2026年10月31日現在、オリックス・バファローズから侍ジャパンに選出された選手は、11月開催の「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」ではゼロとなっています。10月7日に井口資仁監督が発表した28人の代表メンバーに、オリックスの選手は一人も含まれませんでした。
ただし、2026年の侍ジャパンでオリックス勢が選出ゼロという意味ではありません。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、宮城大弥、曽谷龍平、若月健矢の3選手が日本代表に選出されています。今回の結果を理解するには、大会ごとの出場資格、選考時期、井口監督が説明した選考過程を分けて考える必要があります。
【最新状況】2026年アジアプロ野球チャンピオンシップでオリックスは選出ゼロ

2026年11月12日から15日まで、東京ドームで「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」が開催されます。日本、韓国、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイの4チームが参加する大会で、日本代表は3連覇を目指します。
10月7日に発表された侍ジャパンの出場予定選手は28人。井口資仁監督にとっては新体制での初陣となります。しかし、今回のメンバーにはオリックスと阪神の選手が一人も含まれていませんでした。
オリックスだけでなく阪神も選出ゼロ
今回の結果で特徴的なのは、関西の2球団であるオリックスと阪神がともに選出ゼロとなった点です。
一方、最多選出は埼玉西武ライオンズの5人。中日、巨人、DeNA、広島、ソフトバンク、ロッテからはそれぞれ3人が選ばれています。
つまり、今回の選出ゼロはオリックスだけに起きた特殊な現象ではありません。28人という限られた枠の中で、年齢条件、ポジション構成、選手の状態などを踏まえて編成された結果です。
2026年WBCではオリックスから3人が選出
ここで注意したいのが、WBCとアジアプロ野球チャンピオンシップは別の大会だということです。
2026年3月のWBCでは、オリックスから宮城大弥、曽谷龍平、若月健矢の3選手が侍ジャパンに選ばれました。球団公式発表でも、この3選手の選出が案内されています。
したがって、「2026年のオリックスは侍ジャパンに誰も選ばれていない」という理解は正確ではありません。正しくは「2026年APBCの代表には選ばれていない」です。
【井口監督の選考理由】オリックスから選手が選ばれなかった経緯とは
オリックスファンが最も気になるのは、なぜ今回の28人に球団の選手が入らなかったのかという点でしょう。
この疑問を考えるうえで重要なのが、井口監督が9月から進めていた選手選考と、10月7日の代表発表会見で明らかにした説明です。
約70~80人をリストアップして選考
2026年10月7日、井口監督は選考過程について、候補選手を約70~80人までリストアップしたことを明かしました。
そのうえで、各球団や監督と相談しながら最終的なメンバーを決定したと説明しています。
「約70、80人の選手をリストアップしてさせてもらいながら、その中で球団、そして監督ともいろいろご相談させていただきながら、最終的に選考させていただきました」
加えて、11月開催という日程を踏まえ、選手の体調面なども球団と話し合ったと説明しました。
「今現時点でベストな状態である選手を最終的に選考させていただいた」
この説明から読み取れるのは、単純なシーズン成績だけでなく、代表活動に参加する時点でのコンディションも選考材料になったということです。
ただし、井口監督はオリックスの特定選手について、選外となった個別の理由までは公表していません。故障、球団側の辞退、実力不足など、特定の事情が原因だったと断定することはできません。
9月23日にはオリックスの若手にも関心
見逃せないのが、代表メンバー発表前の9月23日に報じられた井口監督とオリックスの接点です。
当時、監督はアジアプロ野球チャンピオンシップの選考を進めており、オリックスの若手選手にも関心を示していました。
報道で名前が挙がったのは次の3選手です。
- 紅林弘太郎:堅実な守備と長打力、勝負強さが評価された内野手。
- 来田涼斗:パワフルな打撃と確実性の向上が注目された外野手。
- 東松快征:2026年9月にプロ初勝利を挙げた若手投手。
