漫画家・眉月じゅん(まゆづき じゅん)は、『恋は雨上がりのように』で第63回小学館漫画賞を受賞し、『九龍ジェネリックロマンス』では独自の世界観と繊細な人物描写で幅広い読者を魅了してきた漫画家です。
2026年11月現在、大きな節目となっているのが、約6年半にわたって『週刊ヤングジャンプ』で連載された『九龍ジェネリックロマンス』の完結です。2026年4月16日に最終話が掲載され、翌17日には最終12巻が発売されました。さらに同年9月には、ニッポン放送のポッドキャスト番組にも出演しています。作品の受賞歴や経歴だけでなく、完結後の活動にも注目が集まっています。
【プロフィール】眉月じゅんの読み方・経歴・漫画家としての人物像

眉月じゅんは、繊細な心理描写と生活感のある人物表現を得意とする日本の漫画家です。読み方は「まゆづき じゅん」。作品によって恋愛、青春、ミステリー、SF的な要素を取り入れながら、人間の感情や日常の機微を描いています。
漫画家としての出発点は、集英社が主催した第1回「金のティアラ大賞」です。初期には「眉月ジュン」という名義も使用しており、『さよならデイジー』がデビューのきっかけとなりました。
眉月じゅんの基本プロフィール
- 名前: 眉月じゅん
- 読み方: まゆづき じゅん
- 職業: 漫画家
- デビューのきっかけ: 第1回金のティアラ大賞
- 初期の代表的な作品: 『さよならデイジー』
- 主な掲載誌: 『月刊!スピリッツ』『ビッグコミックスピリッツ』『週刊ヤングジャンプ』
- 代表作: 『恋は雨上がりのように』『九龍ジェネリックロマンス』
漫画家を目指すことを本格的に考え始めたのは20歳頃だったと、2022年のWASEDA LINKSのインタビューで語っています。短大に通っていた時期を経て、卒業が近づいた頃に漫画家を目指す決意を固め、漫画制作のアシスタントも始めたそうです。
同インタビューでは、25歳までに漫画家デビューするという期限を自分で設定していたことも明かしています。興味深いのは、初めて本格的に描いたストーリー漫画が、後の代表作『恋は雨上がりのように』につながる原点的な読み切りだったという点です。
つまり、代表作の方向性はデビュー後に偶然生まれたものではありません。漫画家としての出発点から、人間の感情や日常を描くことへの関心が存在していました。
【経歴年表】金のティアラ大賞から『九龍ジェネリックロマンス』完結まで
眉月じゅんのキャリアを理解するうえで重要なのは、初期短編、青春恋愛漫画、日常とSFを融合したミステリーという段階的な変化です。
特に『恋は雨上がりのように』から『九龍ジェネリックロマンス』への移行は、同じ人物描写の強みを保ちながら、物語の舞台やジャンルを大きく広げた転換点でした。
眉月じゅんの主な経歴と活動年表
| 時期 | 出来事・作品 | 意味・実績 |
|---|---|---|
| 2007年 | 第1回金のティアラ大賞 | 『さよならデイジー』で銅賞を受賞 |
| 2008年 | 『さよならデイジー』掲載 | 集英社の雑誌で商業誌デビュー |
| 2013年 | 『いろもん!』 | 『月刊!スピリッツ』で連載 |
| 2014~2018年 | 『恋は雨上がりのように』 | 全10巻。アニメ・実写映画化 |
| 2018年 | 第63回小学館漫画賞 | 『恋は雨上がりのように』が一般向け部門を受賞 |
| 2019年 | 『九龍ジェネリックロマンス』 | 『週刊ヤングジャンプ』49号から連載開始 |
| 2025年 | 『九龍ジェネリックロマンス』映像化 | テレビアニメ・実写映画が展開 |
| 2026年4月16日 | 『九龍ジェネリックロマンス』最終話 | 『週刊ヤングジャンプ』20号で完結 |
| 2026年4月17日 | 最終12巻発売 | 原作漫画が全12巻で完結 |
| 2026年9月 | 「マンガのラジオ」出演 | 全4回のゲスト出演 |
この年表から分かるのは、眉月じゅんが一つのジャンルにとどまっていないことです。初期の短編で人間の感情を描き、恋愛と青春を扱う長編で評価を高め、その後はSFやミステリーの要素を含む作品に挑戦しています。
また、2019年の『九龍ジェネリックロマンス』連載開始は、前作の成功を受けた単純な路線継続ではありませんでした。舞台設定、登場人物の年齢層、物語の謎の構造など、異なる方向へ踏み出した作品だったのです。
経歴の初期については漫画情報データベースのマンガペディア、連載開始と完結については集英社の週刊ヤングジャンプ公式情報、受賞については小学館の発表がそれぞれ確認できます。
【作品一覧】眉月じゅんの代表作と読むべき初期短編集
眉月じゅんの作品を知るなら、まずは長編2作品と初期短編集を押さえておくと、作風の変化が分かりやすくなります。
1. 『恋は雨上がりのように』
