映画館の広告時間を知りたい人が、まず押さえておきたいのは、チケットに記載された上映開始時刻から本編開始まで、およそ10~15分程度かかるケースがあるという点だ。
ただし、この時間には企業CMだけでなく、映画の予告編や劇場独自の案内映像も含まれる。
実際の上映スケジュールは、おおむね次のような構成になっている。
| 上映の段階 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 入場開始 | 観客が劇場内に入る | 開始10~15分前 |
| 幕間広告 | 企業CM・プレアド | 約5~10分 |
| 上映開始時刻 | シネアド・劇場案内 | 約3~6分 |
| 予告編 | 公開予定映画の紹介 | 約5~6分 |
| 本編直前 | 特別広告枠など | 劇場による |
| 本編開始 | 鑑賞する映画がスタート | ― |
これは各社の広告資料をもとにした構成例であり、すべての映画館に共通する固定スケジュールではない。
特に注意したいのは、開映時刻より前に流れる広告と、開映時刻を過ぎてから流れる広告があることだ。両者を区別すると、映画館で待たされる理由が理解しやすくなる。
【広告の仕組み】企業CM・プレアド・シネアド・映画予告編の違い

映画館で流れる映像は、すべて同じ種類の広告ではない。広告主や映画館の営業上の目的によって、上映するタイミングが分けられている。
1. プレアド・幕間CMは上映開始前の広告
プレアドとは、観客の入れ替え時間や入場後の待ち時間に流れる広告を指す。
イオンシネマの公式広告案内では、プレアドは観客の入れ替え時間である幕間に上映すると説明されている。
上映開始前のロビーや劇場内で待っている観客に向けた広告であり、映画本編が始まる直前のシネアドとは位置づけが違う。
109シネマズでも幕間広告が設定されており、公式の2025年版メディアガイドには、入場開始から上映開始時刻までの約10分間が示されている。
2. シネアドは上映開始時刻以降の企業CM
シネアドは「シネマ・アドバタイジング」の略称で、映画館のスクリーンで上映される企業広告のことだ。
映画の本編が始まる前に、暗転した劇場の大画面で企業のCMやサービス紹介映像が流れる。
特徴は次のとおり。
- 15秒や30秒などの短いCMから長尺映像まで対応する。
- 映画館や上映作品を指定できる広告メニューがある。
- 大画面と映画館の音響設備を活用できる。
- 観客が着席した後のタイミングに広告を届けられる。
イオンエンターテイメントは、全スクリーン上映と作品指定上映の2種類を案内している。
つまり、映画館に来た人全体に広告を届ける方法だけでなく、特定の映画を観る人に絞って広告を届ける方法もある。
3. 映画の予告編は企業広告とは別の映像
予告編は、これから公開される映画の内容や見どころを紹介する映像だ。
企業が商品やサービスを宣伝するシネアドとは、目的も制作主体も異なる。
予告編が複数本続く場合、作品の公開時期や劇場の編成によって本編開始までの時間も変わる。
イオンシネマの広告資料では予告編は5~6分、109シネマズの資料では約5分とされている。
そのため、広告が終わったからといって、すぐに本編が始まるとは限らない。
【2026年最新比較】イオンシネマ・TOHO・109・MOVIX・ユナイテッド・シネマ
映画館広告時間の実態を知るには、各社が広告主向けに公開している媒体資料を確認するのが有効だ。
2026年10月時点で確認できる公表情報を比較すると、次のようになる。
| 映画館 | 上映開始前の広告 | 上映開始後の広告 | 予告編・本編まで |
|---|---|---|---|
| イオンシネマ | プレアド約10分 | シネアド最大6分 | 予告5~6分 |
| TOHOシネマズ | 広告時間の一律公表なし | 個別の広告枠による | スクリーン開場は基本10分前 |
| 109シネマズ | 幕間約10分 | シネアド最大5分 | 予告約5分、本編直前広告枠あり |
| MOVIX | 幕間CMの5分枠、直前1分枠 | シネアドの3分枠 | 予告編の固定時間は公表ページに記載なし |
| ユナイテッド・シネマ | 幕間アド約10分 | シネアドなど | チケット表示時刻から本編まで13分 |
※広告枠の時間は、実際にCMが流れる時間の保証ではなく、各社の媒体資料に示された枠・構成の目安。上映回によって異なる。
イオンシネマ:プレアド10分+シネアド最大6分
イオンエンターテイメントの公式資料では、広告の上映タイミングが明確に区分されている。
- 入場開始:上映開始の10~15分前
- プレアド:約10分
- シネアド:最大6分
- 映画予告編:5~6分
注目したいのは、シネアドが開演時刻以降、予告編より前に流れる点だ。
