時代劇『水戸黄門』で、黄門様と助さんを支える重要人物が、渥美格之進、通称「格さん」です。1969年の放送開始以来、格さん役は時代とともに受け継がれ、横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大、合田雅吏、的場浩司らが演じてきました。
加えて、2017年のBS-TBS版では荒井敦史が新たな格さん役に抜擢され、2019年の続編、2025年のスペシャルドラマにも出演。2026年10月現在も、12月放送予定の新作『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』で渥美格之進を演じることが発表されています。歴代俳優の出演部、交代時期、演技の特徴を整理すると、シリーズの変遷と格さんという役柄の魅力が見えてきます。
【歴代一覧】水戸黄門の格さんを演じた俳優と出演期間・交代順

水戸黄門の格さん(渥美格之進)を演じた俳優は、従来の第1部から第43部までで6人。BS-TBSの新シリーズからは荒井敦史が加わりました。
歴代の交代順を理解するうえで重要なのは、単純に俳優の名前を並べるだけでなく、何部から何部まで出演したのかを確認することです。TBSの公式番組アーカイブや制作会社C.A.Lのシリーズ情報をもとに整理すると、次のようになります。
| 順番 | 俳優 | 出演シリーズ | 出演時期 |
|---|---|---|---|
| 初代 | 横内正 | 第1~8部 | 1969年8月~1978年1月 |
| 2代目 | 大和田伸也 | 第9~13部 | 1978年8月~1983年4月 |
| 3代目 | 伊吹吾郎 | 第14~28部 | 1983年10月~2000年11月 |
| 4代目 | 山田純大 | 第29~31部 | 2001年4月~2003年3月 |
| 5代目 | 合田雅吏 | 第32~41部 | 2003年7月~2010年6月 |
| 6代目 | 的場浩司 | 第42~43部 | 2010年10月~2011年12月 |
| BS-TBS版 | 荒井敦史 | 新シリーズ・スペシャル | 2017年~2019年、2025年~2026年 |
この一覧で注意したいのは、荒井敦史は従来の第1~43部の「7代目」として登場したわけではないという点です。2017年にキャストを一新したBS-TBS版で、渥美格之進役に起用されています。そのため、従来シリーズの6代目とBS版の新キャストを分けて考えると、歴代の流れが正確に理解できます。
また、2015年の2時間スペシャルでは、かつて格さんを演じた合田雅吏が再び同役を担当しました。2011年のレギュラーシリーズ終了後も、過去のキャストが作品に戻ってきた実例です。
【昭和の格さん】横内正・大和田伸也・伊吹吾郎の時代
水戸黄門の初期から長く続いた昭和の時代は、格さんのイメージを確立した時代でもあります。特に横内正、大和田伸也、伊吹吾郎の3人は、異なる時期に作品の基礎を支えました。
初代・横内正:1969年から1978年まで初期シリーズを支える
初代格さんを演じたのは俳優の横内正です。1969年8月4日にスタートした第1部から第8部まで出演し、初代水戸黄門の東野英治郎、初代助さんの杉良太郎とともに、番組の原型を築きました。
1971年の第3部からは助さんが里見浩太朗に交代しましたが、横内正はその後も格さん役を続投。助さんが変わっても、格さんの存在感は揺らぎませんでした。
注目したいのは、横内正が初期シリーズを代表する俳優でありながら、TBSの公式集計でもレギュラー出演248回を記録していることです。後の伊吹吾郎の出演回数とは異なるものの、作品の初期ブランドを形成した重要な存在でした。
1978年1月30日に終了した第8部まで出演し、同年8月7日スタートの第9部から大和田伸也にバトンタッチしています。
2代目・大和田伸也:1978年から1983年まで担当
2代目格さんは大和田伸也です。第9部から第13部まで出演し、1978年8月から1983年4月まで約5年間、渥美格之進を演じました。
TBSの第9部公式紹介でも、横内正に代わる二代目格さんの誕生が大きな話題として取り上げられています。初代からの交代は、長く親しまれてきた役柄のイメージを変える出来事でした。