眉月じゅんの代表作として広く知られる青春恋愛漫画です。
陸上競技に打ち込んでいた17歳の女子高校生・橘あきらと、アルバイト先のファミリーレストランで店長を務める45歳の近藤正己を中心に物語が進みます。
年齢差28歳という設定が大きな特徴ですが、単なる年の差恋愛ではありません。夢を失った少女が再び自分の可能性と向き合う過程や、人生の折り返し地点にいる大人の葛藤も描かれています。
全10巻。テレビアニメ化と実写映画化を果たし、2018年には第63回小学館漫画賞の一般向け部門を受賞しました。
2. 『九龍ジェネリックロマンス』
『恋は雨上がりのように』に続く長編作品で、2019年から『週刊ヤングジャンプ』で連載されました。
物語の舞台は、かつて香港に存在した九龍城砦を思わせる、ノスタルジックな街。そこで働く鯨井令子と工藤発を中心に、恋愛、記憶、存在の謎が複雑に絡み合います。
懐かしい街並みや食事、仕事、住人同士の関係といった日常描写の一方で、物語の根底にはSF的な謎が存在します。
2026年4月に全12巻で完結。2025年にはテレビアニメと実写映画にも展開され、国内外の読者に作品が届く機会を広げました。
3. 『さよならデイジー 眉月じゅん初期短編集』
2018年5月18日に集英社から発売された初期短編集です。
表題作『さよならデイジー』をはじめ、デビュー作から各誌に掲載された短編が収録されています。
収録作品には『エヴリデイ』『レバニラ』『爽快サイケデリック』『おやゆびひめ』『つなぐ夜』などがあります。
長編作品では見えにくい、初期の大胆な表現や感情の描写を楽しめる一冊です。特に、女性が抱える複雑な感情や、人間の美しさと不器用さを描く姿勢は、後の代表作にも通じています。
眉月じゅんの漫画家としての原点を知りたい読者には、ぜひ手に取ってほしい作品集です。
4. 『いろもん!』
初期の連載作品として知られるのが、小学館の『月刊!スピリッツ』で2013年に連載された『いろもん!』です。
『恋は雨上がりのように』以前のキャリアを知るうえで重要な作品であり、初期短編集と合わせて読むと、作家としての表現の変化を追いやすくなります。
このように、眉月じゅんの作品は、短編から長編まで幅があります。代表作だけを読むのも一つの方法ですが、初期作品まで遡ると、人物の感情や日常の描写に対する一貫した関心が見えてきます。
【受賞歴を検証】『恋は雨上がりのように』はなぜ高く評価されたのか
眉月じゅんの知名度を大きく押し上げた出来事が、2018年1月22日に発表された第63回小学館漫画賞です。
受賞したのは『恋は雨上がりのように』。同作は一般向け部門に選ばれました。これは小学館が公式に発表した受賞結果で確認できる事実です。
年齢差だけでは説明できない物語の奥行き
『恋は雨上がりのように』が印象に残る理由の一つは、17歳と45歳という大きな年齢差を物語の中心に置きながら、登場人物それぞれの人生にも目を向けていることです。
あきらは陸上競技の有望な選手でした。しかし、アキレス腱のけがによって競技から離れることになります。その後、アルバイト先の店長・近藤に惹かれていくのですが、物語は恋愛感情だけに集中しません。
近藤にも仕事や家庭、過去の経験を通じて生まれた迷いや、自分の人生を見つめ直す時間があります。あきらの青春と近藤の人生の停滞が交差することで、単純な恋愛漫画とは異なる奥行きが生まれています。
第63回小学館漫画賞の受賞が示すもの
小学館の発表によると、第63回の一般向け部門では『空母いぶき』とともに『恋は雨上がりのように』が選ばれました。
ここで注目したいのは、作品が恋愛漫画としてだけでなく、幅広い読者に向けた一般向け漫画として評価された点です。
登場人物の年齢、立場、将来への考え方が異なるため、読者の世代によって感情移入する人物が変わります。青春時代を思い出す人もいれば、大人になってからの迷いや再出発に共感する人もいるでしょう。
この複数の読み方ができる構造こそ、作品が長く読まれる理由の一つです。
【2026年最新】『九龍ジェネリックロマンス』完結!最終12巻の発売日と全巻情報
2026年の眉月じゅんを語るうえで、最も大きなニュースが『九龍ジェネリックロマンス』の完結です。
2019年に『週刊ヤングジャンプ』で始まった連載は、約6年半の時間を経て2026年4月16日発売の同誌20号で最終話を迎えました。そして、翌日の2026年4月17日に最終12巻が発売されています。
連載開始から完結までの流れ
集英社の週刊ヤングジャンプ公式作品ページには、連載開始が2019年49号と記載されています。連載開始時の公式ニュースの日付は2019年11月7日です。
その後、2025年にはテレビアニメと実写映画が展開され、作品の世界観を漫画以外でも楽しめるようになりました。そして2026年4月、原作が完結しました。
最終12巻の基本情報