つまり、上映開始時刻に合わせて着席しても、企業CMと予告編が続くため、本編開始まで少し時間がある。
ただし、プレアドは開演前の広告なので、上映開始時刻から本編までの時間にその10分を加算してはいけない。
TOHOシネマズ:入場時間と広告時間を混同しない
TOHOシネマズについては、公式FAQでスクリーンの開場時間を基本的に上映開始10分前としている。
混雑状況によっては早めに入場案内をする場合もあり、舞台挨拶中継やライブビューイングなどのイベント上映では時間が前後することもある。
一方、同社の一般向けFAQに記載されているのは入場時間であり、企業CMや予告編の合計時間ではない。
したがって、TOHOシネマズの広告が必ず5分、10分、15分流れると断定することはできない。入場開始時間と本編開始時間は別の情報として考えたい。
109シネマズ:最大5分のシネアドと本編直前広告
109シネマズの2025年版公式メディアガイドでは、上映の流れが図解されている。
- 入場開始:上映開始15分前
- 幕間:約10分
- シネアド:最大5分
- 映画予告編:約5分
- 本編直前シネアド:特別広告枠
特徴的なのは、本編直前シネアドという枠があることだ。
同時期1社限定の広告メニューで、通常のシネアドとは異なる位置にCMを配置できる。
また、IMAXでは幕間広告の上映がないという注意事項も掲載されている。通常スクリーンと特殊上映では、広告の構成が変わる場合があるわけだ。
MOVIX:幕間CM・幕間プライムCM・シネアドの3種類
MOVIXを運営する松竹マルチプレックスシアターズは、広告を3種類に分類している。
| 広告メニュー | 上映タイミング | 広告枠 |
|---|---|---|
| 幕間CM | 上映開始時刻前 | 5分 |
| 幕間プライムCM | 上映開始時刻直前 | 1分 |
| シネアド | 上映開始直後 | 3分 |
公式資料では、幕間CMの着席率を75%、幕間プライムCMを85%、シネアドを90%以上と紹介している。
これは広告媒体としての参考値であり、現在のすべての上映回における実測値を保証するものではない。
広告の位置によって観客の着席状況が違うことを示す資料として興味深い。
ユナイテッド・シネマ:本編開始まで13分の構成
ユナイテッド・シネマでは、ローソン・ユナイテッドシネマが公開する2026年8月版の公式媒体資料が参考になる。
広告メニューは次の4種類に分かれている。
- 幕間アド:観客の入場タイミングで流れる広告
- シネアド:場内暗転のタイミングで流れる広告
- シルバースポット:シネアドの最後尾に配置する1社限定枠
- ゴールドスポット:映画予告編の終了後に配置する1社限定枠
特に重要なのが、同資料の上映時間の図解だ。
観客の入場タイミングに約10分、チケット表示時刻から映画本編まで約13分という構成が示されている。
ゴールドスポットが予告編の後に配置される点も特徴的だ。映画館の広告は、単に上映前にまとめて流すのではなく、観客がどのタイミングでスクリーンに集中しているかを考えて設計されている。
【時間の見方】上映開始時刻と本編開始時刻はなぜ違う?
映画館での待ち時間を正確に理解するためには、「上映開始時刻」という言葉の意味を整理する必要がある。
チケットの上映開始時刻は本編の開始時刻とは限らない
例えば、19時上映開始と表示された映画があるとする。
この場合、19時から映画本編が始まるとは限らない。
19時から企業広告や劇場案内が流れ、その後に映画の予告編が上映され、最後に本編が始まる構成が考えられる。
実際にユナイテッド・シネマの公式資料では、チケット表示時刻から本編まで13分の構成が示されている。
この違いを知らないと、上映時間の計算を誤りやすい。
本編の終了時刻を計算する方法
映画の上映時間は、基本的に作品本編の長さを指す。
例えば、上映時間120分の作品を19時に鑑賞する場合、次のように考える。
| 項目 | 時刻 |
|---|---|
| チケット表示の上映開始 | 19:00 |
| 本編開始(13分後の例) | 19:13 |
| 本編上映時間 | 120分 |
| 本編終了 | 21:13 |
この計算では、エンドロールも作品の上映時間に含まれる。
広告や予告編の時間は作品そのものの上映時間には含まれないため、映画館の終映予定時刻を確認するときには注意が必要だ。
予告編が長くなることはある?
予告編の時間は、上映する作品の数や劇場の編成によって変化する。
公開予定作品が複数ある場合や、特別な広告枠が設定されている場合は、本編開始までの時間が長くなる可能性がある。
そのため、広告時間を固定値として考えるより、映画館の上映スケジュールと作品の上映時間を分けて確認するほうが実用的だ。
【遅刻対策】映画館には何分前に到着するのが正解?
