2026年の日本代表を振り返ると、ワールドカップと大会後の強化試合で、戦術の使い分けが明確になっている。
特に9月24日のウルグアイ戦から10月1日のエクアドル戦までは3バックを継続し、10月5日のニュージーランド戦で4バックへ変更した流れが重要だ。
以下はJFAの公式試合記録とマッチレポートに基づく布陣の変遷である。
| 試合・時期 | フォーメーション | 結果 | 主な注目点 |
|---|---|---|---|
| 6月15日 オランダ戦 | 3-4-2-1 | 2-2 | 久保・前田の2シャドー |
| 9月24日 ウルグアイ戦 | 3バック | 3-1 | 松木玖生ら新戦力の起用 |
| 9月28日 ベネズエラ戦 | 3バック | 2-1 | 大幅な先発変更と上田の2得点 |
| 10月1日 エクアドル戦 | 3バック | 0-0(PK勝利) | 久保・鈴木唯人のシャドー起用 |
| 10月5日 ニュージーランド戦 | 4-2-3-1 | 2-1 | 4バックへの変更とキリンカップ優勝 |
ワールドカップでの日本代表の成績
2026年FIFAワールドカップでは、日本はグループFに入り、オランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦した。
| 対戦相手 | 結果 |
|---|---|
| オランダ | 2-2 |
| チュニジア | 4-0 |
| スウェーデン | 1-1 |
| ブラジル(ラウンド32) | 1-2 |
グループFは1勝2分けの勝ち点5で2位通過。ラウンド32ではブラジルに1-2で敗れた。
JFAの大会公式記録では、チュニジア戦で4得点を挙げる一方、ブラジル戦では佐野海舟のゴールで先制しながら、後半に逆転を許したことが記録されている。
この結果からも、日本代表には強豪相手に主導権を握る時間をつくる力がある一方、試合終盤まで守備の集中力を維持する課題が残ったことが分かる。
【戦術変更の真相】なぜ森保監督は4-2-3-1を採用したのか

2026年10月5日のニュージーランド戦は、日本代表の戦術を考えるうえで重要な試合となった。
それまでの3試合は3バックで戦っていたが、決勝では試合開始から4バックを採用。結果は2-1の勝利だった。
ニュージーランド戦のスターティングメンバー
JFAの公式マッチレポートに記載された配置は次のとおり。
- GK:鈴木彩艶
- DF:中野就斗、瀬古歩夢、伊藤洋輝、鈴木淳之介
- ボランチ:佐野海舟、鎌田大地
- 2列目:堂安律、久保建英、前田大然
- FW:上田綺世
この布陣で注目したいのは、サイドバックが攻撃に積極的に参加したことだ。
28分には久保建英が右サイドの深い位置まで進出し、中野就斗の攻撃参加につながる展開から上田綺世が先制点を決めた。
その後、ニュージーランドに同点とされたものの、71分には中村敬斗の左サイドからの突破を起点に、堂安律が決勝ゴールを記録した。
JFAの試合レポートによれば、日本は90分間でシュート20本を放ち、相手のシュートを3本に抑えた。4バックで攻撃的な姿勢を示した試合だった。
攻撃時と守備時で形が変わる可変システム
さらに興味深いのは、4-2-3-1という表記だけでは実際の戦術を説明しきれない点だ。
スポーツナビの戦術分析では、ニュージーランド戦の日本は攻撃時に4-1-2-3、守備時には4-4-2に近い配置を取ったと分析されている。
つまり、スタート時の配置とボールを保持しているときの配置が異なる。
このような可変システムには、次のメリットがある。
1. 攻撃時の人数確保: サイドバックが高い位置を取ることで、相手の守備ブロックを横に広げられる。
2. 中央の主導権: 中盤の選手がポジションを調整し、ボール保持とセカンドボールの回収を支える。
3. 守備への移行: ボールを失った際に、選手が適切な位置へ戻ることでカウンターに対応する。
森保監督が目指していること