九龍ジェネリックロマンス 12
著者:眉月じゅん/集英社
836円
税込・紙版の発売時価格
- 発売日:2026年4月17日
- 判型:B6判
- ページ数:274ページ
- ISBN:978-4-08-894064-9
- 紙版・デジタル版ともに発売
集英社公式書誌情報より
最終12巻には第96話から第107話、そして最終話が収録されています。単行本の目次にも「最終話」と記載されており、物語の最後まで一冊で追える構成です。
最終巻は274ページというボリュームがあり、単行本として最後まで作品を読みたい人にとって、まとまった形で楽しめる内容になっています。
『九龍ジェネリックロマンス』は打ち切りだったのか?
完結のニュースを受けて気になるのが、連載終了の理由です。
確認できる事実は、2019年の連載開始から2026年4月の最終話まで継続し、最終話を収録した12巻が翌日に刊行されたということです。
連載終了を打ち切りとする公式発表は確認できません。連載期間や最終巻の構成だけから、打ち切りだったと断定することはできません。
また、2026年4月16日には作品公式アカウントでも完結が告知され、読者への感謝が伝えられました。翌17日には最終12巻の発売も案内されています。
2026年11月現在、これから読み始める読者にとっては、連載の更新を待つ必要がなく、全12巻を通して作品世界に浸れる状態です。
【作風と現在】眉月じゅんの漫画が読者を惹きつける理由と2026年の新作情報
眉月じゅんの作品には、ジャンルが違っても共通する特徴があります。それは、登場人物がどのような生活を送り、何を感じ、どんな選択をするのかを細かく描くことです。
1. 日常の細部から人物の個性を描く
2022年のWASEDA LINKSのインタビューで、眉月じゅんは登場人物の生活描写について具体的に説明しています。
「そういう生活の細かいところにその人らしさは出ると思う。」
この言葉は、眉月じゅんの作風を理解するうえで重要です。
例えば、登場人物がどんな服を着るのか、冷蔵庫に何を入れているのか、朝起きてからどのように過ごすのか。こうした何気ない行動を通して、人物の性格や価値観を読者に伝えています。
『九龍ジェネリックロマンス』で鯨井令子の朝のルーティンが丁寧に描かれているのも、その一例です。作者自身が、人物がどのように生きているかを丁寧に描くことに意味があると説明しています。
大きな事件だけで物語を進めるのではなく、日々の積み重ねによって人物の内面を浮かび上がらせる。ここが眉月じゅん作品の大きな魅力です。
2. 感情を説明しすぎず、読者に考える余白を残す
眉月じゅんの作品では、登場人物が自分の気持ちをすべて言葉にするわけではありません。
表情、視線、何気ない会話、沈黙、生活の中の行動などを通して、人物の本心が少しずつ見えてきます。
『恋は雨上がりのように』では、あきらと近藤の関係にある距離感が重要な意味を持ちます。『九龍ジェネリックロマンス』では、人物の記憶や存在そのものに関わる謎が、読者に考える余地を与えます。
読者にすべてを説明するのではなく、登場人物と一緒に考えさせる構成が特徴です。
3. アナログ作画へのこだわり
WASEDA LINKSのインタビューでは、ペン入れまではアナログで制作するというこだわりも語っています。
紙にGペンとインクを使って描く作業が好きで、デジタルでのペン入れも試したものの、自分にはアナログのほうが合っていたという趣旨の説明をしています。
この制作姿勢も、作品の線や画面の質感を考えるうえで興味深いポイントです。デジタル技術が広がる漫画制作の現場でも、自分に合った表現方法を選び続けていることが分かります。
4. 2026年現在の活動と新作の発表状況
『九龍ジェネリックロマンス』が完結したことで、次の連載作品に関心を持つ読者も増えています。
2026年11月1日時点で、次回作の正式なタイトルや新連載開始日を示す具体的な公式発表は確認できません。集英社の作者紹介では、これまでの代表作として『恋は雨上がりのように』や『さよならデイジー』などが掲載されています。
一方、完結後の活動として確認できるのが、2026年9月のニッポン放送ポッドキャスト番組「マンガのラジオ supported by viviON」への出演です。
漫画家・眉月じゅんは、同番組に2026年9月6日から9月27日まで全4回出演しました。
番組では、幼少期のエピソードや初投稿作が雑誌に掲載されたデビュー当時の話、その後に経験した悩み、漫画家としてたどり着いた創作の核などが取り上げられています。
これは、代表作の完結後に作者自身の創作の背景を知ることができる貴重な機会です。作品を読み終えた読者にとっても、漫画家としての考え方や原点を理解する手がかりになります。
【プロの結論】眉月じゅんの作品はどんな読者におすすめ?