紅林について井口監督は、守備の堅実さやパワフルな打撃、チャンスに強い点を評価。来田についても、パワーと打撃の確実性が向上しているとコメントしていました。
特に来田については、候補としてリストアップしているとの趣旨の発言も報じられています。
この経緯は重要です。オリックスの選手が選考過程でまったく検討されなかったわけではありません。少なくとも、発表前には球団の若手が井口監督の視野に入っていたことが分かります。
選考の中心は次世代を担う選手の発掘
井口監督は今回の大会を、次世代の侍ジャパンを担う選手を見極める機会として位置づけていました。
また、打撃コーチや守備コーチなどの担当者と意見交換し、長打力のある選手や走塁のスペシャリストなど、それぞれの役割を意識して選考したことも明らかになっています。
そのため、単純に各球団の主力選手を均等に集める方式ではありません。大会で勝つための役割と、将来の代表を見据えた育成・経験の両方を考慮した編成だったと考えられます。
【2026年の選考基準】24歳以下・入団3年目以内とオーバーエージ枠
今回オリックスから選手が選ばれなかった背景を理解するには、アジアプロ野球チャンピオンシップ独自の出場資格を把握する必要があります。
一般的な侍ジャパンのトップチームとは異なり、今大会は若手選手を中心に構成する大会です。選手登録は28人で、年齢やプロ在籍年数に条件が設けられています。
基本条件は24歳以下または入団3年目まで
大会の基本的な出場条件は、次のいずれかに該当することです。
- 24歳以下の選手
- プロ入団3年目以内の選手
要点は、24歳以下と入団3年目以内の両方を満たす必要はないということです。いずれかの条件に該当すれば、基本的な出場資格の対象になります。
また、大会規定には、チーム編成が困難な場合、関係団体の了承を得たうえで、2001年1月1日以降生まれの25歳以下の選手を登録できる特例も記載されています。
オーバーエージ枠は29歳以下で最大3人
若手中心のチーム編成を補うため、オーバーエージ枠も設けられています。
条件は29歳以下の選手を最大3人まで登録できるというものです。
2026年大会では、次の3選手がオーバーエージ枠で選出されました。
- 正木智也(福岡ソフトバンクホークス)
- 山口航輝(千葉ロッテマリーンズ)
- 辰見鴻之介(広島東洋カープ)
井口監督は正木と山口について、今季の活躍を評価するとともに、若い選手たちを引っ張る役割にも期待していると説明しました。
辰見については、走塁のスペシャリストとして選出。接戦で1点を取りにいく場面を想定した人選であり、単なる打撃成績だけでは測れない役割を重視したことが分かります。
侍ジャパン2026の出場予定メンバー28人一覧
10月7日に発表された日本代表の出場予定選手は以下の通りです。
投手(13人)
- 吉田聖弥(中日)
- 竹丸和幸(巨人)
- 石田裕太郎(DeNA)
- 武内夏暉(西武)
- 髙橋宏斗(中日)
- 金丸夢斗(中日)
- 髙太一(広島)
- 鈴木豪太(ソフトバンク)
- 松本健吾(ヤクルト)
- 九谷瑠(楽天)
- 森田駿哉(巨人)
- 篠原響(西武)
- 中森俊介(ロッテ)
捕手(3人)
- 松尾汐恩(DeNA)
- 小島大河(西武)
- 進藤勇也(日本ハム)
内野手(7人)
- 宗山塁(楽天)
- 渡部聖弥(西武)
- 佐々木泰(広島)
- 庄子雄大(ソフトバンク)
- 正木智也(ソフトバンク)
- 山口航輝(ロッテ)
- 山縣秀(日本ハム)
外野手(5人)
- 度会隆輝(DeNA)
- 西川史礁(ロッテ)
- 佐々木俊輔(巨人)
- 長谷川信哉(西武)
- 辰見鴻之介(広島)
投手13人、捕手3人、内野手7人、外野手5人という構成です。オリックスの選手は、いずれのポジションにも入っていません。
球団別選出人数を比較
28人を所属球団別に整理すると、次のようになります。
- 西武:5人
- 中日:3人
- 巨人:3人
- DeNA:3人
- 広島:3人
- ソフトバンク:3人
- ロッテ:3人
- 楽天:2人
- 日本ハム:2人
- ヤクルト:1人
- 阪神:0人
- オリックス:0人
西武が最多の5人を送り出し、6球団が3人ずつ選出されています。今回の選考は球団ごとの人数を均等化するものではなく、個々の選手の役割と状態を優先した構成になっています。
【歴代代表選手と球団の関係】オリックスは侍ジャパンに何人送り出してきた?
