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日本人の整形は増えた?2026年最新統計で見る美容医療433万件と手術減少の実態

河野 恵 河野 恵 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
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「日本人は昔より整形するようになったのか」「美容整形を受ける人は実際にどれくらい増えているのか」。こうした疑問に答える重要な資料が、2026年8月1日に日本美容外科学会(JSAPS)が公表した「第9回全国美容医療実態調査」だ。2025年の美容医療施術数は、回答医療機関の集計で4,333,339件に達し、前年の3,058,488件から約41.7%増加した。

ただし、増えているのは従来イメージされる二重整形や鼻整形などの外科手術だけではない。むしろ、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンの注入、顔面の若返り治療、レーザーなどの非外科的施術が大きく伸びている。一方、外科的手術は約35.6万件となり、前年を下回った。数字を正しく読むと、日本の美容医療は「整形手術を受ける人が一律に増えた」という単純な状況ではないことが見えてくる。

【2026年最新統計】日本人の整形は本当に増えた?JSAPSの調査結果を検証

日本人整形増えた

最初に、最も重要な結論から確認したい。2026年に公表されたJSAPSの第9回全国美容医療実態調査では、2025年の美容医療施術数が前年を大幅に上回った。

調査対象期間は2025年1月1日から12月31日まで。JSAPS調査委員会が国内の関連学会と協力し、美容外科・美容皮膚科などの医療施設を対象に実施した調査である。回答は2026年1月から3月にかけて回収され、73種類の施術項目について集計された。

2026年8月1日に公表された報告書によると、調査対象5,425件に対して365件、616院から回答が寄せられた。その回答分を合計した美容医療施術数が4,333,339件だった。

ここで注目したいのは、総数の増加だけでなく、施術の内訳が大きく変化していることだ。

外科手術は減少、非外科施術は大幅増加

2024年と2025年の結果を比較すると、外科的手術と非外科的施術では異なる動きが確認できる。

施術区分 2024年 2025年 前年比
美容医療全体 3,058,488件 4,333,339件 約41.7%増
外科的手術 372,603件 355,958件 約4.5%減
非外科的施術 2,685,885件 3,977,381件 約48.1%増
注入剤 881,309件 1,484,405件 約68.4%増
顔面若返り関連 906,466件 1,602,755件 約76.8%増
その他の非外科施術 898,110件 890,221件 約0.9%減

出典:日本美容外科学会(JSAPS)第8回・第9回全国美容医療実態調査。前年比は公表された施術数から算出。調査区分の変更があるため、単純比較には注意が必要となる。

特に目立つのが、注入剤と顔面若返り関連の増加だ。注入剤は約148万件、顔面若返り関連は約160万件に達している。

一方、外科的手術は約37.3万件から約35.6万件へ減少した。つまり、2025年の美容医療全体の増加を牽引したのは、従来の意味での大がかりな整形手術ではなく、比較的身体への侵襲が小さい非外科的施術だった。

なお、JSAPS自身も、ヒアルロン酸注射による豊胸や非外科的な腋臭症治療など、一部の施術を分類変更しているため、前年との比較には注意が必要と説明している。

したがって、約433万件という数字は美容医療市場の拡大を示す重要な指標ではあるが、そのすべてを純粋な需要増加と解釈することはできない。

【数字の落とし穴】433万件は433万人ではない!整形人口と施術数の違い

今回の調査を読むうえで、最も間違えやすいのが「施術数」と「患者数」の違いだ。

JSAPSの調査は、患者の人数を数える人口調査ではない。医療機関で実施された美容医療の施術数を集計する調査である。

1人が複数の施術を受ければ、それぞれ1件として計上

例えば、ある人が同じ日に額へのボツリヌストキシン注射とヒアルロン酸注入を受けた場合、施術数は2件となる。

加えて、その人が別の日にレーザー治療を受ければ、合計3件になる。同じ治療を年間に5回受けた場合も、それぞれ個別の施術として数えられる。

つまり、年間433万件という数字から、433万人が美容整形を受けたと結論づけることはできない。

全国の日本人全員を数えた調査でもない

もう一つの注意点は、調査対象と集計方法だ。

今回の調査は、全国の関連医療施設を対象に回答を依頼しているが、実際に集計されたのは回答した医療機関の施術数である。2025年は616院から回答があったものの、全国のすべての医療機関の施術数を完全に把握した統計ではない。