大和田伸也の時代は、東野英治郎が引き続き黄門様を演じ、里見浩太朗が助さんを担当していた時期です。おなじみの主従関係を維持しながら、格さんだけが新しい俳優へ交代することで、シリーズに新鮮さが加わりました。
第13部を最後に交代し、1983年10月31日開始の第14部から伊吹吾郎が三代目格さんを担当します。
3代目・伊吹吾郎:17年間にわたる代表的な格さん
伊吹吾郎は、第14部から第28部まで格さんを演じた俳優です。出演期間は1983年10月から2000年11月までと長く、歴代の格さんを語るうえで欠かせない存在になっています。
この交代と同時に、黄門様も東野英治郎から西村晃へ変更されました。TBSの第14部紹介では、西村晃が二代目黄門、伊吹吾郎が三代目格さんとして登場したことが説明されています。
伊吹吾郎の時代には、助さんも里見浩太朗からあおい輝彦へ交代。さらに黄門様も西村晃から佐野浅夫へと変わりました。つまり、長い出演期間のなかで格さんだけでなく、旅の中心となる3人の組み合わせにも変化がありました。
その一方で、伊吹吾郎が格さんを演じ続けたことで、作品の中心となる人物像には安定感が生まれました。
特筆すべき数字が、TBSの放送1200回記念企画で公表されたレギュラー出演回数です。伊吹吾郎は529回で歴代レギュラー出演回数ランキング5位に入りました。横内正の248回と比較しても、長期出演の規模がよく分かります。
1980年代から1990年代の水戸黄門を思い浮かべる人にとって、伊吹吾郎の格さんは特に印象深い存在でしょう。
【平成の格さん】山田純大・合田雅吏・的場浩司への交代
2000年代に入ると、水戸黄門は主演俳優の変更や番組構成の刷新を経験します。格さん役も山田純大、合田雅吏、的場浩司へと引き継がれ、平成期ならではの新しい助格コンビが誕生しました。
4代目・山田純大:石坂浩二時代の格さん
山田純大が格さん役に就任したのは2001年の第29部です。第29部から第31部まで出演し、2003年3月まで担当しました。
この時期の大きな変化は、黄門様が佐野浅夫から石坂浩二に交代したことです。第29部では四代目黄門様として石坂浩二が登場し、助さんには岸本祐二、格さんには山田純大が起用されました。
新しい水戸黄門は、従来の勧善懲悪の旅に加え、光圀の人物像や歴史的背景をより深く描く方向性を打ち出しました。衣装やメイクも一新され、シリーズの雰囲気が変わった時期です。
第31部では里見浩太朗が五代目黄門様に就任しましたが、山田純大は引き続き格さん役を務めました。黄門様が交代しても助格コンビが維持されたことは、この時期の特徴です。
5代目・合田雅吏:2003年から2010年までの長期担当
2003年の第32部から格さん役に就任したのが合田雅吏です。第32部から第41部まで担当し、約7年間にわたり里見浩太朗演じる黄門様を支えました。
この時期の助さんは原田龍二です。TBSの第32部公式紹介では、原田龍二と合田雅吏がそれぞれ五代目の助さん、五代目の格さんとして迎えられたことが明記されています。
合田雅吏の格さんは、生真面目で落ち着いた人物像が特徴です。TBSの番組紹介でも、助さんとは対照的な性格で、女性には奥手ながら人情に厚い人物として説明されています。格闘では素手で戦うことが多く、武骨さと誠実さを併せ持つ役柄でした。
2010年6月終了の第41部まで出演し、同年10月開始の第42部から的場浩司に交代します。
ただし、合田雅吏と格さんの関係は2010年で完全に終わったわけではありません。2015年6月29日放送の『水戸黄門スペシャル』では、里見浩太朗と原田龍二らとともに再登場し、再び渥美格之進を演じています。長く親しまれたキャストが特別編で再集結した象徴的な出来事です。
6代目・的場浩司:2010年から2011年まで担当
的場浩司は2010年10月スタートの第42部から格さんに就任しました。第43部まで出演し、従来のTBSレギュラーシリーズでは六代目格さんに当たります。
第42部では、助さんに東幹久が起用されました。TBSはこのシリーズについて、原点に立ち返った番組作りをテーマに掲げ、黄門様と助さん・格さんの出会いや、御一行の初めての旅立ちなどを改めて描いたと説明しています。
的場浩司が演じた格さんは、純朴で無骨、一本気な人物です。柔術の達人であり、助さんとは性格面でも対照的。女性に奥手という設定もあり、東幹久の助さんとの掛け合いが新しい見どころになりました。
