茎を食べるときに最も大切なのが、外側の硬い皮を適切に取り除くことだ。
特に根元に近い部分は繊維が発達しており、そのまま厚切りにすると筋っぽさが残りやすい。一方、花蕾に近い上部は比較的やわらかく、皮をむかずに食べられる部分もある。
キユーピーの料理の基本でも、茎の外側は硬いため、白い部分との境目を目安に切り落とす方法が紹介されている。
基本的な皮のむき方
手順1:茎を切り分ける
花蕾を切り離し、太い茎を根元と上部に分ける。乾燥して硬くなった根元は少し切り落とす。
手順2:縦半分に切る
茎を縦に切り、緑色の外皮と白っぽい内側の境目を確認する。
手順3:硬い皮を取り除く
包丁やピーラーで外側の硬い部分を厚めにむく。内側のみずみずしい部分まで削りすぎないようにする。
手順4:食べやすく切る
輪切り、短冊切り、細切りなど、料理に合わせて切る。硬さが気になる場合は2〜3mm程度の薄切りがおすすめ。
ピーラーでむきにくい場合の裏技
茎の外側に縦の切り込みを1本入れ、耐熱皿に置いてふんわりラップをする。
電子レンジ600Wで約1分加熱し、粗熱を取ってから切り込み部分をつまむと、外皮を手でむきやすくなる。
この方法はキユーピーが紹介している下処理方法の一つだ。
皮は全部捨てるべき?
基本的には、筋が強く硬い外側の皮を取り除けばよい。
ただし、比較的やわらかい部分や細い茎まで一律に捨てる必要はない。取り除いた外側も、繊維が気にならない程度に細かく刻めば、きんぴらや炒め物に利用できる。
環境省の「ecojin」でも、野菜の皮やヘタを細かく刻んで料理に加える食品ロス削減の工夫が紹介されている。
【ゆで方・レンジ調理】栄養と食感を両立する3つの方法

下処理が済んだ茎は、さまざまな料理に使える。
要点は、茎の厚さに合わせて加熱時間を調整すること。花蕾と同じ感覚で調理すると、茎だけ硬さが残る場合がある。
1.鍋でゆでる方法
茎をやわらかく仕上げたい場合は、鍋でゆでる方法が分かりやすい。
基本の手順
1. 皮をむいた茎を2〜4mm程度の厚さに切る。
2. 鍋に湯を沸かし、必要に応じて少量の塩を加える。
3. 茎を入れて2〜3分を目安にゆでる。
4. 竹串や箸を刺して、好みのやわらかさになったら取り出す。
花蕾と一緒にゆでる場合は、硬い茎を先に入れ、約30秒後に花蕾を加えると火の通りを調整しやすい。
キユーピーの調理案内でも、茎を先に湯に入れる方法が紹介されている。
なお、ビタミンCやカリウムなど水に溶けやすい成分は、ゆで汁に流出する可能性がある。ゆで時間を長くしすぎず、スープに使う場合は煮汁も一緒に食べるとよい。
2.電子レンジで加熱する方法
忙しい日の副菜作りには、電子レンジが便利だ。
基本の手順
1. 皮をむいた茎を薄切りにする。
2. 耐熱容器に入れ、水を小さじ1〜大さじ1程度加える。
3. ふんわりとラップをかける。
4. 600Wで約1分加熱し、硬さを確認する。
5. 必要に応じて20〜30秒ずつ追加加熱する。
厚切りや量が多い場合は、2〜3分程度を目安に調整する。
キッコーマンの公式レシピでも、幅約1cm・厚さ約5mmの短冊切りにした茎を600Wで1分加熱する調理例が掲載されている。
レンジ調理はゆで汁を捨てずに済む点がメリットだ。ただし、加熱ムラが出ることもあるため、途中で混ぜると均一に仕上がりやすい。
3.蒸し焼きにする方法
フライパンを使うなら、蒸し焼きもおすすめだ。
- 茎を薄切りにする。
- フライパンに少量の油を入れる。
- 茎を軽く炒める。
- 水を大さじ1〜2程度加えてふたをする。
- 2〜3分を目安に蒸し焼きにする。
仕上げに塩、こしょう、しょうゆなどで味付けすれば完成する。
油を使うことで、βカロテンなど脂溶性成分を含む野菜を油と一緒に食べられる点も利点だ。
茎を使ったおすすめ料理4選
茎のきんぴら
細切りにして、しょうゆ・みりん・ごま油で炒める。歯ごたえを楽しめる。
野菜スープ
薄切りにしてスープに加える。煮汁ごと食べられる。
浅漬け
皮をむいて薄切りにし、塩や酢で味付け。生の食感を楽しめる。
茎入りドライカレー
細かく刻んでひき肉や玉ねぎと炒める。茎の食感が目立ちにくい。
環境省の食品ロス削減企画でも、茎を使ったドライカレーが紹介されている。硬さが気になる人や子ども向けの料理にも取り入れやすい。
【保存方法】冷蔵・冷凍でブロッコリーの茎を長持ちさせる
ブロッコリーは収穫後も鮮度が変化する野菜だ。茎をおいしく食べるには、購入後の保存方法も押さえておきたい。
生のまま冷蔵保存する
ブロッコリーを株ごと保存する場合は、乾燥を防ぐことがポイントになる。
環境省の「ecojin」で紹介されている方法は次のとおりだ。
