時代劇の金字塔『水戸黄門』で、水戸光圀のお供を務める佐々木助三郎(助さん)と渥美格之進(格さん)。1969年の放送開始から、二人の役を演じてきた俳優は世代ごとに入れ替わり、作品の雰囲気や人物像にも変化をもたらしてきた。杉良太郎、里見浩太朗、あおい輝彦、原田龍二、東幹久、財木琢磨らが助さんを、横内正、大和田伸也、伊吹吾朗、合田雅吏、的場浩司、荒井敦史らが格さんを演じている。
2026年11月現在、TBS地上波の全43部に加え、BS-TBSで制作された2017年版・2019年版、2015年・2025年のスペシャル、そして2026年12月放送予定の新作『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』まで、歴代キャストの流れを整理する。特に、長期間コンビを組んだ俳優同士の関係や、助さんと格さんのキャラクター設定の違いにも注目したい。
【基本情報】水戸黄門の助さん・格さんとは?歴代俳優を知る前に押さえたい人物像

助さんと格さんは、水戸藩主を退いた徳川光圀の旅に同行する二人の水戸藩士だ。正式な役名は佐々木助三郎と渥美格之進。作品では光圀を支える護衛役であり、旅先で悪事を働く者たちと対峙する重要な存在である。
助さん=佐々木助三郎の特徴
助さんは、剣術に秀でた行動派の人物として描かれる。明るく社交的で、女性に弱いという親しみやすい一面も持っている。
物語では、格さんとともに悪人を追い詰める場面や、旅先で出会う人々との交流を担当することが多い。演じる俳優によって、二枚目らしい色気、若々しい熱血漢、冷静な知性など、表現の方向性が変わってきた。
格さん=渥美格之進の特徴
格さんは、真面目で実直、正義感が強い人物。柔術などの格闘にも長けており、助さんとともに光圀を守る。
象徴的な役割が、印籠の管理と、クライマックスでの「控えおろう」という決めぜりふだ。助さんが先に行動するタイプなら、格さんはそれを支え、必要な場面で確実に役割を果たす存在として描かれている。
ただし、性格の設定はシリーズごとに異なる。初期作品から後期作品まで、同じ名前の人物であっても、兄貴分と弟分の関係になったり、正反対の性格を強調されたりしている。
【完全まとめ】水戸黄門の助さん・格さん歴代俳優一覧!TBS全43部を放送順に比較
まずは、1969年から2011年まで放送されたTBS版全43部のキャストを確認しよう。歴代の交代を追うと、助さんと格さんは必ずしも同時に交代したわけではなく、片方だけが変更された時期もあることが分かる。
| 放送部 | 放送時期 | 助さん(佐々木助三郎) | 格さん(渥美格之進) |
|---|---|---|---|
| 第1~2部 | 1969~1971年 | 杉良太郎 | 横内正 |
| 第3~8部 | 1971~1978年 | 里見浩太朗 | 横内正 |
| 第9~13部 | 1978~1983年 | 里見浩太朗 | 大和田伸也 |
| 第14~17部 | 1983~1988年 | 里見浩太朗 | 伊吹吾朗 |
| 第18~28部 | 1988~2000年 | あおい輝彦 | 伊吹吾朗 |
| 第29~31部 | 2001~2003年 | 岸本祐二 | 山田純大 |
| 第32~41部 | 2003~2010年 | 原田龍二 | 合田雅吏 |
| 第42~43部 | 2010~2011年 | 東幹久 | 的場浩司 |
| BS-TBS版・2017年 | 2017年10~12月 | 財木琢磨 | 荒井敦史 |
| BS-TBS版・2019年 | 2019年5~8月 | 財木琢磨 | 荒井敦史 |
| 水戸黄門スペシャル | 2025年12月 | 財木琢磨 | 荒井敦史 |
| 水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~ | 2026年12月予定 | 財木琢磨 | 荒井敦史 |
※TBS地上波版の部数・放送時期はTBSの公式年表を基準に整理。第43部のレギュラー放送は2011年12月12日までで、12月19日には最終回スペシャルが放送された。BS-TBS版は公式番組ページで2017年版・2019年版として紹介されている。