今回の4バック導入について、森保監督はJFAの試合後コメントで、戦術の選択肢を増やすためのチャレンジだったと説明している。
特に注目すべきなのは、11月のブラジル戦、パラグアイ戦、そして2027年のアジアカップを見据えている点だ。
相手の戦い方に応じて、試合開始から4バックを使うのか、3バックで入るのかを選べるようにする。これが今回の変更の大きな目的である。
【ネットの反応・炎上の真相】3バック継続と4バック転換への評価
日本代表のフォーメーションをめぐる議論では、3バックと4バックのどちらが優れているのかという疑問が生まれやすい。
ただし、今回の戦術変更は単純なシステム変更ではなく、チームの選択肢を増やす取り組みとして捉える必要がある。
4バックへの変更には期待と課題の両方がある
10月のニュージーランド戦後、サッカー専門メディアでは4バック導入について複数の視点から分析が行われた。
スポーツナビの分析では、アジアカップを見据えた戦術の幅の拡大が評価された。
一方、サッカーダイジェストWebなどの識者コラムでは、本職のサイドバックが少ない編成で4バックを採用することへの疑問や、守備面の専門性について課題が指摘された。
こうした評価の違いは、4バックそのものの優劣というよりも、どの選手を配置し、どのように連係させるかという問題に関係している。
ネット上で注目したい3つの論点
1. 3バックはもう使わないのか?
これは誤解だ。
10月5日の4バック採用は、3バックを完全に廃止したという発表ではない。森保監督自身が、戦術の幅を増やす目的を説明している。
今後も対戦相手や選手構成に応じて、3バックと4バックを使い分ける可能性がある。
2. 4バックにすると攻撃力が上がるのか?
必ずしもそうではない。
4バックではサイドバックが高い位置を取れるため、攻撃参加の人数を増やせる。しかし、ボールを失った際にサイドの背後を使われる危険性も高まる。
選手の運動量やポジショニング、ボランチのカバー能力が重要になる。
3. 10月の戦術変更は失敗だったのか?
2-1で勝利したことだけで、システムの完成度を判断することはできない。
一方、実際に4バックで試合を成立させ、攻撃時のサイドバックの参加から得点も生まれたことは、今後につながる材料だ。
「炎上」「監督交代」の噂は事実なのか
フォーメーション変更に対する批判的な意見と、監督交代などの重大なニュースは分けて考える必要がある。
2026年10月5日の4バック採用をめぐっては、戦術的な課題を指摘する専門家の論評が存在する。しかし、それを代表チーム全体の炎上や監督交代が決まったという話に結び付ける根拠はない。
むしろ、森保監督が公式に説明したのは、11月の南米勢との対戦やアジアカップを見据えた戦術の拡張だった。
現時点で確認できるニュースと、SNS上で広がる推測を混同しないことが大切だ。
【今後の展望】ブラジル戦とアジアカップで問われる日本代表の完成度
2026年10月31日現在、日本代表の次の大きな注目は11月のシンガポール遠征である。
JFAの大会概要によると、日本は11月14日にブラジル、11月17日にパラグアイと対戦する予定だ。
ブラジル戦で確認したいポイント
ブラジルのような個人技とスピードに優れた相手に対しては、最終ラインの人数だけでなく、ボールを失った瞬間の守備配置が重要になる。
特に次の3点が注目ポイントだ。
- サイドの守備: ウイングバックやサイドバックの背後をどうカバーするか。
- 中央の守備: ボランチが相手の攻撃的MFやFWへのパスコースをどう制限するか。
- 攻撃への切り替え: ボールを奪った直後に久保や堂安らの技術をどう生かすか。
ブラジル戦で3バックと4バックのどちらを採用するかだけでなく、試合中にどのタイミングで変更するかにも注目したい。
2027年アジアカップに向けた課題
2027年1月にはサウジアラビアでAFCアジアカップが予定されている。
アジアの大会では、日本がボールを保持する時間が長くなる試合も想定される。
相手が自陣に人数を集めて守る場合、3バックだけでは中央のスペースを使いにくくなることもある。