2026年のAPBCで選出ゼロになったからといって、オリックスの侍ジャパンにおける実績が乏しいわけではありません。
過去には、山本由伸、吉田正尚、山岡泰輔、宮城大弥、宇田川優希、山崎颯一郎など、国際大会で活躍した選手を数多く送り出しています。
オリックスの主な代表選出歴
| 時期・大会 | 主な選出選手 | オリックスとの関係 |
|---|---|---|
| 2019年 プレミア12 | 山岡泰輔、山本由伸、吉田正尚 | 球団から3選手が選出 |
| 2021年 東京オリンピック | 山本由伸、吉田正尚 | 金メダル獲得メンバー |
| 2023年 WBC | 山本由伸、宮城大弥、宇田川優希、山崎颯一郎 | 球団から計4選手が選出 |
| 2026年 WBC | 宮城大弥、曽谷龍平、若月健矢 | 球団から計3選手が選出 |
| 2026年 APBC | 該当者なし | 今回の大会では選出ゼロ |
特に2023年WBCでは、山本由伸、宮城大弥、宇田川優希に続き、山崎颯一郎が追加選出され、球団から合計4人が代表入りしました。
2021年の東京オリンピックでも山本由伸と吉田正尚が選出され、日本の金メダル獲得に貢献しています。
さらに2019年のプレミア12では、山岡泰輔、山本由伸、吉田正尚の3選手が選ばれました。
このように、オリックスは投手だけでなく野手も含めて日本代表に選手を送り出してきた球団です。今回のAPBCの結果だけで、球団の代表選手輩出力を判断するのは適切ではありません。
田口壮が侍ジャパンのヘッドコーチに就任
2026年の侍ジャパンには、選手以外にもオリックスと深い関係を持つ人物がいます。それが田口壮ヘッドコーチです。
2026年9月22日、日本野球機構と侍ジャパンは田口氏のトップチーム・ヘッドコーチ就任を発表しました。9月29日に発表されたスタッフ編成では、ヘッド兼打撃コーチとして登録されています。
田口氏の主な経歴は次の通りです。
- 1991年:ドラフト1位でオリックスに入団
- 1992~2001年:オリックス・ブルーウェーブでプレー
- 2000年:シドニーオリンピック野球日本代表
- 2002~2007年:セントルイス・カージナルス
- 2008年:フィラデルフィア・フィリーズ
- 2009年:シカゴ・カブス
- 2010~2011年:オリックス・バファローズでプレー
- 2016~2024年:オリックスの二軍監督・一軍コーチを歴任
- 2026年:侍ジャパントップチームのヘッド兼打撃コーチに就任
田口氏は選手としてオリックスの黄金期を知り、メジャーリーグでもプレーした国際経験豊富な人物です。
侍ジャパンの公式発表では、就任に際して井口監督を支え、日本の選手たちが力を発揮できるよう努力したいという趣旨のコメントを寄せています。
今回のAPBCでオリックスの現役選手は選出されませんでしたが、球団と深い縁を持つ田口氏が代表チームの中核を担っている点は注目に値します。
【オリックスの若手有望選手】次回の侍ジャパン入りが期待されるのは誰?