また、調査では施術を受けた人の国籍別人数も集計していない。そのため、厳密には「日本人の整形人口が433万人になった」という解釈も成立しない。

前年の2024年は499院、2025年は616院から回答があり、回答施設数自体も約23.4%増えている。調査対象や回答施設の違いが集計値に影響する可能性も考慮する必要がある。

したがって、正確な読み方は「国内の回答医療機関における美容医療の実施数が大きく増加した」というものだ。

【なぜ増えた?】日本人の美容整形・美容医療が拡大した5つの背景

美容医療の拡大には、社会環境や施術技術、消費者の意識、医療機関の経営戦略など、複数の要因が関係している。

1.SNSによって美容医療の情報が身近になった

InstagramやTikTokなどのSNSでは、美容医療の施術内容、経過、ダウンタイム、料金などが日常的に紹介されている。

以前は美容整形に関する情報を得るには、専門誌やクリニックの広告、知人からの口コミなどが主な手段だった。現在は、施術を受ける前後の写真や動画を通じて、具体的な治療内容を知る機会が増えている。

2025年11月26日の衆議院厚生労働委員会でも、美容医療が増加する背景について、上野賢一郎厚生労働大臣が、美への関心の高まりやSNSによる情報発信を要因の一つとして挙げた。

また、同委員会では、施術の選択肢が広がり、心理的なハードルが低くなったことや、比較的侵襲性の低い施術への需要が高まっていることも議論された。

2.切開しない施術が選ばれやすくなった

美容医療のイメージを変えた大きな要素が、非外科的施術の普及だ。

代表的な施術には、ボツリヌストキシン注射、ヒアルロン酸注入、レーザー治療、光治療、ケミカルピーリング、超音波による肌の引き締めなどがある。

これらは、一般に外科手術と比較して身体への侵襲が小さい施術として位置づけられる。施術内容によっては治療時間が短く、切開を伴わないことも、選択肢として検討されやすい理由だ。

ただし、切開しないからといってリスクがないわけではない。注入剤による血管障害や感染、皮膚治療による熱傷など、施術ごとに異なる健康被害の可能性がある。

3.低価格施術と積極的なマーケティング

美容医療を提供する医療機関の増加や価格競争も、市場拡大の背景にある。

2026年9月10日に矢野経済研究所が公表した美容医療市場調査では、2025年の国内美容医療市場規模は医療施設収入高ベースで6,440億円と推計された。前年比は102.1%、つまり約2.1%の増加である。

同研究所は、低価格施術と積極的なマーケティングによって市場の裾野が広がった一方、その拡大が一巡し、新たな段階に入ったと分析している。

ここで興味深いのは、JSAPSの施術数が約41.7%増加した一方、市場規模の伸びは約2.1%だったことだ。

両者は調査方法も対象も異なるため、直接的な比較はできない。しかし、施術数の増加がそのまま売上高の大幅な増加を意味するわけではないことを示す材料にはなる。

4.男性の美容医療利用が広がっている

美容医療は女性だけのものという認識も変化している。

男性向け医療脱毛や肌質改善、しわ治療、薄毛治療など、男性が利用できる施術の選択肢は広がっている。矢野経済研究所も2025年の市場動向として男性需要の拡大を挙げ、2026年以降も男性や高齢者層の需要が市場を支えると予測している。