初代助さん・格さん:杉良太郎と横内正(第1~2部)
1969年8月4日に始まった第1部で、助さんを演じたのは杉良太郎、格さんを演じたのは横内正だった。
当時の水戸黄門は東野英治郎が水戸光圀を演じ、風車の弥七役には中谷一郎が出演。現在ではおなじみの四人を中心とする一行の基本形が、この時期に誕生した。
第1部の放送開始時点では、現在のような印籠を使ったお決まりの演出もまだ完全には定着していなかった。TBSチャンネルの作品解説でも、印籠が登場しない回があったことが紹介されている。
第2部まで杉良太郎が助さんを担当した後、第3部から里見浩太朗へとバトンタッチする。
里見浩太朗と横内正・大和田伸也・伊吹吾朗(第3~17部)
第3部から助さんを担当したのが里見浩太朗だ。1971年11月29日から1988年2月22日まで、実に15部にわたって佐々木助三郎を演じた。
この期間、格さん役は二度交代している。
- 第3~8部:横内正
- 第9~13部:大和田伸也
- 第14~17部:伊吹吾朗
横内正は初代格さんとして作品の基礎を築いた俳優。第9部から登場した大和田伸也は、次の世代の格さんとして出演し、第14部からは伊吹吾朗がその役を引き継いだ。
里見浩太朗は第17部まで助さんを務めた後、第31部からは水戸光圀役に就任する。TBSの公式番組資料によれば、助さんとして東野英治郎・西村晃の両黄門を支えた期間は約17年間とされている。映画作品では格之進も演じており、黄門・助・格の三役を経験した俳優としても知られる。
あおい輝彦と伊吹吾朗(第18~28部)
1988年の第18部から助さんに就任したのが、あおい輝彦だ。格さんは引き続き伊吹吾朗が担当した。
この組み合わせは第28部まで続き、1988年から2000年までの長い期間、作品を支えた。
助さんと格さんの二人が同じ時期に長く出演することで、視聴者にとって人物像が定着しやすくなった時代でもある。
特に伊吹吾朗は、格さん役を第14部から第28部まで担当。歴代格さんの中でも長期にわたって役を務めた俳優の一人だ。
岸本祐二と山田純大(第29~31部)
2001年の第29部では、助さんが岸本祐二、格さんが山田純大に交代した。
この時期は水戸光圀役も石坂浩二へ変更された新シリーズのスタートにあたる。第31部では里見浩太朗が五代目水戸光圀として登場するが、助さん・格さんは引き続き岸本祐二・山田純大のコンビだった。
TBSの第31部公式紹介では、岸本演じる助さんは何事にも正しくありたい優等生タイプで、格さんにとって兄のような存在。山田演じる格さんは、好奇心旺盛で情にもろいやんちゃな人物として設定されている。
それまでのシリーズとは少し異なる、兄貴分と弟分の関係性を打ち出した組み合わせだった。
原田龍二と合田雅吏(第32~41部)
2003年7月28日開始の第32部から、助さんは原田龍二、格さんは合田雅吏へ交代した。
このコンビは第41部まで約7年間にわたり出演。長期間にわたって同じ二人が助さん・格さんを演じたことから、2000年代の水戸黄門を代表する組み合わせとして認知されている。
第32部の公式番組紹介でも、原田龍二と合田雅吏による新しい光圀主従の活躍が作品の見どころとして紹介されている。
2015年6月29日に放送された『水戸黄門スペシャル』でも、二人は引き続き助さん・格さんとして出演。レギュラーシリーズ終了後も、コンビとしての再登場が実現した。
東幹久と的場浩司(第42~43部)
2010年10月11日開始の第42部からは、助さんを東幹久、格さんを的場浩司が担当した。
この交代では、出演者の変更だけでなく、物語の作り方にも変化があった。TBSの公式紹介によると、第42部は原点回帰をテーマに掲げ、光圀と助さん・格さんが初めて出会う場面や、旅立ちの経緯を改めて描いている。
第43部までこのコンビが続き、2011年12月19日の最終回スペシャルでも二人が出演。加えて、歴代助さん・格さんを演じた横内正、大和田伸也、あおい輝彦、伊吹吾朗らも別役やゲストとして登場し、長いシリーズの歴史を締めくくった。
【歴代キャスト比較】助さん・格さんの役柄は俳優によってどう変わった?