今回の選考で名前が挙がった選手を見ると、オリックスには今後の代表入りを期待できる若手が存在します。
特に、井口監督が選考前に関心を示した紅林弘太郎、来田涼斗、東松快征の3人は、今後も注目しておきたい選手です。
紅林弘太郎:守備と長打力を兼ね備えた内野手
紅林弘太郎は、オリックスの内野を担う選手です。
2026年9月の報道では、自己最多となる17本塁打を記録。井口監督も堅実な守備、パワフルな打撃、チャンスでの強さを評価していました。
特にショートというポジションは、守備力と打撃力の両立が大切です。若手主体の代表チームにおいても、守備の安定感と打力を備えた内野手は重要な存在です。
来田涼斗:打撃の成長が評価された外野手
来田涼斗は、パワフルな打撃が特徴の外野手です。
2026年9月時点では9本塁打、43打点を記録し、キャリアハイを更新する活躍が報じられていました。
井口監督はパワーだけでなく、打撃の確実性が向上している点にも言及しています。若手代表に求められる攻撃力という観点から、今後の成長が楽しみな選手です。
東松快征:プロ初勝利を挙げた若手投手
東松快征は、2026年9月22日のロッテ戦でプロ初勝利を挙げた投手です。
まだ経験を積んでいる段階の選手ですが、若手投手の育成という観点では今後の成長が期待されます。
国際大会では、球速や投球成績だけでなく、短期決戦でどのような役割を果たせるかも評価材料になります。今後の登板機会やシーズンを通じた成長が代表入りへの鍵になるでしょう。
次回の代表選考で注目すべき3つのポイント
今回の選考経緯から、オリックスの若手選手が次回の侍ジャパン入りを目指すうえで注目したい要点は3つあります。
- 年齢とプロ在籍年数:大会ごとに出場資格が異なるため、対象年齢や入団年を確認する。
- シーズン中の実績:打撃、守備、投球、走塁など、それぞれの専門分野で結果を残す。
- 大会時点のコンディション:代表活動に参加できる健康状態と、短期決戦での役割適性が求められる。
今回のAPBCでは、紅林や来田のように監督から評価された選手が最終メンバーに入らない結果となりました。しかし、選考対象として注目されたこと自体は、今後の代表入りを考えるうえで興味深い材料です。
オリックス侍ジャパンに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のアジアプロ野球チャンピオンシップでオリックスから選手が選ばれなかった理由は?
A1:井口監督は約70~80人を候補に挙げ、各球団や監督と相談しながら最終選考したと説明しています。11月開催に向けた選手の体調面も考慮されました。ただし、オリックスの特定選手が選外となった個別の理由は公表されていません。
Q2:2026年の侍ジャパンにオリックスの選手は一人もいない?
A2:いいえ。2026年3月のWBCでは宮城大弥、曽谷龍平、若月健矢の3選手が選出されています。ゼロだったのは11月開催のアジアプロ野球チャンピオンシップ2026です。
Q3:2026年APBCのオーバーエージ枠は何人?
A3:29歳以下の選手を最大3人まで登録できます。2026年大会では正木智也、山口航輝、辰見鴻之介の3選手が選ばれました。
Q4:田口壮はオリックス出身の侍ジャパンコーチ?
A4:はい。田口壮氏はオリックス・ブルーウェーブやオリックス・バファローズで選手としてプレーし、二軍監督や一軍コーチも務めました。2026年は侍ジャパントップチームのヘッド兼打撃コーチに就任しています。
まとめ:2026年の選出ゼロは大会限定、オリックスの代表実績は健在
2026年のオリックス侍ジャパンをめぐる最大の要点は、アジアプロ野球チャンピオンシップでは選出ゼロだったものの、同年のWBCでは3選手が代表入りしていることです。
井口資仁監督は約70~80人を候補として検討し、各球団との相談や選手のコンディションを踏まえて28人を決定しました。オリックスについても紅林弘太郎や来田涼斗などに関心を示しており、若手が選考対象として見られていたことが分かります。
また、オリックスには山本由伸、宮城大弥、吉田正尚ら、過去の国際大会で活躍してきた選手がいます。2023年WBCでは4人、2026年WBCでは3人が選出された実績もあります。
【プロの結論】
今回の選出ゼロを、オリックスの選手層や育成力の低下と直結させるのは早計です。アジアプロ野球チャンピオンシップは若手中心という独自の出場条件があり、28人という枠の中で、ポジション構成やコンディション、国際大会での役割まで考慮されます。
今後は紅林、来田、東松らの成長に加え、若手投手や新戦力の台頭にも注目したいところです。侍ジャパンの選考を見る際には、球団別の人数だけでなく、大会の出場資格、選考時点の状態、監督が求める役割を併せて確認することが大切です。
2026年11月の東京ドームでの戦いと、その先の代表選考に向けて、オリックスの選手たちが再び日の丸を背負う機会に期待が集まります。
主な確認資料: 侍ジャパン公式発表、オリックス・バファローズ球団公式発表、NPB関連資料、日刊スポーツの井口監督会見・選考報道。