東京六大学野球は、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学の6校が参加する、日本を代表する大学野球リーグだ。1925年(大正14年)に現在の6大学によるリーグ戦が始まり、2025年にリーグ創設100年を迎えた。春と秋の年2回、明治神宮野球場を舞台に繰り広げられる伝統のリーグ戦では、独自の「勝ち点制」によって優勝校が決まる。
2026年春季リーグ戦では慶應義塾大学が5季ぶり41回目の優勝を達成。一方、秋季リーグ戦は11月1日時点で慶大と明大が優勝争いを続けており、最終週の早慶戦にも注目が集まっている。参加大学の特徴、リーグの歴史、順位決定の仕組み、歴代優勝校、2026年最新の日程まで、知っておきたい情報をまとめた。
【基本を解説】東京六大学野球とは?参加する6大学と1925年の歴史

東京六大学野球は、一般財団法人東京六大学野球連盟が運営する大学硬式野球リーグである。
参加するのは、次の6大学の野球部だ。
- 早稲田大学野球部
- 慶應義塾大学野球部
- 明治大学野球部
- 法政大学野球部
- 立教大学野球部
- 東京大学野球部
大学野球のリーグとして長い歴史を持ち、各校の伝統や応援文化、選手たちの競技レベルが一体となった大会として知られている。
東京六大学野球の始まりは早慶戦
東京六大学野球の起源をたどると、1903年(明治36年)の早慶戦に行き着く。
早稲田大学野球部が慶應義塾大学野球部に挑戦状を送り、同年11月21日に第1回の対抗戦が開催された。試合は11対9で慶應義塾大学が勝利している。
その後、大学間の対抗戦が広がり、1914年には早稲田・慶應・明治の三大学によるリーグ戦が成立。1917年に法政大学、1921年に立教大学が加わった。
そして1925年、東京帝国大学(現在の東京大学)が加盟し、現在の六大学体制が完成した。
1925年9月20日がリーグ創設の節目
東京六大学野球連盟の創立日は1925年9月20日。
同日に行われた明治大学対立教大学の第1回戦が、六大学リーグの最初の試合となった。結果は明治大学が7対1で勝利している。
翌1926年には明治神宮野球場が完成し、同年10月24日に初めて同球場で六大学野球の試合が開催された。
2025年がリーグ創設100年、2026年が神宮球場創建100年という節目に当たる点も、現在の東京六大学野球を語るうえで見逃せない。
【順位の決め方】東京六大学野球の勝ち点制はどういう仕組み?
東京六大学野球を初めて観戦する人が戸惑いやすいのが、勝ち点制だ。
一般的な総当たりリーグのように、単純に試合の勝利数だけで優勝を決めるわけではない。
2勝先取で勝ち点1を獲得
六大学リーグでは、6校がそれぞれ残る5大学と対戦する。
同じ大学との対戦は、どちらかが先に2勝するまで続ける方式だ。
例えば、早稲田大学と慶應義塾大学が対戦した場合、次のようになる。
- 1回戦:早稲田大学が勝利
- 2回戦:慶應義塾大学が勝利
- 3回戦:早稲田大学が勝利
この場合、早稲田大学が2勝1敗で対戦カードを制し、勝ち点1を獲得する。
2勝0敗でも2勝1敗でも、獲得できる勝ち点は同じ1点だ。
したがって、試合の勝利数だけでなく、各大学との対戦カードをどれだけ制したかが順位を左右する。
勝ち点が並んだ場合は勝率で比較
基本的な順位決定の優先順位は以下のとおり。
1. 勝ち点の多い大学が上位
2. 勝ち点が同じ場合は勝率を比較
3. 1位が勝ち点・勝率ともに並んだ場合は優勝決定戦
2校が同率で並んだ場合は1試合の決定戦、3校が並んだ場合は巴戦による決定戦が行われる。
このため、勝ち点を確保している大学が必ずしも勝率でも優位とは限らない。
春季と秋季で優勝校の進出大会も異なる
東京六大学野球には春季と秋季の2シーズンがある。
それぞれの優勝校には、全国大会への出場機会が与えられる。
- 春季リーグ優勝校:全日本大学野球選手権大会
- 秋季リーグ優勝校:明治神宮野球大会
つまり、六大学リーグの優勝は単なるリーグ内のタイトルにとどまらず、全国の大学野球強豪校と対戦するための重要な出場権にもつながっている。
【6大学を徹底比較】東京六大学野球の歴代優勝校と優勝回数
6大学は同じリーグに所属しているが、これまでの優勝実績には違いがある。
2026年春季リーグ終了時点の歴代優勝回数を整理すると、次のようになる。
| 大学・野球部 | 歴代優勝回数 | 直近の優勝 | 2026年春季順位 |
|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 49回 | 2025年春 | 5位 |