映画館の広告時間を利用して、上映開始時刻に少し遅れても大丈夫だと考える人もいる。
確かに、上映開始後に広告や予告編が流れているケースはある。しかし、毎回同じ時間だけ広告が流れる保証はない。
おすすめの到着時間
映画を最初から楽しみたい場合は、次の時間を目安にしたい。
| 到着タイミング | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 上映開始15分前 | チケット確認やトイレを済ませやすい | |
| 上映開始10分前 | 良好 | 入場・着席に余裕を持ちやすい |
| 上映開始5分前 | やや慌ただしい | 混雑時は着席が間に合わない可能性 |
| 上映開始時刻 | 非推奨 | 広告・予告が始まっている場合がある |
| 上映開始5分後 | 注意 | 本編開始までの残り時間が読めない |
特に週末や祝日、人気作品の公開初週は、チケット確認や入場口が混雑することもある。
TOHOシネマズのように、スクリーン開場を上映開始10分前を基本としている映画館もあるため、早めの到着が安心だ。
上映開始時刻に遅れたらどうする?
遅刻した場合でも、劇場によっては途中入場できることがある。
ただし、入場可能かどうかは劇場の運用やイベント上映の条件によって異なる。
入場できたとしても、暗い場内で座席を探すことになるため、周囲の観客への配慮が必要だ。
遅れそうな場合は、次の対応をおすすめしたい。
1. 劇場スタッフに途中入場できるか確認する。
2. 案内された場合は、スマートフォンの画面を明るくしすぎない。
3. 他の観客の視界を遮らないよう静かに移動する。
4. 本編が始まっている場合は、スタッフの指示に従う。
映画の冒頭は、登場人物や物語の背景を理解するうえで大切な場面だ。広告時間をあてにして遅刻するより、余裕を持って到着したい。
【プロの結論】映画館の広告時間は広告枠の仕組みを知れば理解できる
映画館の広告時間をめぐる疑問の根本には、広告と映画予告編、そして本編の上映開始時刻が混同されている問題がある。
映画館側は、観客の入場から本編開始までの時間を複数の広告枠として設計している。
企業にとっては、広告をどのタイミングで見てもらうかが重要になる。
例えば、幕間広告は入場中の観客に向けた認知拡大に適している。一方、暗転後のシネアドは、観客が着席してスクリーンに集中し始めたタイミングを狙える。
予告編の後に配置される特別広告枠もあり、広告の位置によって訴求方法が変わる。
こうした仕組みは、各社の広告媒体資料にも反映されている。イオンシネマ、松竹マルチプレックスシアターズ、109シネマズ、ローソン・ユナイテッドシネマの資料を比較すると、同じ映画館広告でも時間配分や広告メニューが異なることがわかる。
映画館の広告は、単なる上映前の待ち時間ではなく、観客の入場から本編開始までを活用した広告システムなのである。
読者にとって大切なのは、映画館ごとに広告時間が異なることを理解し、上映開始時刻を本編開始時刻と取り違えないことだ。
【よくある質問】映画館の広告は何分流れる?(FAQ)
Q1:映画館の広告は合計何分くらい流れますか?
A1:上映開始時刻から本編開始まで、企業CMと映画予告編を合わせて10~15分程度が目安です。ただし、映画館や上映回によって異なります。イオンシネマではシネアド最大6分、予告編5~6分という公表例があります。
Q2:映画の予告編は何分くらいありますか?
A2:公表資料の例では、イオンシネマが5~6分、109シネマズが約5分です。上映する作品や劇場の編成によって変わるため、全国共通の時間ではありません。
Q3:上映開始時刻に遅れても本編に間に合いますか?
A3:広告や予告編が流れている間なら本編に間に合う可能性があります。ただし、広告時間は固定されておらず、劇場によって途中入場の対応も異なります。余裕を持って上映開始10~15分前に到着するのがおすすめです。
Q4:TOHOシネマズの広告時間は何分ですか?
A4:TOHOシネマズの公式FAQでは、スクリーン開場は上映開始10分前が基本とされています。ただし、広告と予告編の合計時間について、すべての上映回に適用できる一律の公表値は確認できません。
Q5:映画館のCMと予告編は同じものですか?
A5:違います。CMは企業の商品やサービスを紹介する広告で、シネアドなどと呼ばれます。一方、予告編は公開予定の映画を紹介する映像です。上映目的も制作主体も異なります。
まとめ:映画館の広告時間を知って余裕のある映画鑑賞を
2026年10月現在、映画館の広告時間はチェーンごとに違いがある。
今回確認した公式資料では、イオンシネマのシネアドは最大6分、109シネマズは最大5分、MOVIXは上映開始直後に3分間の広告枠を設けている。また、ユナイテッド・シネマではチケット表示時刻から本編開始まで13分という構成が示されている。
重要なのは、上映開始時刻と本編開始時刻は同じではない場合があるということだ。
映画の予告編を楽しみたい人も、時間を有効に使いたい人も、広告時間をあらかじめ理解しておけば、鑑賞当日の予定を立てやすくなる。
映画館に到着する目安は上映開始10~15分前。広告時間を過信せず、余裕を持って席に着き、映画本編を最初から楽しみたい。