となる。
NHK杯で注目したい3つのポイント
1.RDの完成度をどこまで高められるか
東日本選手権で65.79点を記録したRDは、2人のスピードとツイズル、リフトが見どころだった。国際大会では、技術要素のレベル判定や演技構成点を含め、国内大会とは異なる採点環境でどこまで得点を伸ばせるかが焦点になる。
2.FDで100点台に届くか
東日本選手権のFDは99.53点。100点まであと0.47点だった。わずかな差ではあるが、技術要素の完成度や音楽表現、プログラム全体の一体感を高められるかが注目される。
3.日本勢3組の直接対決
NHK杯では吉田・森田組、櫛田・島田組、紀平・西山組が同じ大会に出場する。東日本選手権では紀平・西山組が櫛田・島田組に0.21点差で敗れ、吉田・森田組には大きく離された。国際大会でこの差がどう変化するかは、国内アイスダンス界全体の競争力を見るうえでも興味深い。
【プロの結論】165.32点は通過点、NHK杯で問われるのは国際舞台での再現性
今回の結果を評価する際に重要なのは、165.32点という数字だけで判断しないことだ。
RD65.79点、FD99.53点という内訳を見ると、2人は両種目で上位を争える位置にいる。特に、FDで2位との差が0.32点だったことは、演技全体の完成度をさらに高めれば順位が変わる可能性を示している。
ただし、国内大会での得点が、そのまま国際大会でも再現されるとは限らない。技術要素のレベル認定、実施の質、プログラム構成点、海外カップルとの比較など、確認すべき要素は多い。
その意味でNHK杯は、単なる次戦ではなく、りかしんが世界基準でどの程度戦えるのかを測る重要な機会となる。2030年フランス・アルプス冬季五輪を見据えた長期的な挑戦という観点からも、順位だけでなく演技の安定性や得点の伸びに注目したい。
【紀平梨花速報2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:紀平梨花と西山真瑚の東日本選手権2026の結果は?
A1:アイスダンスで合計165.32点を記録し、3位でした。内訳はリズムダンス65.79点(2位)、フリーダンス99.53点(3位)です。
Q2:紀平梨花・西山真瑚組は全日本選手権に出場できる?
A2:出場が決定しています。2026年東日本選手権は全日本選手権のアイスダンス予選を兼ねており、所属先のオリエンタルバイオも出場決定を公表しています。
Q3:紀平梨花・西山真瑚組はNHK杯2026に出場する?
A3:出場予定選手として日本スケート連盟の大会公式ページに掲載されています。大会は11月27日から29日まで京王アリーナTOKYOで開催予定です。
まとめ:紀平梨花の現在はアイスダンスで新たな世界を目指す段階へ
2026年東日本選手権で紀平梨花・西山真瑚組は、RD65.79点、FD99.53点、合計165.32点を獲得し、アイスダンス3位に入った。全日本選手権への進出も決定し、結成2季目の「りかしん」は着実に競技経験を積んでいる。
紀平選手にとって、女子シングルからアイスダンスへの転向は大きな決断だった。故障を経験しながらも、これまでの技術と表現力を新しい競技に生かし、再び国際舞台で戦う道を選んだ。
今後の注目は11月のNHK杯、そして全日本選手権での演技だ。RDとFDの得点、2人の連動性、海外カップルとの比較を追うことで、りかしんの成長をより立体的に理解できる。
紀平梨花の2026年は、競技人生の再出発から新たな挑戦へと進むシーズンだ。165.32点の先にどのような演技を見せるのか、NHK杯での活躍に期待したい。