| 慶應義塾大学 | 41回 | 2026年春 | 1位 |
| 明治大学 | 44回 | 2025年秋 | 2位 |
| 法政大学 | 46回 | 2020年春 | 4位 |
| 立教大学 | 13回 | 2017年春 | 3位 |
| 東京大学 | 0回 | 優勝経験なし | 6位 |
※歴代優勝回数は2026年春季リーグ終了時点。順位は2026年春季リーグの最終結果。
早稲田大学野球部
歴代優勝回数は49回で、6大学中最多。
早稲田大学野球部は、東京六大学野球の歴史を代表する強豪の一つだ。
2025年春季リーグでは優勝決定戦で明治大学を6対5で破り、最多優勝記録を更新した。
2026年春季は5位だったが、秋季リーグでは慶應義塾大学との最終カードである早慶戦を控えている。
慶應義塾大学野球部
慶應義塾大学野球部は、2026年春季リーグで5季ぶり41回目の優勝を達成した。
2026年春季は10勝3敗、勝ち点5、勝率.769という成績を残した。
2026年秋季も優勝争いに加わっており、春秋連続優勝を目指す存在として注目される。
明治大学野球部
明治大学野球部は、歴代44回の優勝を誇る伝統校だ。
2025年秋季リーグでは優勝を達成。2026年春季も慶應義塾大学に次ぐ2位に入った。
2026年秋季も優勝の可能性を残しており、慶大との争いがシーズン終盤の焦点になっている。
法政大学野球部
法政大学野球部は歴代46回の優勝を記録している。
優勝回数では早稲田大学に続く2番目の実績を持つ。最後の優勝は2020年春季リーグだ。
2026年春季は4位、秋季は11月1日時点で3位につけている。
立教大学野球部
立教大学野球部は歴代13回の優勝を記録している。
直近のリーグ優勝は2017年春季。2026年春季には3位に入った。
2026年秋季は明治大学との対戦が優勝争いにも影響する重要なカードとなっている。
東京大学野球部
東京大学野球部は、東京六大学野球連盟に所属する唯一の優勝未経験校だ。
歴代優勝回数は0回だが、他の5大学と同じ条件でリーグ戦を戦っている。
大学野球においては、勝利だけでなく、学業と競技を両立しながら伝統あるリーグに挑戦する存在としても注目されている。
6大学の歴代優勝回数を見ると、早稲田・法政・明治・慶應が上位を形成している。一方、シーズンごとの結果は変動するため、歴代実績だけでその年の実力を判断することはできない。
【2026年春季リーグ戦】慶應義塾大学が5季ぶり41回目の優勝
2026年の東京六大学野球春季リーグ戦は、4月11日に開幕し、6月1日に全日程を終了した。
優勝したのは慶應義塾大学。
5季ぶり41回目の優勝で、勝ち点5を獲得する完全優勝だった。
2026年春季リーグの最終順位
最終順位は以下のとおり。
| 順位 | 大学 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 勝ち点 | 勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 慶應義塾大学 | 13 | 10 | 3 | 5 | .769 |
| 2位 | 明治大学 | 12 | 9 | 3 | 4 | .750 |
| 3位 | 立教大学 | 11 | 5 | 6 | 2 | .455 |
| 4位 | 法政大学 | 12 | 5 | 7 | 2 | .417 |
| 5位 | 早稲田大学 | 13 | 4 | 8 | 1 | .333 |
| 6位 | 東京大学 | 11 | 2 | 8 | 1 | .200 |
慶大と明大は勝率でも接近していたが、慶大は勝ち点5を獲得し、明大の勝ち点4を上回った。
勝ち点制の特徴がはっきり表れたシーズンだった。
優勝を決めた早慶戦の3連戦
2026年春季リーグの大きな見どころは、5月30日から6月1日まで行われた早慶戦だった。
慶應義塾大学は5月30日の第1回戦で早稲田大学に8対1で勝利。優勝に王手をかけた。
ところが、翌31日の第2回戦では4対5でサヨナラ負けを喫する。
この試合は、東京六大学野球では32年ぶり4回目となる天覧試合でもあった。
そして迎えた6月1日の第3回戦。
慶大は3対0で早大を下し、5季ぶり41回目の優勝を決めた。
慶應義塾の公式発表によると、先発の渡辺和大投手は3連投で粘投し、小原大和選手もソロ本塁打を放つなど、チームの勝利に貢献した。
優勝後には神宮球場から三田キャンパスまでのパレードと祝賀会も開催された。
全国大会でも存在感を発揮
春季リーグ優勝によって全日本大学野球選手権大会への出場権を獲得した慶大は、2026年の同大会でも決勝に進出した。