そのため、4バックを使ったサイド攻撃や、試合途中でのポジション変更が攻撃の突破口になる可能性がある。
大切なのは、システムの数字を増やすことではなく、選手が複数の配置を理解し、試合状況に応じて自然に動けることだ。
【プロの結論】日本代表のフォーメーションを見るときの判断基準
2026年の森保ジャパンを評価する際、3バックか4バックかという数字だけで判断するのは適切ではない。
プロの視点から特に注目したいのは、次の4つのポイントだ。
① 最終ラインの安定性
センターバックが3人でも4人でも、重要なのは相手のFWに自由を与えないこと。背後への対応やクロスへの守備が安定しているかを確認したい。
② 中盤のバランス
ボランチが攻撃に参加しすぎれば、ボールを失った際に中央が空く。佐野海舟の守備力や鎌田大地のポジショニングなど、選手間の役割分担が重要になる。
③ サイドの攻撃参加
堂安律、中村敬斗、前田大然らがどの位置から攻撃に参加するのか。サイドバックとの連係によって攻撃の幅が生まれているかが評価基準となる。
④ 試合中の修正力
先制したとき、失点したとき、相手が守備的になったとき。それぞれの状況に応じて配置を変えられることが、国際大会での強さにつながる。
個人的に最も注目したいのは、3-4-2-1を基本にしながら4-2-3-1も実戦投入した点だ。
一つのシステムを完成させるだけでなく、複数の戦い方を選べるチームへ進化できるか。それが2027年のアジアカップ、さらにその先の日本代表を占う重要なテーマになる。
【サッカー日本代表のフォーメーション】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、日本代表の基本フォーメーションは何ですか?
A1:3-4-2-1が基本的な布陣です。ただし、2026年10月5日のニュージーランド戦では4-2-3-1を採用しており、4バックも選択肢に加えています。
Q2:3-4-2-1と4-2-3-1の違いは何ですか?
A2:3-4-2-1はセンターバック3人とウイングバック2人で構成されます。4-2-3-1はセンターバック2人とサイドバック2人を配置し、2人のボランチと3人の攻撃的MFを組み合わせるシステムです。
Q3:日本代表のフォーメーションで久保建英はどこに入りますか?
A3:3-4-2-1ではシャドー、4-2-3-1ではトップ下や右サイドなどが主な選択肢になります。相手や試合展開によって役割は変わります。
Q4:森保監督はなぜ4バックを採用したのですか?
A4:2026年10月のニュージーランド戦では、戦術の幅を増やすことが目的でした。今後のブラジル戦、パラグアイ戦、アジアカップを見据えた取り組みです。
Q5:2026年ワールドカップで日本代表はどこまで進みましたか?
A5:グループFを1勝2分けの2位で通過しましたが、ラウンド32でブラジルに1-2で敗れました。
Q6:日本代表の次の注目試合はいつですか?
A6:JFAの発表では、2026年11月14日にブラジル戦、11月17日にパラグアイ戦がシンガポールで予定されています。
まとめ:日本代表のフォーメーションは戦術の幅が最大の注目点
2026年のサッカー日本代表は、3-4-2-1を軸にしながら、4-2-3-1も実戦で試す段階に入っている。
ワールドカップでは3バックを採用してグループFを突破。大会後の9月・10月の4連戦では新戦力を積極的に起用し、最後のニュージーランド戦では4バックで勝利を収めた。
今後の注目は、ブラジルやパラグアイといった南米勢との対戦で、複数のシステムをどこまで使いこなせるかという点だ。
日本代表の最新フォーメーションをチェックするときは、スタメン表の数字だけでなく、攻撃時と守備時の配置、選手の役割、交代後の戦術変化まで見ると、森保ジャパンの狙いがより深く理解できる。
2027年アジアカップに向けて、3バックと4バックを自在に使い分ける日本代表がどのような完成形に到達するのか。今後の試合から目が離せない。