第42部は2011年3月に終了し、第43部を経て、2011年12月19日の最終回スペシャルで42年間続いた従来の放送の歴史に一区切りがつきました。
【BS-TBS版と2026年最新】荒井敦史が演じる格さんの現在
2011年にレギュラー放送が終了した水戸黄門ですが、作品そのものが完全に姿を消したわけではありません。2017年、BS-TBSが新しいキャストによるシリーズをスタートさせ、荒井敦史が渥美格之進役に選ばれました。
2017年:武田鉄矢主演の新シリーズで荒井敦史が抜擢
2017年5月18日、BS-TBSは助さん・格さんの新キャストを発表しました。助さんは財木琢磨、格さんは荒井敦史です。黄門様には武田鉄矢が起用され、従来シリーズとは異なる新しい御一行が誕生しました。
第1シリーズは2017年10月4日から12月6日まで放送された全10話。物語の舞台を東北に設定し、武田鉄矢の水戸光圀を中心に新しい世直しの旅を描きました。
荒井敦史が演じる格さんは、真面目で一本気な性格。素手での格闘に秀でており、光圀から印籠を任される役柄です。公式キャスト紹介では、光圀に仕える若い水戸藩士として説明されています。
荒井敦史自身も、幼い頃に祖父母と水戸黄門を見て、印籠を出す真似をしていたというエピソードを、出演決定時の公式コメントで紹介しています。子どもの頃に親しんだ作品で格さんを演じることになった点も、当時の発表で印象的だった部分です。
2019年:第2シリーズでも財木琢磨とのコンビが続投
2019年5月19日には、BS-TBS版の第2シリーズがスタートしました。武田鉄矢、財木琢磨、荒井敦史、津田寛治らが引き続き出演し、今度は九州を舞台にした世直しの旅が展開されました。
全10話で、最終回は2019年8月11日。女性レギュラーには篠田麻里子と吉本実憂が加わり、2017年版からさらに登場人物の幅が広がりました。
格さん役の荒井敦史は続投し、財木琢磨との助格コンビも維持されました。シリーズをまたいで同じ俳優が同じ役を演じることで、新しい御一行としての関係性を積み重ねています。
2025年:7年ぶりの新作スペシャルで格さんが復活
2019年の第2シリーズ終了後、武田黄門のテレビドラマとしての新作はしばらく制作されていませんでした。しかし2025年12月28日、BS-TBSで約7年ぶりの新作『水戸黄門スペシャル』が放送されました。
この作品でも荒井敦史が格さん、財木琢磨が助さんを担当。武田鉄矢、篠田麻里子、津田寛治、袴田吉彦らも出演し、輪島・金沢を舞台にした2時間スペシャルとして制作されました。加えて、水戸黄門シリーズとして初めて4K放送が実施されたことも話題になりました。
過去のキャストを単に再現するのではなく、BS-TBS版で築いた新しい御一行を継続させた点が、この作品の大きな特徴です。
2026年12月:『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』が放送予定
2026年10月31日現在、荒井敦史は最新の格さん役として続投が決定しています。
BS-TBSは2026年10月7日、新作2時間スペシャル『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』を同年12月に放送すると公式発表しました。
主要キャストは次のとおりです。
- 水戸光圀:武田鉄矢
- 佐々木助三郎:財木琢磨
- 渥美格之進:荒井敦史
- 詩乃:篠田麻里子
- 風車の弥七:津田寛治
- 柳沢吉保:袴田吉彦
今回の旅の舞台は、徳川御三家の筆頭である尾張徳川家のお膝元、岡崎・尾張です。2025年の輪島・金沢編に続き、武田鉄矢を中心とするおなじみのメンバーが再び集結します。
BS-TBSの10月7日付発表では、具体的な放送日や時間などの詳細は続報待ちとされています。したがって、10月31日時点では「12月放送決定」が確定情報です。
荒井敦史の格さんは2017年の初登場から、2019年の第2シリーズ、2025年のスペシャル、そして2026年の新作へと続いています。現在の水戸黄門において、最も新しい格さん像を担う俳優です。
【役柄を比較】水戸黄門の助さんと格さんは何が違う?