歴代キャストを比較する際、単に顔ぶれを覚えるだけでは作品の変遷を十分に理解できない。注目したいのは、助さんと格さんの人物設定が時代とともに変わっている点だ。
助さんは二枚目の剣士から、個性の強い若侍へ
杉良太郎や里見浩太朗の時代には、助さんは光圀を支える若々しい剣士として物語の中心を担っていた。
あおい輝彦の時代には、長期出演によって親しみやすい助さん像が定着。岸本祐二の時代には、優等生的で正しいことを重視する人物設定が与えられた。
原田龍二の時代を経て、東幹久が演じた第42部では、助さんは江戸育ちで洗練された人物として描かれている。道中日誌を担当し、旅の資金も預かるなど、従来とは異なる役割が与えられた。
一方、BS-TBS版の財木琢磨が演じる助さんは、熱血漢で明るく、女性に弱い若侍。剣の腕は一流という、活発で分かりやすいキャラクターになっている。
格さんは実直さを保ちながら、相棒との関係性が変化
格さんは、歴代シリーズを通じて真面目で義理堅いという基本的な人物像を維持してきた。
横内正、大和田伸也、伊吹吾朗という初期から中期の俳優陣によって、頼れる相棒としての格さん像が確立された。
山田純大の時代には、やんちゃで好奇心旺盛な弟分という側面が強調された。一方、的場浩司の第42部では、無骨で純朴、女性にも奥手という設定が採用され、東幹久の助さんとの対比が明確になっている。
荒井敦史の格さんは、真面目で一本気な性格。路銀や印籠の管理を任され、先走る助さんを制止する役割も担っている。
歴代の役柄を比較すると分かること
助さんと格さんは、どちらか一方が主役になる関係ではない。二人の性格を対照的に設定することで、旅先での会話や事件解決の場面にリズムを生み出している。
特に近年のBS-TBS版では、助さんが先走り、格さんが冷静に制止する構図が明確になった。若い世代にも人物の違いが伝わりやすい構成になっている。
つまり、歴代俳優の交代は単なるキャスティング変更ではなく、その時代の視聴者に合わせたキャラクターの再設計でもあった。
【BS-TBS版を解説】2017年・2019年の助さん格さんは財木琢磨と荒井敦史
2011年にTBS地上波のレギュラー放送が終了した後、2017年にBS-TBSで『水戸黄門』が復活した。
水戸光圀役には武田鉄矢が起用され、助さんを財木琢磨、格さんを荒井敦史が担当。キャストを一新した新しい水戸黄門として制作された。
2017年版:新世代の助さん・格さんが誕生
2017年版は10月4日から12月6日まで放送された。
財木琢磨が演じる佐々木助三郎は、明るく大らかで熱血漢。若い女性に目がないという、従来の助さんらしい親しみやすさも引き継いでいる。
一方、荒井敦史が演じる渥美格之進は、真面目で一本気。素手での格闘に秀でた人物として描かれている。
加えて、風車の弥七役に津田寛治、柳沢吉保役に袴田吉彦、柘植九郎太役に長谷川純が出演。篠田麻里子も詩乃役で登場した。
2017年の復活は、従来のファンにとって懐かしさを感じさせる一方、新しい視聴者にも作品を届けるキャスティングだった。
2019年版:財木・荒井コンビが続投
2019年5月19日から8月11日まで放送された第2シリーズでも、財木琢磨と荒井敦史が助さん・格さんを続投した。
物語の舞台は九州。武田鉄矢の出身地でもある九州を巡る旅が描かれ、篠田麻里子演じる詩乃に加え、吉本実憂演じる吉姫が新たにレギュラー陣に加わった。
2017年版から継続する主要キャストを軸に、物語の舞台や同行者を変えることで新しい展開を生み出している。
なお、2017年版・2019年版ともに製作著作はC.A.L。シリーズの伝統的な構成や主題歌「あゝ人生に涙あり」を引き継いでいる。
【2025・2026年最新】水戸黄門スペシャルも財木琢磨・荒井敦史が続投
BS-TBS版の助さん・格さんは、レギュラー放送終了後も新作スペシャルで続投している。
2025年12月28日:輪島・金沢を舞台に7年ぶりの新作
2025年12月28日には、2時間スペシャル『水戸黄門スペシャル』が放送された。
武田鉄矢が水戸光圀を演じ、財木琢磨が佐々木助三郎、荒井敦史が渥美格之進として出演。2019年のレギュラーシリーズ以来、約7年ぶりとなるテレビドラマの新作だった。
物語の舞台は輪島・金沢。前田綱紀を巡る陰謀や輪島塗をめぐる騒動など、北陸の歴史や文化を取り入れたストーリーが展開された。
詩乃役の篠田麻里子、風車の弥七役の津田寛治、柳沢吉保役の袴田吉彦も引き続き出演。さらに剛力彩芽、秋野太作、榎木孝明、加藤雅也らがゲストとして参加した。
2026年12月:岡崎・尾張編の放送が決定
2026年10月7日、BS-TBSは新作2時間スペシャル『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』の放送を正式発表した。
放送予定は2026年12月。具体的な放送日・放送時刻は、発表時点の公式情報ではまだ公表されていない。
注目の助さん・格さんは、2025年版から引き続き財木琢磨と荒井敦史が担当する。
主な出演者は次のとおりだ。
- 水戸光圀:武田鉄矢
- 佐々木助三郎:財木琢磨
- 渥美格之進:荒井敦史
- 詩乃:篠田麻里子
- 風車の弥七:津田寛治
- 柳沢吉保:袴田吉彦
- 語り:二又一成
今回の旅の舞台は岡崎・尾張。徳川御三家の筆頭である尾張徳川家のお膝元で、光圀一行が刺客や陰謀に立ち向かう物語となる。
公式発表では、財木琢磨は助さんとしての再出演を喜び、長く愛されてきた作品の魅力を大切にしながら演じる意向をコメントしている。
荒井敦史も、初めて格さんとして印籠を出した経験から約9年が経過したことに触れ、今回の旅で助格の成長を感じてもらえるよう演じたいという思いを明かしている。
2017年の復活から続く財木・荒井コンビが、2026年の新作でも同じ役を担うことは、BS-TBS版における大きな特徴だ。
【よくある誤解を検証】水戸黄門の助さん格さん歴代キャストで間違えやすいポイント
里見浩太朗は助さんと黄門様のどちらを演じた?