1. 茎の根元を約1cm切り落とす。
2. 水を入れた瓶にブロッコリーを立てて入れる。
3. ポリ袋をふんわりとかぶせ、輪ゴムで留める。
4. 野菜室より温度の低い冷蔵室で保存する。
5. 水は3〜4日に1度交換する。
同サイトでは、この方法で夏場は1週間〜10日、冬場は約2週間を保存期間の目安として紹介している。冷蔵庫の温度や鮮度によって状態は変わるため、傷みがないか確認しながら早めに食べ切りたい。
切り分けた茎を冷凍保存する
使い切れない茎は、冷凍保存しておくと便利だ。
おすすめの保存手順
1. 茎を洗い、硬い皮をむく。
2. 輪切りや短冊切りなど、使いやすい大きさにする。
3. 生のまま、またはさっと下ゆでする。
4. 水分をしっかり拭き取る。
5. 1回分ずつラップで包む。
6. 冷凍用保存袋に入れて冷凍する。
東広島市が紹介する地域活動栄養士の保存方法では、茎は生のままでも、ゆでてからでも冷凍でき、保存期間の目安は約1カ月とされている。
冷凍した茎のおいしい使い方
冷凍した茎は、自然解凍してから使うより、凍ったまま加熱調理するのがおすすめだ。
- スープ:凍ったまま鍋に入れる。
- 炒め物:凍ったままフライパンで加熱する。
- 味噌汁:ほかの具材と一緒に煮る。
- きんぴら:電子レンジで少し解凍してから炒める。
自然解凍では水分が出て食感が悪くなる場合がある。調理方法に合わせて直接加熱すると使いやすい。
【プロの結論】茎と花蕾を一緒に食べることが栄養面でも合理的
ブロッコリーの茎を評価するとき、花蕾より栄養価が高いか低いかという単純な比較だけでは、本当の価値を見落としてしまう。
今回確認した部位別調査では、ビタミンCと食物繊維は花蕾が多く、カリウムは茎が多かった。つまり、両者は栄養的な特徴が異なっている。
茎を食べることには、栄養を補うだけでなく、購入した野菜を無駄なく使い切れるというメリットもある。
茎を積極的に食べたい人
- 食物繊維やミネラルを含む野菜を食事に取り入れたい人
- 食材の廃棄を減らしたい人
- きんぴらや炒め物など、歯ごたえのある料理が好きな人
- 食費を抑えながら野菜を使い切りたい人
- スープやカレーなど、野菜を細かく刻んで使う料理が多い人
無理に食べなくてもよいケース
一方、茎の外側が極端に硬い場合や、傷み、ぬめり、異臭、カビがある場合は食べないほうがよい。
また、カリウムの摂取制限を受けている人は、茎もカリウムを含むため、医師や管理栄養士から受けている食事指導を優先したい。
栄養価だけで食材の価値を判断しない
ブロッコリーの茎は、花蕾よりビタミンCが少ないという調査結果だけを見れば、栄養面で劣るように感じるかもしれない。
しかし、カリウムのように茎のほうが多い成分もある。加えて、茎は料理にボリュームと食感を加えられる。
花蕾は花蕾、茎は茎。それぞれの特徴を生かして食べることが、ブロッコリーを無駄なく活用する最も合理的な方法だ。
【ブロッコリーの茎の栄養】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブロッコリーの茎は生でも食べられますか?
A1:食べられる。硬い外皮を取り除き、中心のやわらかい部分を薄切りにすれば、サラダや浅漬けにも利用できる。環境省の「ecojin」でも、生のまま漬物にする食べ方が紹介されている。
Q2:ブロッコリーの茎と花蕾はどちらが栄養豊富ですか?
A2:栄養素によって異なる。部位別調査では、ビタミンCと食物繊維は花蕾が多く、カリウムは茎が多かった。すべての栄養素について、どちらか一方が優れているわけではない。
Q3:ブロッコリーの茎は電子レンジで何分加熱すればよいですか?
A3:600Wで薄切りなら約1分から始め、硬さを確認しながら追加加熱する。厚切りや量が多い場合は2〜3分程度を目安に調整する。加熱しすぎると食感が損なわれるため、少しずつ加熱するのがコツだ。
まとめ:ブロッコリーの茎は栄養もおいしさも無駄にしない食材
ブロッコリーの茎には、ビタミンC、食物繊維、カリウムなどの栄養素が含まれている。部位別の調査では、花蕾はビタミンCと食物繊維が多く、茎はカリウムが多いという違いも確認された。
硬い外側の皮をむき、薄切りにしてからゆでたり、電子レンジで加熱したりすれば、茎特有の甘みと歯ごたえを楽しめる。きんぴら、スープ、浅漬け、ドライカレーなど、活用できる料理も幅広い。
使い切れない場合は冷凍保存もできるため、購入したブロッコリーを花蕾だけでなく茎まで活用する習慣を取り入れてみたい。栄養面と食品ロス削減の両方を考えるなら、茎を捨てずにおいしく食べることには十分な価値がある。