決勝では関西大学に1対2で敗れ、準優勝となった。
リーグ優勝に続いて全国大会でも決勝まで勝ち上がったことは、2026年の慶應義塾大学野球部を語るうえで重要な実績だ。
【2026年秋季リーグ戦最新】慶大と明大の優勝争い・神宮球場の日程
2026年秋季リーグ戦は9月12日に開幕し、11月8日までの日程で開催されている。
11月1日終了時点では、慶應義塾大学と明治大学の2校に優勝の可能性が残っている。
11月1日時点の秋季リーグ順位
| 順位 | 大学 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝ち点 | 勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 慶應義塾大学 | 10 | 7 | 3 | 0 | 3 | .700 |
| 2位 | 明治大学 | 12 | 8 | 4 | 0 | 3 | .667 |
| 3位 | 法政大学 | 13 | 7 | 5 | 1 | 3 | .583 |
| 4位 | 立教大学 | 11 | 5 | 5 | 1 | 2 | .500 |
| 4位 | 早稲田大学 | 10 | 5 | 5 | 0 | 2 | .500 |
| 6位 | 東京大学 | 10 | 0 | 10 | 0 | 0 | .000 |
※東京六大学野球連盟の11月1日時点の公式順位表に基づく。
注目したいのは、慶大と明大がともに勝ち点3を獲得していることだ。
現時点では勝率で慶大が上回っているものの、明大にも優勝の可能性が残されている。
11月2日の立教大学対明治大学
第8週の立教大学対明治大学は、10月31日に明大が4対3で勝利。
11月1日の第2戦では立大が8対2で勝利し、対戦成績は1勝1敗となった。
そのため、11月2日(月)13時から予定されている第3戦が重要な一戦となる。
明大が勝てば勝ち点を追加できるため、優勝争いに直接影響する。
2026年秋季リーグの最終週は早慶戦
秋季リーグの最終カードは、伝統の早慶戦だ。
2026年の予定は次のとおり。
| 日程 | 対戦 | 試合開始予定 |
|---|---|---|
| 11月7日(土) | 早稲田大学-慶應義塾大学 | 13:00 |
| 11月8日(日) | 慶應義塾大学-早稲田大学 | 13:00 |
| 11月9日(月) | 予備日 | 未定 |
会場はいずれも明治神宮野球場。
11月7日・8日の早慶戦は、開門予定時刻が10時30分となっている。
早慶戦の応援席については、東京六大学野球連盟から両校とも前売り分完売の案内が出ている。観戦を予定している場合は、内野自由席・外野席などの販売状況も確認したい。
2026年秋季の優勝争いは、最終週の早慶戦まで目が離せない展開となっている。
【早慶戦の歴史と仕組み】なぜ東京六大学野球最大の注目カードなのか
早慶戦は、東京六大学野球を象徴する伝統の一戦だ。
単なる大学同士の試合ではなく、1903年から続く歴史と両校の応援文化が背景にある。
1903年に始まった早慶戦
第1回早慶戦は1903年11月21日に開催された。
当時、早稲田大学野球部から慶應義塾大学野球部に挑戦状が送られたことがきっかけだった。
しかし、両校の応援が次第に過熱し、1906年秋を最後に早慶戦は中断される。
その後、1925年に関係者の尽力によって復活した。
この復活は、東京六大学野球リーグが成立した時期とも重なる。
早慶戦の歴史と六大学リーグの歴史は、切り離して考えられない関係にある。
早慶戦は独立したトーナメントではない
よくある誤解が、早慶戦をリーグ優勝決定戦そのものと捉えることだ。
実際には、早慶戦は春季・秋季リーグの通常の対戦カードの一つであり、原則としてシーズン最終週に組まれている。
対戦は他のカードと同様に2勝先取方式だ。
早慶戦の結果によって両校の勝ち点が変わり、ほかの大学の順位にも影響する場合がある。
そのため、最終週の早慶戦が優勝を左右することも珍しくない。
早慶戦の魅力は応援文化にもある
早慶戦では、グラウンド上のプレーだけでなく、応援席の熱気も大きな見どころだ。
早稲田大学の応援文化と慶應義塾大学の応援文化が対照的な形で展開され、大学スポーツならではの一体感が生まれる。
野球に詳しくない人でも、両校の応援や神宮球場の雰囲気を楽しめるのが魅力だ。
2026年は明治神宮野球場の創建100年という節目でもあり、伝統の早慶戦が持つ意味も一層大きい。
【よくある質問】東京六大学野球に関するFAQ
Q1:東京六大学野球に参加している大学はどこですか?