水戸黄門を見ていて、助さんと格さんの違いが気になる人も多いでしょう。どちらも水戸光圀に仕える若い藩士ですが、性格や得意分野、旅の中で担う役割には明確な違いがあります。
助さんは剣の達人、格さんは柔術・格闘に秀でた人物
基本的な役柄の違いは、助さんが剣術、格さんが素手の格闘や柔術を得意とする点です。
助さんは明るく行動的で、女性に目がないという人物像が定番です。一方の格さんは真面目で一本気。助さんが先走った際に冷静に制止するなど、二人の性格の対比が物語の面白さを生み出します。
BS-TBS版の公式キャラクター紹介でも、財木琢磨演じる助さんは一流の剣の腕を持つ明るい人物、荒井敦史演じる格さんは不器用で真面目であり、路銀や印籠の管理を任される人物として説明されています。
格さんといえば印籠を出す役というイメージ
格さんの象徴的な見せ場といえば、悪人たちを前にして印籠を掲げる場面です。
「この紋所が目に入らぬか」という決め台詞とともに葵の御紋を示し、相手に水戸光圀の正体を明かす演出は、シリーズを代表する名場面として定着しています。
ただし、印籠の演出が放送開始当初から一貫して現在と同じだったわけではありません。イミダスの時代劇用語解説によると、初期の『水戸黄門』では印籠を用いていない時期もありました。作品が長く続く中で、印籠を使ったクライマックスの演出が定着していったのです。
つまり、格さんと印籠の組み合わせは、シリーズの歴史の中で形成されてきた重要な演出といえます。
【よくある誤解】格さん歴代俳優を調べるときの注意点
歴代キャストを調べる際には、シリーズの区分や特別番組の出演者が混同されやすいポイントがあります。特に、2011年のレギュラー放送終了後の作品と、BS-TBS版の扱いには注意が必要です。
誤解1:的場浩司が格さんの最後の俳優ではない
的場浩司は2011年までの従来シリーズにおける六代目格さんです。しかし、2015年のスペシャルでは合田雅吏が格之進として再登場しました。さらに2017年からは荒井敦史が新しいシリーズの格さんを担当しています。
したがって、的場浩司を「水戸黄門史上最後の格さん」とするのは正確ではありません。
誤解2:荒井敦史は従来シリーズの七代目ではない
荒井敦史は2017年に始まったBS-TBS版の新キャストです。従来シリーズの第44部として単純に俳優交代したというより、番組を新しい出演者で再構成した作品に起用されたと理解するのが適切です。
この違いを押さえると、歴代の「6代目」という表記と、荒井敦史の位置づけを混同せずに済みます。
誤解3:合田雅吏の出演は2010年で完全に終了したわけではない
合田雅吏は第32部から第41部までレギュラー出演しましたが、2015年の2時間スペシャルでも格さん役を再演しています。
歴代俳優の出演期間を比較する場合は、レギュラーシリーズと単発スペシャルを区別することが大切です。俳優の交代時期を調べるときも、シリーズ本編の出演終了日だけで判断すると、その後の再登場を見落としてしまいます。
【水戸黄門の格さん歴代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:水戸黄門の格さんを演じた歴代俳優は誰ですか?
A1:従来の第1~43部では、横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大、合田雅吏、的場浩司の6人です。BS-TBS版では荒井敦史が格さん役を務めています。
Q2:格さん役で最も長く出演した俳優は誰ですか?
A2:伊吹吾郎です。第14部から第28部まで約17年間出演しました。TBSの公式集計では、レギュラー出演回数529回を記録しています。
Q3:2026年現在の格さん役は誰ですか?
A3:荒井敦史です。2025年12月のスペシャルに続き、2026年12月放送予定の『水戸黄門スペシャル~岡崎・尾張~』でも渥美格之進を演じます。助さん役は財木琢磨です。
まとめ:水戸黄門の格さんは時代とともに受け継がれる重要な役
水戸黄門の格さんを演じた俳優は、横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大、合田雅吏、的場浩司、そしてBS-TBS版の荒井敦史へと続いています。
初期のシリーズを築いた横内正と大和田伸也、長期にわたり格さんを演じた伊吹吾郎、平成期の作品を支えた山田純大・合田雅吏・的場浩司。それぞれの俳優が、時代ごとの水戸黄門に異なる魅力を加えてきました。
そして2026年は、荒井敦史が財木琢磨とともに新作スペシャルへ続投します。2017年のBS-TBS版から続く新しい助格コンビが、2025年、2026年と作品を重ねている点は、現在の水戸黄門を語るうえで見逃せません。
歴代作品を見比べるなら、まずは横内正の初期シリーズ、伊吹吾郎の長期出演時代、山田純大・合田雅吏の平成期、そして荒井敦史のBS-TBS版という4つの時代に分けて視聴すると、格さんの人物像や演出の変化を理解しやすくなります。
俳優が交代しても、黄門様を支え、正義を貫く渥美格之進の役割は変わりません。2026年12月の新作では、荒井敦史がどのような格さん像を見せるのか、歴代作品との比較にも期待が集まります。