特に、外見の印象を整えたいビジネスパーソンや、年齢に応じた肌のケアを希望する男性など、利用目的は一様ではない。

5.アンチエイジングや予防的な美容意識の広がり

美容医療を受ける目的も変わってきた。

かつては、目を大きくする、鼻筋を整える、輪郭を変えるといった顔立ちそのものの変更が美容整形の代表的なイメージだった。

現在は、しわやたるみ、シミ、肌質など、年齢とともに現れる変化への対応も美容医療の大きな領域となっている。

JSAPSの2025年調査で顔面若返り関連の施術が約160万件に達したことは、こうした美容医療の利用目的の広がりを考えるうえで注目すべき数字だ。

【男女比と施術内容】女性だけではない日本の美容医療の実態

日本の美容整形について語る際、男女比も気になるポイントだ。ただし、JSAPSの調査では、すべての患者を一括した男女比ではなく、施術項目ごとの男女別実施数が公表されている。

そのため、美容医療全体について女性が何%、男性が何%と単純に断定することはできない。施術内容によって男女の利用傾向が大きく異なるためだ。

女性の施術数が多い代表的な分野

2025年のJSAPS資料では、ボツリヌストキシン施術が女性1,029,038件、男性77,827件だった。

また、二重まぶたの手術は女性83,356件、男性8,681件となっている。これらの項目では女性の施術数が大きく上回っている。

ただし、これらは施術数であって、女性の利用者数を直接示す数字ではない。

男性の利用も目立つ分野がある

一方、医療脱毛では女性376,321件に対し、男性305,857件と、男性の施術数も大きな規模になっている。

自家植毛では女性361件に対して男性1,890件となっており、男性の施術数が上回る。

このように、男性と女性では美容医療を利用する目的や選ばれる施術が異なる。女性中心という従来のイメージだけでは、現在の美容医療市場を十分に説明できなくなっている。

整形手術と美容医療は同じ意味ではない

ここで整理しておきたいのが、「美容整形」と「美容医療」の違いだ。

日常会話でいう美容整形は、二重まぶたの手術や鼻形成、脂肪吸引、フェイスリフトなど、外科的な施術を指す場合が多い。

一方、美容医療はさらに広い概念である。厚生労働省は、美容を目的として医療機関で医師が行う医療として、脱毛、脂肪吸引、シミ取り、二重まぶた手術、審美歯科などを紹介している。

つまり、美容医療には手術だけでなく、注射、レーザー、ピーリング、肌質改善なども含まれる。

2025年のJSAPS調査で非外科的施術が全体の91.8%を占めたことを考えると、現在の美容医療の中心は、従来の意味での整形手術とは異なる領域に広がっている。

【美容医療トラブルの実態】利用者の増加とともに相談件数も増えている

美容医療の利用が広がる一方、消費者トラブルも無視できない状況になっている。

国民生活センターが公表しているPIO-NETの統計では、美容医療サービスに関する相談件数は2023年度に6,281件、2024年度には10,744件に達した。

わずか1年で約71%増加しており、2024年度は1万件を超えている。

2025年度の相談件数は、2026年5月31日現在で7,944件。これは年度途中の登録件数であり、2024年度の通年件数と単純比較することはできない。

相談内容は高額契約だけではない

国民生活センターに寄せられた相談事例には、次のような問題がある。

  • カウンセリングで高額な施術契約を勧められた。
  • 割引や当日限定価格を理由に即日契約を迫られた。
  • 注入治療後にしこりなどの不安が生じた。
  • リフトアップ施術後に左右差や傷が残った。
  • ボツリヌストキシン注射後にまぶたが下がった。
  • 施術後の相談やアフターケアに十分対応してもらえなかった。

これらは国民生活センターが公表した相談者からの申し出に基づく事例であり、すべての医療機関に当てはまるものではない。しかし、美容医療が医療行為である以上、契約上の問題だけでなく身体的なリスクにも目を向ける必要がある。

厚生労働省も施術前の慎重な判断を呼びかける

厚生労働省の美容医療に関する注意喚起では、虚偽・誇大広告、強引な勧誘、不十分なリスク説明、無診察でのオンライン診療、施術後のアフターケア不足などが問題として取り上げられている。