A1:早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学の6校です。東京六大学野球連盟に所属する大学野球部が春季・秋季リーグ戦を戦います。
Q2:東京六大学野球の優勝はどのように決まりますか?
A2:同じ大学との対戦で先に2勝したチームに勝ち点1が与えられます。6大学の勝ち点を比較し、勝ち点が同じ場合は勝率で順位を決めます。1位が勝ち点・勝率ともに並んだ場合は優勝決定戦が行われます。
Q3:2026年春季リーグ戦の優勝校はどこですか?
A3:慶應義塾大学です。10勝3敗、勝ち点5、勝率.769で、5季ぶり41回目の優勝を果たしました。
Q4:東京六大学野球の歴代優勝回数が最も多い大学はどこですか?
A4:早稲田大学です。2026年春季終了時点で49回の優勝を記録しています。次いで法政大学46回、明治大学44回、慶應義塾大学41回、立教大学13回です。東京大学は優勝経験がありません。
Q5:東京六大学野球はどこで開催されますか?
A5:主に東京都新宿区の明治神宮野球場で開催されます。春季リーグは4月から5月末頃、秋季リーグは9月から10月末頃が基本ですが、2026年は日程調整により11月まで開催されています。
Q6:2026年秋季リーグの早慶戦はいつですか?
A6:2026年11月7日(土)と11月8日(日)に予定されています。両日とも試合開始予定は13時で、会場は明治神宮野球場です。
まとめ:東京六大学野球2026年の注目点と観戦前に知るべきこと
東京六大学野球は、1925年に現在の6大学によるリーグ戦が始まって以来、100年以上の歴史を積み重ねてきた大学スポーツの伝統的な大会だ。
2026年春季リーグでは慶應義塾大学が5季ぶり41回目の優勝を達成。全国大会でも準優勝という結果を残した。
一方、秋季リーグは11月1日時点で慶大と明大が優勝争いを続け、最終週の早慶戦を残している。
【プロの結論】
東京六大学野球を理解するうえで、押さえておきたい要点は3つある。
第一に、順位表を見る際は勝利数だけでなく、勝ち点と勝率をセットで確認すること。2勝先取の勝ち点制では、対戦カードを制することが非常に重要になる。
第二に、歴代優勝回数と現在のチーム力を混同しないこと。早稲田大学が最多優勝を誇る一方、2026年春季は慶應義塾大学が頂点に立った。シーズンごとの戦力や結果を追うことが、リーグ観戦の醍醐味だ。
第三に、早慶戦だけでなく、6大学すべての対戦に注目すること。優勝争いは早慶戦以外のカードによっても大きく動く。東京大学を含む6校それぞれの戦いを追うことで、リーグ全体の面白さが見えてくる。
2026年秋季リーグの最終盤、神宮球場でどの大学が最後に笑うのか。100年を超える伝統を持つ東京六大学野球の今季の結末に注目したい。
主な参照資料: 東京六大学野球連盟公式記録、BIG6 Scorebook、慶應義塾公式発表、早稲田大学の早慶戦史料。