眉月じゅんの作品を評価する際は、ジャンルだけで判断しないことが大切です。恋愛漫画という分類で『恋は雨上がりのように』を読み始めても、実際には青春、夢、人生の再出発など、さまざまなテーマに触れられます。
『九龍ジェネリックロマンス』も同様です。ミステリーやSFの設定を楽しめるだけでなく、登場人物の生活や人間関係に注目すると、作品の違った魅力が見えてきます。
特におすすめできる読者
- 登場人物の心理や人間関係をじっくり読みたい人
- 日常の何気ない描写に魅力を感じる人
- 恋愛と人生の葛藤が交差する物語が好きな人
- ミステリーやSFに人間ドラマが融合した作品を読みたい人
- 物語の余白を自分なりに考察するのが好きな人
好みが分かれる可能性がある読者
- 最初から最後までテンポの速い展開を求める人
- 登場人物の心情よりも事件やアクションを重視する人
- 伏線や設定をすぐに説明してほしい人
眉月じゅんの強みは、派手な設定だけで読者を引っ張るのではなく、人物の生活と感情を積み重ねて物語に説得力を与えることです。作品のジャンルが変わっても、この創作の核は一貫しています。
【眉月じゅんに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:眉月じゅんの読み方は何ですか?
A1:読み方は「まゆづき じゅん」です。日本の漫画家で、『恋は雨上がりのように』『九龍ジェネリックロマンス』などの作品で知られています。
Q2:眉月じゅんの代表作は何ですか?
A2:代表作は『恋は雨上がりのように』と『九龍ジェネリックロマンス』です。前者は第63回小学館漫画賞の一般向け部門を受賞し、後者は2026年4月に全12巻で完結しました。
Q3:『九龍ジェネリックロマンス』は完結していますか?
A3:はい。2026年4月16日発売の『週刊ヤングジャンプ』20号で最終話が掲載され、翌17日に最終12巻が発売されました。現在は全12巻を通して読めます。
Q4:眉月じゅんの現在の新作は何ですか?
A4:2026年11月1日時点で、次回作の正式な新連載タイトルや開始日は公表されていません。直近では2026年9月にニッポン放送の「マンガのラジオ」に全4回出演しています。
Q5:『さよならデイジー』はどんな作品ですか?
A5:2018年5月18日に集英社から発売された初期短編集です。デビュー作の表題作をはじめ、複数の短編を収録しており、眉月じゅんの初期の作風や表現を知ることができます。
まとめ:眉月じゅんの魅力は日常と人間の感情を描く力にある
眉月じゅんは、初期短編集『さよならデイジー』を出発点に、『恋は雨上がりのように』で第63回小学館漫画賞を受賞し、『九龍ジェネリックロマンス』でさらに表現の幅を広げた漫画家です。
2026年4月には『九龍ジェネリックロマンス』が全12巻で完結し、同年9月には「マンガのラジオ」に出演。長期連載の一区切りを迎えた一方、創作の背景や漫画家としての歩みに改めて関心が集まっています。
次回作の発表時期はまだ明らかになっていません。しかし、これまでの作品を振り返ると、恋愛、青春、ミステリーとジャンルを変えながらも、人間の感情や生活の細部を大切にする姿勢は変わっていません。
これから眉月じゅんの作品を読むなら、『恋は雨上がりのように』で人物の心理描写を味わい、『九龍ジェネリックロマンス』で日常と謎が融合する世界を楽しみ、最後に『さよならデイジー』で作家としての原点をたどる順番がおすすめです。
完結した作品を読み返すことで新たな発見が生まれることもあります。次にどのような世界を描くのか。眉月じゅんの今後の創作活動にも注目したいところです。