里見浩太朗は、両方の役を演じている。第3部から第17部までは佐々木助三郎役、第31部から第43部までは水戸光圀役だ。
つまり、助さんから黄門様へと役柄が変わった俳優である。映画作品では渥美格之進も演じているため、助・格・黄門の三役を経験した人物として特別な存在になっている。
原田龍二と合田雅吏は最終回まで出演した?
二人のレギュラー出演は第41部まで。2010年の第42部からは東幹久と的場浩司に交代した。
ただし、2015年6月29日の『水戸黄門スペシャル』では、原田龍二と合田雅吏が再び助さん・格さんとして出演している。
2026年の助さん・格さんは新しい俳優に交代する?
2026年12月予定の『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』では、財木琢磨と荒井敦史の続投が正式発表されている。現時点で、新しい俳優への交代は発表されていない。
なお、2026年版の放送日については、12月放送という情報と具体的な日付を区別して確認する必要がある。
【水戸黄門の助さん・格さん歴代俳優】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:水戸黄門で初代助さんを演じた俳優は誰ですか?
A1:杉良太郎です。1969年放送開始の第1部から第2部まで佐々木助三郎を演じました。初代格さんは横内正です。
Q2:助さんと格さんを最も長く演じた俳優は誰ですか?
A2:助さんでは、里見浩太朗が第3部から第17部まで担当したほか、あおい輝彦も第18部から第28部まで長期出演しました。格さんでは、伊吹吾朗が第14部から第28部まで担当しています。
Q3:原田龍二が助さんになったのは何年ですか?
A3:2003年7月開始の第32部です。格さんは合田雅吏で、このコンビは第41部まで続きました。
Q4:東幹久と的場浩司が助さん・格さんを演じたのはいつですか?
A4:2010年の第42部から2011年の第43部までです。東幹久が助さん、的場浩司が格さんを演じました。
Q5:2017年のBS-TBS版で助さん・格さんを演じた俳優は誰ですか?
A5:助さんが財木琢磨、格さんが荒井敦史です。2019年の第2シリーズでも同じ二人が続投しました。
Q6:2026年12月の水戸黄門スペシャルの助さん・格さんは誰ですか?
A6:財木琢磨が佐々木助三郎、荒井敦史が渥美格之進を演じます。作品名は『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』で、BS-TBSで2026年12月に放送予定です。具体的な放送日時は続報待ちです。
まとめ:水戸黄門の助さん・格さんは時代とともに進化してきた
『水戸黄門』の助さん・格さんは、1969年の放送開始から現在まで、数多くの俳優によって受け継がれてきた。
助さんは杉良太郎から里見浩太朗、あおい輝彦、岸本祐二、原田龍二、東幹久、財木琢磨へ。格さんは横内正から大和田伸也、伊吹吾朗、山田純大、合田雅吏、的場浩司、荒井敦史へと変遷している。
歴代キャストを振り返ると、長期出演によって定着した名コンビもあれば、シリーズ刷新に合わせて人物設定そのものを変えた組み合わせもある。助さんの行動力と格さんの実直さという基本構造は保ちながら、兄弟のような関係や性格の対比など、作品ごとに異なる魅力が生み出されてきた。
そして2026年12月には、財木琢磨・荒井敦史のコンビが岡崎・尾張を舞台にした新作スペシャルで再び登場する。
歴代俳優を調べる際に押さえておきたい要点は、単純な出演者の名前だけでなく、何部から何部まで出演したのか、黄門役が誰だったのか、そして相棒との人物設定がどう変わったのかという三点だ。
世代ごとに異なる助さん・格さんの魅力を知れば、再放送や新作を視聴するときにも、長年続く『水戸黄門』という作品の奥深さをより楽しめるはずだ。
主な確認資料: TBS公式「水戸黄門伝~ドラマの歴史~」、TBS各部番組資料、BS-TBS公式キャスト・番組発表、制作会社C.A.Lの作品情報。