特に重要なのは、効果だけでなく副作用や合併症、後遺症の可能性についても医師から説明を受けることだ。

美容目的の施術は多くの場合、緊急性を伴わない。今契約すれば安くなる、今日中に決めなければならないといった勧誘があっても、その場で判断する必要はない。

施術を検討する場合は、次の点を確認しておきたい。

  • 医師から施術内容や期待できる効果について説明を受けたか。
  • 副作用、合併症、ダウンタイムについて理解しているか。
  • 使用する薬剤や医療機器の安全性・承認状況を確認したか。
  • ほかの施術方法や選択肢についても説明を受けたか。
  • 施術後の診察やトラブル時の対応体制が整っているか。
  • 総額や解約条件を契約前に確認したか。

契約や解約に関するトラブルで困った場合は、消費者ホットライン188に相談できる。医療面で不安がある場合は、医療安全支援センターなどの相談窓口も選択肢になる。

【プロの結論】日本人の整形が増えたというより、美容医療の裾野が広がった

2026年の最新統計から見えてくるのは、日本の美容医療が大きな転換期にあるということだ。

2025年の回答医療機関における施術数は約433万件。非外科的施術は約397.7万件で全体の91.8%を占める一方、外科的手術は約35.6万件に減少した。

この数字から導き出せる要点は、従来の「顔を変えるための整形」というイメージだけでは、現在の美容医療の実態を説明できないということだ。

美容医療は、肌質改善、しわやたるみへの対応、医療脱毛、注入治療、男性向け美容など、幅広い目的で利用されるようになっている。

ただし、約433万件は患者数ではなく、回答施設における施術数である。調査施設数や分類方法の変化もあるため、日本人の整形人口が前年比41.7%増えたという意味ではない。

本当に見るべきなのは、手術件数だけではなく、どのような施術が、どのような目的で選ばれているかという変化だ。

【日本人の整形が増えた理由】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日本人の美容整形は2026年にどれくらい増えた?

A1:JSAPSの第9回全国美容医療実態調査によると、2025年の回答医療機関における美容医療施術数は4,333,339件で、前年の3,058,488件から約41.7%増加しました。ただし、これは患者数ではなく施術数です。

Q2:日本人の整形手術は増えている?それとも減っている?

A2:2025年の外科的手術は355,958件で、前年の372,603件から約4.5%減少しています。増加が目立つのは、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンなどの注入剤、顔面若返り関連の非外科的施術です。

Q3:美容医療を受ける人は女性と男性のどちらが多い?

A3:施術の種類によって異なります。二重まぶた手術やボツリヌストキシン施術では女性の実施数が多い一方、植毛では男性が多く、医療脱毛では男女ともに大きな実施数があります。美容医療全体の患者数を示す単一の男女比は、この調査からは算出できません。

まとめ:2026年の美容医療は手術中心から多様な施術の時代へ

「日本人の整形は増えたのか」という疑問に対しては、国内の美容医療施術数が大きく増加していることは、2026年公表のJSAPS統計から確認できる。

しかし、外科手術は減少し、注入剤や顔面若返りなどの非外科的施術が拡大している。美容医療を受ける目的も、顔立ちを変えることだけでなく、肌質改善やエイジングケア、身だしなみの維持へと広がっている。

今後は男性や高齢者層の需要、医療機関の競争、施術の多様化などが市場の動向を左右すると考えられる。一方で、消費者トラブルへの対策や安全性の確保も欠かせない課題だ。

2026年の日本で起きているのは、単純な整形人口の急増ではなく、美容医療がより幅広い人々の日常的な選択肢になりつつあるという変化である。統計の数字だけでなく、施術の内容、患者数との違い、安全性まで理解することが、現在の美容医療を正しく捉えるための重要な視点となる。

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河野 恵
デジタルマーケター 河野 恵
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美容・健康・暮らしのテーマを担当。公的機関の資料やメーカー公式の成分表示を参照し、効果を断定しない書き方で整理することを心がけています。

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